議会報告

質疑・討論

2024年2月議会*本会議討論 住民福祉の増進をかかげる地方自治体の役目を果たせ

2月議会に市長から提出された議案90件について、党市議団は75件に賛成し、15件に反対しました。3月14日、最終本会議にて議案・請願に対する討論がおこなわれ、池田めぐみ市議が登壇しました。

 

はじめに、2023(令和5)年度一般会計補正予算の「戸籍住民基本台帳事務事業」について反対の立場から、「すでに戸籍に記載されている人の名前のフリガナについて、本人からの届け出がなければ職権でフリガナがふられる可能性があり、今後生まれてくる子どもの名前も『一般的な読み方であるかどうか、行政が審査をおこなう』ことは命名権の侵害にあたり、職員に膨大な作業を課す事業には賛成できない」と述べました。

 

次に池田市議は、8年連続となる国民健康保険税の値上げについて反対を表明。「物価高騰の中、市民の暮らしの現状を考慮せず、毎年判を押したように値上げするやり方は、住民福祉の増進をかかげる地方自治体として姿勢が問われる」と批判しました。介護保険料の改定についても、区分設定が12段階から15段階に増えたにもかかわらず、引き下げは第一段階のみで、ほかのすべての段階では10万円の控除がなくなることから引き上げになることを指摘し、「基金の取り崩しや一般会計からの繰り入れをおこない、保険料をこれ以上引き上げないことこそ市民の願いだ」と主張しました。

 

さらに、追加提出された「養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例等の一部改正」の議案について、「この議案は生産性の向上のため介護機器を導入し職員の負担を軽減するとあるが、介護現場の人材不足改善のための議論こそ必要。また、本改正によって利用者の負担が増えることは問題だ」と指摘しました。「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例等の一部改正」の議案での「地域連携推進会議の義務化」について、「人材不足や運営困難が叫ばれている現場への支援をないがしろにして監視だけ強めても、障がい者福祉は前進しない」と述べ、「就労選択支援に係る事業」についても、「障がい者が『一般就労』 をめざしていくには事業所でさまざまな体験、学習、支援を受けながら、ていねいに就労への道を開いていく必要があり、一般就労への移行ばかりを進めるやり方には大きな懸念がある」と指摘し、拙速な改正の議案に反対しました。

 

市民の願い 請願の採択求める  

 

続いて池田市議は、請願について述べました。

 

「(仮称)次世代型スポーツ施設を与野中央公園に建設する理由を説明してください」については、市民に納得のいく説明がなければますます市民からの反発を招くことは必至なため、採択を主張。また、請願「武蔵浦和駅周辺地区義務教育学校において4年までと5年以降の校舎を分けるメリットを説明してください」についても、「とくに沼影校舎でおこなわれる運動会や文化祭は、義務教育課程で全国の子どもたちが経験する行事とあまりにもかけ離れている。通常の小学校で高学年として下級生をひっぱっていく5・6年生が、沼影校舎では低学年の位置づけになる」など問題点を指摘し、「党市議団はそもそも義務教育学校の建設に反対をしているが、保護者や当事者にはさらにていねいな説明が必要であり願意は妥当」として、いずれも採択を求めましたが、他会派などの反対で不採択となりました。

 

「ネット安心条例」可決  

 

池田市議もプロジェクトチームに所属し、全7会派参加の超党派でとりくんできた「インターネット上の誹謗中傷等の防止と被害者支援に関する条例(ネット安心条例)」が可決しました。

 

ネットで傷つく人が増えないように、専門家や児童生徒、他市の相談員などにヒアリング、市民からのパブリックコメントも全メンバーで確認しました。さいたま市の責務として、被害者や行為者を発生させないための施策を実施し、相談支援体制を整備することを規定しており、4月1日から施行されます。

2023年12月議会*本会議討論 沼影公園をなくすな

本会議で討論をおこなう金子市議

12月22日、12月議会最終日の本会議で金子あきよ市議が討論に立ち、以下の議案に反対しました。

 

金子市議はまず、沼影公園廃止条例案について、3700人の児童生徒を3つの校舎、5つの「ユニット」で教育する前代未聞の義務教育学校用地として沼影市民プールを廃止するという計画そのものにあくまでも反対であり、武蔵浦和駅周辺に小中学校1校ずつを建設する用地を取得することに改めて市長を先頭に注力するべき、と主張しました。プール解体工事請負契約に8億7560万円、浦和大里小学校につくる代替室内プールは設計変更のため、建設予算が約7億3000万円から約2倍の14億2700万円へと大幅に増える補正予算です。市民の願いに逆行しながら、どんどん予算を増やすこの計画は認められず、義務教育学校の建設計画の中止と合わせて撤回すべきと述べました。

 

議員報酬・特別職の給与および期末手当引き上げ

 

特別職報酬等審議会で9人中6人は、社会情勢を鑑み、両方をいま上げるのは適当ではない、との判断でした。金子市議は「審議会答申を最大限尊重するというのであれば、据え置きやむなしという意見にこそ耳を傾けるべき」として反対しました。同時に提案された、市長等の給与を1年間据え置くという特例条例の制定についても、「現下の厳しい経済社会情勢等を踏まえる」というならば、そもそも引き上げ議案を提案するべきではなく、据え置きといいつつ期末手当は引き上げ、まったく対象者が同じなのに、引き上げは「特別職」、据え置きは「市長等」と書き換えをしていることも実に姑息なやり方だ、と批判しました。

 

教育委員には学識経験者を

 

金子市議は、9月議会の代表質問で学識経験者、とくに教育研究者を積極的に教育委員に加えることが必要と指摘したにもかかわらず、今回の議案でも経済界の代表の方が推薦されていることに対して、教育、学術、文化に関して識見を有する方を人選するというのであれば、学識経験者を推薦すべきだ主張しました。

 

 市民の願いにこたえて請願採択を

 

市民から提出された請願について、金子市議は、ジェンダー平等を求める流れに逆行する差別的な「所得税法第56条撤廃」「少人数学級の前進を」「教職員配置基準変更によって特別支援学級の中学校教員を減らすことをやめること」「核兵器禁止条約批准を国に求めること」「特養ホームの空床問題解決のために国に待機者解消の計画策定と建設への国庫補助を求めること」など、いずれも当然の願いであり採択すべきと主張しました。

12月議会開会 市長等特別職報酬と議員報酬引き上げ議案が出される

議案に対する質疑をおこなうとばめぐみ市議

11月29日に開会した12月議会には、市長提出議案が78件提出されました。

 

内訳は条例案18件、一般議案45件、補正予算案7件、人事議案5件、先決議案1件です。

 

議案第194号は議員、議案第195号は市長などの特別職の給料・報酬月額を表のとおり引き上げるとともに、期末手当の年間支給月数も3.30カ月から3.40カ月へ引き上げるものです。さいたま市特別職報酬等審議会からの答申を受けるかたちで提案されました。一方で「現下の厳しい社会経済状況等を踏まえ」1年間、市長等特別職の給料月額を据え置くこととする議案第196号があわせて提出されました。据え置くくらいなら、はじめから引き上げの提案をしなければよいのではないでしょうか。

 

特別職報酬等審議会でも、経済状況が厳しい今は引き上げることに市民理解が得られない、という意見が少なくありませんでした。党市議団は、議員報酬も特別職給料も引き上げるべきではない、という立場で臨みます。

 

また、人事委員会の勧告に基づいて市の職員給与の引き上げが提案されています(議案第197号、199号)。一般職員については正規非正規を問わず、引き上げがおこなわれるべきです。 再生資源物の屋外保管に関する 条例案出される 鉄、非鉄、廃材などが運び込まれ保管されているいわゆるスクラップヤードで、その保管や搬入時の騒音、振動などによって住民との間で起こるトラブルが問題となってきました。議会でもそれが指摘されるなかで、屋外に保管された再生資源物の不適切な保管による火災・延焼その他の事故等を防止するとともに、騒音、振動等の発生を防止、軽減するため、屋外保管場の設置に関する事前手続き、許可に関する基準等を定め、違反した場合の勧告、命令や許可の取り消し、検査などについて定める条例をつくるものです。

 

党市議団にはこれまでも、資材置き場の規制を求める相談が寄せられ、条例の制定が必要だと主張してきました。提案された条例案は、再生前の有価資源物が規制の対象外となっていること、現存する保管場に対する規制が不十分なことなどの課題があります。条例が実効性あるものになるよう、論議を尽くします。

 

女性支援施策の前進を  

 

女性自立支援施設の設備及び運営の基準に関する条例の制定(議案第207号)が出されました。これまでの婦人保護施設は「売春防止法」を根拠法としていましたが、これが廃止され、来年4月に施行される「困難女性支援法」に則り、女性の権利を守り、利用者の希望を尊重しながら支援をする場として、女性自立支援施設の運営がおこなわれることになります。法改正にともなう条例の制定ですが、さいたま市は政令指定都市でありながらこれまで婦人保護施設をつくってきませんでした。条例はあっても、その対象となる市の施設はなかったのです。

 

新「困難女性支援法」で、市町村に具体的な施策を推進する責務があることが明確にされたなかで、女性支援施策の前進を図るためにも、市が新たに女性自立支援施設を設置・運営することが必要であり、条例制定とともに設置を求めていきます。

 

沼影公園が廃止!

 

武蔵浦和駅周辺地域の児童生徒数の増加に対応するとして義務教育学校武蔵浦和学園の建設計画を進めるため、その用地として沼影市民プールを含む沼影公園を廃止する条例案が出されました。プール存続を求める市民の声も、浦和大里小学校に代替プールを急造することへの反対も無視して、屋外プールおよびアイススケート場を2024年4月1日、屋内プールを廃止し、公園全体を2025年7月1日に廃止することを定める内容で、認められません。

 

あわせて、沼影市民プールの解体工事請負契約(8億7560万円)についての議案第250号、沼影市民プールの代替候補地を検討するための補正予算(2695万円)も組まれています。党市議団はこれらの議案にあくまで反対し、プール存続を求めます。

2023年6月議会*議案討論 議員の海外派遣ひとり80万円 党市議団は反対

6 月8 日、さいたま市議会本会議で「議員の海外派遣」について審議がおこなわれ、賛成多数で可決されました。党市議団からは松村としお市議が反対の立場で討論をおこないました。

 

今回の海外視察は、さいたま市が姉妹都市提携をしているアメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグ市に5 日間の日程で、かかる費用は派遣される議員1 人あたり80 万円としており、市議会議長を含む4 人の議員(立憲、さいたま自民、自民党市議団、公明から各1 名)が渡米する予定です。

松村市議は「姉妹都市への友好親善を図ることは必要だが、その際は、議会を代表する議長など参加人数を最小限にとどめることが必要だと考えている。しかし今回の議員派遣は、最小限の参加人数とは言えない。費用や行程も含め、市民の厳しい目線が議会に注がれている」として反対しました。

また、他議員の質疑により議員の海外派遣がおこなわれる2 日後にさいたま市立高校等の生徒がピッツバーグに研修に行く事業が予定されており、その際の高校生の自己負担は70 万円にのぼることが明らかになりました。

文教委員のたけこし連市議は「海外派遣と中高生の研修については直接的な関連性はないものの、同じピッツバーグに行くのに議員は80 万円が全額公費で高校生は70 万円の自己負担があることに疑問を持つ市民もいるのではないか」と話しました。

2023年2月議会*本会議討論 市民の暮らし支える予算に今こそ転換を

討論をおこなうとりうみ市議

 3月3日、2月議会最終本会議において、とりうみ敏行市議が、2023年度当初予算の反対討論をおこないました。

 

 とりうみ市議は「令和5年度予算の特徴は、ポストコロナを見据え、さいたま市の新時代へのシンカにとりくむ予算としているが、その内容は、コロナ禍と異常な物価高騰に喘ぐ現下の市民生活の苦境にこたえる予算とはなっていない」と厳しく指摘しました。

 

 総合政策委員会関連では、「公共施設マネジメント基金積立金は認められない。これは、『公共施設マネジメント計画・第2次アクションプラン』の策定にあたって公共施設の予防保全費用として、30年にわたって毎年50億円積み立てるもの。市は当初、2044年度までに1200億円が必要としていたが、あまりにも不明瞭な試算」と指摘しました。文教委員会関連では、「教育データ可視化システム『スクールダッシュボード』は今年度の実証実験を受け、本格導入するには一定期間が必要。1月にプロトタイプ(試作品)の配布をして、新年度からの本格導入、というのはあまりにも拙速。導入業者についても、公開性や公平性を担保できる入札ができるとは言えない」と述べました。

 

 次に市民生活委員会関連では、「市の温室効果ガスの2050年排出量ゼロのための削減目標が2030年で35%であり、政府目標の46%に届いていないのは問題だ。早急な引き上げと対策を求める」と求めました。また、保健福祉委員会関連では、4月の認可保育所入所の利用調整で、2253人が不承諾となったにもかかわらず、公立保育所を減らすのは言語道断、として公立保育所半減計画に反対しました。まちづくり委員会では、浦和駅西口南高砂市街地再開発事業について、「投入されている公的資金について質疑するたびに答弁が変化し、莫大な公的資金が投入されるのではないかとの懸念が払しょくできない」と厳しく批判しました。また、「沼影市民プールの廃止は認められない」と強く主張しました。最後に企業会計関連では、「水道料金の6カ月間の無償化を求める」と主張しました。

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