議会報告

2022年12月

2022年12月議会*文教委員会 少人数学級を全学年で 1万1749人の願い届かず

少人数学級の実現を求めて質疑・討論をおこなう金子あきよ市議

 12月議会には、「学びと健康を保障する少人数学級を求める会」が、少人数学級の推進を求めて、請願「さいたま市で少人数学級を前進させてください」を1万1749筆の署名とともに提出し、党市議団が紹介議員となりました。

 

 文教委員会で、金子あきよ市議は「小・中学校の学級あたりの児童生徒数が政令市でもっとも多いさいたま市でこそ1日も早い少人数学級の実現が必要。中学校では1年生について38人学級のための措置が取られているが、受験や人間関係などの課題も大きくなる2、3年生で、よりきめ細かな指導が求められる。特別支援学級では、教育活動にとって必要な教員の数が不足し、保護者に教育活動への参加が要請されている実態がある。その改善のためにも学級定数を減らすことが有効」として請願の採択を主張しました。

 

 しかし、民主改革さいたま市議団の市議が国の施策に従う市の現状を肯定する討論を行い、採決の結果、請願は不採択となりました。

2022年12月*一般質問 有価資源資材置き場を規制する条例をつくれ

一般質問にたつとばめぐみ市議

 12月7日、12月議会の一般質問でとばめぐみ市議は、見沼区の3つの重要な要求を質問しました。

 

 党市議団には資材置き場等に関するたくさんの相談が寄せられています。住宅街にもかかわらず、高い金属パネルで囲った資材置き場が「壊れた機械や使えなくなった備品・什器、解体作業時に発生する廃材など、地域いちばんの買取りを目指す」「鉄・非鉄スクラップ高価買取りはわが社へ」と大宣伝。早朝から騒音や地響き、生活道路をダンプが通り、土を落とす、道路がへこむ・ゆがむなど、住民とのトラブルが絶えず、直接業者に申し入れても市や警察に連絡しても、なに一つ解決しない、というのが住民の相談です。

 本市には、有価資源などの資材置き場を規制する条例がありません。川口市、越谷市、川越市などは条例を持ち、住民への周知、運搬経路は住民の生活に配慮する、ルートは通学路や保育所・幼稚園に配慮する、住民と稼働時間の協定を結ぶなどを定めています。他市の規制が進んだために、業界は「さいたま市で資材置き場をはじめませんか」と煽り立ててきました。

 この問題について、これまで何度も条例制定を求めてきたとば市議はその進捗状況を問い、市は「ルールを設けることは喫緊の課題として積極的に検討している。実効性のあるもの、本市に合ったものにすること、懲罰についても関係機関と協議していくことを考え合わせて、条例制定に向けて検討を進めている」と明確に答弁しました。何度も何度も取り上げてきたことが市政を動かしました。

 

新設大和田地区小学校建設

開校1年遅れは道理なし

 

 9月議会で、新設大和田地区小学校の開校がさらに1年遅れることが報告されました。市はその理由を①文科省より「今後の学校施設の在り方に関する報告書」が示された②コロナの影響で労働力不足と資材調達が不安定③社会情勢不安による資材調達の不安定④労基法改正にともない建設業界が週休2日になった、と説明しています。

 とば市議は①について直接文科省に問い合わせ、文科省は「すでに建設が進んでいる学校施設での計画や、設計について検討を求める事務連絡は発出していない。学校教育活動に支障を生じないよう、学校設置者が適切な判断を」と文書で回答しました。とば市議は「1年遅らせることが学校教育活動に支障を生じない、適切な判断とは言えない」と厳しく批判しました。②は予算を組めばいいこと、④にいたっては計画段階から分かっていたことです。

 大砂土東小、大谷小の過大規模状態をさらに1年延ばすことへの対策も市はまったく答えられませんでした。大和田1丁目に小学校建設を早期に求める会への説明会で住民は「もう信用できない」と怒り心頭。とば市議は「予定通り工事をすすめ、2025年開校のためにあらゆる努力をするべき」と強く求めました。

 

バス通学するすべての子どもに

バス代の補助を

 

 続いて、片柳小学校のバス通学問題についてとりあげました。片柳小学校では現在、「三崎台」「染谷新道」の2カ所のバス停から5つの通学班で29人の児童が通っています。市はバス代の補助を出すための基準を「(自宅から学校までの距離が)3km以上」と定めているため、バス代が半額補助されている児童は13人、まったく補助がなく、全額保護者負担の児童が16人います。

 とば市議は、他自治体のバス通学の補助を調査し、2.5km、2km、1.5km等基準はさまざまで、バス通学を必要としている児童に必要な距離を基準にしていることを紹介し、「一つの通学班で補助のある児童とない児童をうむような本市の基準の定め方はやめるべき」と質しました。しかし市は「基準を変更する考えはない」とのことでした。

 しかしこの地域は、安全な通学路が確保できないために、脈々と60年もバス通学を続けてきた、バス通学が必要不可欠な地域です。16人の児童へのバス代補助を切り捨てていることは許されません。とば市議は「補助の線引きを、実態を無視して距離だけで決める冷たいやり方をやめ、この地域にだけのしかかる重い負担の軽減にとりくむべき」と求めました。

2022年12月議会*一般質問 学校給食費 緊急に6カ月無料求める

「学校給食費の隣接市比較」を示して一般質問にたつ松村市議

 松村としお市議は12月7日に一般質問に立ち、物価高のもとで子育て世代への負担軽減策に早急に踏み出すことを求めました。

 

 松村市議はさいたま市と隣接する自治体の学校給食費を調査。さいたま市は小·中学校とも3番目に高く、多くの自治体で第3子無料や一時的な無料化をはかっていることが明らかになりました。またさいたま市より高い春日部市では第3子無料、志木市では一時的に無料にするなど軽減措置を取っていることから、さいたま市が実質的にいちばん高いと言えます(表参照)。

 

 松村市議は全国256自治体が完全無償化しているという「しんぶん赤旗」の報道と隣接自治体の調査結果を示し、学校給食費をまずは6カ月(半年間)無料にすること、さらに大型開発での税金の無駄遣いを見直して財源をつくり給食費無償化へ踏み出すことを求めました。

 

 答弁に立った副教育長は他市で「無償化や減免、物価高騰の影響を踏まえた施策を実施していることは承知している」としつつ、「臨時交付金を活用して2学期からの給食は物価高騰影響分を市が負担している」と据え置きにとどまっていることを認めました。しかし「学校給食費の値下げは考えていない。国の動向や物価変動を注視しながら必要な支援を研究したい」と国まかせの姿勢。さらに「将来的な無償化については就学援助制度で全額免除している」とすり替えの答弁をしました。これを受けて松村市議は再質問をしました。

 

松村 物価高で生活が厳しいという認識はないのか。あれば追加の取り組みが必要だ。

 

副教育長 物価高騰の影響は受けていると認識している。給食費の負担が困難なら就学援助制度の活用を。

 

松村 いま起きているのは物価高で所得が減っているわけではない。就学援助ではカバーできない。市長の決断で給食費の緊急引き下げをすべきだ。

 

市長 就学援助を活用してほしい。

 

 給食費引き下げができない理由が示せず、同じ答弁が繰り返されました。松村市議はさらに「子ども医療費無料の18歳年度末まで延長」「市独自の給付型奨学金制度創設」を求めましたが市は実施の考えはなく、市民の厳しい生活に寄りそう姿勢が市長·教育委員会にまったくないことがあらわになりました。

2022年12月議会*一般質問 有機農家を支援して 地産地消をすすめよ

一般質問にたつ久保市議

 12月6日、久保みき市議が一般質問をおこないました。

 11月12日、浦和駅東口のパルコ前の広場にて「さいたまオーガニックシティフェス」が開催され、久保市議も参加しました。大盛況だった様子を写真で示し「たくさんの若い農家が有機農業にとりくんでいる。たくさんの若い人が安全でオーガニックな農作物を求めている。さいたま市は有機農家を応援していく責務がある。国が募集している『オーガニックビレッジ』に手を上げて、交付金を活用して有機農業を推進し、有機農家を支援していくべき」と迫りました。市は有機農家への応援を約束し、オーガニックビレッジについても「応募の可能性について検討していく」と前向きな答弁をしました。

 また、鎌足小・中学校(千葉県木更津市)のとりくみを紹介し、地元の農産物を学校給食に取り入れるよう求めました。市は「有機農業者や地元生産者と学校栄養士の情報懇談会を発展させて考えていきたい」と答えました。

 

高齢社会に向けて

 

 次に久保市議は、交通権を守るためにコミュニティバスの改善、デマンド交通の拡充、仮称「お出かけ応援制度」の創設、交通基本条例の制定を求めました。コミバスにおいては、収支率40%について「収支という考えそのものが間違い。公共交通の充実にかかる費用は、経済効果や医療費削減などさまざまな効果を生み出すというクロスセクターベネフィットの考え方が適切」とし、「さいたま市もまずはクロスセクターの試算を出すべき」と主張しました。市は「クロスセクターの試算については、部局横断会議において研究していきたい」と答弁しました。

 市は、デマンド交通について他地区への展開を検討するとし、高齢者のバス等料金100円にする応援制度については、「他都市における同様の事例を調査し検討会議で議論していく」と答弁しました。さらに交通基本条例の制定については「自治体で制定している事例もあるため、必要性を研究したい」と答弁しました。

 また、久保市議は、高齢社会に向けてエレベーターの必要性を指摘し、土合公民館へのエレベーター設置を求めました。市も「施設の状況等を勘案しながら整備促進を図っていきたい」と前向きな答弁をしました。

 

障がい者が安心して暮らすために

 

 続いて久保市議は、障がい者の移動支援の充実、グループホームの市独自補助の拡充、生活ホームを守ることなど、障がい者が安心して暮らすための施策を提案しました。

 移動支援では、グループ支援については検討すると答弁したものの、報酬単価の引き上げについては研究するという答弁にとどまりました。グループホームの補助の拡充について久保市議が、「障がいの軽い人にも、すべての区分に国の報酬単価に上乗せ、加算をするべき」と求めたのに対し、市は「現時点では考えていないが、障がいのある方が安心して暮らしていけるよう必要な支援について引き続き検討する」という答弁をしました。

生活ホームについては「障がい者の生活ホームは市単独事業で、グループホーム制度ができる前から障がい者のくらしの場として重要な役割を担ってきた。グループホームへの移行を迫らず、今後も運営していけるように支援をすべき」と訴える久保市議に対し市も運営が維持できるよう支援を続けると約束しました。

 

桜区の水害対策を前へ

 

 最後に久保市議は水害時の広域避難と桜区桜田・新開地域の浸水対策について質問しました。油面川排水機場ができても浸水してしまう地域における対策として、「桜田に公園希望の土地があり、そこに貯留施設を設置したら水害対策として効果があるが、既存公園があるから公園の担当課は公園にできないと言う。河川課は公園など公共施設でないと貯留施設はできないと言う。まさに縦割りの弊害。このような時は市長の旗振りが必要である」と迫りました。市長が答弁に立ち、「それぞれの公共施設に貯留施設を整備していく計画である。状況を踏まえて検討したい」と答えました。

 

  • オーガニックビレッジとは

有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみのとりくみを進める市町村のこと(農林水産省HPより)

2022年9月議会閉会中審査*本会議討論 与野中央公園 緑地面積の大幅減が明らかに

討論をおこなう竹腰市議

 12月1日、12月議会本会議で、たけこし連市議が請願の討論に立ちました。

 「与野中央公園に5000人収容のスポーツ施設の建設中止を求める請願」について、たけこし市議は「与野中央公園は旧与野の時代から市民が憩える場所としての整備を求めてきた経過があるにも関わらず、今回のアリーナ建設等によって公園面積8万1000㎡のうち残される緑地面積は1万㎡程度になることが明らかになった。これではコンクリートジャングルになってしまう。また、計画自体が一部の市民にしか告知されておらず、地元住民への説明や議論などの合意形成が不十分。よって計画見直しを求める願意は妥当」と主張し、採択を求めました。

 また、No.980でご紹介した「核兵器禁止条約の署名批准を国に対して求める請願」は、採決が持ち越されたものの、結局、決議としてまとまりませんでした。たけこし市議は「平和都市宣言の制定を求めた市議会で、条約批准を求める意見書がまとまらないことはあってはならない」として採択を求めました。

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