議会報告

2022年06月

2022年6月議会*本会議討論 新庁舎の移転は市民の理解を得ていない

本会議で討論にたつ神田よしゆき市議

 6月24日、6月議会最終本会議で、神田よしゆき議員が補正予算の反対討論を行いました。

 補正予算には、政策推進事業として新庁舎の基本計画策定の予算が含まれています。討論では、「新市庁舎の移転についての市民の理解は得られていないなかで、市民の意見をうかがうとして52人程度のワークショップ2回、出前講座やシンポジウムを行うだけになっている」と批判。「基本計画の前にイニシャルコストや全体の財政負担がどうなるのかを示す必要がある」と指摘しました。

 また、移転先への説明も行われていないことが明らかになっています。市民への説明が不十分な中で、基本計画をすすめることは許されません。さらに、現庁舎地の利活用の検討に、777万円が計上されていますが、7月からのワークショップ3回で、年内に検討事項を決めることにしています。これでは市民の意見聴取は不十分です。時間をかけて意見聴取するよう求めました。神田市議は「市庁舎移転先にありきで、住民の説明や合意の努力も不十分なまま、基本計画や現庁舎の利活用を強引にすすめるやり方は認められない」と厳しく批判しました。

 

市民の願いが不採択に

 

 党市議団が紹介議員となった「保健所機能の充実求める請願」および「酷暑から市民の命守る対策求める請願」について、神田市議は「コロナ禍で保健所の脆弱さが明らかになった」として、さいたま市の保健所体制の増強と職員の増員を求める願意には妥当性があると主張。また生活保護世帯や低所得世帯で高齢者のみの世帯、障がい者や要介護者のいる世帯、就学前児童のいる世帯にエアコン設置の補助と夏季加算を求める請願は、暑い夏を迎える前に必ず必要な対策であると主張し、採択を求めました。しかし、他会派の反対により不採択となりました。

2022年6月議会*予算委員会 原油価格・物価高騰への対策が打ち出される

予算委員会で質疑を行うとりうみ市議(右)ととば市議(左)

 市議団ニュースNo.963でお知らせしたとおり、6月10日、党市議団が「原油価格・物価高騰に対する保育・障がい者・高齢者施設への運営費補助についての緊急要望」を行いましたが、6月議会終盤に補正予算議案が提出され、コロナ禍における原油価格・物価高騰等への対策が打ち出されました。

 その内容は、「質や量を保った給食の提供が確保されるよう、学校や保育所等に対し、食材の物価高騰分の支援」(約7億2000万円)や「高齢者・障がい者・保育所・幼稚園等に対し、事業継続に向けた支援金の給付」(9億2776万円)などです。あわせて、市内の地域交通事業者に対し運行継続に向けた支援金などの支出(約1億2500万円)も提案されました。いずれも財源は国庫支出金(国のお金)です。

 予算委員会において、とば市議は「社会的養育推進事業(児童養護施設)についても食材費の補助は行われるのか」と質し、「名目は食材費となっていないものの支援金として支払われる」などと確認し、党市議団としてこの議案に賛成しました。

ケアラー支援条例 実現までの道のり

議案外質問で提案するたけこし市議(2021年12月議会)

 党市議団はこれまで、ケアラー支援条例の制定を求めてきました。

 2021年12月議会では久保みき市議一般質問でとりあげました。久保市議は「18歳未満のヤングケアラーをはじめ、老老介護、老障介護、介護離職など、ケアラーに関する問題は山積している。すべてのケアラーにきめ細やかな支援の実施が求められる」と主張。実際に寄せられた相談事例として、「母親の介護が必要となり仕事を辞めた方がいる。いわゆる介護離職。収入は母親の年金だけとなり、自身が体調不良で病院に行きたくても経済的な余裕がなく、受診を控えざるを得なくなった」と紹介し、在宅介護者手当のような経済的支援を実施すべきと求めました。

 今回の条例制定でヤングケアラーのみならずすべてのケアラーが対象となったことは質問の成果です。しかし、経済的支援については具体化されなかったため、党市議団として今後も求めていきます。

 また、昨年の12月議会文教委員会議案外質問でたけこし連市議が具体的な支援について提案しました。今回、さいたま市はヤングケアラーを支える事業として「ヤングケアラー訪問支援事業」条例を提出しています。この事業は支援が必要と判断されたヤングケアラー家庭に支援員を派遣するものです。たけこし市議の提案が実りました。

 

実現へ

ヤングケアラーがいる家庭へのヘルパー派遣

 

 また、昨年の12月議会文教委員会議案外質問でたけこし連市議が具体的な支援について提案しました。今回、さいたま市はヤングケアラーを支える事業として「ヤングケアラー訪問支援事業」条例を提出しています。この事業は支援が必要と判断されたヤングケアラー家庭に支援員を派遣するものです。たけこし市議の提案が実りました。

2022年6月議会*議案外質問(保健福祉委員会)障がい者施設通所利用者にもPCR検査を

党市議団がとりくむ市民アンケートを示しながら、寄せられた要望を議会でとりあげるたけこし市議

 6月13日、保健福祉委員会でたけこし連市議が質疑を行い、さいたま市が障がい者施設の新規入所者と施設従事者にはPCR検査の補助を行っているものの、通所利用者は対象外としていることを指摘し、対象とするよう求めました。

たけこし 新型コロナの感染者が減少傾向にある下で、通所の障がい者のみなさんへの無料検査および補助が実施できないのか。

福祉部長 現時点では通所利用者を対象に加える予定はないが、今後の感染状況や他の自治体の取組等を参考にしながら、障がい者施設の感染拡大の防止に努めたい。

たけこし 施設の方からお話をうかがうと、施設の持ち出しで検査をやっている。「それじゃ困る」というのが現場の声だ。

福祉部長 他自治体では抗原検査キットの配布をしているところがあると聞いている。今後はそうした対応を検討していかなければならないと考えている。

たけこし ぜひ前向きに検討していただきたい。

 この他に、新型コロナウイルス感染症の後遺症と保育所等で働く栄養士等の処遇改善について質問しました。

2022年6月議会*議案外質問(まちづくり委員会)中浦和駅改札外にトイレを設置して

 久保みき市議は、中浦和駅改札外へのトイレの設置や水道料金の値下げ等を求めました。

 10数年前に中浦和駅前にトイレ設置を求める市民運動があり、2335筆の署名が提出されていました。2010年9月議会のまちづくり委員会で山崎あきら市議(当時)が取り上げ、市は「生活衛生課とも協議しながら、ご要望に応えていきたい」と答弁していました。久保市議が、どのような協議がおこなわれたのか質問したところ、「駅舎の改修や駅前広場の整備に併せた設置は可能だが、中浦和駅はその予定がない」とのことでした。しかし、改修や広場整備と一体でないとトイレ整備ができないという法令上の縛りはなく、市が方針転換をすれば設置可能であると分かりました。久保市議は今後もトイレ設置に向けて声を上げていきたいと話しています。

 さらに、久保市議は光熱費の高騰が深刻ないま、水道料金の引き下げは市が決断すればすぐに実現できる、として「恒久的ではなくても、水道料金の引き下げは必要」と求めましたが、市の答弁は後ろ向きでした。

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