議会報告

代表・一般質問

2022年12月*一般質問 有価資源資材置き場を規制する条例をつくれ

一般質問にたつとばめぐみ市議

 12月7日、12月議会の一般質問でとばめぐみ市議は、見沼区の3つの重要な要求を質問しました。

 

 党市議団には資材置き場等に関するたくさんの相談が寄せられています。住宅街にもかかわらず、高い金属パネルで囲った資材置き場が「壊れた機械や使えなくなった備品・什器、解体作業時に発生する廃材など、地域いちばんの買取りを目指す」「鉄・非鉄スクラップ高価買取りはわが社へ」と大宣伝。早朝から騒音や地響き、生活道路をダンプが通り、土を落とす、道路がへこむ・ゆがむなど、住民とのトラブルが絶えず、直接業者に申し入れても市や警察に連絡しても、なに一つ解決しない、というのが住民の相談です。

 本市には、有価資源などの資材置き場を規制する条例がありません。川口市、越谷市、川越市などは条例を持ち、住民への周知、運搬経路は住民の生活に配慮する、ルートは通学路や保育所・幼稚園に配慮する、住民と稼働時間の協定を結ぶなどを定めています。他市の規制が進んだために、業界は「さいたま市で資材置き場をはじめませんか」と煽り立ててきました。

 この問題について、これまで何度も条例制定を求めてきたとば市議はその進捗状況を問い、市は「ルールを設けることは喫緊の課題として積極的に検討している。実効性のあるもの、本市に合ったものにすること、懲罰についても関係機関と協議していくことを考え合わせて、条例制定に向けて検討を進めている」と明確に答弁しました。何度も何度も取り上げてきたことが市政を動かしました。

 

新設大和田地区小学校建設

開校1年遅れは道理なし

 

 9月議会で、新設大和田地区小学校の開校がさらに1年遅れることが報告されました。市はその理由を①文科省より「今後の学校施設の在り方に関する報告書」が示された②コロナの影響で労働力不足と資材調達が不安定③社会情勢不安による資材調達の不安定④労基法改正にともない建設業界が週休2日になった、と説明しています。

 とば市議は①について直接文科省に問い合わせ、文科省は「すでに建設が進んでいる学校施設での計画や、設計について検討を求める事務連絡は発出していない。学校教育活動に支障を生じないよう、学校設置者が適切な判断を」と文書で回答しました。とば市議は「1年遅らせることが学校教育活動に支障を生じない、適切な判断とは言えない」と厳しく批判しました。②は予算を組めばいいこと、④にいたっては計画段階から分かっていたことです。

 大砂土東小、大谷小の過大規模状態をさらに1年延ばすことへの対策も市はまったく答えられませんでした。大和田1丁目に小学校建設を早期に求める会への説明会で住民は「もう信用できない」と怒り心頭。とば市議は「予定通り工事をすすめ、2025年開校のためにあらゆる努力をするべき」と強く求めました。

 

バス通学するすべての子どもに

バス代の補助を

 

 続いて、片柳小学校のバス通学問題についてとりあげました。片柳小学校では現在、「三崎台」「染谷新道」の2カ所のバス停から5つの通学班で29人の児童が通っています。市はバス代の補助を出すための基準を「(自宅から学校までの距離が)3km以上」と定めているため、バス代が半額補助されている児童は13人、まったく補助がなく、全額保護者負担の児童が16人います。

 とば市議は、他自治体のバス通学の補助を調査し、2.5km、2km、1.5km等基準はさまざまで、バス通学を必要としている児童に必要な距離を基準にしていることを紹介し、「一つの通学班で補助のある児童とない児童をうむような本市の基準の定め方はやめるべき」と質しました。しかし市は「基準を変更する考えはない」とのことでした。

 しかしこの地域は、安全な通学路が確保できないために、脈々と60年もバス通学を続けてきた、バス通学が必要不可欠な地域です。16人の児童へのバス代補助を切り捨てていることは許されません。とば市議は「補助の線引きを、実態を無視して距離だけで決める冷たいやり方をやめ、この地域にだけのしかかる重い負担の軽減にとりくむべき」と求めました。

2022年12月議会*一般質問 学校給食費 緊急に6カ月無料求める

「学校給食費の隣接市比較」を示して一般質問にたつ松村市議

 松村としお市議は12月7日に一般質問に立ち、物価高のもとで子育て世代への負担軽減策に早急に踏み出すことを求めました。

 

 松村市議はさいたま市と隣接する自治体の学校給食費を調査。さいたま市は小·中学校とも3番目に高く、多くの自治体で第3子無料や一時的な無料化をはかっていることが明らかになりました。またさいたま市より高い春日部市では第3子無料、志木市では一時的に無料にするなど軽減措置を取っていることから、さいたま市が実質的にいちばん高いと言えます(表参照)。

 

 松村市議は全国256自治体が完全無償化しているという「しんぶん赤旗」の報道と隣接自治体の調査結果を示し、学校給食費をまずは6カ月(半年間)無料にすること、さらに大型開発での税金の無駄遣いを見直して財源をつくり給食費無償化へ踏み出すことを求めました。

 

 答弁に立った副教育長は他市で「無償化や減免、物価高騰の影響を踏まえた施策を実施していることは承知している」としつつ、「臨時交付金を活用して2学期からの給食は物価高騰影響分を市が負担している」と据え置きにとどまっていることを認めました。しかし「学校給食費の値下げは考えていない。国の動向や物価変動を注視しながら必要な支援を研究したい」と国まかせの姿勢。さらに「将来的な無償化については就学援助制度で全額免除している」とすり替えの答弁をしました。これを受けて松村市議は再質問をしました。

 

松村 物価高で生活が厳しいという認識はないのか。あれば追加の取り組みが必要だ。

 

副教育長 物価高騰の影響は受けていると認識している。給食費の負担が困難なら就学援助制度の活用を。

 

松村 いま起きているのは物価高で所得が減っているわけではない。就学援助ではカバーできない。市長の決断で給食費の緊急引き下げをすべきだ。

 

市長 就学援助を活用してほしい。

 

 給食費引き下げができない理由が示せず、同じ答弁が繰り返されました。松村市議はさらに「子ども医療費無料の18歳年度末まで延長」「市独自の給付型奨学金制度創設」を求めましたが市は実施の考えはなく、市民の厳しい生活に寄りそう姿勢が市長·教育委員会にまったくないことがあらわになりました。

2022年12月議会*一般質問 有機農家を支援して 地産地消をすすめよ

一般質問にたつ久保市議

 12月6日、久保みき市議が一般質問をおこないました。

 11月12日、浦和駅東口のパルコ前の広場にて「さいたまオーガニックシティフェス」が開催され、久保市議も参加しました。大盛況だった様子を写真で示し「たくさんの若い農家が有機農業にとりくんでいる。たくさんの若い人が安全でオーガニックな農作物を求めている。さいたま市は有機農家を応援していく責務がある。国が募集している『オーガニックビレッジ』に手を上げて、交付金を活用して有機農業を推進し、有機農家を支援していくべき」と迫りました。市は有機農家への応援を約束し、オーガニックビレッジについても「応募の可能性について検討していく」と前向きな答弁をしました。

 また、鎌足小・中学校(千葉県木更津市)のとりくみを紹介し、地元の農産物を学校給食に取り入れるよう求めました。市は「有機農業者や地元生産者と学校栄養士の情報懇談会を発展させて考えていきたい」と答えました。

 

高齢社会に向けて

 

 次に久保市議は、交通権を守るためにコミュニティバスの改善、デマンド交通の拡充、仮称「お出かけ応援制度」の創設、交通基本条例の制定を求めました。コミバスにおいては、収支率40%について「収支という考えそのものが間違い。公共交通の充実にかかる費用は、経済効果や医療費削減などさまざまな効果を生み出すというクロスセクターベネフィットの考え方が適切」とし、「さいたま市もまずはクロスセクターの試算を出すべき」と主張しました。市は「クロスセクターの試算については、部局横断会議において研究していきたい」と答弁しました。

 市は、デマンド交通について他地区への展開を検討するとし、高齢者のバス等料金100円にする応援制度については、「他都市における同様の事例を調査し検討会議で議論していく」と答弁しました。さらに交通基本条例の制定については「自治体で制定している事例もあるため、必要性を研究したい」と答弁しました。

 また、久保市議は、高齢社会に向けてエレベーターの必要性を指摘し、土合公民館へのエレベーター設置を求めました。市も「施設の状況等を勘案しながら整備促進を図っていきたい」と前向きな答弁をしました。

 

障がい者が安心して暮らすために

 

 続いて久保市議は、障がい者の移動支援の充実、グループホームの市独自補助の拡充、生活ホームを守ることなど、障がい者が安心して暮らすための施策を提案しました。

 移動支援では、グループ支援については検討すると答弁したものの、報酬単価の引き上げについては研究するという答弁にとどまりました。グループホームの補助の拡充について久保市議が、「障がいの軽い人にも、すべての区分に国の報酬単価に上乗せ、加算をするべき」と求めたのに対し、市は「現時点では考えていないが、障がいのある方が安心して暮らしていけるよう必要な支援について引き続き検討する」という答弁をしました。

生活ホームについては「障がい者の生活ホームは市単独事業で、グループホーム制度ができる前から障がい者のくらしの場として重要な役割を担ってきた。グループホームへの移行を迫らず、今後も運営していけるように支援をすべき」と訴える久保市議に対し市も運営が維持できるよう支援を続けると約束しました。

 

桜区の水害対策を前へ

 

 最後に久保市議は水害時の広域避難と桜区桜田・新開地域の浸水対策について質問しました。油面川排水機場ができても浸水してしまう地域における対策として、「桜田に公園希望の土地があり、そこに貯留施設を設置したら水害対策として効果があるが、既存公園があるから公園の担当課は公園にできないと言う。河川課は公園など公共施設でないと貯留施設はできないと言う。まさに縦割りの弊害。このような時は市長の旗振りが必要である」と迫りました。市長が答弁に立ち、「それぞれの公共施設に貯留施設を整備していく計画である。状況を踏まえて検討したい」と答えました。

 

  • オーガニックビレッジとは

有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみのとりくみを進める市町村のこと(農林水産省HPより)

2022年9月議会*一般質問 高すぎる保育料を引き下げよ

一般質問にたつ松村市議

 9月13日、9月議会本会議で松村としお市議が一般質問をおこない、保育料についてとりあげました。

 

 市外から引っ越してきた方からの「保育料の高さに驚いた」との声を紹介した松村市議は、パネルを示して、さいたま市の保育料が隣接市と比べもっとも高く、平均で月1万円近く高額であることを明らかにしました。また保育料は所得が多い人ほど高い段階的な設定(所得階層区分)になっています。さいたま市は11段階ですが、隣接市のなかでもっとも階層が少なく、所得に応じた負担とかけ離れていることを示して質問しました。

 

松村 物価高騰、かつコロナ禍で経済状態も厳しい今こそ所得階層区分を細分化し最高額を引き下げることを提案する。

子ども未来局長 本市は隣接自治体のなかでは最高額だが、政令指定都市との比較では中位程度。階層区分も最も少ないが、細分化すれば保育料が上がる方もいる。保育料が上がる利用者の経済的影響に配慮する必要があり今後適切な時期に階層区分を見直したい。

松村 階層区分を見直しても、保育料を下げれば基本的には負担は増えない。

子ども未来局長 今も保護者負担軽減のため国基準の最高額10万4000円の70%程度にして差額は市が負担している。保育サービス維持には保育料を維持する必要がある。

 

 松村市議は「保育料を下げて市が補填すればいいではないか」と他市同様に財政投入をして実現するよう求めましたが、子ども未来局長は保育料引き下げを拒否しました。

 

校則見直しに子どもの権利の明記を

 

 松村市議はこれまでも校則の見直しを議会でとりあげ、ツーブロックや女子のスラックスを認める学校が広がっています。

 

松村 文部科学省が指導提要を見直し生徒指導の留意点の第一に子どもの権利への理解を促している。校則見直しの学校通知に子どもの権利を明記することを提案する。

副教育長 教育委員会は子どもの自主性を非常に重視しており、記載の必要はない。

松村 その答弁なら子どもの権利を書いた方がいい。子どもの権利が学校で大切にされるように求める。

 

 国が姿勢を変化させているにもかかわらず、市教委は子どもの権利と向き合う姿勢が不十分であることが浮き彫りになりました。

 

農業支援の強化を求める

 

 気候変動により豪雨災害が多発しています。さいたま市も3年前の台風19号による被害が各地で出ましたが、見沼田んぼでは加田屋川の整備の遅れから農地が冠水し、農産物も大きな被害がありました。

 

松村 加田屋川の整備を早急に進めることが必要。現状は荒れ放題で景観上も農業振興上も問題がある。管理、清掃の計画をもつべき。

建設局長 加田屋川を含む芝川流域の未改修区間の早期整備を埼玉県に要望していきたい。整備までのあいだ、本市が維持管理を行うことになっており、定期的にパトロールして適正管理に努めたい。

 松村市議は「定期的に見回るのはいいが、加田屋川の整備には時間がかかる。そうであるなら農作物の被害補償制度を市として早急に整えるべき」と要求しました。市の答弁は国や県の補助制度などを紹介するものにとどまりました。

 

 さらに販路確保の視点から学校給食との連携強化についても提案しました。

 

松村 草加市では地場産農産物の使用量も把握している。本市でも全量を把握して目標をもって使用量を引き上げてほしい。また有機・無農薬・減農薬に取り組む農家が増えていることから食材購入の補助制度をつくって有機・無農薬農産物の使用を促す制度をつくることを提案する。

副教育長 地場産農産物は6月と11月に1週間、品目数の割合を調査しているので継続したい。この品目数で30%を目標に積極的に取り組んでいる。有機・無農薬野菜の使用を促す補助制度は供給量が少ないので学校給食で活用するのは難しい。

 

 教育委員会の答弁は現状維持を主張するばかりで、食育の立場で本市の農業者との連携を強化する考えは示されませんでした。

 

2022年9月議会*代表質問 さいたま市議と統一協会のつながりが明らかに

黒塗り資料を示し質問するたけこし市議

 9月13日、9月議会本会議でたけこし連市議が代表質問をおこない、統一協会とさいたま市の関わりについてとりあげました。この質問は読売、朝日、東京、埼玉などの各新聞でも報道され、大きな話題となりました。

 

統一協会系イベントから表敬訪問

 

 ことの発端は、9月1日の市長記者会見で清水市長が統一協会関連団体から表敬訪問を受けていたと話したことからはじまります。市長は会見で「統一協会関連団体のイベント『ピースロード埼玉』から、表敬訪問を2018年~2021年の間に計4回受けていた」「(表敬訪問を受けたのは)議員からの要請があったから」と述べました。この会見を受け、たけこし市議が市に対して表敬訪問時の資料の提出を求めたところ、資料にはイベントの実行委員として県議3名、さいたま市議6名の計9名の議員の肩書きがありました。しかし、氏名はすべて「黒塗り」。そのため、まずこの資料について質しました。

 

たけこし 資料に記載されている議員の名前を公表してほしい。

市長 具体的な名前は控えたい。

たけこし その理由はなぜか。

市長 記憶が曖昧なので、控えたい。

たけこし 黒塗りにしている元の資料があるのだからそれはおかしい。議員名を開示すべきだが、予定はあるか。

市長公室長 名前については情報公開条例を参照し、個人情報保護の観点で黒塗りにした。

たけこし 要請文では市長の名前は開示されている。議員も同じ公人なのでは。

市長公室長 今後、情報開示請求があれば検討する。

 

 市は、氏名を公開しない理由を情報公開条例の個人保護の観点からと説明しましたが、同条例では「公務員の名前は秘匿情報に当たらない」としています。議員は特別職の公務員で、公人です。したがって、氏名を開示しない理由にはあたりません。また、「情報公開請求があれば検討する」としていますが、議会で明かさないことを情報公開請求なら明かすということになれば、議会軽視と言わざるを得ません。

 

黒塗りの判断は誰がしたのか

 

 続いてたけこし市議は、議員氏名を黒塗りしたのは誰の判断だったのかを質しました。

 

たけこし (たけこしからの資料要求を受け)議員に、黒塗りにすることの確認を取ったのか。

市長公室長 名前が入っているという確認はした。

たけこし (議員)本人に、情報提供する際には黒塗りにするべきか聞いたか。

市長公室長 黒塗りにするかという確認はしていない。

たけこし では、市長公室長の判断で黒塗りにしたのか。

市長公室長 そのような認識だ。

 

 たけこし市議は、「通常であれば公開されるはずの議員の氏名を市長公室長の独断で黒塗りにすることは考えにくい。当該議員か市長から、黒塗りにする要請があったのではないか」と話しています。市としての情報隠蔽は許されることではありません。

 

関係隠蔽は民主主義への挑戦

 

 一方で、岡山市でもさいたま市と同様、「ピースロード」の役員に議員の氏名が記載されている資料が見つかりました。しかしさいたま市と異なるのは、岡山市が情報公開条例に従い、その氏名を明らかにしたことです。さいたま市も同様に、議員の氏名を明らかにすべきです。また、類似の事例で統一協会の関連団体の役員を県議、市議の計8名が担っていたことが発覚した熊本市では、当該議員はその氏名が公表された途端、謝罪し、全員がその役員を辞任しました。さいたま市でも、氏名が明らかになれば当然、熊本の事例と同様の対応が求められます。

 たけこし市議は代表質問後、「これだけメディアで統一協会と政治家の関わりが報道されるなか、さいたま市の議員が統一協会とどのように関わっていたかを市が非公開にすることは、民主主義に対しての挑戦で、有権者に対しての冒涜(ぼうとく)だ。氏名が記載されている議員は潔く、自らその事実を公表し、関係を断ち切るということを宣言すべき」と話しました。なお、たけこし市議は後日、この資料についての情報公開請求をおこなっています。

 たけこし市議は他に、新型コロナ対策、物価高騰対策についても質しました。

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