議会報告

2013年01月

不適正な事務処理問題 調査特別委が中間報告 ずさんな業務の実態明らかに

 さいたま市政で大きな問題になっている不適正な事務処理の問題で調査している特別委員会は、市議会の本会議で中間報告を行ないました。
 修繕業務などで年度を越えた事業を繰越の手続きを行わず、完成検査も実施せずに業者への支払いが行われていました。南部公園事務所では、不正な分割発注や修繕工事と偽って物品の購入が行れていました。
 また、見積った工事が行われていないのに全額の支払いが行なわれていたものもあります。
 その原因は、修繕工事などで工程管理が十分行われていないこと、契約業務での職員の法令や規則を遵守する意識が欠けていたこと、チェックや検査体制の不備などがあります。

おおもとに職員の減らしすぎが 

 同時に問題が起こったそもそもの背景に、行財政改革による極端な職員削減があることは明らかです。
 清水市政になって以降も職員削減は徹底して行われています。職員数は500人以上削減され、その中でも設計や工事に関わる専門職の削減によって適切な業務では仕事量をこなせない状況にあることも明らかになっています。市民へのサービスの質を確保する上でも、職員体制を抜本的に改善していかなければならない状況になっていることを、今回の事件は示しています。

 今後、事件を繰り返さないための対策を議会として示すために、調査特別委員会では協議を続けることになっています。党市議団としても、その中で対策の提案を行っていきます。

【2012年12月議会 議案・請願討論】 福祉切り下げの補正予算に反対

 2012年12月議会の最終日に議案・請願の採決が行われ、加川よしみつ 
市議が党市議団を代表して討論にたちました。

指定管理を予算削減の手段にするな 

〔議案第 143 号 一般会計補正予算〕
 太陽光発電設置補助の増額など適正なもの も含まれていますが、児童養護施設の指定管理料が年間 50 万円削減されることが盛り込まれました。指定管理者制度の導入は予算削減の手段ではないと総務大臣の見解が出されているにもかかわらず、予算が削減されたことは問題です。結局は施設職員の労働条件切り下げにつながることから補正予算に反対しました。
 ほかに地域主権改革一括法にもとづく条例改正について、本来は国の基準として定め、全国どこでも一定の住民サービスが受けられるようにすべきですが、市の条例案は基本的にはこれまで国が定めた基準より後退していないと考え、賛成しました。また駐輪場の指定管理者の決定について地域経済の活性を考えるなら地元業者を使うよう求めて反対しました。

30人学級実現を 39万8千筆の重み受けとめよ 

〔請願第 61 号 ゆきとどいた教育をすすめるための 30 人学級実現を求める請願〕
 請願者の「30 人学級を実現するさいたま市民の会」は、さいたま市誕生から 10 年連
続で署名を提出。累計で、39 万 8000 筆に達しました。政府は、35 人学級を今後 5 年
間で全学年実施する方針を出しています。署名の重みを受けとめ、国に先駆けて少人数学
級を実現すべきと採択を求めました。

〔請願第 62 号 生活保護制度を維持することを国に求める〕
 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」(憲法25条)としている以上、国が全額負担すべきです。また生活保護基準は、低所得階層の消費支出等のデータを基に決めるなど合理的に作られています。根拠なく生活保護世帯、の増加を理由に引き下げるのは問題であり最低限の生活も保障されなくなるとして採択を求めました。
 ほかに党市議団が紹介議員になった請願 8本に賛成しましたが、いずれも他会派の反対
。により不採択となりました。

 

【2011年度決算】 一般会計は全会一致で初の不認定 市民負担減・福祉向上へ転換せよ

 12 月議会の本会議で、戸島よし子市議は2011年度の一般会計決算、水道会計、下水道会計について、不認定の立場で討論を行いました。
 2011 年度決算は、一般会計で65億、特別会計で67億、合わせて133億円の黒字となっています。歳入は、市税収入が前年比10.5億円増加しましたが、市民税は個人・法人ともに前年より減収しています。市民一人当たりの平均所得は2 年間で15万円も減少しました。歳出は、徹底した行財政改革で、職員が一層削減されたましたが、今回の不適切な事務処理問題を生み出す要因にもなっています。行き過ぎた行革のあり方は見直す必要があります。
 市債の起債額のうち開発関連の土木債で31.9%を占め、一般会計の市債残高のうち土木債が32.7%を占めています。行政改革路線で各部局にマイナスシーリングを強いながら、開発関連予算は削減することなく執行しています。長引くデフレ不況によって、業績不振や所得の減少など、市民生活はきびしい状況です。税収の落ち込みが長期化する可能性が大きい中で、市債発行はできる限り抑制しなければなりません。市民の所得が落ち込んでいるのに、国保税や下水道料金などの増税・負担増が押し付けられた一方で、基金への溜め込みは前年度より73億円増の557億円に達しました。
 戸島市議は、「不要不急の大型開発の見直し縮小を図り、豊かな財政力・基金を生かして、市民の負担軽減や遅れている福祉や教育に財政投入し、市民の要望に応える財政運営に転換せよ。本市の財政状況が他自治体に比べ良好であれば、地方自治体の住民福祉の向上に努めるという役割を十二分に発揮すべき」と市政を根本から転換することを求めました。
 さらに各部局および水道と下水道会計の問題点を指摘し、不認定を求めました。

 採決の結果、一般会計決算は全会一致で不認定となりました。決算が不認定となったのは市政史上初めてのことです。党市議団は水道・下水道会計決算にも反対しました。

【保健福祉委員会 議案外質問】 心電図検査 75歳以上は全員実施を

 久保みき市議は、2012年12月議会の保健福祉委員会議案外質問で、住民から寄せられていた相談をもとに、市の健診について取り上げました。

久保 本市の健康診査において2011 年に増えた心電図検査、今年実施された貧血検査は、74 歳までである。74 歳までは特定健診、75歳以上は後期高齢者健診、と管轄が分かれるのだろうが、県内22 市で心電図検査を全員受けられる。なぜ、市によって違うのか?なぜ、本市は心電図、貧血検査を年齢で区切ったのか?
福祉部長 全員検査は各市の判断。後期高齢者健診は広域連合なので全県共通で、というのが本市の考え。

久保 本市が高齢者のために独自で増やしたいと思えば増やせるということでいいのか?
福祉部長 非常に答えづらい…。市としては、広域連合にしっかりやっていただきたい。

久保 本市はいち早く腎機能検査と痛風検査を独自で増やし、全員対象にした。広域連合任せにせず、さいたま市はお年寄りに温かい市であってほしい。

 久保市議はがん検診についても取り上げました。 

【保健福祉委員会 議案外質問】 ヘルパー・家事支援 生活支援の時間短縮で大変に

 戸島よし子市議は、2012年12月議会の保健福祉委員会議案外質問で、今年4月から介護報酬が引き下げられた問題について質しました。
  ヘルパーさんの派遣時間が、60分から45分未満になり、報酬単価は2190円から1900円に290円引き下げになりました。90分は45分以上になり、2910円から2350円に560円も引き下げられました。そのため、訪問介護事業所では、1~2割程度減収になります。事業所運営が厳しくなりヘルパーさんらの給与が下がるなど影響が出ています。「派遣時間が短くなって、掃除のし残しが出る、利用者との会話ができなくなった」などの声も出ています。
 また、高齢者からは「週一回、一時間半ヘルパーさんに来てもらい家事を手伝ってもらってやっと生活しているのに、削られたらやっていけない」との声が出されています。

 戸島よし子市議は、このような事態を指摘し、

戸島 市はこのような状況を把握しているのか。
市 調査やアンケートなどでの実態把握はしていない。
戸島 小樽市や川崎市などではやっている。しっかりやって欲しい。

と求めました。 

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