議会報告

とばめぐみ

2024年2月議会*総合政策委員会議案外質問 見沼区で次々と施設の中規模修繕が延期に

公共施設マネジメント計画で予定されていた区役所と片柳小学校(いずれも見沼区)の中規模修繕が延期されました。片柳小学校は義務教育学校の検討がはじまったことを理由に、見沼区役所は躯体調査をおこなった結果、3年程度の耐久性があることを理由に、修繕の延期を決定した、とのことです。

 

とばめぐみ市議は「どちらの現場も中規模修繕を機会に安全で使いやすい施設にするために、さまざまな準備をしていた。現場に対してくわしい説明や聞き取りもなく、話し合いもせずに一方的に延期を通知するやり方は改めるべき」と求めました。

熊本市と北九州市を視察 連携中枢都市圏とは?

1月15~16日に、大都市行財政将来ビジョン特別委員会が熊本市、北九州市を視察し、とばめぐみ、池田めぐみの両市議が参加しました。人口減少・少子高齢社会において地域活性化と持続可能な経済、安心快適な暮らしを営むために、中心都市が近隣の市町村と連携し活力ある社会経済を維持する拠点づくりを進めるという「連携中枢都市圏のとりくみ」の実践を学びました。

 

これは、指定都市市長会で清水市長がその先頭に立ってすすめようとしている「特別市(道府県の区域外と一層制の地方自治体)」の法制化と同時にすすめられており、連携中枢都市圏ごとに政令市や中核市を先頭に経済成長や都市機能の強化をめざすものです。

 

視察したとば市議は「政令市が、主要駅前大開発とそうでない地域に格差をもたらすいびつなまちづくりをしてきたことがさらに繰り返されるのではないかという懸念が払拭できない。地元の願いではなく国の政策を日本中に押しつけているようなやり方は、今後、注意深く見ていくことが必要」と話しました。

姫路市と大阪市を視察 市民がくつろげる 広場を駅前に

「うめきたプロジェクト」の説明を受けるとば市議(右)

1月10〜11日に、大宮駅グランドセントラルステーション化構想に関する調査研究を目的とした特別委員会が、姫路市「姫路駅北駅前広場の整備」と大阪市「うめきたプロジェクト」を視察し、党市議団からとばめぐみ市議が参加しました。

 

姫路市では、姫路駅から世界遺産・姫路城に至る都心部の基盤整備やにぎわいづくりにとりくみ、学識経験者、市議会議員、市・県職員、市民など約20名で構成された姫路市都市計画審議会が魅力あるまちづくりを進めています。姫路駅から姫路城までまっすぐのびた約2kmの道路は、建築物の高さを30mに抑え、色はお城にあわせて白で統一、広い歩道が確保され、駅前広場には市民がくつろげる場所が随所に設置されていて、大変気持ちのいい、まさに「市民の広場」と言えるつくりになっていました。

 

一方、大阪市の「うめきたプロジェクト」は一日の乗降客数約250万人を誇る西日本最大のターミナルエリアに位置する梅田貨物駅跡地約24ヘクタールを、産学官連携により国際競争力の高い知的創造都市に生まれ変わらせるプロジェクトで、JRはAIを駆使した顔認証改札や個々の行き先を案内できるしくみをとりいれ、駅前には普段は防災公園、イベント時には1万人収容できる屋外広場や、公園の工事が進められていました。

 

とば市議は「どちらも『市民がくつろげる場所』を大切にしているところが特徴で、大いに学びたい」と話しました。

12月議会開会 市長等特別職報酬と議員報酬引き上げ議案が出される

議案に対する質疑をおこなうとばめぐみ市議

11月29日に開会した12月議会には、市長提出議案が78件提出されました。

 

内訳は条例案18件、一般議案45件、補正予算案7件、人事議案5件、先決議案1件です。

 

議案第194号は議員、議案第195号は市長などの特別職の給料・報酬月額を表のとおり引き上げるとともに、期末手当の年間支給月数も3.30カ月から3.40カ月へ引き上げるものです。さいたま市特別職報酬等審議会からの答申を受けるかたちで提案されました。一方で「現下の厳しい社会経済状況等を踏まえ」1年間、市長等特別職の給料月額を据え置くこととする議案第196号があわせて提出されました。据え置くくらいなら、はじめから引き上げの提案をしなければよいのではないでしょうか。

 

特別職報酬等審議会でも、経済状況が厳しい今は引き上げることに市民理解が得られない、という意見が少なくありませんでした。党市議団は、議員報酬も特別職給料も引き上げるべきではない、という立場で臨みます。

 

また、人事委員会の勧告に基づいて市の職員給与の引き上げが提案されています(議案第197号、199号)。一般職員については正規非正規を問わず、引き上げがおこなわれるべきです。 再生資源物の屋外保管に関する 条例案出される 鉄、非鉄、廃材などが運び込まれ保管されているいわゆるスクラップヤードで、その保管や搬入時の騒音、振動などによって住民との間で起こるトラブルが問題となってきました。議会でもそれが指摘されるなかで、屋外に保管された再生資源物の不適切な保管による火災・延焼その他の事故等を防止するとともに、騒音、振動等の発生を防止、軽減するため、屋外保管場の設置に関する事前手続き、許可に関する基準等を定め、違反した場合の勧告、命令や許可の取り消し、検査などについて定める条例をつくるものです。

 

党市議団にはこれまでも、資材置き場の規制を求める相談が寄せられ、条例の制定が必要だと主張してきました。提案された条例案は、再生前の有価資源物が規制の対象外となっていること、現存する保管場に対する規制が不十分なことなどの課題があります。条例が実効性あるものになるよう、論議を尽くします。

 

女性支援施策の前進を  

 

女性自立支援施設の設備及び運営の基準に関する条例の制定(議案第207号)が出されました。これまでの婦人保護施設は「売春防止法」を根拠法としていましたが、これが廃止され、来年4月に施行される「困難女性支援法」に則り、女性の権利を守り、利用者の希望を尊重しながら支援をする場として、女性自立支援施設の運営がおこなわれることになります。法改正にともなう条例の制定ですが、さいたま市は政令指定都市でありながらこれまで婦人保護施設をつくってきませんでした。条例はあっても、その対象となる市の施設はなかったのです。

 

新「困難女性支援法」で、市町村に具体的な施策を推進する責務があることが明確にされたなかで、女性支援施策の前進を図るためにも、市が新たに女性自立支援施設を設置・運営することが必要であり、条例制定とともに設置を求めていきます。

 

沼影公園が廃止!

 

武蔵浦和駅周辺地域の児童生徒数の増加に対応するとして義務教育学校武蔵浦和学園の建設計画を進めるため、その用地として沼影市民プールを含む沼影公園を廃止する条例案が出されました。プール存続を求める市民の声も、浦和大里小学校に代替プールを急造することへの反対も無視して、屋外プールおよびアイススケート場を2024年4月1日、屋内プールを廃止し、公園全体を2025年7月1日に廃止することを定める内容で、認められません。

 

あわせて、沼影市民プールの解体工事請負契約(8億7560万円)についての議案第250号、沼影市民プールの代替候補地を検討するための補正予算(2695万円)も組まれています。党市議団はこれらの議案にあくまで反対し、プール存続を求めます。

9月議会報告会を開催 再開発は 市民の声を聞いて

党市議団は11月4日に大宮区で市政報告会をおこないました。

 

はじめにたけこし連市議が2022年(令和4年)度決算について報告しました。市は、予算をつくる段階では「146億円不足」と説明していましたが、一般会計で59.6億円の黒字、基金総額は895億円で過去最高となりました。社会保障費をけずり込んで帳尻をあわせる一方で、決算審査では財政局長が「建設費における予算の上限額は決めていない」と答弁。大宮駅GSC化構想をはじめ大型公共事業には湯水のように税金を使う姿勢が明らかになりました。

 

またたけこし市議の質問で、市民所得の中央値は246万円、その階層にいる市民は16万人であることが明らかになりました。市は「物価高騰対策で101億円使った」と言いますが、そのほとんどは国からの交付金で、市の財政支出は6800万円、市民ひとりあたりに換算するとたったの51円です。たけこし市議は「市民の暮らしにとって必要なものを限界まで削り、ハコモノに熱中している」と厳しく指摘しました。

 

大宮小学校に集約駐車場?

 

金子あきよ市議は大宮駅周辺の開発計画について報告しました。大宮駅GCS化構想を詳しく説明するとともに、9月議会で議決された駐車場附置条例の改正(党市議団は反対)についても報告。大宮区役所跡地と大宮小学校の市有地に集約駐車場をつくることで大宮駅東口開発を進めやすくする市のねらいを明らかにしました。金子市議は「子どもの学ぶ権利より都市開発優先でいいのか」と投げかけました。

 

また金子市議は、桜木駐車場に商業や結婚式など多目的スペースを提供する施設がつくられ、市が土地を貸すことを議会に報告した、と話しました。「この地域には防災や渋滞対策など住民要望がさまざまある。コロナのワクチン接種会場にも使われた。市民の暮らしの立場から声をあげてほしい」と呼びかけました。

 

池田めぐみ市議は「レジャープールのあり方方針案」について報告。7月に行われたパブリックコメント(パブコメ)に歴代2位の905件の意見が寄せられており、多くが反対だったことを紹介。市民の意見を「市の政策等に反映させる制度」(要綱)と定めているパブコメなのに、「ほとんどの意見が無視された」と市の姿勢を批判しました。

 

待機児童がもともと少ない小学校がモデル校に  

 

久保みき市議は9月議会で議決された「放課後子ども居場所事業」(党市議団は反対)について報告しました。市の提案では17時まで全児童が利用でき、待機児童がゼロになるとしながら、今回予定しているモデル校(4校)では今春の待機児童はわずかだったことが議会質問で明らかになりました。モデル事業に選ばれた中でもっとも待機児童が多かった鈴谷小学校区でも、学区に新しい民間学童ができて待機児童は解消する見通しです。にもかかわらず、全児童が利用できる放課後子ども居場所事業がはじまれば民間学童保育の利用者が減りかねません。久保市議は「民間学童保育運営者に対する裏切り行為だ。子どもたちの放課後がよりよいものになるようにしたい」と話しました。

 

参加した市民からは「再開発はみんなの意見を聞いて、やってよかったと思えて弱者にやさしいまちづくりをしてほしい」「大宮小学校の卒業生として駐車場計画に驚いた。子どもを大切にする視点が市にないのは問題だ」「放課後子ども居場所事業の話はショック。今度どうなるのか、不安が大きい」「放課後子ども居場所事業は今後の検証が大事。1年ごとにしっかり検証してほしい」「市は多くの問題を抱えているが、変えるのは市民」などの声が出されました。また「身近な道路整備などで障がい者が利用しやすくしてほしい」「学校給食費無償化に向けた議会の動きはどうか」などの質疑応答もありました。

 

党市議団として市政の課題と現状を知らせるとともに、住民の願いが実現するよう引き続きとりくんでいきます。

 

参加者の感想

●開発を否定するわけではないが、市民の目線に立っていないことが問題。アリバイづくりのアンケートやパブコメはしくみを変えないといけない。

●はじめて参加した。市民としてお願いしたいのは、給食費の無償化、放課後の児童の安全、保護者の負担軽減。80代の私も、子育ての大変さに胸が痛む。未来のために、まずは子どものことを第一に考えてほしい。

●娘が台東区に住んでいるが、台東区には市民のスポーツ広場があり、ほんの少し土手になっているところに新しくガードレールがついたり、隅田川のほとりに小さな公園があったり、学校の近くの公園にはきれいなトイレがついていたりと、どこに税金が使われているのか見えやすい。一方で、さいたま市はどこに税金を使っているのか、少しも満足できない。住民の声を聞いた活動を期待する。

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