政策と活動

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「医療崩壊」を防ぐために PCR検査体制の充実を急げ

 新型コロナウイルス対策にかかわって、さいたま市のPCR 検査が一向に増えない現状について10 日、市の保健所長が「病床が満杯になるのを避けるため条件を厳しめにやった」と発言したことが大きな問題になりました。市長は「誤解を招く発言。おわびしたい」と謝罪。20 日にPCR 検査機(1 台)などの購入を発表しました。さいたま市の検査数は川口市よりも少なく、検査体制の強化は急務です。

 

 市は、感染症病床数を21 床から今後50 床増やし71 床にするとしていますが、増え続ける感染者を全員入院させることはできません。これからは、検査数を飛躍的に増やすとともに、重症者は入院、軽症者は指定施設等での隔離を徹底させることが重要です。市立病院旧病棟を含めた公共施設の活用も求めています。

 

 党市議団は「発熱外来」の設置をはじめ、医師が必要と認めた場合すぐに検査ができる「PCR 検査センター」を設置し、民間検査機関の活用などで検査体制を充実させることを強く求めています。

 

 そもそもさいたま市は政令市中、埼玉県は全都道府県中、人口あたりの医師数・病床数が最下位で、従来から医療体制が脆弱な状態にあり、今回その脆弱さが一気に露呈しました。市の保健所が検査を絞りすぎていたことは問題ですが、元をただせば国が検査を絞っていたこと、埼玉の医療体制不足が背景にあります。病院や病床数の削減を自治体に求める国の地域医療構想は撤回させるべきです。

 

 一日も早い終息に向けて行政や市民のみなさんと力を合わせて全力でとりくみます。

学習支援事業 これからも子どもたちの居場所として

 さいたま市学習支援事業は、2012 年以来、生活困窮世帯の中高生の学習支援にとりくんできました。さまざまな課題を抱える子どもたちの居場所にもなっており、現在は13 教室に広がっています。

 

 2018 年度までは市内のNPO 法人「さいたまユースサポートネット」が受託してきましたが、2019 年度、これまでの入札方法であるプロポーザル方式から一般競争入札に変更したことで、委託先が大手塾産業に変更。学習教室の開始が遅れる事態が起こり、利用する保護者や生徒の混乱を招きました。

 

 これを受け、党市議団は2019 年6 月議会で「学習支援事業は居場所支援などの福祉的な視点が求められる事業。価格のみで委託先を決める一般競争入札は学習支援事業の選定方法になじまない」として、選定方法の見直しを求めました。

 

 市は、昨年7 月に利用生徒にアンケートを実施し、「居場所を求める子どものニーズを満たせる環境をつくれなかった」「事業の提案内容で委託先を決めるプロポーザル方式を考えている」などと変化。2020 年度は「公募型プロポーザル」方式に戻し、単年度契約から3 年契約とすることが決まり、かつてのNPO 法人のみが参加、委託が決定しました。

新型コロナウィルスで休校 保護者や学童に大きな負担

 安倍首相の突然の「全国一斉休校」要請を受け、さいたま市教育委員会は3月2 日から市内小・中学校および市立高校を一斉休校にしました。

 

 休校を受け、学童利用児童、保護者が病気加療中の場合などは学校で受け入れることとなりました。ただし、「独立行政法人日本スポーツ振興センターの給付対象にならない」とのことで、保護者は「給付の対象とならない旨を了承した同意書」を記入し、子どもを預けました。

 

 ところが3 月3 日、緑区の保護者から「学校での子どもたちの過ごし方がひどい」などの声が市議団に届きました。私語や立ち歩きは禁止、図書室の本は貸さない、校庭の使用は禁止、学習プリントなども用意しない、教員は子どもたちを監視しているだけなどの状況が報告されました。

 

 松村としお市議は寄せられた声を教育委員会に届けるとともに、各学校の状況をつかみ、子どもたちの過ごし方を改善するよう、またスポーツ振興センターの給付対象とするよう申し入れました。3日夜、教育委員会より「給付対象となった」旨の一斉メールが保護者に届きました。

 

 また、松村市議、金子あきよ市議がそれぞれ地元の学童保育を視察。支援員から「体制を整えて朝8 時から学童を開けるようにしたが、1 日1 万200 円では人件費にも満たない」「マスクや消毒用アルコール、トイレットペーパーなどの物資不足が不安」などの声を聞きました。

 

 そのため、2 月議会の予算委員会で、国が示している補助額(朝から開所した場合に1 学童あたり日額1 万200 円)の増額と、マスクなどの物資の支援を求めました。その後、追加補助額が3 万200 円に増額、市が備蓄していたマスクの配布も決定となり、安堵の声が広がっています。みなさんの要望や情報をお寄せください。

2020年度予算組み換えを提案 市民負担の軽減でくらしを守れ

予算組み替え提案を提出する党市議団

 党市議団は2 月7 日に「2020 年度予算組み替え要求」を市長に提出しました(財政部長が対応)。2020 年度予算案は、一般会計5627 億円(前年比1.1%増)、特別会計3167 億円(同1.6%増)、企業会計1264億円(同8.4%減)で総額1 兆58 億円(同0.1%減)の予算規模です。その中身は、大型開発やビッグイベントに多額の税金を投入しながら、多額の基金(貯金)をため込むもので、福祉や子育て、地域経済振興は不十分なまま放置されています。

 

 党市議団は、2020 年度予算案を見直し、予算全体の約2.3%にあたる210 億5600万円の使い方を変えれば、市民のくらしを応援する施策を充実できることを示しました(表)。

 

 

 組み替え提案では、各種基金の取り崩しや繰越金、再開発にかかる費用、公共施設マネジメント積立金、ビッグイベントなどで歳出カットをおこない、財源を生み出します。

 

 国民健康保険税(国保税)が4 年連続で値上げされ、2026 年まで連続値上げの計画がすすめられています。国保税の値上げは4億5000 万円で回避でき、25 億5000 万円あれば、子どもの均等割りをやめ、大人についても引き下げを実現できます。また、上下水道料金や公共施設使用料金は、約48 億円で消費税分の引き下げができます。4 月からの小中学校の給食費値上げも、8 億円で保護者負担を回避し、値下げもできます。今回、災害対策・被災者支援についても新たに盛り込みました。

 

 党市議団はくらし・福祉最優先に税金を使うため財政上の対案を「予算組み替え」というかたちで、毎年市に示しています。引き続き、予算委員会等の議会論戦を通じて市民要求実現に力を尽くします。

吉田一郎市議へ断固抗議する

 吉田一郎市議(北区選出・無所属)が発行した「市政レポート2020 年1 月特別号」において、党市議団のとばめぐみ市議にかかわって事実に反する記事を掲載したことについて、断固抗議します。

 

 吉田市議は、2018 年2 月議会の文教委員会で質問に答えた市立図書館の館長に対して「首をつって死ね」と発言し辞職勧告を受けたり、同年9 月議会では車いすを使用する傳田ひろみ市議(北区選出・民主改革さいたま市議団)に対して「ブルジョア障害者」などと発言し、議長から厳重注意を受けるなど、品位に欠ける発言をくりかえしてきました。

 

 今回の事実に反する記事は、党市議団やとば市議に対する有権者からの信頼を深く傷つけるもので、許されません。1 月29 日に当人に対して抗議し、抗議文(以下)を渡しました。

 

 

「吉田一郎市政レポート 2020 年1 月特別号」への抗議

日本共産党さいたま市議会議員団 団長 神田義行

 

 吉田一郎市議が発行した「市政レポート 2020 年1 月特別号」において「2 日間の攻防戦で自民や共産が分裂」と中見出しをたて、党市議団のとばめぐみ市議が議案採決に欠席したことをもって「造反議員」と事実に反する記事を書いたことに抗議します。

 

 2019 年12 月議会最終日(12 月20 日)の採決当日、とば市議は交通事故及びその後の処理に時間がかかったことにより、議案採決の時間に間に合いませんでした。吉田市議が「市政レポート」でとば市議の欠席をもって「共産が分裂」「造反議員」と書いたことは一方的な決めつけで事実に反します。

 

 よって党市議団は虚偽の記事を書いて配布した吉田市議に厳重に抗議するとともに、次号「市政レポート」での謝罪と訂正を求めます。

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