議会報告

2014年10月

【9月議会 決算討論】 ためこんだ基金662億円を活用して 市民の負担軽減を

 10 月17 日の本会議最終日、久保みき市議が決算の討論をおこないました。
 久保市議は、平成25 年度決算で一般会計が60 億円の黒字であること、特別会計もあわせると82 億8 千万円になっていることを指摘。そのうえで「大企業は法人税減税で20 億500 万円減税。しかし市民には引き続き重い負担を強いている。給与収入500 万円の子ども2 人の若い夫婦世帯では、住民税・所得税が増えて、可処分所得は23 年度比で12 万円以上減った。また、年金収入240 万円の70 歳夫婦世帯では、可処分所得は約27 万円も減った。本当にくらしが大変な状況」と指摘しました。
 また、久保市議は、党市議団がとりくんだ市民アンケートを紹介し、「くらしがよくなった」と答えた人が全体の3%にとどまっている実態を告発。市民の負担軽減のための具体的な対策を講じるよう強く求めました。
 市債発行額は、25 年度一般会計で489 億円。そのうち土木債は145 億7 千万円で、29.7%を占めています。全会計の市債残高は6929 億8 千万円にのぼり、市民一人あたりの借金は、55 万2000 円となりました。
 基金は、24 年度より44 億円増えて662億円となりました。久保市議は「この間、下水道料金の大幅値上げや証明書類の発行手数料の値上げがおこなわれているが、基金を有効活用し、市民負担を軽減して遅れている教育や福祉に活用すべきだ」と強く主張し、不認定としました。
 しかし、他会派がすべて認定したため25年度決算は認定されました。

【9月議会 議案・請願討論】 さいたま新都心開発 巨額の財政投入は見直すべき

 10 月17 日の本会議最終日、戸島よし子市議が議案・請願の討論をおこないました。
 戸島市議は「新都心にある三菱マテリアルの土地を購入して防災公園を整備するのに40 億円の事業費を投入するが、その他の開発事業費は明示されていない。新都心開発には、1 兆9110 億円が投入されたのに目標が達成されていない。さらににぎわいをつくるとして再開発がおこなわれるが、財政が厳しいなかで巨額の財政投入は市民の理解が得られるのか。しかも、隣接地の三菱マテリアルの地下には放射性物質が埋設されている。危険ととなり合わせの場所に人を集め、にぎわいを創設することはふさわしくない」と反対の理由を述べました。
 また、戸島市議は難病患者への見舞金制度等の廃止について「昨年、難病患者への支援は障害者支援法の対象となり、ようやく障害福祉サービスを受けられることになったが、制度利用者はわずか33 人のみ。既存の障害福祉サービスである食事や入浴および外出時の介助などが、難病患者当事者が求めているものなのかどうか。見舞金の廃止の結論を出すには時期尚早。難病患者の医療費負担や長期間にわたる闘病生活を余儀なくされる苦しみを考えると、見舞金制度の廃止は認められない」と反対しました。
 党市議団は、40 件の市長提出議案のうち29 件に賛成、11 件に反対しました。

【決算委員会 まちづくり委員会(建設局)】 住生活基本法にもとづいて 市営住宅を抜本的に増やせ

 10 月8 日、決算委員会でまちづくり委員会(建設局)の審議がおこなわれ、神田よしゆき市議が質問にたちました。
神田 市営住宅について。住生活基本法をもとに、県および市で公営住宅の計画をたてている。市の供給目標は平成26 年度から32 年度で1000 戸であるが、どのように供給量を確保するのか。
市 公共施設マネジメント計画に基づき、現状戸数を維持する。既存の住戸への適正入居で供給数を増やすことにしている。
神田 住生活基本法に基づいたあらたな政策的な提起なのだから、公共施設マネジメント計画からはずすべき。
市 この計画のなかで現状を維持していく。
神田 応募倍率20 倍という状況にもかかわわらず、さいたま市は最初から、公営住宅の戸数を増やさないことを前提にしてしまっている。市の計画を見直すべきだ。戸数を増やし、供給量を確保しない限り、市民のニーズにはこたえられない。

48 億円の黒字
水道料金の引き下げを 

神田 水道事業は毎年大幅な純利益をあげている。平成25 年度の純利益48 億円はどのように処分されたのか。
市 すべて建設改良積立金に積み立てた。
神田 水道事業は利益をあげるためにやっているわけではない。水道料金の引き下げで市民に還元すべきではないか。
市 老朽水道管や浄・配水場の更新、耐震化などに使う。当面、水道料金を維持する。
神田 市の水道料金は政令市中4 番目に高い。会計の健全性は維持しつつも、可能な限り水道料金の引き下げに使うべき。 

【決算委員会 まちづくり(都市局)】 2 都心4副都心開発に 7000億円以上の財政投入

 10 月7日、決算委員会(まちづくり委員会・都市局関連)の審査がおこなわれ、戸島よし子市議が質問にたちました。
戸島 2 都心4 副都心構想関連の事業費の累計額は。
市 2 都心のうち、大宮・新都心周辺で1374 億3600 万円。浦和駅周辺は、895億1500 万円。4 副都心は、日進宮原周辺で147 億6200 万円。武蔵浦和駅周辺は898 億6100 万円。美園周辺は950 億8800 万円。岩槻駅周辺は240 億5500万円。
戸島 総事業費は4507 億円となっている。旧4 市時代も含めると7000 億から1 兆円規模にのぼる。今後の開発計画と事業費の見込みは。
市 浦和駅西口南高砂地区の再開発、大宮駅大門町二丁目再開発、大宮駅西口第3 地区再開発など。
戸島 事業費が明らかになっていない。いずれにしても巨額の投入になる。国の借金は1000 兆を超え、市債残高は6930 億円で年間予算額に相当する。これ以上の借金は抑制すべきではないか。マイナス経済成長、人口減少社会と、厳しい財政状況を見据えて事業縮小などを考えているのか。
市 必要最低限のコストで最大の効果を考えている。
戸島 福祉部門などは財政難を理由にばっさり削られている。地域間格差も生じている。各地域のバランスのとれたまちづくりが必要ではないか。
市 2 都心4 副都心以外は、区画整理を施行中で、それによって安全な街づくりが着実にできていく。

コミバス導入時に40%の収支率? 

戸島 コミバスの収支率で40%をクリアしている路線はあるのか。
市 現在のところはない。
戸島 現状でもなかなかクリアできない課題を、コミバス導入時に位置づけることへの認識は。
市 40%は妥当な数字。
戸島 空白地区や不便地区の解消を市の施策として責任を持つべき。 

【決算委員会 保健福祉】 障害者施設での虐待 2 度と起こさないように

 10 月6 日、決算委員会(保健福祉委員会関連)の審査がおこなわれ、久保みき市議が質問にたちました。
久保 本市には「ノーマライゼーション条例」がある。第16 条から21 条までは、虐待の禁止がうたわれている。そこで、過去3年間の障害者の虐待件数をうかがう。
市 平成23 年が30 件、24 年が58 件、25 年が56 件。
久保 今年7 月に「春光園けやき」で暴力事件が起きた。手足も不自由、言葉も出ない、さらに耳の後ろにはシャントという水頭症の機器がはいっている重度の障害者を、職員が密室のトイレに連れて行きにぎりこぶしで2 回も殴ったとのこと。こうした事件を公表していかないと、いつまでたっても虐待事件はなくならないと考えるがいかがか。
市 ほかの利用者への影響等にも十分配慮しなければならないので公表については慎重に検討する。
久保 隠すことではなにも解決しない。事件が起こる前には必ず前兆があるはずなのに、周りの職員からも通報がされなかった。通報の義務を徹底すべきではないか。
市 ノーマライゼーション条例は福祉的法規であるため罰則がないが、すみやかな通報を周知するなど障害者虐待の防止にとりくんでいきたい。
久保 障害者施設での虐待が2 度と起きないよう対策を求める。

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