議会報告

代表・一般質問

2026年9月議会*代表質問 市民の声を置き去りにする市政の転換を

代表質問をおこなうとばめぐみ市議

9月8日、9月議会本会議で、とばめぐみ市議が代表質問に立ち、市民の暮らしと地域の将来にかかわる課題について質しました。浮き彫りになったのは、市民の切実な声や質問に正面から答えず、すでに決めた方針を繰り返す市の姿勢でした。

 

議会答弁と正反対

食肉市場・と畜場の廃止

 

市は2025年9月議会で、食肉市場の移転再整備を「公設で進める方向」、現施設の廃止は「まだ検討していない」と答弁しました。ところが、わずか40日後、庁内の都市経営戦略会議で移転中止と現施設の廃止を決定しました。とば市議は、いつ、誰が、どの資料に基づいて方針を転換したのかを明らかにするよう求めました。しかし市は「最後まで検討した」「廃止せざるを得ない」と繰り返すだけで、質問には答えませんでした。

党市議団が農林水産省に申し入れした際にも担当者は、卸売市場の公共的役割は変わっていないと明言し、「現場に説明もなく廃止を公表するやり方は見たことがない」と市の姿勢を厳しく指摘。埼玉県も、廃止予算を示す前に相談してほしかったとしています。食肉中央卸売市場・と畜場は、食肉の安全性を確保し、適正な価格をつくり、生産者や流通、雇用を支える公共施設であるため、単に「赤字だから廃止」ですむ問題ではありません。とば市議は、廃止方針をいったん白紙に戻し、情報をすべて公開したうえで、関係者、国、県、議会、市民との協議をやり直し、事業存続も含めて検討するよう要求しました。

 

医療的ケア児の通園バス実現を急げ

 

医療的ケア児等支援法は「保護者が付き添わなくても通園・通学できる体制づくりと、家族の身体的・精神的負担の軽減を自治体の責務」としています。

さいたま市立特別支援学校では今年度、福祉車両に看護師が同乗する通学支援がはじまりました。対象28人のうち10人が申請し、希望者全員が利用できていることが明らかになりました。保護者の長年の願いがみのった重要な前進です。一方、ひまわり学園の通園バスは、医療的ケア児がいまも利用できません。とば市議は「親が毎日送迎しなければ、子どもが通うことさえできない状況を放置してはならない」として期限を決めて看護師の同乗を具体化するよう迫りました。

 

アライグマ被害の対策を

 

市内のアライグマ捕獲数は、2020年度の605頭から2025年度には1345頭へ倍増。見沼区でも「寝室まではいってきた」「飼い猫が襲われそうになった」との相談が相次ぎ、駆除のために民間業者に数十万円支払った市民がいます。

ところが市は、ホームページの相談案内を「敷地内でよく見かけた場合」から「住み着いた場合」へ変更しました。とば市議が変更理由を質したところ、「限られた体制で、被害が出たケースを優先するため」と答弁しました。これは、職員体制が足りないために相談対象を狭め、その負担を市民に押しつけるものです。目撃段階から相談を受け、早期捕獲につなげるため、専門職員の増員と体制強化、市民が負担した高額費用への対応を求めました。

 

「生活保護は権利」

知らせるポスターつくれ

 

生活保護制度は憲法第25条に基づく権利です。とば市議は、制度を周知するポスターの作成を求めました。しかし市は周知の必要性は認めつつも、ポスターについては「国が作成すべき」と拒みました。

最高裁判決を受けた生活保護費の追加給付も、現在保護を利用していない人には個別通知されず、みずから申し出なければなりません。制度を知らなければ申請することも、給付を受けることもできません。国任せにせず、必要な人にあらゆる手段で情報を届ける努力を、と市に求めました。

また、とば市議は、食肉市場の移転が中止された宮ヶ谷塔(見沼区)について、周辺農地と道の駅を生かした都市農業公園を提案しました。しかし市は「さまざまな可能性を検討する」と述べるだけで、農業公園を選択肢に位置づけることには答えませんでした。いまある農地を守り、農業、教育、福祉、防災、地域交流に生かす検討が必要です。

最後に七里駅北口の桜について、とば市議は、伐採の予算がついたことをとりあげ「市民団体との話し合いも、食い違う樹木医調査の検証もおこなわれていない。このまま伐採するのか」と質し、協議と検証が終わるまで予算執行を止めるよう求めましたが市は「伐採はやむを得ない」とくり返しました。

質問を終えたとば市議は、「結論ありきで市民の声を置き去りにする市政のあり方は問題だ。今後も情報公開と市民参加を基本にする市政への転換を求めていく」と述べました。

2026年9月議会*代表質問 アンケートで寄せられた市民の声を届ける

代表質問をおこなう金子あきよ市議

9月7日、金子あきよ市議が本会議で代表質問に立ち、4月から市議団として実施してきた市民アンケートをもとに、寄せられている市民の声にさいたま市はどう応えるのか、質問しました。

 

物価高騰と市民の願い

 

金子 2022年以降続いている物価高騰が、市民の暮らしを大きく圧迫していることは誰もが認めること。市民アンケートでは多くの人が市に対して物価高騰対策を求めているが、そのうち「プレミアム付きデジタル商品券」など、市民アプリ関連の施策が「すべての人に行き渡る」ものではない、との声が多数寄せられた。マイナンバーカードを持っていなければ応募もできないし、高齢者などのデジタル弱者からすると手が出せない。これらの声をどう受け止めるのか。また、市民の強い願いは公共料金等の市民負担の引き下げだ。そこで水道料金の基本料金無料の再度の実施、0~2歳の保育料無償化、中学校の給食費無償化、高齢者への交通費助成(お出かけ応援制度)の実施を求める。

清水市長 (市が実施してきた物価高騰対策について)水道基本料金の無償化については、手続きが不要であり早期に幅広い市民のみなさまに生活支援を届けることができた。また、さいたま市みんなのアプリを活用した事業についても手続きの簡素化と迅速なデジタル商品券の配布を実現し、幅広い年代の市民のみなさまに支援効果を届けることができたものと認識をしている。御党が実施された市民アンケートの結果は、物価高の長期化に不安を感じるなかで、生活に直結する負担軽減策への期待が大きいことを示すものであろうかと受け止めている。本市としても、市民のみなさまの声に応えていくことが重要と認識しているが、一方で、持続可能で規律ある財政運営の観点、また適正な受益者負担の観点も考慮する必要がある。

市長はこのように答弁し、市民負担引き下げの施策はできない、と表明しました。

 

身近な公共施設の充実を

 

金子 アンケート項目のなかで「市に力を入れてほしい政策」で、身近な公共施設の整備を求める回答が多くあった。公民館トイレの洋式化やエレベーターの設置の要望、これが公民館のリフレッシュ工事がさまざまな理由で遅れていることで先延ばしになっている。子育て世代からは、大規模公園よりも身近な公園がもっとほしい、今ある公園にトイレやオムツ換えスペース、暑さよけのひさしを設置してほしいとの声が寄せられている。これにどう応えるか。

竹居教育長 公民館におけるバリアフリー化の推進や、生涯学習環境の改善の必要性について十分認識をしている。エレベーターの設置が可能な館についてはリフレッシュ工事のタイミングなどを考慮しつつ、整備に向け検討を進める。トイレの洋式化については、利用者の利便性向上の観点から、リフレッシュ工事を待たずに、可能なものから順次整備を進めていく。

新屋副市長 身近な公園にトイレを設置することは、公園利用者からニーズがあると認識をしている。一方で、公園近隣の住環境との調和や隣接地関係者の理解を得た上で、公園内のオープンスペースの確保、設置および維持管理の財源など総合的な観点から慎重な検討も必要。新たにトイレを設置する場合には、おむつ替えスペースのある多目的トイレを設置するということを基本としている。

 

生活道路の改善を求める

 

金子 写真は私道で、これまで何年にもわたって、舗装と側溝設置を求めて私道整備助成制度の活用についての相談が寄せられてきたところ。このような浸水被害、交通の障害が生じている私道は市内にたくさんあり、市による支援を求める声がある。しかし市が実施している助成の件数はごくわずか。助成制度の要件緩和を、公費で整備をおこなえる範囲の拡大を。この声に応えていくべき。

新屋副市長 私道舗装等整備費用助成制度は令和2年度に要件緩和をともなう改定をおこない、現在も助成件数を上回るご相談があり、申請をお待ちいただいている案件があるという状況。申請希望者の増加により待機期間がさらに長期化することも懸念されるため、現時点において制度対象の拡大および助成限度額の引き上げは予定していない。必要に応じて要綱の改定をおこなってきたが、引き続き、申請状況、予算執行の状況、他都市の取り組みなどを注視しながら、その必要性について検討していく。

金子市議は「アンケートでは、駅前再開発、市庁舎移転などを例にあげて、新しく立派なものを作るよりも、今ある施設をきちんと維持整備してほしいという声が多数だ」と指摘し、市民の願いにしっかりと耳を傾けて、それに誠実に応えることを改めて求めました。

2026年6月議会*一般質問 物価高騰支援 3つの対策を求める

一般質問をおこなうたけこし連市議

6月10日、たけこし連市議が6月議会の一般質問にたちました。

 

長引く物価高騰が市民生活を直撃し、生活不安が蔓延するなか、党市議団がさいたま市民に向けて実施したアンケート調査には、市民の切実な声が多数寄せられています。とりわけ、市民の負担軽減に直結する支援策の継続と拡充は、基礎自治体として最優先でとりくむべき喫緊の課題です。

 

たけこし市議は、市民生活の過酷な現状を紹介し、市に対し「物価高騰支援」として3点の具体的な施策の実施をせまりました。

 

第一に、水道基本料金無料期間の延長です。たけこし市議が「さらなる延長等についてどのように考えているか」と質すと、市は「仮に1か月分減額を延長した場合、約7億5000万円の財源が必要となる。水道事業を取り巻く環境は大変きびしく、財政基盤を損なわないかたちで延長をおこなうことは大変むずかしい」と答弁し、市民の生活防衛よりも市の財政事情を優先する冷たい姿勢を示しました。この答弁に対し、たけこし市議はあらためて「水道事業の財政が大変苦しいというが、市民も非常に苦しいのだからぜひ検討していただきたい」と強く求めました。

 

第二に、中学校給食費の暫定的な無償化です。現役世代、とりわけ子育て世代は複合的な支出増に苦しんでおり、たけこし市議は「今年度だけでも暫定的にピンポイントで無償化を検討すべきではないか」と要求しました。しかし市は、単年で給食管理運営費と人件費が約26億円、食材費が約22億円、合わせて約48億円の予算規模になるとして、「すべて一般財源で賄う必要が生じるため、市単独での実施は困難」と回答。「国の動向を注視し、自治体の財政負担に配慮されるよう国に働きかける」と述べるにとどまり、主体的に子育て世帯を救済しようという意思は見られませんでした。

 

第三に、若年層向けの給付型奨学金の拡充です。現在の市の奨学金は要件が非常に狭く、対象となる学生が限られている実態を指摘し、要件緩和と金額拡充を求めました。これに対し市は、「今年度の申請状況を加味しつつ、利用者のニーズ等を研究の上、申請要件や支給金額を含めた制度全般の見直しを検討していく」と前向きな方針を示しました。

 

 

「人権尊重のまちづくり」で踏み込んだ対策を

 

 

続いてたけこし市議は、近年深刻化している「人権尊重のまちづくり」について質問しました。

 

現在、埼玉県南部地域において特定の民族、とりわけクルド人の方々に対する差別的な言動がSNSを中心に激化しています。根拠のないデマや誇張された情報発信を契機に、インターネット上にとどまらず現実社会でも排斥デモなどがおこなわれています。さいたま市内でも、桜区の秋ヶ瀬公園で開催されたクルド人の伝統的な祝祭「ネウロズ」の会場周辺で、中止を求める団体と参加者が衝突するという事案が発生しました。たけこし市議は、「多様な文化を共有し合うはずの平和的な場が、心ない行動で踏みにじられた事実を市として重く受け止めるべきだ」と追及しました。

 

さらに、たけこし市議は先進地である川崎市や相模原市を視察した経験を紹介。川崎市では、最高50万円の罰金をともなう実効性のある条例を制定し、市が専門業者に委託してネット上の差別的言動を主体的にモニタリングし、プロバイダーへの削除要請をおこなっており、87%という極めて高い比率で削除されている実績を紹介しました。これを踏まえ、「本市の人権施策はいまだに理念の域を出ていない。いかなるヘイトスピーチも排外主義も許さないという『反ヘイトスピーチ宣言』を明確に発信すべきではないか」と質しました。

 

これに対し市は、「特定の民族や国籍の人びとを不当に排除・排斥し、危害を加えるとし、著しく見下すような言動は相手の尊厳を傷つけ、決して許されない」と答弁し、「事案が生じた場合には、市長によるメッセージ発出を含め毅然とした対応をおこなう」と明言しました。 また、川崎市のように市主体でネット上の差別的言動を監視するウェブ対策の実施を求めた点については、市は「国においてインターネット上の誹謗中傷等への対応を目的に情報流通プラットフォーム対処法が施行された。その動向を注視し、効果的な手法を検討していく」と答弁するにとどまりました。被害者からの相談を待つだけの受け身の姿勢に対し、本市自身が当事者意識を持ち、包括的かつ実効性の高いヘイトスピーチ対策を早急に構築することが求められています。

 

たけこし市議は他に、ナフサ由来の原料不足にともなう市内経済への影響で市内中小企業への直接支援の対応を求めたほか、本市独自の「子どもの権利条例」制定についても質問しました。

2026年6月議会*一般質問 自転車ユーザーにやさしいまちづくりにむけて

一般質問をおこなう池田めぐみ市議

45人を越える市民が傍聴席を埋める中、6月9日、池田めぐみ市議が6月議会の一般質問に登壇しました。

 

はじめに、道路交通法改正による青切符導入で取締まりが厳しくなったことから自転車に関する課題についてとりあげました。青切符の埼玉県内の交付は、4月223件、5月503件。安全に走行できる自転車道の整備を求めると、「幅員が狭いなど課題を認識しているが、無電柱化整備とあわせ自転車通行環境整備を進めていく」と答弁がありました。また「詳しい自転車ルールが分からない」という声も多いため、大人への「自転車リフレッシュ講習」の充実と、高齢者に限定しないヘルメット購入費助成制度の拡大を求めると、市は「受講率アップにもつながることからインセンティブなどを研究していきたい」との回答でした。

 

また、北浦和駅東口の駅前駐輪場の閉鎖についてもとりあげました。「連日満車状態の駐輪場がなくなるのは困る」という声が多数寄せられ、池田市議は市が危機感をもって整備するよう求めました。これまで、市は、北浦和駅周辺は西口の市営も含め駐輪台数に余裕があるという認識でしたが、今回の質問で、利便性の面で課題があることを認めました。新たな市営駐輪場は、用地確保に多額の費用と合意形成に時間がかかるため、民間への駐輪場整備補助金を周知するほか、池田市議が提案した北浦和ターミナルビル(市の関連施設)の駐輪場について、「施設所有者に対して機能拡充を働きかける」と答弁がありました。

 

 

24時間使えるAEDが131台に

 

 

次に池田市議は、初質問以来求め続けてきた「24時間使えるAED」について質問しました。市が管理する24時間使えるAEDは、2023年には11台でしたが、この3年間で131台に増えたことがわかりました。そして屋外設置後、盗難や故障はなかったことを確認しました。また検証結果を質問すると、中学校正門前に設置されたAEDは、日進中学校の生徒が近隣ショッピングモールで使い、女性のいのちを救ったほか、近隣住民の方が、学校正門のAEDを自宅で使用した事例もあり、地域の方に認知されていることが明らかになりました。

 

まだ実現していない小学校正門への設置は、関係部局と連携し研究していくという前向きな答弁があり、引き続き、市議団では、いのちを守る環境整備を求めます。

 

 

電動階段昇降椅子の設置を求める

 

 

中学生の家族から「足をけがした時、階段の上り下りができず、教室に行けなくて困った」と、学校へのエレベーター設置の要望がありました。池田市議が現状を質問すると、学校のエレベーターや階段への取り付けタイプの昇降機は、小学校で105校中50校、中学校58校中28校、特別支援学校2校、高校3校、中等教育学校1校に設置されていることがわかりました。突発的なケガなどは保護者と面談で対応を決定するという回答がありました。池田市議がベルトコンベアで階段を昇降できる「電動階段昇降椅子」を提案すると、教育委員会で2台導入したことがわかりました。価格は16万円台からあり、短期間で導入が可能なため、今後の台数拡大を要望すると、教育委員会は、「即時対応の手段となること、持ち運びが可能で他校でも使用ができることから、有用性がある」と回答しました。今後はエレベーターが設置できない公民館や、災害時の市立病院、そして車いすの方が利用できない議会の傍聴席など、困っている人がひとりでも減るように導入を要望していきます。

 

 

市民会館跡地は市民の声を聞いて

 

 

現在、市民会館うらわ跡地は更地になっていますが、来年、国際芸術祭での活用は発表されているものの、その後どうなるのかとの声が多く寄せられています。池田市議が、周辺を訪問しながらどんな利用を希望するか調査したところ「第1位公園、第2位文化施設、第3位区役所、第4位スポーツ施設、第5位集会所」という結果でした。「騒音や揺れが大変だったため、高層の建物を建ててほしくない」という声があり、池田市議が近隣住民の声を聞くべきと求めると、市は「近隣の現庁舎地の利活用」と合わせて、市民ワークショップやオープンハウスやまちづくりカフェなどを通じて、市民の声を聞いていくと回答しました。

そのほか、学校施設のリフレッシュ工事の実施予定校が、10年間で物価高騰や給食センターの配食数を理由に、94校から18校に激減している問題もとりあげました。

池田市議は、「今回の質問は、市民アンケートや地域訪問で直接寄せられた市民の声をもとに質問を組み立てた。これからも地域の声をまっすぐ届けていきたい」と話しました。

2026年2月議会*代表質問 国の天然記念物 サクラソウを守って

代表質問をおこなう久保みき市議

2月12日、久保みき市議は①サクラソウの保全、②介護の危機的状況への対応、③身近な公共交通の充実、④フリースクール利用者への市独自補助、⑤「さいたま市の香り」事業、⑥スポーツシューレへの公園・集会室設置について、それぞれ代表質問しました。

 

国の特別天然記念物である田島ヶ原サクラソウ自生地のサクラソウの株数が、昨年45万株と過去最低を記録しました。久保市議は、2018年6月定例会での一般質問を皮切りに、くりかえし保全強化を求め、外来種トウネズミモチの伐採やかん水対策、国庫補助の活用、DNA解析や生育環境調査の実施などが進みました。その結果、2022年には10年ぶりに株数が増加し61万株となりましたが、ふたたび減少に転じ、現在は存続の瀬戸際にあります。

 

サクラソウ自生地は桜草公園内にありますが、本来は自生地保全を目的とすべき公園が、都市公園課の所管のもとレジャー利用を中心に整備されてきました。2014年発行の「田島ヶ原サクラソウ自生地保存管理計画策定報告書」では、計画策定委員会会長の佐々木寧氏が「自生地に隣接する桜草公園が他の都市公園と同様の管理ですすめられていることに驚きを禁じ得ない」と述べ、自生地と公園を一体的に管理する必要性を強調しています。久保市議は、桜草公園を含めた自生地全体を、文化財保護課が中心となって保全最優先の管理体制へ移行するよう求めましたが、市の答弁は都市局との連携強化にとどまり、所管一本化には後ろ向きでした。

 

 

コミバスを増やして

 

 

次に久保市議は、岩槻区の例を示し、コミュニティバスや乗り合いタクシーの増便と運賃助成制度の実施を求めました。

 

岩槻区では路線バス撤退後、免許返納者や高齢者にとって市のコミュニティバスや乗合タクシーが外出の唯一の手段となっています。岩槻区のコミュニティバス利用実績は、市内でも人口の多い見沼区・南区・北区を上回り、乗合タクシー「おりづる号」「らくらく号」も利用者が多く、応援タクシーが頻繁に出る状況です。市民からは「もっと本数を増やしてほしい」「待たずに乗れるようにしてほしい」と強い要望が寄せられています。しかし、導入ガイドラインで定められた「収支率40%」が増便の障壁となっています。利用者の多くがほかの交通手段を持たない高齢者であることを踏まえれば、福祉的観点から収支率目標は撤廃、もしくは引き下げるべきだと主張しました。また、地下鉄7号線の岩槻延伸は巨額の費用と20年近い期間を要するため、市民の生活に直結するバス・乗合タクシーの充実こそ優先すべきだと迫りました。市は、収支率だけでは地域の移動ニーズに応えられないと認識しており、今後は収支率以外の指標も含めて検討すると答弁しました。

 

運賃助成について、市は2024年の予算委員会において、公共交通運賃助成制度の実証実験案を検討していると説明しましたが、制度化に向けた具体的な動きは依然として見られません。久保市議は、長野市の70歳以上の市民がバスを割引料金で利用できる「おでかけパスポート」を紹介しました。高齢になると外出頻度が低下し、フレイルや孤立のリスクが高まることから、外出機会を増やすことが目的のこの制度は、政策判断により導入され、実証実験をおこなわずにスタートした点が特徴です。本市でも同様の制度を直ちに実施すべきだと強く求めました。これに対し市は、運賃施策について「いつまでに結論を出すという期限は設けていない」としつつ、交通ネットワークの構築とあわせて、公共交通の利用促進につながる施策として引き続き研究をすすめていきたいと答弁しました。

 

 

「さいたま市の香り」って?

 

 

「さいたま市の香り」とは、都市イメージの向上などを目的に、市民投票などを経て1月30日に発表されたものです。しかし香りの感じ方は個人差が大きく、香りによる健康被害、いわゆる「香害」は深刻な社会問題です。市自身も「その香り、困っている人がいます」と啓発しているにもかかわらず、香りを用いたおもてなしを進める姿勢には矛盾が生じます。自然由来の香りでも体調不良を訴える人は少なくないため、久保市議は「イベントでの香り拡散は避け、在庫がなくなり次第事業を終了すべき。香害に苦しむ市民への配慮と防止策を優先に」と求めました。市は今後、希望者のみに配布できるノベルティの製作を検討するとともに、イベントで香りを使用する場合は事前周知をおこない、限定的なエリアでのみ実施するなど、運用基準を定めて慎重に進めると答弁しました。

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