議会報告

池田めぐみ

9月議会報告会を開催 再開発は 市民の声を聞いて

党市議団は11月4日に大宮区で市政報告会をおこないました。

 

はじめにたけこし連市議が2022年(令和4年)度決算について報告しました。市は、予算をつくる段階では「146億円不足」と説明していましたが、一般会計で59.6億円の黒字、基金総額は895億円で過去最高となりました。社会保障費をけずり込んで帳尻をあわせる一方で、決算審査では財政局長が「建設費における予算の上限額は決めていない」と答弁。大宮駅GSC化構想をはじめ大型公共事業には湯水のように税金を使う姿勢が明らかになりました。

 

またたけこし市議の質問で、市民所得の中央値は246万円、その階層にいる市民は16万人であることが明らかになりました。市は「物価高騰対策で101億円使った」と言いますが、そのほとんどは国からの交付金で、市の財政支出は6800万円、市民ひとりあたりに換算するとたったの51円です。たけこし市議は「市民の暮らしにとって必要なものを限界まで削り、ハコモノに熱中している」と厳しく指摘しました。

 

大宮小学校に集約駐車場?

 

金子あきよ市議は大宮駅周辺の開発計画について報告しました。大宮駅GCS化構想を詳しく説明するとともに、9月議会で議決された駐車場附置条例の改正(党市議団は反対)についても報告。大宮区役所跡地と大宮小学校の市有地に集約駐車場をつくることで大宮駅東口開発を進めやすくする市のねらいを明らかにしました。金子市議は「子どもの学ぶ権利より都市開発優先でいいのか」と投げかけました。

 

また金子市議は、桜木駐車場に商業や結婚式など多目的スペースを提供する施設がつくられ、市が土地を貸すことを議会に報告した、と話しました。「この地域には防災や渋滞対策など住民要望がさまざまある。コロナのワクチン接種会場にも使われた。市民の暮らしの立場から声をあげてほしい」と呼びかけました。

 

池田めぐみ市議は「レジャープールのあり方方針案」について報告。7月に行われたパブリックコメント(パブコメ)に歴代2位の905件の意見が寄せられており、多くが反対だったことを紹介。市民の意見を「市の政策等に反映させる制度」(要綱)と定めているパブコメなのに、「ほとんどの意見が無視された」と市の姿勢を批判しました。

 

待機児童がもともと少ない小学校がモデル校に  

 

久保みき市議は9月議会で議決された「放課後子ども居場所事業」(党市議団は反対)について報告しました。市の提案では17時まで全児童が利用でき、待機児童がゼロになるとしながら、今回予定しているモデル校(4校)では今春の待機児童はわずかだったことが議会質問で明らかになりました。モデル事業に選ばれた中でもっとも待機児童が多かった鈴谷小学校区でも、学区に新しい民間学童ができて待機児童は解消する見通しです。にもかかわらず、全児童が利用できる放課後子ども居場所事業がはじまれば民間学童保育の利用者が減りかねません。久保市議は「民間学童保育運営者に対する裏切り行為だ。子どもたちの放課後がよりよいものになるようにしたい」と話しました。

 

参加した市民からは「再開発はみんなの意見を聞いて、やってよかったと思えて弱者にやさしいまちづくりをしてほしい」「大宮小学校の卒業生として駐車場計画に驚いた。子どもを大切にする視点が市にないのは問題だ」「放課後子ども居場所事業の話はショック。今度どうなるのか、不安が大きい」「放課後子ども居場所事業は今後の検証が大事。1年ごとにしっかり検証してほしい」「市は多くの問題を抱えているが、変えるのは市民」などの声が出されました。また「身近な道路整備などで障がい者が利用しやすくしてほしい」「学校給食費無償化に向けた議会の動きはどうか」などの質疑応答もありました。

 

党市議団として市政の課題と現状を知らせるとともに、住民の願いが実現するよう引き続きとりくんでいきます。

 

参加者の感想

●開発を否定するわけではないが、市民の目線に立っていないことが問題。アリバイづくりのアンケートやパブコメはしくみを変えないといけない。

●はじめて参加した。市民としてお願いしたいのは、給食費の無償化、放課後の児童の安全、保護者の負担軽減。80代の私も、子育ての大変さに胸が痛む。未来のために、まずは子どものことを第一に考えてほしい。

●娘が台東区に住んでいるが、台東区には市民のスポーツ広場があり、ほんの少し土手になっているところに新しくガードレールがついたり、隅田川のほとりに小さな公園があったり、学校の近くの公園にはきれいなトイレがついていたりと、どこに税金が使われているのか見えやすい。一方で、さいたま市はどこに税金を使っているのか、少しも満足できない。住民の声を聞いた活動を期待する。

2023年9月議会*総合政策委員会議案外質問 パブコメを 市の政策にいかして

9月議会 常任委員会議案外質問(9月19日)

池田めぐみ市議はパブリックコメント(以下、パブコメ)について質しました。

 

本市は2003年度からパブコメを実施。20年間でもっとも意見の多かった案件は、2006年度の「路上喫煙及び空き缶等のポイ捨て防止の条例案」で1046件。この夏に実施された「レジャープールのあり方方針案」に対する意見数710件は、歴代2番目の多さでした。

 

今回のパブコメの周知について、池田市議が原山市民プールで撮影した写真を提示し「パブコメ実施中の案内は、現地ではほとんどおこなわれていなかった」と迫り、担当課の職員も広報不足を認めました。池田市議が「市民の声を聞きましたという既成事実になっていないか。これまで、パブコメの意見によって計画をストップした案件はあるのか」と質すと、担当課は「パブコメは賛否を問う制度ではないため、中止に至った案件はない」との答弁でした。しかし、パブコメの制度要綱第2条には「市民の意見を市の政策に反映させる制度」と明記されています。池田市議は1000件近くの市民の声を無視することのないよう、強く求めました。

 

続いてインボイス制度について、実施延期を国に求める請願は、6月議会では不採択になりました。池田市議がこれまでのとりくみを質すと、市は「会計ソフト導入などを補助するさいたまDX推進補助金の交付は81件、セミナー8回、相談85件」と答えました。インボイス制度がスタートしたあとの対策について市は「3年間の経過措置と支援機関へ相談を」と答弁。池田市議は「市内の業者が廃業に追い込まれる危機が迫っている。市独自の支援を検討すべき」と求めました。

 

原山市民プールを なくさないで!計画撤回と住民への説明求める

6月議会に「さいたま市レジャープールのあり方方針(案)」(以下「方針案」)が報告され、その後、パブリックコメントがおこなわれました。この「方針案」は5つある屋外市民プール(沼影、原山、下落合、三橋、大和田公園)を1つないし2つに減らすもので、さいたま市議団ニュース998号で報じて以来、党市議団には多くの問い合わせが寄せられています。

 

「方針案」には多くの問題が  「方針案」では5つのレジャープールの「収支状況」を分析して、2017~2021年の5年間の平均で年間約「3億6500万円の支出超過(マイナス)」と導いていますが、2020・21年はコロナで閉鎖したため入場料はゼロです。維持管理費も減っていますが、それでも期間の取り方や廃止判断の時期には疑問があります。そもそも市は営利目的ではなく公共サービスとして市民プールを運営しているのですから、収支を云々すること自体が地方自治体の本来の目的である「住民福祉の増進」に反します。収支超過をいうのであれば、年に1日限りの国際イベントに2~3億円の税金をつぎ込んできたことを脇に置く市の姿勢はご都合主義ではないでしょうか。

 

市民からの「存続」求める声

 

8月、原山市民プール(緑区)周辺の市民のみなさんが「原山市民プールの存続を求める会」を立ち上げ、プール利用者への聞き取りや署名にとりくみ、8月23日に都市公園課と懇談をおこないました。この懇談には池田めぐみ、松村としおの両市議が同席しました。

 

懇談では、「この夏も子どもと原山市民プールに行った。近くて安価で安心して行ける市民プールの存在がどれほどありがたいか。なくさないでほしい」「懇談に来るにあたり孫から『プールを守って』とお願いされてきた」と、子どもたちが存続を強く願っていることが次々と出されました。市職員は「夏の思い出づくりに欠かせない施設であることは理解している」と言いながら、沼影市民プール(南区)と下落合プール(中央区)が市の計画で廃止されることが転換のきっかけになったと「方針案」の内容の説明がありました。これに対し、住民からは「市民からプール廃止を求める声があるのか」「市民サービスとして使う税金に問題はない」という声が出されました。

 

子どもも含めた住民説明会を  

 

また、「市民プール廃止という話をすると『知らなかった』『驚いた』という声が多い。パブコメで終わらせず地域で説明会を開いてほしい。影響を大きく受けるのが子ども。子どもの意見を説明会などで聞いてほしい」という要望も出されました。

「方針案」では市民意向調査を掲載していますが、対象は20代から70代となっており、子どもは除外されています。  松村市議は「市民意見をないがしろにしたまちづくりがさいたま市では目立つ。プール廃止にはパブコメも多く寄せられ、まとめの公表が当初の9月から12月に延期された。説明会要望の実現に力をつくすとともに、子どもの意見も聞かずに子どもたちの楽しみと笑顔を奪う『方針案』の見直し、撤回を求めていきたい」と話しています。

座談会*6月議会をふりかえって(下) 請願審査から みえた他会派の態度

たけこし 今回の議会には市民からたくさんの請願が出されましたね。池田さん、はじめて審査に参加してどうでしたか。

 

池田 請願というのは、市民からの切実な願いですよね。私は総合政策委員会で3つの請願について賛成討論をおこないました。一方で、他会派の議員が「これでなんで不採択なんだろう」っていう理由で反対したことに大変驚きました。例えば核兵器禁止条約締約国会議の請願、さいたま市自身が平和都市宣言もして、平和首長会議にも入っているわけで、反対する理由はないはずなのに、最終的には12人中3人(日本共産党と無所属)しか賛成せずに不採択になるのを目の当たりにしました。

 

とば 池田さんは討論で、市長には責任があるということも、もうこれ以上被爆者をがっかりさせてはいけない、ということも言った。そうだそうだって思ったけれど、これをひっくり返す反対討論の情けなさ、ちょっと許せないですね。

 

池田 「被爆者の思いに耳を傾けて、心に問うてください」「自分の心で考えて、その言葉を発していますか」と言いたかったです。

 

全員 ほんとだね。

 

たけこし 保健福祉委員会では、加齢性難聴の補聴器助成を求める請願と、酷暑から市民の命を守ることを求める請願が出されました。

 

久保 採択の立場は私たちだけ。とても残念ですね。加齢性難聴の請願の反対理由は「さいたま市が国に補助金実施を要望してるから不採択だ」と。酷暑対策については、これだけの猛暑で、さいたま市でも過去に死者が出た事例があるのに不採択。エアコンの購入、修理、それから電気代の補助。これはどうにかしたいなと思いますよね。

 

とば 市民をひとりも死なせないっていう姿勢が市にはないよね。

 

久保 そう。市ができないっていうならば、じゃあ私たち超党派で市民の命を守るためにできることをやろうじゃないかっていう腹を割った議論もできない。

 

松村 行政の不十分さに対して、市民の請願を受けたかたちで、なんとか実現していくっていうのは、議員の役割のはずなんだけど、行政の言い訳に迎合してしまうところも問題だなと思いますね。

 

金子 多くの会派が「願意の一部は達成しているから、この請願は不採択」というわけですね。でも、その願意が達成されていないところが重要だから請願を採択してほしい、と請願者は言っているんですよ。一部達成でいいって言ったら、要求を押し込めることにしかならないのに、どうして採択できないんでしょうね。

 

たけこし やっぱり「立場」で反対なんですよね。中身じゃなくて、誰が提出したかっていうところで反対するっていうこともある。

 

池田 議会がそういう状態なんだということを、市民のみなさんにもっと知らせていかないといけませんね。

 

選挙公約に掲げたけど 議員になったら反対?

 

たけこし 学校給食費無償化の請願ですが、池田さんの一般質問もありましたけど、4月の統一地方選挙のときに公約に掲げたにもかかわらず請願に反対する議員がいました。

 

久保 それはありえないですね。

 

金子 自分たちは国に実施を求めているから、市議会では反対する、という、市民にとって分かりにくい反対理由でした。

 

たけこし どの会派も、市議会で市長に対してもっとはっきり要求してほしいですよね。

 

池田 インボイスの中止を求める意見書が通った自治体もあります。自治体によっては同じ請願や意見書でも他党の態度が変わるんですか。

 

松村 その自治体の首長との関係によって態度が変わるということは確かにあるね。

 

金子 私たちにとって大切なのはいつでも「市民」の立場に立つ、ということですけどね。

 

たけこし 最後に、どういう立場で今後の議会に臨むか、意気込みをお願いします。

 

松村 6月議会に出された請願を通して、今の市議会の状況、姿というのが強く刻まれたことと思います。数の上では私たちは少数ですが、そういうなかであっても、市民のみなさんの声を市政に生かし、届けるという姿勢を貫く以外ありません。市民の命とくらしを守るという立場は揺らいではならないと、あらためて思います。9月議会も引き続きがんばります。

これからも市民に寄り添う政策を ~6月議会報告会を開催~

党市議団はこれまで、議会ごとに団としての議会報告会をおこなってきましたが、この3年間はコロナ禍のもとで自粛してきました。新体制となった今期の市議団で議会報告会を再開するにあたり、今後は、4つの行政区(西区、北区、大宮区、岩槻区)を中心に、報告会を開催していこうと決めました。

 

7月16日、6月議会報告会が岩槻駅東口コミュニティセンターで開催されました。参加者66人のうち、35人が岩槻区からの参加者でした。議会全体の様子を伝えつつ、参加者のみなさんの声も聴く、双方向の報告会となりました。

 

はじめに松村としお市議が全体を振り返りました。議会初日の市長あいさつでは、さいたま市民の日のことや、浦和レッズ、レッズレディースの優勝の話が中心で、物価高騰でダメージを受けている市民のくらしに寄り添う発言がなかったことを紹介。補正予算の特徴については「マイナンバーカードの普及促進事業」や、「限られた農家や事業者対象の支援」「社会福祉施設を対象とした水道料金減免期間8カ月延長」など、市民負担を広く軽減するような事業はほとんどおこなわれなかったことを明らかにしました。党市議団では、水道料金の引き下げや、学校給食費の無償化、子ども医療費無料化の高校卒業まで延長などを求めましたが、清水市長から前向きにとりくむ姿勢が見えなかったこともあわせて報告されました。

 

次に、久保みき市議の代表質問の動画を上映。虐待禁止条例の制定や、農業支援、アニマルウェルフェア、犯罪被害者支援、学校給食時間の共食、旧埼玉県衛生研究所跡地利用についてなど、久保市議が市民のみなさんからの相談をもとに取り上げた質問に、共感の声が寄せられました。

 

続いて、初の一般質問に立った池田めぐみ市議が報告。「24時間使えるAEDの設置拡大」については、消防局や地域医療課、教育委員会、先進事例のある自治体など、事前にヒアリングを重ね、応援の声が行政からもあがったこと、質問の2日後に、読売新聞が「公立学校の正門にAED設置」の記事を掲載したことを紹介しました。  とばめぐみ市議は、請願審査に対する各会派の採択・不採択の態度について紹介しました。討論もせずに不採択とする会派も問題ですが、市民の切実な願いに不採択の立場で討論にたった議員のおよそ納得のできない理由に、会場からも驚きの声があがりました。

 

たけこし連市議は「さいたま市のレジャープールのあり方」と「さいたま新都心に移転する新市庁舎」について、パワーポイントを用いて説明をおこないました。レジャープールについては、まちづくり委員会で、市が管理する5つのうち4つを廃止する案が浮上。5つの施設合計で、年間3億6500万円の赤字を理由にプール廃止案を提案していますが、子どもたちが楽しみにしているプールを削ることが、市民の声を反映することか、と参加者に問いかけました。新市庁舎については、市庁舎と一体としながら民間企業のための建物を別に建てる案があることを説明。また、職員一人あたりの面積も、民間と土地を共有することから国の基準よりも小さい面積であることを説明しました。  会場からの質疑応答では、「補聴器の購入費補助、早く実現してほしい」「レジャープール廃止案には経産省が関わっているのか」「若い人向けの公約とともに、高齢者にはどのような対策をするのか」「マイナンバーカードに不安がある」などさまざまな質問や意見が出され、各市議が回答しました。

 

司会を務めた金子あきよ市議は「数年ぶりの、対面での議会報告会。次々と手をあげて発言する参加者のみなさんの姿に、意見交換の場の大切さを実感した。これからも党市議団は、市民に寄り添う政策を進めていく」と話しました。

 

 

参加者から寄せられた感想

●限られた時間のなかで充実した内容だった。各区でも開いてほしい

 

●各議員の個性や持ち味を知ることができた

 

●議員質問の様子を映像で見ることができてよかった

 

●市議会がとても身近に感じられた。今後も続けてほしい

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