議会報告

2018年11月

12月議会*本会議 議員の海外視察は中止に

請願の討論をおこなう神田よしゆき市議

 12 月議会の冒頭で、閉会中に審査された「議員の海外視察の中止を求める請願」について神田よしゆき市議が賛成の討論をおこないました。

 

 請願では、政務活動費を使った海外視察の中止および、友好都市の海外視察では、議会代表と現地に精通した者を除く海外視察の中止を求めています。

 

 神田市議は討論で、「友好都市訪問で『現地に精通した者』というあいまいな基準を設けて、海外視察を正当化することには同意できないが、請願が求めている海外視察中止の趣旨は、日本共産党市議団として従来から求めている」と述べ、賛成しました。

 

 請願は、日本共産党と無所属の2 人の議員を除く会派の反対で不採択とされました。

12月議会*本会議 市長・議員のボーナスアップ 市民のくらし無視が明らかに

総括質疑をおこなう松村としお市議

 11 月29 日の本会議で松村としお市議が12 月議会における市長提出議案に対する総括質疑をおこないました。

 

 12 月議会では議員および市長等特別職の期末手当(いわゆるボーナス)を引き上げる条例が出されています。毎年のように12 月議会に市長および議員のボーナス引き上げ条例が出されていますが、党市議団は市民のくらしの現状をふまえて反対してきました。

 

 松村市議はボーナス額の変化を質問し、今度の条例で議員は5.9 万円、市長は9.9 万円上がり、5 年前に比べ年収が議員は46.8 万円増、市長は340.9 万円増であることが明らかになりました。

 

松村 9 月議会の決算審査で納税者の平均年間給与が10 年前から13.8 万円減少し、高齢者の年間平均所得も5 年前から18.5万円減少していることの認識を市長に質した。一方で市長の年収は数百万円も増えた。条例を出すにあたり市長は市民生活を考慮する検討をおこなったのか。

 

総務局長 第三者機関である特別職報酬等審議会からの意見をうかがい、答申を尊重して条例を出した。

 

 松村市議が重ねて「市民生活を考慮する検討はしなかったのか」と質したのに対し、総務局長は同じ答弁をくり返し、検討していないことが明らかになりました。直近の議会で党市議団が指摘してきた市民生活の厳しさを考慮しないままボーナス引き上げの条例を提案したことは問題です。

 

新大宮区役所の駐車場料金は

 

 2019 年5 月に図書館などとの複合施設になる新大宮区役所がオープンします。この駐車場料金を定める条例が出されました。

 

松村 駐車場が有料の区役所と、その無料時間を聞かせてほしい。

 

市民局長 北区役所2 時間、桜区役所3 時間、南区・岩槻区役所1 時間。

 

松村 新大宮区役所はどうなっているか。

 

市民局長 大宮区役所、大宮図書館、北部建設事務所等で施設利用の認証を受ければ1時間無料。窓口混雑等やむをえない事情で超過した場合はその時間を無料にする。

 

 駐車場が無料の区役所もあり、無料時間もばらつきがあります。これについて市民局長は「立地、併設する施設などの条件の違いから生じるもの」と説明しました。

 

公立学童支援員の処遇改善を

 

 さいたま市は多くの公共施設で企業等に管理・運営させる指定管理者制度を採用しています。12 月議会には公立放課後児童クラブ、市営自転車駐輪場など多くの施設を指定管理するための条例が出されています。とりわけ公立放課後児童クラブ(学童保育)は今後5年間、社会福祉事業団を指定管理者とする条例です。

 

 これまで党市議団は公立学童支援員の処遇改善を求めてきました。市は「指定管理料の見直しのなかで適正な人件費を検討する」と答弁してきたことから、松村市議は今回の指定管理で処遇改善がはかられたか質しました。市は「実績額や今後の賃金の上昇などを踏まえて積算」「社会福祉事業団からは賃金改善に努める旨の回答がある」と答弁。今後、処遇改善の内容について委員会審査で精査します。

後期高齢医療広域連合議会 75 歳以上の高齢者の医療費窓口 2 割負担は中止を

 11 月5 日、埼玉県後期高齢医療広域連合議会が開催され、戸島よし子市議が出席しました。戸島市議は、2017 年度特別会計決算に反対し、「保険料の特例軽減が縮小され、全県で13 万3400 人の元被扶養者などの保険料が大幅に値上げされ、総額9 億6317 万円の負担増となった。また、高額療養費の自己負担額が引き上げられ、この負担額も9 億5000万円となった。高齢者は、保険料と医療費の両面で重い負担となっている」と討論をおこないました。

 

 一般質問では、窓口2 割負担問題を取り上げました。

 

戸島 高齢者の所得は、10 年前より12 万円も減っている。介護・医療の保険料の負担が重くなっている。現在、医療費の負担割合はどうか。

 

広域連合 1 割負担の人は77 万2000人、92.31%。現役並みの3 割負担は6 万4290 人、7.7% となっている。

 

戸島 政府は、窓口での医療費負担を1割から2 割に引き上げる閣議決定をした。どのような影響が出るのか。

 

広域連合 2017 年度決算ベースで試算すると、1 件当たりで1240 円増、全体で約278 億円の増となる。

 

戸島 2 割負担に引き上げられることについてどう考えているのか。

 

広域連合 高齢者が医療を受ける機会の確保から、現状維持に努めたい。全国広域連合協議会を通じ、国に要望している。

 

 戸島市議は、「高齢者や現役世代に負担を押し付けるのは止めて国が財源拡充を図り、窓口2 割負担を中止するよう強く意見を上げよ」とさらに求めました。

市の給付型奨学金制度創設を

 9 月議会に党市議団が紹介議員となった「さいたま市に給付制奨学金の創設を求める請願」(新日本婦人の会提出)を契機に、文教委員会で市教育委員会に対し、「経済的理由により修学困難な学生等に対する支援の拡充に関する申入れ」をおこないました(請願は取り下げ)。

 

 請願審査で、20 政令市中13 市で給付型奨学金を実施し、さいたま市が遅れた実態にあることが明らかになりました。またさいたま市議会では2016 年に国に対し給付型奨学金制度の創設を求める意見書を採択しています。

 

 請願への態度は会派間で一致しませんでしたが、こうした経過をふまえ、「申入れ」というかたちで、経済的理由により修学を断念せざるを得ない学生等への支援の拡充にいっそうとりくむよう、文教委員会として市に求めました。

 

 党市議団としても、市独自の給付型奨学金制度の実施を求める世論を市民とともに広げるとりくみをすすめます。

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