議会報告

その他

4月臨時議会*新型コロナウイルス対策で補正予算

 さいたま市議会4 月臨時議会が4 月30 日から5 月8 日まで開かれます。新型コロナウイルス対策に関連した約300 億円の補正予算(市長専決含む)および給付金支給のための補正予算案(約1350 億円)が市長から出されました。おもな内容を紹介します。

 

PCR 検査体制の強化

 

 PCR 検査機器を新たに1 台購入(約5000万円)し、検査数を増やすとしています。また補正予算とは別に医師会との協力でPCR 検査センターを市内4 か所に設置することが報道発表されています。医師の判断で検査して検査数を抜本的に増やし、隔離・医療体制を充実させることで感染拡大を抑えていくことが求められています。

 

市民生活への支援

 

 市内中小企業への支援として市は無担保かつ3 年間無利子の「臨時資金融資」をはじめました。追加と合わせて約300 億円の規模となりましたが、応募が多く、すでに申し込みは締め切られました。市は「今後は国の融資制度を利用してほしい」としています。多くの自治体で中小業者へ給付金や補助金を緊急に出しており、本市でもこうした支援が強く求められます。ほかに雇用調整助成金の申請をする事業者を支援するため社会保険労務士の費用補助なども盛り込まれています。

 

 国の補正予算成立を受け、1 人10 万円給付と児童手当受給者への1 万円給付(子ども1人あたり)がおこなわれます。速やかな支給と相談体制整備が必要です。

 

 国民健康保険・後期高齢者医療保険で傷病手当を支給するための条例改正、市長等特別職給与の減額条例案も出されました。また議員提出議案として議員報酬削減条例等が審議されます。

全会派一致でまとまる 新型コロナウイルス対策を急げ

「新型コロナウイルス感染症に対する万全の対応を求める決議」について提案する神田よしゆき市議

 2 月議会6 件の意見書・決議がまとまりました。

 

 感染が広がっている新型コロナウイルス対策は急務です。また、党市議団として犯罪被害者支援条例の制定や気候非常事態宣言の制定については議会で求めてきたことから、決議がまとまったことを歓迎します。実効性のある内容になるよう、とりくんでいきます。 意見書・決議の本文については、さいたま市のホームページから見ることができます。ぜひご覧ください。

 

  • さいたま市へ

①新型コロナウイルス感染症に対する万全の対応を求める決議

 

②保育園での医療的ケア児の受け入れ体制の整備を求める意見書

 

③犯罪被害者支援条例の制定を求める決議

 

④気候非常事態宣言の制定を求める決議

 

  • 国へ

①新型コロナウイルス感染症対策の推進と財政支援等の拡充を求める意見書

 

②女子差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求める意見書

2月議会の議案が明らかに 国民健康保険税また値上げ

さいたま市内のごみ焼却施設(市ホームページより)

 2 月議会にかかる議案が提案されました。市長提出議案は予算議案、条例議案などあわせて94 件です。

 

 そのなかで、国民健康保険税の値上げ議案が出されました。国民健康保険税は、①基礎課税額②後期高齢者支援金等課税額③介護納付金課税額の3 種類からなります。今回の値上げ案は表のとおりです。

 

 

 この議案が可決されれば4 年連続の値上げとなり、高すぎる国保税の引き下げを求めてきた党市議団としては到底認められません。今後、議案質疑などで問題点を明らかにしていきます。

 

サーマルエネルギーセンターに567 億円

 

 市内に4 カ所ある廃棄物処理施設のうち、西部環境センターおよび東部環境センターの2 施設を統廃合し、サーマルエネルギーセンターを新設するとして工事請負契約の議案が提出されました。建設費(5 年)と運営費(15年間)で567 億円になります。

 

 

 党市議団は、建設の際はシャフト炉式ガス化溶融炉方式ではなくストーカ炉方式を採用するよう求めてきましたが、市はストーカ炉方式を採用しました。今後、議会のなかで詳細を確認していきます。

 

■シャフト炉式ガス化溶融炉方式…1300 度以上の高温でごみを燃焼し、最後には灰ではなく「溶融スラグ・メタル」が残る。溶融スラグはアスファルトの原料になる。燃料にコークスを使うため、コークス代が高いこととCO2 を排出するという欠点がある。

 

■ストーカ炉方式…火格子を階段状に並べた燃焼装置。階段状の火格子が前後に動くことで、ごみと空気が効率的に接触でき、「ごみ」という不均質な性状なものでも安定して燃焼させることができる。

2月議会 市民の願い実現へ全力

3 件の請願の紹介議員に

 

 党市議団は2 月議会に提出された請願のうち、3 件の請願の紹介議員になりました。請願は2 月17 日~ 19 日でおこなわれる常任委員会に付託されたのち、審査・討論がおこなわれます。党市議団は請願の採択のため、全力をあげます。

 

■芝川、綾瀬川流域への狩野川台風級の豪雨に対する大規模水害対策を早急に講じることを求める (請願者:緑区革新懇)

■特別養護老人ホーム待機者をゼロにするよう求める請願 (請願者:さいたま市社保協)

■学校給食費の値上げを保護者負担としないように求める請願 (請願者:個人)

 

3 件の意見書(案)を提出

 

 また、党市議団として3 件の意見書案を議会運営委員会に提出しました。議会運営委員会で協議されたのち、全会派で一致すれば国に送致されます。

 

① 地球温暖化対策のさらなる強化を求める意見書(案)

②「仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に関する条約」の批准を求める意見書(案)

③ 公平・公正な大学入試改革を求める意見書(案)

さいたま市本庁舎整備で3 カ所の候補地 課題多く整備可能か不透明

さいたま市本庁舎整備検討調査 報告書【概要版】

 本庁舎の規模、位置、機能など、本庁舎整備に関する基本的な考え方を審議する、「さいたま市本庁舎整備審議会」が2018 年に答申を出したことを受けて、実際に整備可能な地区がさいたま新都心周辺にあるかを検討した「さいたま市本庁舎整備検討調査報告書」が、昨年12月にまとまりました。

 

 候補の地区は「効果的、効率的な行政運営が行える庁舎」「防災中枢拠点として災害に対応できる庁舎」などの7点の機能を有し、規模は床面積4万㎡、さいたま新都心駅周辺を条件に検討されました。

 

 

 報告書は適地として、①食肉中央卸売市場他街区(大宮区吉敷町2 丁目 4 万3770 ㎡)②コクーン2、3 街区(吉敷町4 丁目 6 万7796 ㎡)③さいたま新都心バスターミナル他(北袋町1 丁目 1 万7317 ㎡)の3 街区をあげています。ただし、どの候補地についても、開発ができる状況にあるか、土地の買収ができるかなど、多くの課題を残しており、実際に本庁舎の整備ができるかは不透明です。

 

 

さいたま市本庁舎整備検討調査報告書【概要版】さいたま市HPより

https://www.city.saitama.jp/006/007/001/p068748_d/fil/1910_kekkahoukokusyo.pdf

 

 議会としては、この調査報告書等も参考にして、本庁舎や各区役所の在り方、本庁舎の機能、規模、コストなどを特別委員会で議論します。

 

 日本共産党市議団は、数百億もの莫大な費用をかけた新庁舎が必要なのかも含め、慎重に検討していきます。

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