議会報告

質疑・討論

2026年6月議会*本会議討論 新市庁舎に700億円超 基本設計を見直せ

本会議討論をおこなうとばめぐみ市議

6月26日、6月議会最終日に党市議団を代表して、とばめぐみ市議が討論をおこないました。市長提出議案は38件あり、そのうち33件に賛成(87%)、5件に反対(13%)しました。新市庁舎整備、保育、放課後児童対策、酷暑対策など、市民生活に直結する課題について、市民の立場で討論しました。

 

はじめにとば市議は、新市庁舎建設を進めるための審査委員会設置条例について述べました。党市議団は市庁舎移転の位置条例改正に反対しましたが、賛成多数で可決後は、移転を前提に議論してきました。しかし基本設計では事業費が700億円を超える規模となり、「機能は必要最小限に抑え、建設コストを可能な限り縮減すべきという、私たちが求める条件からかけ離れている」と指摘しました。また、施工予定者の提案を設計に反映させるECI方式(建設プロジェクトの実施設計段階から施工者が参画し、技術協力を行う発注方式)についても、提案がどのように事業費へ反映されるのか不透明で、専門部会が非公開となることから、公正性や透明性への懸念を表明しました。そして基本設計を見直さないまま事業を進めることは認められないとして、条例案に反対しました。

 

 

「みなし保育士」の拡大で保育士の負担増

 

 

児童福祉施設条例の改正により、一定の要件を満たす理学療法士などを保育士とみなし、認可保育所などに配置できるようになります。とば市議は、理学療法士の配置によって医療的ケア児や発達障がい児への支援を充実させることは重要としつつ、「理学療法士と保育士では専門性や役割が異なる。保育現場での経験や一定の研修を受ければ理学療法士でも保育士と同等に働けるとする考え方は、保育士の専門性を過小評価するものだ」と厳しく指摘しました。さらに、「みなし保育士は配置基準上、保育士1人として算定されるため、その分、本来の保育士が減り、保育計画の作成や保護者対応、安全管理などの負担は、保育士に集中する恐れがある」と指摘しました。そして「医療的ケア児への支援は、保育士の代替ではなく加配職員として配置するべきであり、保育士不足を補う手段として制度を広げることは保育の質の低下につながりかねない」として反対しました。

 

 

「放課後子ども居場所事業 学童保育への影響を検証せず拡大

 

 

次に、補正予算に盛り込まれた放課後子ども居場所事業の拡大について反対しました。とば市議は、導入モデル校では初年度に放課後児童クラブの利用児童が約4割も減少し、運営に大きな影響が出ていることを指摘。放課後児童クラブは、保護者が就労などで昼間家庭にいない子どもたちに、生活の場と継続的な育成支援を保障する児童福祉法に基づく事業であり、その役割は居場所事業とは異なる、と強調しました。

 

今回の辻小学校(南区)への追加導入についても、隣接する辻南小学校で同事業が予定されているなかで、必要性についての十分な説明がなかったことを問題視。「利用児童の減少による経営や職員雇用への不安が現場から出されているにもかかわらず、市は十分な影響調査をおこなっていない」と批判しました。党市議団は、放課後の子どもの居場所づくりや待機児童解消は必要としつつ、放課後児童クラブを縮小し、居場所事業へ置き換える現在の方向は児童福祉法の理念を後退させるものだとして、モデル事業の十分な検証と、放課後児童クラブの新設・施設整備への支援強化を求めました。

 

酷暑から命を守るためエアコン支援の拡充を

 

 

最後にとば市議は、「酷暑から市民の命を守る対策の拡充を求める請願」について採択を求めました。昨年は観測史上もっとも暑い夏となり、熱中症による救急搬送者は全国で10万人を超えました。今年は気温40℃以上を「酷暑日」と位置づけ、暑さ対策は命を守る課題となっています。請願は、生活保護世帯や低所得世帯へのエアコン購入・買い替え支援や、電気代助成などを求めるもので、とば市議は「全国で支援に踏み出す自治体が広がっている一方、本市は家計のやりくりや生活福祉資金の貸付を案内するにとどまっている。物価高騰のもとでは貸付利用にも返済への不安があり、十分な支援とは言えない」と述べました。市は「電気代を理由にエアコン使用を控えるケースは稀(まれ)」としていますが、「市民からは『電気代が心配で我慢している』という切実な声が寄せられている。市も国に夏季加算創設を要望している以上、市独自の支援策に踏み出すべきだ」と訴え、請願の採択を求めました。しかし、他会派などの反対で不採択となりました。

2026年2月議会本会議討論 過去最大の予算を市民のために

本会議場で討論をおこなうとばめぐみ市議

3 月12 日、とばめぐみ市議が2 月議会本会議で予算に対する討論をおこないました。
とば市議は「過去最大の1 兆2000 億円規模の予算は、物価高騰に苦しむ市民の暮らしを支える使い方になっていない」として、介護保険料、国民健康保険税、後期高齢者医療保険料が4 月から「トリプル負担増」となること、平均所得が伸びず、高齢者の多くが厳しい暮らしを余儀なくされている実態を示し、「必要なのは市民の負担軽減だ」と指摘しました。

また、とば市議は、新庁舎整備、地下鉄7号線延伸、大宮GCS(グランドセントラルステーション)化構想などの大型開発をすすめる一方で、子育て支援や福祉、区役所の職場環境改善など、市民に身近な課題への対応が不十分だと述べました。とりわけ「放課後子ども居場所事業」では、過密状態や子どもが安心して過ごせない実態をあげ、検証なしの事業は認められないと主張。また、市は子どもの権利条例の制定に向けて動き出しますが、まずは市民や職員への「子どもの権利条約」の周知徹底が優先であり、準備や調査が不十分だと指摘しました。
さらに、市営住宅の深刻な不足、家庭ごみ手数料の連続値上げ、補聴器助成の遅れ、下水道のウォーターPPP 導入などもあげ、「市民の暮らし最優先」の立場への転換を求めました。

党市議団として、基金の活用や事業見直しによる204 億円余の予算組み替え案を示し、財源を確保したうえで暮らし応援の施策は可能だと主張。水道料金の基本料金4 か月無料や市立病院への支援強化などを評価しつつ「全体としては市民の願いに応えられる内容ではない」として予算案に反対しました。

2026年2月議会本会議討論 小学校の学校給食無償化が実現 中学校まで広げよ

本会議場で討論をおこなう金子あきよ市議

3 月12 日、金子あきよ市議が2 月議会本会議で議案と請願に対する討論をおこないました。
はじめに、小学校および特別支援学校小学部の給食費無償化について、党市議団は市民とともに一貫して無償化を求めてきたと述べ、「義務教育はこれを無償とする」との憲法の考え方からすれば当然であり、歓迎するとして賛成しました。あわせて、中学校まで無償化を広げるよう求めました。

次に補正予算に盛り込まれた「庁舎整備基金積立金」38 億円については認められないとして反対しました。基本構想段階で約238 億円とされていた新庁舎計画は、短期間で約740 億円へと膨張。金子市議は「機能・規模の見直しもなく、総事業費の膨張を追認し、基金を積み増すことに市民の理解は得られない。市政が優先すべきは暮らしの支援だ」と主張しました。 さらに、こども誰でも通園制度の本格実施移行が提案されましたが、金子市議は「保育士の配置を保障する財政的裏づけがないまま事業を進めるのは拙速」と主張。この事業の主な財源が「子ども子育て支援金」であるため、制度の充実が社会保険料の負担増につながりかねない制度設計だとして厳しく批判しました。

 

国保税10 年連続引き上げ

また、10 年連続で過去最高額となる国民健康保険税の引き上げについて、実施されれば生活を直撃し、滞納や無保険を増やしかねないこと、あらたに「子ども子育て支援納付金」として所得割0.26%、均等割1700 円が上乗せされるのは、所得の低い世帯ほど負担感があり不公平だとして反対しました。
そして「2026 年度の国保税値上げ中止を求める請願」が指摘するように、国保税のみに存在する均等割が、負担が重く不平等なしくみであることに言及。党市議団は、現在の未就学児に対する均等割額の2 分の1 減額を全額にし、対象を18 歳まで拡大するべきと求めているが、国においてもその検討がされていることも示されており、これ以上の均等割による負担増は認められないとして請願採択を主張しましたが、他会派の反対により不採択となりました。

2025年9月議会本会議討論 市民生活守る立場での 市政運営求める

討論をおこなう松村としお市議

10月17日、9月議会最終本会議において議案と請願の討論採決がおこなわれ、党市議団から松村としお、久保みきの両市議が討論に立ちました。

はじめに松村市議が、前年度の黒字54億円を、物価高騰のもとで苦しむ市民の暮らしや子育て、中小企業支援に使うため、補正予算を組むよう求めました。下水道事業へのウォーターPPP導入条例については「営利企業である民間に委ねることは安全等の問題があり、八潮市の道路陥没事故も踏まえ、市直営で安全確保をすべき」と主張しました。放課後子ども居場所事業拡大のために公設放課後児童クラブを廃止する議案については、居場所事業が民設学童の運営を圧迫し、党市議団が求めてきた支援策が具体化されたものの不十分だと指摘し、反対しました。

また、生活保護は権利であることを市民に分かりやすく伝えるためポスター掲示など求める請願と、インボイス制度が中小企業や小規模事業者に負担を強いており見直しを求める意見書提出を求める請願について採択を主張しましたがいずれも不採択となりました。

続いて久保市議が登壇し、2024年度決算について不認定の討論をおこないました。久保市議は「昨年度、市民の給与所得者の平均額は約415万円で、もっとも人数の多い層(ボリュームゾーン)では約248万円。全体の平均所得は前年度から約20万円の伸びがあったが、ボリュームゾーンでは6000円しか伸びておらず格差は拡大している。高齢者の55%は非課税で、ボリュームゾーンの平均所得は約110万円。月の所得が10万円未満の方が7割を占めている」として、「高齢者への支援が不可欠だったにも関わらず、市の施策はデジタル地域通貨など、高齢者には恩恵が届きにくかった。またグリーンヒルうらわの廃止で、高齢者に深い喪失感を与えたことを重く受け止めるべき」と指摘しました。

2025年6月議会*本会議討論 子育て支援は社会保障予算の拡充で

会派を代表して討論にたつ池田めぐみ市議

7月4日、6月議会最終本会議で、党市議団を代表して池田めぐみ市議が議案、請願および補正予算について、それぞれ討論しました。提出議案38件のうち、32件に賛成し、6件に反対しました。おもな反対理由は以下のとおりです。

 

はじめに、令和7年度さいたま市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)について、この議案は2026年度から創設される子ども・子育て支援金制度に対応するため国民健康保険システムの改修をおこなうために約1063万円を計上しています。議案自体はシステム改修に関する費用ですが、背景にあるのは、児童手当の拡充、妊娠中、育休中の支援など「子ども・子育て支援金制度」に必要な財源を、社会保障削減と国民負担によって確保するという問題です。池田市議は「市民の望みは高すぎる国民健康保険税の引き下げなど、負担軽減だ。したがって、国に対して支援金制度の撤回を求め、子育て支援の充実は市民の負担増で進めるのではなく社会保障予算の拡充で進めるべきだ」と求めました。

 

また、公立保育所民間移管にともなう運営事業者選定委員会条例の制定議案について、池田市議は「この条例は、公立保育所を廃止および民間移管によって半減させる『公立保育所の在り方基本方針』に基づいて制定されるが、私たちはそもそも公立保育所を減らすことに反対。質疑でも、民間移管が実現しなかった場合は公募条件を緩和するという答弁があった。子どもの命を預かる現場で質を緩和することは認められない」として反対しました。

 

 

物価高騰対策

子どもひとり1万円の給付

 

 

続いて、物価高騰をうけて「家計負担軽減策」が追加補正予算として提出されました。このうち、18歳未満の子どもひとりにつき1万円を給付する特別給付金給付事業の予算は約23億円です。池田市議は「この事業自体を否定するものではないが、子どものいない世帯も多く、子育て世帯以外への支援も求められている」と主張しました。

 

また約16億円の予算がついた市民アプリ活用事業については「物価高騰対策よりも市民アプリのダウンロード数を増やすことが主目的になっていないか」と懸念を表明。「デジタル地域通貨の本来の目的は、地域経済を活性化させることだが、市民が大きくポイント還元を受け取るため、大規模店舗に利用が集中したという声が寄せられている。そもそもマイナンバーカードと紐づけなければ市民アプリは利用できない」と主張しました。現在、アプリのダウンロード数は約19万3000とのことですが、市内のアクティブユーザーは約10万人で、支援の対象人数が全市民を網羅しているとは言えません。池田市議は「私たちは、水道料金の引き下げなど、全市民を対象にした対策こそ必要と考える」として、本議案に反対しました。

 

 

所得税法第56条を廃止して

 

 

「所得税法第 56 条(以下、56条)を廃止するよう国や政府機関に意見書を上げること」の請願について、池田市議は「56条は、中小業者を支えている家族従業者(多くが女性)が働いた分、すなわち自家労賃は原則として必要経費とすることを認めていない。そのため事業専従者は、自立に必要な所得を得ることができないという経済的差別を受けている。国連女性差別撤廃委員会は、2016年に続いて2024 年にも『事業主のおよそ8割が男性であり、56条が家族従業女性の経済的自立を妨げていること』を懸念し、その改正を日本政府に勧告した」と主張し、「これまでも同趣旨の請願が出されており、全国の税理士会なども56条の廃止を求める意見書をあげている。地方議員が見直しの必要性を国に訴えるのは当然の責務」として、請願の採択を求めました。

 

最後に、請願「3000人規模の義務教育学校『武蔵浦和学園』建設計画の見直しを求めます」について池田市議は、入札が2度にわたって不調になり、このままでは設計金額が膨れ上がってしまうこと、大きく複雑な校舎ユニット制などの実験的なシステムによる教員や子どもへの負担、学区編成の硬直化などの問題が解決していないことを指摘し、「現状の大規模・過大規模校解決のために、さらに『超巨大規模校』をつくるという考え方には無理がある。本請願に緊急で寄せられた署名も1540筆となった。立ち止まって見直すべき」として、採択を求めました。

 

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