議会報告

松村としお

2月議会*まちづくり 水道料金滞納は貧困のシグナル

まちづくり委員会で議案外質問をおこなう松村としお市議

 2 月18 日、2 月議会のまちづくり委員会で、松村としお市議は水道局と福祉課との連携について質問しました。

 

 この数年、水道料金の滞納件数は20 〜21 万件、未納率6%、給水停止は毎年6000 件を超えています。市は2012 年に「要支援世帯の早期発見のための通報等ガイドライン」をつくり、水道局をはじめさまざまな業者と協定を結んでいます。しかし、水道局でのガイドラインに基づく福祉課への通報は9 件のみです。

 

松村 滞納や給水停止がガイドラインと結びついていない。料金徴収を通じて生活困窮者の情報をキャッチできる水道局は特別の役割がある。滞納は生活の異変や、生活困窮のシグナルとしてとらえ、通報等ガイドラインにつなげていくことが必要だ。

 

水道局 滞納をもって生活困窮にあると判断するのは非常に難しい。

 

松村 ガイドラインに滞納について規定がないのが問題。水道局については滞納者も対象とするよう見直しを。

 

水道局 福祉課(保健福祉局)にその旨伝えたい。

 

 松村市議はほかに羽田空港着陸新ルートが3 月末から実施されることについて質問。2月におこなわれた試験飛行で市に26 件の苦情・問い合わせが寄せられたことを明らかにし、危険な新ルートの見直しを国に求めるよう質しました。

福祉・教育・地域経済を重点にしたさいたま市へ

総合振興計画(案)について「市の基本的計画の在り方検討特別委員会」で質疑をおこなう松村としお市議

総合振興計画(案)を特別委員会で議論

 

 さいたま市では「総合振興計画」という市の基本方向を定める文書にもとづいて市政がおこなわれています。

 

 現在の計画期間が2020 年度で終了するため、「市総合振興計画審議会」で次期10年の計画を議論してきました。昨年11 月、「次期総合振興計画(案)」が答申として市長に提出されたことを受け、12 月に議会として「市の基本的計画の在り方検討特別委員会」を立ち上げました。2 月14 日から本格的な議論がはじまり、党市議団から松村としお市議が質問をおこないました。

 

 この日は次期計画案の「第1部 計画の全体像」「第2 部 重点戦略」という総論的な部分が対象とされました。

 

 松村市議は「将来都市像」に「福祉・教育や地域経済活性化・市民所得の向上を書き込むべき」と求めました。市はいずれも次期計画案後半の個別施策の部分で触れていると答弁しましたが、松村市議は「将来の都市像として目指すべきところとして提起した」と重ねて求めました。

 

 

10 区均衡のとれたまちづくりこそ

 

 次期計画案には「将来都市構造の基本的な考え方」で引き続き「2 都心4 副都心」を「拠点」として位置付け、大型開発を続けることが盛り込まれています。

 

 松村市議が「合併以来6300 億円もの巨費を投じてきた都心開発だがどのような検証をしたのか」と質問したのに対し、市は「駅の乗降客数が増えている」としか答弁できませんでした。

 

 松村市議は「拠点開発と位置付けることで無制限の財政投入を正当化し、他の地域が置き去りになっている。10 区が均衡のとれた都市構造を目指すことを明記すべきだ」と主張しましたが、市は見直さない考えを示しました。

 

 2 月議会で引き続き議論を続け、特別委員会の意見をまとめる予定です。

2月議会*議案質疑 厳しい市民生活と財政のゆがみが明らかに

本会議で議案質疑をおこなう松村としお市議

新年度予算は福祉カットと負担増

 2 月5 日、2 月議会市長提出議案に対する総括質疑に松村としお市議が立ちました。松村市議は2020 年度当初予算の特徴を明らかにするため、国の税制改正の影響や市民の暮らしの現状などについて質しました。

 

消費税増税と法人税減税

 

 新年度予算では昨年10 月の消費税増税で約26 億円増収の一方、法人市民税減税(3.7%引き下げ)で35 億円の減収です。松村市議は「市の経済動向調査では景況が厳しいと予想している」と指摘し、法人市民税への影響を確認したところ、市は「業績予想を参考に推計し6 億円の減収を見込んでいる」と答弁。あわせて41 億円の減収で、国の税制改正のゆがみと景気悪化の影響があらわれています。なお、国が新しく創設した法人事業税交付金がさいたま市に約19 億円きますが、法人税率引き下げより少なく、消費税増税で穴埋めしているかたちが明らかになりました。

 

労働者も高齢者も収入減に

 

 来年度の市民所得の見込みについての質問に、市は平均給与所得は約373.3 万円、65歳以上(高齢者)平均所得は約138.4 万円と答弁しました。

 

 平均給与所得は最近5 年以上連続で微増を続けていましたが、新年度では減少に転じることについて要因をたずねると、「厚労省の統計数値が2019 年1 月から9 月の平均値で0.4%減になっていることを踏まえた」と答弁。高齢者所得も昨年から約10 万円減少しています。市民のくらしもいっそう厳しくなる状況が浮かび上がりました。

 

大型開発への集中と福祉削減

 

 さいたま市は合併以来2 都心4 副都心開発をまちづくりの中心構想として位置づけ推進してきました。新年度予算で約96 億円(表1)、合併以来累計で約6275 億円を使ってきました。

 

 一方で、高齢者・障害者・難病患者への福祉・医療支援のカットが新年度予算で約25.5 億円(表2)、清水市長就任以来、約132.7 億円になることが明らかになりました。市は「厳しい財政事情」を言いますが、税金の使い方に問題があるのが実態です。

 

 

国民健康保険税4 年連続値上げ

 

 市民の暮らしが厳しいなか、市は4 月から小中学校の給食費や国保税の値上げを計画しています。

 

 国保税の負担増は課税限度額と税率引き上げで約4.5 億円、均等割り減額見直しで約1500 万円になります。4 年連続値上げによる市民負担増の累計は約16.7 億円になります。昨年の消費税増税と所得減が見込まれるもとでのさらなる市民負担増は大問題です。

 

 市長は12 月議会でボーナスを引き上げながら市民には負担増というのも道理がありません。今後、代表質問や各常任委員会、予算委員会で市民のくらしを大切にする立場から追及していきます。

2月議会 市民の願い実現へ全力

3 件の請願の紹介議員に

 

 党市議団は2 月議会に提出された請願のうち、3 件の請願の紹介議員になりました。請願は2 月17 日~ 19 日でおこなわれる常任委員会に付託されたのち、審査・討論がおこなわれます。党市議団は請願の採択のため、全力をあげます。

 

■芝川、綾瀬川流域への狩野川台風級の豪雨に対する大規模水害対策を早急に講じることを求める (請願者:緑区革新懇)

■特別養護老人ホーム待機者をゼロにするよう求める請願 (請願者:さいたま市社保協)

■学校給食費の値上げを保護者負担としないように求める請願 (請願者:個人)

 

3 件の意見書(案)を提出

 

 また、党市議団として3 件の意見書案を議会運営委員会に提出しました。議会運営委員会で協議されたのち、全会派で一致すれば国に送致されます。

 

① 地球温暖化対策のさらなる強化を求める意見書(案)

②「仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に関する条約」の批准を求める意見書(案)

③ 公平・公正な大学入試改革を求める意見書(案)

さいたま市本庁舎整備で3 カ所の候補地 課題多く整備可能か不透明

さいたま市本庁舎整備検討調査 報告書【概要版】

 本庁舎の規模、位置、機能など、本庁舎整備に関する基本的な考え方を審議する、「さいたま市本庁舎整備審議会」が2018 年に答申を出したことを受けて、実際に整備可能な地区がさいたま新都心周辺にあるかを検討した「さいたま市本庁舎整備検討調査報告書」が、昨年12月にまとまりました。

 

 候補の地区は「効果的、効率的な行政運営が行える庁舎」「防災中枢拠点として災害に対応できる庁舎」などの7点の機能を有し、規模は床面積4万㎡、さいたま新都心駅周辺を条件に検討されました。

 

 

 報告書は適地として、①食肉中央卸売市場他街区(大宮区吉敷町2 丁目 4 万3770 ㎡)②コクーン2、3 街区(吉敷町4 丁目 6 万7796 ㎡)③さいたま新都心バスターミナル他(北袋町1 丁目 1 万7317 ㎡)の3 街区をあげています。ただし、どの候補地についても、開発ができる状況にあるか、土地の買収ができるかなど、多くの課題を残しており、実際に本庁舎の整備ができるかは不透明です。

 

 

さいたま市本庁舎整備検討調査報告書【概要版】さいたま市HPより

https://www.city.saitama.jp/006/007/001/p068748_d/fil/1910_kekkahoukokusyo.pdf

 

 議会としては、この調査報告書等も参考にして、本庁舎や各区役所の在り方、本庁舎の機能、規模、コストなどを特別委員会で議論します。

 

 日本共産党市議団は、数百億もの莫大な費用をかけた新庁舎が必要なのかも含め、慎重に検討していきます。

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