議会報告

金子あきよ

9月議会*文教 ハイブリッド授業で学校現場の負担増大

文教委員会資料より

 9 月13 日、文教委員会で、市立学校の2学期開始にあたり新型コロナ対策として学校の授業と自宅でのオンライン授業を併せた「ハイブリッド授業」を実施した件等に関して報告があり、金子あきよ、たけこし連の両市議が出席しました。

 市立学校の児童生徒の8 月の感染者数は563 人と急増しています(図)。こうしたなか、緊急事態宣言下でも「学びを止めない」と教育長が銘打って実施されたのが「ハイブリッド授業」です。学校現場にこのことが知らされたのは2学期開始直前の8 月24 日、保護者と同じタイミングでした。そのため、準備期間が圧倒的に足りませんでした。しかもオンラインを希望した児童生徒は小学校21%、中学校12%と必ずしも多くありません。これで感染対策といえるのか、保護者から疑問の声が寄せられています。

 たけこし市議は、回線が繋がらず画面や音声が途切れるなどのトラブル、インターネット環境整備の経済的負担のためにオンラインを選べない家庭が発生していること、利用されているオンラインシステム(Teams) で子どもの権利侵害が起きている事案について指摘、市教委の対応を質しました。また金子市議は「教室とオンラインで提示する資料や連絡事項を別々に用意するなど、作業量は通常の1. 5~2倍かかる」という教員の声を紹介しながら、時間外勤務がどのくらい増えたのか、と質問しましたが、市教委は「実態を把握していない」と答弁しました。金子市議は「先生方の頑張りに頼るだけでなく、予算と人を増やすべき」と求めました。

9月議会*一般質問 義務教育学校の計画は撤回を 子ども・地域にあたえる影響は深刻

本会議で一般質問をおこなう金子あきよ市議

 9 月8 日、9 月議会本会議にて金子あきよ市議が一般質問に立ちました。義務教育学校「武蔵浦和学園」の計画について、3 点にわたって問題点を指摘、市と教育委員会の見解を質しました。

 

 大規模校の解消にならない義務教育学校 

 

 全体で3600 人、80 〜90 学級が想定されている今回の計画は、法律施行令に定められた義務教育学校の適正規模(18〜27学級)に合致しないのではないか、との質問に、教育長は「文科省より地域の実態その他により
弾力的な運用をおこなうものとの回答を得ている。学級数のみをもって適正規模に合致しないということはない」と答弁しました。しかし金子市議は、茨城県つくば市の義務教育学校では児童生徒数が多すぎて、プールの授業も組むことができない、図書室の本を借りる日が、学年やクラスごとに週に1 回と決められている、休み時間のトイレも行列になるなどの深刻な実態を紹介し、この教訓にこそ学ぶべきではないか、と質しました。

 教育長は、学園を700 〜800 人単位の5つのユニットで構成する、というユニット制の導入によって「大きいけれどもアットホームな学校」「大きい学校であってもきめ細やかな教育」を目指す、という構想を示しました。金子市議はこれに対して、義務教育学校「武蔵浦和学園」は、選択して入る学校ではなく地域の学校であり、そこで新しいことを工夫してやらなければならない、という状況は子どもたちに負担と混乱をもたらすことになる、と批判しました。

 

「小6 問題」リーダーの役割を発揮できない

 金子市議は、これまで小中一貫校の子ども調査結果をもとに、「小6 問題」の顕在化を指摘しました。つくば市教育評価懇談会がおこなった調査報告書「つくば市の小中一貫教育の成果と課題」で「子ども同士や教師との対人関係、支援関係、レジリエンス(くじけても負けない力)などにおいて、一体型校の指数は相対的に低く、この傾向は6 年生において顕著に見られた」と、義務教育学校の整備に対する警鐘を発したとして、武蔵浦和学園の計画においてはこうした問題点が無視されているのではないかと見解を求めました。教育長は文科省の小中一貫校を対象にした調査結果を示し、小・中学校の接続に成果が認められている、と答弁しました。金子市議は、「実際に制度を運用してきた学校教員に対する調査では否定的な回答は出にくい。だからこそ、子どもたち自身の声、保護者の声を聞くことが大切なので、調査をしっかり踏まえるべき」と求めました。

 

プール存続求める市民の声を聞くべき 
 
 この義務教育学校の計画は沼影市民プールを廃止することが前提ですが、市民からは存続を求める強い声が上がっています。市のスポーツ界にとっても貴重なプールの廃止は、市にとって甚大な損失となり、市長の目指す「笑顔あふれる日本一のスポーツ先進都市」の実現と矛盾するのではないか、プールを利用している市民は「市長はプールに来て実態を見てほしい」と言っている、その声にどう応えるのか、と市長の見解をただしました。市長は、「(2028 年度の学校開設以降に)隣接地に体育館とプールを整備予定」として、6 年以上におよぶ工事期間中プールが使えなくなることについてはまともな答弁をしませんでした。

 金子市議は、「義務教育学校計画は、この地域の教育環境を改善することにも、子どもたちの健やかな成長と発達に寄与することにもならず、むしろ地域住民の文化と健康を損ね、分断をもたらす結果を招く。義務教育学校の計画は撤回し、適切な分離新設のための土地を確保する努力をすべき」と求めましたが、教育委員会は計画推進のメリットを主張する答弁を繰り返しました。金子市議は、引き続き、住民とともに義務教育学校計画の問題点を明らかにしていく、と表明しました。

 金子市議はこの他、放課後児童クラブ保育料の公民格差解消、南消防署(南区根岸)の早期建て替えを強く求めました。

 

■さいたま市議会インターネット議会中継(録画)

https://saitama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1875

9月議会*予算委員会 小規模企業者等給付金第3弾が実現 対象を拡大して支給を

予算委員会で質疑をおこなう金子あきよ市議

 9 月2 日、9 月議会の先議議案「令和3年度さいたま市一般会計補正予算」第6 号および第8 号について審議する予算委員会がひらかれ、神田よしゆき、金子あきよ両市議が出席しました。

 補正予算は、新型コロナウイルス感染症の影響によって打撃を受けている市内業者等に対する支援策を中心としたものになっています。飲食店等がおこなう販売促進や感染症対策に要する経費の一部を補助する「商店街振興事業」(約2.4 億円)、就労継続支援B 型事業所で働く障害者の減少した工賃分への支援金を支給する事業(約900 万円)などとともに、党市議団が市内業者のみなさんと共に求めてきた「小規模企業者等給付金」(1事業者あたり10 万円)の第3 弾(10 月中旬から受付開始予定)が提案されました。

 「小規模企業者等給付金」についての質疑で金子市議は、市内事業者でもさいたま市外に居住している方が給付の対象外とされていることについて、「どこからも支援が受けられない状況にある人に対し、支援の対象を拡大すべき」と求めました。神田市議は「国や県の支援金が全体として不十分な状況のなか、もう耐えられない、という事業者が増えてきている。市はできるだけ広範な事業者にこの給付金が行き渡るように努力をしてもらいたい」と求めました。市は、今年給付金を受給した事業者に対して、「勧奨通知と申請書、記入例などの文書を含めて発送する」と答弁しました。

 補正予算には、「さいたま応援プレミアム付商品券」事業、キャッシュレス決済のポイント還元による消費活性化キャンペーン事業が含まれています。これまでも新型コロナ感染症の感染拡大により売り上げが減少した飲食店などの消費を促すため、などとして複数回とりくまれてきました。しかし、実績を見ると、必ずしも市内中小業者の売り上げ向上に結びついているとは言えないこと、事業実施のための委託費が膨大になることなど、問題点もあります。今後の施策の実施には注視が必要です。

 いずれの議案も全会一致で採択されました。

9月議会*議案紹介 思い切った新型コロナ対策の拡充を

給付金の充実を求める要望書を提出する土建・民商のみなさんととりうみ敏行市議(左から3 人目・6 月23 日)

 9 月1 日から10 月15 日までの45 日間、9 月議会が開かれます。今議会も新型コロナ感染予防対策にとりくみながらの開催です。市長提出議案として40 件の議案が提出されました。一部紹介します。

 新型コロナ対策として、コロナ患者を受け入れる病床を確保し、患者を受け入れた医療機関に対し補助金を交付するために約10 億5350 万円、保険適用されたPCR 検査等にかかる費用等の自己負担分や入院医療費等を公費負担するために約6 億7000 万円がそれぞれ提出されました。

 また、離職等により経済的に困窮している方に対し、住居確保給付金を引き続き支給するために約6900 万円、就労をめざすひとり親(児童扶養手当受給者)に対して住宅費を無利子で貸し付ける事業に約1300 万円、就労継続支援B 型事業所ではたらく障がい者の減少した工賃分を支援するために約968 万円などがそれぞれ提出されました。

小規模企業者等に3 回目の給付金

 経済対策として、党市議団も求めてきた小規模企業者等支援給付金の3 回目の実施に向けた予算が提出されました。緊急事態宣言の再発出を受け、新型コロナの影響で売り上げが減少した市内小規模企業者等に対する市独自の経済支援策で、予算は14 億6800 万円です。党市議団として、思い切った新型コロナ対策の拡充を求めて、議案審査に臨みます。

6月議会*文教 夜間中学希望者の実態調査を求める

文教委員会で質疑をおこなう金子あきよ市議

 6 月21 日、金子あきよ市議は、夜間中学に通う市民の実態について質しました。限られた施設のなかで運営されている自主夜間中学は、コロナ禍で利用者を絞らざるを得ず、その結果、行き場をなくしてしまった市民がいます。金子市議は「本市にも市立夜間中学校を早急に設置すべき」と求めました。

 市教育委員会は「入級を希望する人数、目的、国籍などを正確に把握する必要がある」として明確な答弁を避けました。金子市議は、他の自治体の例も挙げ、実態把握のためのアンケート調査の実施を提案しました。

 

 また、来年度より始まる小学校の35 人学級の実施にともなう教室整備について質し、今後4 年間で増える学級数は216 学級、学級増になる学校数は57 校の見込みであることがわかりました(行政区ごとの数は下表)。

 

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