議会報告

2014年01月

さいたまクリテリウム赤字補てん 廃案になった補正予算 市長が専決

 2013年12月議会に国際自転車レース「さいたまクリテリウム」への赤字補てんとして1.5億円の補正予算が出されましたが、審議未了・廃案となりました。

 審議のなかで事業費の膨張が明らかでありながら、議会への説明もなくクリテリウムの実行委員長= 市長が支出を決めた問題や、委託契約をした企業と一社随意契約をした理由が市と当該企業の間で食い違っていること、自転車レースの主催企業(フランス)との契約が秘密にされ議会にも明らかにされないなど、不明瞭な点が多数でてきたことが原因です。

(党市議団が指摘している問題点については以下のリンク先の党市議団ホームページ記事をご覧ください)
http://www.jcp-saitama.jp/html/menu02/2014/20140130153018.html

 市長は2014年1月24日、廃案になった補正予算の専決をおこない、執行しました。27日の議会運営委員会で加川よしみつ市議は、「臨時議会をひらき議案を再提出すべきだった。審議未了になった予算を専決したのは当市でははじめてであり、議会軽視である」と主張しました。 

 2014年2月議会に承認をもとめる議案が出されますが、仮に不承認になっても効力は失われません。党市議団は、専決であっても徹底審議し、指摘している問題点を明らかにするよう求めていきます。

 市長は専決議案を先に審議することを求め、2月議会は2月7日(金)に前倒しでひらかれます。なお請願のしめ切りは2月4日(火)17時までで変更はありません。

【議案外質問 まちづくり委員会】 下水道 補助金減らして使用料値上げ

 2013年12月議会の街づくり委員会・議案外質問で戸島よし子市議は、市長が今年7月から下水道使用料の値上げを計画していることを受けて、下水道整備と経費回収率の関係について取り上げました。


戸島 下水道普及率は、市平均は90% だが、遅れている行政区は。
市 西区は70%、見沼区は81%、緑区は87%、岩槻区65%。  

戸島 未整備地域の状況は。
市 市街化区域は、区画整理区域などで、それを除くとほぼ完成。

戸島 整備事業にかかる費用と財源構成は。
市 H24 年度決算で145 億円。企業債が91億円で62.8%、国庫補助金が41 億円で28.3%

戸島 H21 年度は企業債が45%。24 年度63% に増えた要因は。
市 H22 年度に一般会計からの出資金がなくなり、その分企業債が増えた。

戸島 監査委員も「出資金がゼロになったため企業債が増えた」と指摘している。営業収益178億に対し、営業費用は157億で、営業利益は21億。利息償還の43億があるため、最終利益は赤字となり、一般会計からの補助金22億を充てている。24年度の経費回収率は86.9%。汚水処理にはいくらかかるのか。
市 維持管理費が57億、資本費が98億。

戸島 資本費は。
市 減価償却費の67億と企業債利息の31億。

戸島 経費回収率は、整備費と大きく関係している。企業債利息や減価償却費は整備を進めれば大きくなる。経費回収率を上げるには、整備にかかる出資金と国庫補助金を増やして、企業債を減らすことで、分母を小さくするべき。使用料の値上げで分子を大きくして、経費回収率を上げるやり方は問題ではないか。下水道整備など生活基盤整備は市の責任でおこなうべきで、赤字だというなら補助金の繰入を従来通り実施すべきだ。

 下水道料金の値上げの理由は、経費回収率を86.9% から103%へアップしたい、というものです。
 しかし遅れている西区・見沼区・岩槻区などの整備には、「税金投入は市民間の不公平を招く」などを口実に、従来の整備や赤字補てんのための補助金を減らし、市民に使用料値上げというかたちで負担を押し付けるものです。市民のみなさんと力を合わせて、下水道料金値上げに反対を強めていきます。 

 

水道料金値上げの推移

【議案・請願討論】 少人数学級はクリテリウムより少ない費用で実現できる

 2013年12月20日の本会議で、議案・請願の討論がおこなわれ、日本共産党市議団から加川よしみつ市議が討論にたちました。

子ども子育て新制度 予算化は時期尚早

 加川市議は、子ども子育て支援新制度にかかわる電算システム構築業務の補正予算について、「子ども子育て関連3 法が成立したが、子育て支援の新制度はいまだ検討段階。小規模保育事業や幼保一体化で保育の質の低下への懸念や、保育時間の認定で保育格差が拡大するなどさまざまな問題が指摘されているなか、電算システムの構築をなぜ急ぐのか大変疑問。制度が明確になった段階で具体的なシステムの構築をはかることが重要」として反対しました。

教職員にタイムカードの導入を

 加川市議は「いま、教職員の長時間過密労働が大きな社会問題になっており、全日本教職員組合の調査から、教職員の5人に1人
が過労死ラインを超える働き方をしている」と指摘。市教委の調査でも、時間外勤務が月100時間を超えた過労死ラインの人数が昨年は267人、今年は360人と急増している事実を紹介し、「まずは適切な労働実態の把握が必要」として請願の採択を求めました。

「30 人学級の実現」16890人の思い
 
 つづいて加川市議は「30人学級を求める請願」について「この請願は当面、小3・中1 で35人学級を実現することを求めている。そのためには正規教員74人が新たに必要だが、必要な予算は3億7千万円。この額はさいたまクリテリウムにかかった費用より少ない。請願団体は今回の16890人を含め、11年間で36万人以上の署名を集めてきた」として予算の使い方を変えればただちに実現可能であることを明らかにし、請願の採択を求めました。しかし、いずれの請願も他会派の反対により不採択となりました。

市民の望む福祉の充実に応えられない 「さいたま市総合振興計画」後期基本計画に反対

 2013年12月議会で市総合振興計画の後期基本計画が審議され、党市議団から山崎あきら市議が反対討論をおこないました。

 山崎市議は、さいたま市の将来都市像の方向性について「東日本の交流拠点都市」「環境共生都市」「生活文化都市」となっているにも関わらず、2都心4副都心の拠点開発のみが強調されていることを指摘。そのうえで「業務核都市構想はすでに破たんしている。前計画をそのまま引き継げば、拠点開発に巨額の財政が集中的に投入される。しかも、今計画では、前計画にある『秩序ある市街地の形成』がすっぽり抜け落ちている」と批判しました。
 また、財政運営についても「計画を推進するために、引き続き行財政改革の推進があげられているが、現在までの行財政改革は、無駄をはぶくと言いながら福祉や教育にかかる予算は削減される一方。これでは住民の望む福祉の充実に応えることにならない」と反対理由を述べました。

「さいたま市総合振興計画」ってなに?

 基本構想として平成32年までのさいたま市の将来都市像をえがいているもので、市政運営をおこなうための指針となります。 

【議案外質問 保健福祉委員会】 生活保護の扶養義務 保護決定の条件ではない

 2013年12月9日、神田よしゆき市議は、保健福祉委員会で議案外質問行い、生活保護法の改正で扶養義務が保護決定の条件とするあやまったあつかいが全国的にあることから市の考え方を質しました。

神田 生活保護申請者の扶養義務者に対しての調査書、扶養届出書という書類がある。扶養義務が保護を受けるための要件であると誤認させる恐れがあるような記述があり、全国的に問題になった。市ではこのような調査をおこなっているのか。
市 今回の改正にあたって、あらためて調査は実施していない。本市において確認したところ、扶養照会書については適正な文書になっていた。

神田 市としては今度の扶養義務強化について、申請を滞らせたり、水際で押し返すものとして考えるべきではない。
市 扶養義務については、要件という取扱いではない。扶養が要件であるかのような説明をおこなって保護の申請をあきらめさせるようなことは申請権の侵害にあたるおそれがあるため、あらためて申請権の侵害がないように留意することを通知した。 

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