議会報告

質疑・討論

12月議会*議案質疑 市長のボーナス10年で約133万円増 引き上げはやめよ

本会議で議案質疑をおこなう神田よしゆき市議

 11 月28 日の本会議で神田よしゆき市議は、12 月議会における市長提出議案に対する質疑をおこないました。

 

 はじめに議長・議員、市長・副市長の期末手当(いわゆるボーナス)引き上げをおこなう条例について質しました。今回の市長の期末手当引き上げ額は9 万9000 円、10 年前と比較して133 万円も増額しています。期末手当引き上げを求める条例は、毎年12 月議会に市長提出議案として出されますが、党市議団は市民のくらしをふまえ、一貫して反対してきました。

 

 神田市議が「昨年、議会は議長・議員の期末手当引き上げを否決したが、特別報酬等審議会および市長はどう受け止めたのか。」と質したのに対し、市は「議会否決の経緯と趣旨を踏まえて審議し、引き上げる答申をもらった。答申を最大限尊重する立場から本議案を提出した」と答弁。昨年度引き上げなかった分を上乗せした額を上程しています。

 

避難情報はすべての市民に届けよ

 

 つぎに台風19 号災害対策の補正予算について質問しました。

 

神田 ハザードマップ(災害予測図)の修正内容は。

 

 水害では、浸水想定区域外への水平避難が原則。荒川に近い西区、桜区、南区は区域を越えて浸水想定区域外へ避難する広域避難を進めてきた。荒川・入間川、利根川・江戸川の2 つの洪水ハザードマップで、緊急避難時に指定緊急避難場所で垂直避難の利用ができる表現に修正する。

 

神田 ハザードマップをすべての市民に配布することについてはどう考えるか。

 

 ハザードマップは、情報公開コーナーでの配布、市ホームページに掲載している。今年度は例年より在庫不足となったため増刷する。地域によって必要な情報が異なるため、引き続き市民が必要な情報を入手できるよう努める。

 

学習支援 半年足らずで見直し

 

 今年度、生活困窮者学習支援事業が一般競争入札によって、大手塾産業に委託先が変わりました。党市議団は6 月議会で学習支援事業を一般競争入札にすることの問題点を指摘した経緯がありますが、12 月議会に見直しの議案がかかりました。

 

神田 今回の見直しは、一般競争入札で事業者を選定したことにより、十分な効果があげられなかったという反省があったからか。

 

 あくまでも利用者へのアンケート調査の結果。「学習環境を確保しつつ、相談しやすい雰囲気の教室」「勉強の指導技術があり、生徒の話を聞く姿勢を身に着けている支援員」のニーズがあり、事業者選定の方法について検討している。

 

 市は事実上、今回の事業者選定に問題があったことを認めました。

9月議会*本会議決算議案討論 基金736 億円 市民のくらしにいかせ

9月議会本会議で決算議案討論をおこなうとりうみ敏行市議

2018年度決算を不認定

 

 10 月18 日、9 月議会本会議で、党市議団を代表してとりうみ敏行市議が決算審査の討論に立ちました。

 

 2018 年度の決算審査において、さいたま市一般会計および特別会計決算における実質収支は約26 億円の黒字となり、ため込んだ基金の総額は736 億円(前年比37 億円増)に達しています。

 

 とりうみ市議は、基金がここまで膨らんだ原因について「過度な行政改革と、福祉やくらしの予算削減、職員の削減、および民間委託の推進にある」と、厳しく指摘。とりわけ、障害者福祉と高齢者福祉分野が19 億5200 万円も削減されたことについて「もっとも弱い立場の方々の命を守る制度を削ったものであり、絶対に認められない」として市の責任を指摘しました。

 

 さらに審査のなかで、2 都心4 副都心開発にはすでに5533 億円もの公費が投入され、今後も1211 億円の税金が投入予定であることを明らかにしたことで「大型開発にはとめどなく税金がつぎ込まれている」として厳しく批判しました。

 

 さらに水道事業会計では、純利益・総収支比率・自己資本比率・累積剰余金など、どの数値を見ても中期経営計画の目標を大幅に上回りました。とりうみ市議は「水道事業は利潤をあげるものではない。水道料金の値下げについて真剣に検討するべき」と強く求め、そして市民のくらしと福祉優先の姿勢への転換を求めて、決算を不認定としました。

 

 しかし、民主改革・自民・公明などが賛成し、2018 年度決算審査は認定されました。

9月議会*本会議議案・請願討論 投票率向上は民主主義の課題

9月議会本会議で議案請願に対する討論をおこなうとばめぐみ市議

請願の採択を求めて討論

 10 月18 日、9 月議会本会議で、党市議団を代表してとばめぐみ市議が議案と請願の討論に立ちました。

 

 はじめに、来年4 月から始まる会計年度任用職員制度について「正規職員の代替ではないことを確認し、この制度で諸手当や期末手当等、一定の処遇改善が見込まれる」として、正規職員の増員、市民サービスの向上、臨時・非常勤職員の正規職員化、待遇改善を求めたうえで、議案に賛成しました。

 

 また、市民から出された請願「消費税増税に伴う学校給食費の値上げはしないでください」については「格差と貧困が広がるなかでの給食の重要性、子育て世代への教育費の負担を鑑み、506 もの自治体が給食費軽減(または無償)策を講じていることが審議のなかで明らかになった」として採択を求めました。しかし他会派が不採択を主張し、採択とはなりませんでした。

 

 さらに「投票率向上のための施策の実施を求める請願」については、総合政策委員会で審議された際、民主改革と共産が採択、自民と公明が不採択を主張し、可否同数により委員長権限で不採択となった経緯があります。

 

 とば市議は「低投票率は憂慮すべき事態。投票率向上は民主主義の重要な課題とし、商業施設や駅周辺の施設を使っての期日前投票、投票環境の改善、啓発活動を進めることを求める」として「ひとりでも多くの議員が、請願の願意をくみ取って採択を」と呼びかけました。しかし、自民・公明が不採択を主張し、採択とはなりませんでした。

 

 党市議団は今議会、市長が提出した議案40 件のうち、決算議案以外の37 件すべてに賛成しました。

9月議会*議案質疑 会計年度任用職員 非正規拡大を懸念

議案質疑をおこなう松村としお市議

 9 月5 日、9 月議会本会議で、松村としお市議が議案に対する質疑に立ちました。

 

 来年度から、市の非正規職員のなかで会計年度任用職員という新制度への移行がはじまります。会計年度任用職員になると、期末手当が支給されるなど一定の処遇改善になるものの、非正規雇用の固定化や拡大が懸念されます。

 

 松村市議の質疑でフルタイムの非正規職員のうち350 人(29%)、パートタイム非正規のうち3700 人(39%)が新制度に移行することが明らかになりました。またフルタイム会計年度任用職員であっても、正規職員が使える休暇制度が一部使えないことや、住居手当や扶養手当が支給されないなどの差があることも明らかになりました。

 

 松村市議は非正規雇用の増大を懸念する立場から、会計年度任用職員の人数や割合の今後の見通しについて質しましたが「現段階での見込みはない」と明確な答弁はありませんでした。

 

投票率向上のとりくみを

 

 10 月におこなわれる参院補欠選挙の補正予算が専決処分されました。松村市議は「今年の一連の選挙の投票率は低水準だった。参院補選での投票率向上のとりくみはどうか」と質しました。市は「投票環境の向上や投票参加のよびかけをさらにすすめなければならない」としつつも「急なことで、専決処分ということもあり、これまでの範囲内」のため「啓発ポスターの掲出場所や街頭啓発の実施場所を工夫したい」と答弁しました。

 

 ほかに印鑑条例の改正について質疑。改正で旧姓での印鑑登録ができるようになります。市は「契約や銀行口座開設での利用や、就職・職場等での身分証明に資する」と市民の利便性が向上すると強調しました。

6月議会*本会議討論 市民負担の見通しないまま認められない

討論をおこなう松村としお市議

 6 月28 日、本会議にて議案および請願の討論がおこなわれ、党市議団から松村としお市議が討論にたちました。

 

 松村市議は、さいたま新都心バスターミナル制定の議案について「バスターミナルの暫定整備として、すでに土地取得57 億5000万円、今後の整備に5 億4000 万円、あわせて約63 億円が費やされている。しかも本格整備の費用は2020 年に示される予定で、今後の市民負担の見通しがないまま事業を進めることは認められない」と主張。「補正予算には学校のトイレ改修工事、市立高校の体育館へのエアコン設置に向けての予算等、市民要求を反映した予算も含まれているが、バス対策事業についてのみ認められない」として補正予算案に反対しました。

 

 また、さいたま市入学準備金・奨学金貸し付け条例の一部改正案について、「現行制度においてあらたに返還免除制度を導入するもので、本来なら歓迎できるものだが、対象者の要件を『本市の住民税が課税されかつ完納している者』とし、非課税者や低所得者が対象外になっているのは問題」と主張。奨学金を利用して大学を卒業し就職できても、なかには病気などで働けなくなり住民税非課税や低所得となるケースもありえるとして、「格差と貧困の是正という視点がなく、税納付を基準とする本市のやり方は奨学金という制度を理解していない」として反対しました。

 

 党市議団として、市長提出議案36 件のうち28 件に賛成(78%) し、8 件に反対(22%)しました。なお、他会派(民主改革・自民・公明・自民真政)はすべての議案に賛成しました。

 

 

 請願については、「低所得者世帯にエアコン購入費の助成等を求める請願」は、猛暑から市民の命を守るために、熱中症対策としてエアコン購入費の助成を求めるものであり、命に直結する問題であるとして採択を主張。「特別養護老人ホームの増設を求める請願」についても、「今年3 月時点の待機者数は1003 人と、2 年前の1132 人から79 人しか減っていない。国に対しても必要な国庫補助を求め、増設すべき」として採択を求めました。しかし他会派の反対により、不採択となりました。

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