政策と活動

視察

ソーシャルファーム 医療の専門職の配置を

「わーくはぴねす農園さいたま岩槻」のハウスの中の様子

 8 月19 日、「わーくはぴねす農園さいたま岩槻」の利用者から夏場の作業について相談を受けたため、金子あきよ、とばめぐみの両市議が現場を視察しました。

 ここは、さいたま市が総合振興計画で「障がい者の働く場」と位置づけてとりくんでいる事業です。昨年6 月に開設され、17 社の企業に採用された105 名の障がい者が35棟のビニールハウスで水耕栽培をしています。開設から1年たち、農園はハウスも整い、農作物も実り、活気が感じられました。

 この日の気温は35℃、ハウス内は朝10時ですでに38℃でした。40℃を超えたら「危険な温度」としてハウスから出るよう指示されますが、この夏はハウスに5 分しかいられない日が何日もあったそうです。

 今後、ハウスをあらたに15 棟建設し、45名の障がい者の採用が決まっています。しかし、ここでは暑くても寒くても作業は水耕栽培のみ。障がい者の特性を理解し、体調を管理するための医療の専門職もいません。金子市議はこの問題を9 月議会の一般質問でとりあげ、専門職の配置を求めていきます。

さいたま市政検証vol.2 ひとごとじゃない とめよう児童虐待

市内の児童養護施設の施設長から話を聞くとばめぐみ市議(左)

 7 月、東京都大田区で、8 日間もひとりきりで家に置き去りにされた3 歳の女の子が亡くなりました。大変痛ましい事件です。

 

 今回のように母親が若く、ほかに養育者がいない場合、社会的な支援がどうしても必要です。大田区や通っていた保育所、要保護児童対策地域協議会の中で情報共有が適正にされていたのか、検証する必要があります。

 

 児童虐待防止法は2000 年11 月に施行されましたが、その後も児童虐待は増え続け、30 年連続で増加しています。全国212 カ所の児童相談所が対応した児童虐待相談件数は15 万9850 件、さいたま市では2937 件の虐待相談件数がありました(平成30 年度)。国として、すべての子どもの命を守り切るための対策が求められますが、不十分と言わざるをえません。

 

 党市議団はこれまで、虐待で亡くなる子どもをひとりも出さないという立場でさまざまな提案をおこない、とくに市内に2 つ目の児童相談所を増設するよう求めてきました。本市では今年4 月から、より迅速に対応するためとして児童相談所の組織を南部(旧浦和・与野)と北部(旧大宮・岩槻)のふたつの組織体制に変更しましたが、同じ建物の中であり、児童相談所を増やしたわけではありません。

 

妊娠期から切れ目のない支援を

 

 昨年、さいたま市女性の活躍を推進する議員連絡会が「世田谷版ネウボラ(※)」を視察し、とばめぐみと金子あきよの両市議が参加しました。

 

 世田谷区は「虐待防止と子育て支援はセットで行うべきである」との理念のもと、「世田谷区妊娠期から子育て家庭を支える切れ目のない支援検討委員会」を立ち上げ、地域と医療の連携で虐待を防ぐしくみ作りにとりくみました。そのなかで、専門家として日本助産師協会が大きな役割を果たしました。

 

 専門家を中心に据えた地域との連携は、区内5カ所の各総合支所の相談窓口に、保健師などの専門職で構成されたネウボラ・チームを設置し、妊娠期から子育て期の不安や悩みに対する相談支援をおこないます。また産前・産後サービスが利用できる1 万円分の子育て利用券を配布し、区が提供する産後ケアサービスや住民主体の子育て支援活動に利用でき、地域と繋がるきっかけとなっています。

 

 2019 年9 月議会の保健福祉委員会では、とばめぐみ市議が「世田谷版ネウボラから学び、さいたま市でも妊娠期からの切れ目のない支援のしくみを作るべき」と求めました。

 

児童養護施設は最後のとりで

 

 一時保護された子どもたちは、原則2 カ月以内に家庭復帰、または児童養護施設や里親等に措置されます。さいたま市内には3カ所の児童養護施設があります。

 

 7 月15 日、とばめぐみ市議は市内の児童養護施設を訪問し、現状と課題を調査しました。施設長からは、多くの課題を抱えた乳幼児から思春期まで、幅広い年齢の子どものケアをおこなう児童養護施設において、その処遇の低さから職員の確保が難しく、定員通りに子どもを受け入れるのが厳しい現状や、この間の新型コロナウイルス感染拡大にともなう一斉休校から、約3 カ月にわたり子どもたちが施設内で過ごすなかで、デジタル授業への対応の苦労等が切々と語られました。

 

 児童養護施設は、保護された子どもにとって最後のとりでです。ここで働く職員にも市の「保育士宿舎借り上げ支援事業」を適用させるなど、党市議団として抜本的な処遇改善にとりくみます。

 

※ネウボラとは? フィンランド発祥の、妊娠期から就学前まで、ひとりの母親につきひとりの専門職(助産師や保健師)が継続的に母子とその家族の相談・支援をおこなうしくみ

 

■子どもの虐待相談連絡先

・児童相談所虐待対応ダイヤル/24時間・365日通話料無料/℡ 189

 

・さいたま市北部児童相談所/平日8:30~18:00/℡ 048-711-3917

(西・北・大宮・見沼・岩槻区)

 

・さいたま市南部児童相談所/平日8:30~18:00/℡ 048-711-2489

(中央・桜・浦和・南・緑区)

 

・24時間児童虐待通告電話/24時間・365日/℡ 048-711-6824

 

■さいたま市の妊娠・出産・子育ての相談窓口

・妊娠・出産の電話相談/毎週火曜13:00~16:00/℡ 840-2217

 

・妊娠・出産包括支援センター:助産師等の母子保健相談員等専門の職員が妊娠の届出受理や母子手帳の交付をおこなう。妊娠・出産・育児に関する相談に対応/平日8:30~17:15

 西区(区役所1F)℡ 620-2705

 北区(区役所3F)℡ 669-6102

 大宮区(区役所4F)℡ 646-3100

 見沼区(区役所1F)℡ 681-6100

 中央区(区役所別館1F)℡ 840-6112

 桜区(区役所3F)℡ 856-6200

 浦和区(浦和区保健センター内)℡ 824-5000

 南区(サウスピア7F)℡ 844-7202

 緑区(区役所3F)℡ 712-1200

 岩槻区(ワッツ東館4F)℡ 790-0223

 

・保健センター:保健師が育児不安についての相談に対応/平日8:30~17:15

 西区役所保健センター ℡ 620-2700

 北区役所保健センター ℡ 669-6100

 大宮区役所保健センター ℡ 646-3100

 見沼区役所保健センター ℡ 681-6100

 中央区役所保健センター ℡ 840-6111

 桜区役所保健センター ℡ 856-6200

 浦和区役所保健センター ℡ 824-3971

 緑区役所保健センター ℡ 712-1200

 岩槻区役所保健センター ℡ 790-0222

 

・家庭児童相談室:児童に関する様々な相談を受付。匿名相談、電話相談も可/相談場所は各区役所支援課内/平日9:00~17:00(正午から13:00除く)

 西区支援課 ℡ 620-2663

 北区支援課 ℡ 669-6063

 大宮区支援課 ℡ 646-3063

 見沼区支援課 ℡ 681-6063

 中央区支援課 ℡ 840-6063

 桜区支援課 ℡ 856-6173

 浦和区支援課 ℡ 829-6144

 南区支援課 ℡ 844-7173

 緑区支援課 ℡ 712-1173

 岩槻区支援課 ℡ 790-0164

 

・子育て不安電話相談/平日10:00~16:00/℡ 881-0922

 

・なんでも子ども相談(あいぱれっと内):子どもに関するあらゆる相談。おおむね15歳までの子どもとその保護者、関係者向け/月・火・木・金曜10:30~18:30、土・日・祝9:00~16:30/℡ 762-7757/メール nandemo-kodomo@city.saitama.lg.jp

 

そのほかにも様々な分野の相談窓口があります。

https://www.city.saitama.jp/002/001/016/001/p033924.html

若者自立支援ルーム開設 若者の自立に向けて多面的にサポート

金子由美子所長から話を聞く(右から)金子あきよ、とばめぐみの両市議

 南区に、市で2カ所目の「若者自立支援ルーム」(さいたま市ユースサポートネットが受託運営)が開設され、とばめぐみ、金子あきよの両市議が視察をしました。

 

 若者自立支援ルームは、不登校や引きこもりなど社会に生きづらさを感じている16 ~39 歳の若者たちに、プログラムやイベント、居場所を提供しながら、自立を支援する施設です。学校や医療機関との連携を図り、家庭の問題、メンタル面での問題や障害などにも対応できるよう教職経験者や臨床心理士などの専門職も配置し、個別相談にも応じています。

 

木製のいすや机であたたかく明るい雰囲気の1階受付の前のロビー。

 

 金子市議は「自立支援ルームを訪れる若者の生活実態が、精神的にも経済的にも深刻な実態がよくわかった。コロナ禍で社会的困難が広がり、子どもの貧困も社会問題となる中、若者たちの自立に向けた活動を支えられるよう、行政としても連携を十分図れるようにしていく必要がある」と話しました。

とりうみ敏行の現場訪問 学童のねがい市に届け!

浦和区の放課後児童クラブ「木崎スピカ」の前で

 市内学童保育から懇談のご要望をいただき、11 月20 日に浦和区内の放課後児童クラブ「木崎ペガサス」と「木崎スピカ」を訪問しました。

 

 「現場を見てほしい」という保護者や指導員の思いを受け、19 時から懇談がスタート。両学童クラブは木崎小学校区内にありますが、年々児童数が増え続け、すでに定員オーバーで、来年度の受け入れが困難になっています。保護者や指導員は「大人総出で分離先(土地や借家)を探しているが見つからない」「来年度の保育料を決めるため、また指導員の確保のためにも国の処遇改善費300万円を満額活用してほしい」など、厳しく切実な運営実態をうかがいました。

 

 私からは、党市議議団がかねてから放課後児童クラブについて市議会で改善を求めてきたことを伝えつつ、市が責任をもってとりくむべき課題だとお伝えしました。

 

 要望を受けた、分離・新設への市のサポート、委託金の増額、公設の学童クラブの増設、AED の設置などについて、引き続き努力していきたいと思います。

台風19号 被災家屋の消毒は市の責任で

浦和市場で聞き取りをおこなう久保みき市議

 台風19 号は、各地に甚大な被害をもたらし、市内ではとくに桜区と中央区に深刻な被害が出ました。浦和卸売市場(桜区桜田)の被害は大きく、久保みき市議は改めて市場を訪問し、切実な要望を聞き取りました。市民の台所となっている市場ですから、市が責任をもって具体的な支援をすべきです。

 

 被災者から届く声でもっとも多いのは消毒についてです。さいたま市は道路などの消毒はおこなうものの、家屋の消毒はおこなわず被災者が自助努力でやらなければなりません。久保市議は「浸水した家屋の消毒は市が責任をもつべき。せめて消毒液の無料配布を実現したい」と語りました。

 

 被災者は精神的にも肉体的にも疲れ果ててしまっています。久保市議のもとには「家の前が湖のようになって水がどんどん流れてくる恐怖、深夜の避難指示のサイレンがトラウマとなって残り、未だ眠れない日々が続いている」といった話も寄せられました。また、母親と障がい者だけで家に残るしかなかった市民の方から「家族が離れる決断をせざるを得ず、心の傷となってしまった」との声も寄せられました。障がいの特性によっては指定避難場所に避難が困難な場合があります。障がい者家族がいっしょに安心して避難できる避難所整備が求められます。

 

 

さいたま市内の被害状況(2019年10月18日正午現在)

 

 さまざまな課題が浮きぼりとなった台風19 号の被害。市議会では災害対策調査特別委員会が発足され、党市議団から久保市議とたけこし市議が委員になりました。

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