議会報告

2月議会代表質問*ジェンダー平等のさいたま市を実現するために

代表質問をおこなうとりうみ敏行市議

 ジェンダー(gender)とは、生物学的な性別(sex)に対して、「責任ある役職は男性がなるべき」「家事・育児は女性がやるもの」など、社会的・文化的につくられた性差のことを指します。

 

 2019 年、世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ(不平等)指数で、日本は153 カ国中121 位となり、G7 ではダントツで最下位となりました。

 

 2 月13 日、2 月議会の本会議で、とりうみ敏行市議が代表質問にたち、個人の尊厳とジェンダー平等について質問しました。とりうみ市議は冒頭で、「声をあげた人を孤立させず、声をあげられずに苦しんでいる人たちの痛みを自分の痛みとして、ともにジェンダー平等社会を実現するために決意を込めて質問する」と表明しました。

 

とりうみ はじめに、行政ではたらく職員の男女雇用格差と賃金格差を是正することは非常に重要だが、本市の正規職員数と非正規職員数、それぞれに占める女性職員の割合は。また、賃金格差についてうかがう。

 

 正規職員は1 万4367 人、そのうち女性は6535 人で比率は45.5%。非正規職員は1 万624 人、そのうち女性は5773人で比率は54.3%。週5 日・1 日5 時間の臨時職員が約118 万円であるのに対し、大卒採用1 年目の常勤職員は約370 万円。保育士では勤続6 年未満のフルタイム勤務の臨時職員が約247 万円であるのに対し、短大卒採用1 年目の常勤職員は約343 万円。常勤職員と非常勤職員との間にある処遇格差をひとつひとつていねいに埋めていくことが意味を持つと考えている。

 

とりうみ 政策・意思決定の場への女性の登用について。行政職の課長職以上の人数と比率はどうなっているか。

 

 局長級が3 人(7.9%)、部長級が5 人(7.9%)、次長級が15 人(8.5%)、課長級が107 人(29.6%)。教職員は管理職総数359 人のうち55 人が女性で比率は15.3%。

 

 とりうみ市議は「政策・意思決定の場に女性がいなければ、女性の意思は反映されにくいまま。女性管理職を登用するために、いままで以上に努力してほしい」と求めました。

 

 

性暴力被害から女性を守れ

 

とりうみ 女性に対する性暴力も重大な問題だ。内閣府の調査では性暴力被害者の6割が「どこにも相談しなかった」と答え、苦しみを抱え込んでいる実態が示された。警察に相談した人はわずか3%。本市の相談および支援体制はどうなっているか。

 

 市民生活安全課のなかに犯罪被害者支援等総合対応窓口を設置している。

 

とりうみ その窓口への相談件数は。

 

 平成30 年と平成31 年はいずれもゼロ件。

 

 とりうみ市議は「性犯罪をなくす立場から、刑法の見直しについて国に意見をあげるべき」と求めましたが、市は「国の動向を注視する」との答弁でした。

 

 

 「全世代型社会保障」で福祉が削減

 

とりうみ 安倍政権がすすめる「全世代型社会保障改革」について。「市長は議会において『消費税は福祉の財源をしっかり確保するうえで必要な税源である』と答え続けてきた。しかし国の「検討会議」では、基礎年金の3 割削減、介護利用料の原則2割負担への引き上げと要介護1 と2 の生活援助の保険給付外し、国民健康保険税の法定外繰り入れに対するあらたなペナルティ導入、保育における公定価格の引き下げなど、一連の福祉削減が狙われている。市長の答弁と真逆のことがおこなわれようとしているではないか。

 

 消費税増税分は幼児教育・保育の無償化や保育士の確保などに使われる。また低所得者の介護保険料の軽減の財源にもなる。消費税が福祉の財源であるという認識は変わらない。

 

 とりうみ市議は「社会保障の財源に消費税をあてる国は日本以外にない。このような大改悪は中止するべきだ」と求めました。

 

 さらに、とりうみ市議は「高齢者の負担増は、高齢化した親の介護を担うことになる現役世代をも直撃する」として、南区で突然事業所を閉鎖したデイサービス事業「ハートランド浦和」(南区)の例をあげ、「全世代型社会保障」の改悪が市民に与える負担についても市の対応を求めました。

 

さいたま市議会インターネット議会中継 録画映像

https://saitama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1641

【質問通告】

1.全世代型社会保障改革について
(1)高齢者の暮らしについて
 ①高齢者の暮らしの実態をどう見るか
 ②現役世代も直撃する負担増等について
(2)全世代型社会保障改革と消費税について

2.個人の尊厳とジェンダー平等について
(1)公務労働現場でのジェンダー平等の実現について
 ①さいたま市職員の雇用格差と賃金格差について
 ②政策・意思決定の場への女性の登用について
(2)平等な人権の保障について
 ①性暴力被害者への支援の充実について
 ②個人の尊厳を守り「性別役割論」を乗り越える取り組みについて
 ③学校教育におけるジェンダー平等の推進について

3.まちづくりについて
(1)公共公益施設を入れる民間再開発事業と容積率について
(2)浦和駅西口南高砂地区再開発について

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