議会報告

総事業費不明のまま大宮GCS推進は認められない

大宮GCS化構想推進特別委員会で発言するとりうみ敏行市議

 大宮駅グランドセントラルステーション(GCS)化構想は、2016 年に閣議決定された「首都圏広域地方計画」に基づく計画で、大宮が東日本の対流拠点として位置づけられ、国の意向が強く打ち出されています。

 

 構想の中心は大宮の交通基盤整備及び駅機能の高度化などを中心としたもので、このほど「大宮GCS プラン2020」が策定されたことから、2 月19日、特別委員会が開かれ、とりうみ敏行市議が出席しました。

 

 質疑により、今後13 もの事業が立ち上がることが明らかになり、その事業費は計画が立ち上がってからでないと明らかにできないということが分かりました。とりうみ市議は、「総事業費が明らかになるまで何年かかるのか。事業の計画性や税金の使い方としてもおかしい」と批判しました。

 

 党市議団はかねてから、ただちに総事業費を明らかにすることを強く求めてきましたが、一向に明らかにされません。一方で、構想を打ち出した2016 年から昨年度までで約3 億3500 万円もの税金をつぎ込んできました。とりうみ市議は、「大宮GCS 化構想をこのまま推進していくのではなく、今こそ計画を見直し、コロナ対策に集中すべき」と求めました。

2月議会*まちづくり 都市公園に民間の収益施設 市内22の公園が候補に

まちづくり委員会で質疑をおこなうとりうみ敏行市議

 2 月18 日、まちづくり委員会で「さいたま市公募対象公園施設設置等予定者選定委員会条例の制定」議案が審議され、とりうみ敏行市議が質疑をおこないました。

 2018 年2 月議会で「さいたま市都市公園条例」が改定され、Park( パーク)-PFI(公募設置管理制度)を活用して、民間業者が公園施設で収益を見込める事業をすることができる仕組みが作られました。今回の議案は公募に応じた事業者を選定する委員会を設置する条例案です。

 質疑では、市民にとって利便性の高いものを作るとして、民間資金を使って収益施設をつくることで公共オープンスペースとしての都市公園の基本的な性格がゆがめられること、制度に住民参加の仕組みがないこと、委員会が原則非公開であることなどの問題点が明らかになりました。

 「南区の別所沼公園がPark-PFI の手法でおこなわれる最初の公園」だという報道があったことについて、市は「市内公園のうち22 の候補公園を想定しているがまだ絞り込んでいるところはない。別所沼公園で住民に説明会をしたのは公募する前提ではない」と説明。とりうみ市議は「まだ決まっていない、と言いながら説明会でPark-PFI のメリット等について説明し、住民を混乱させたことは問題だ」としたうえで、「高齢者も子どもたちも安心して集える公園こそが住民のニーズ。その要求に応えるのが行政の役割だ」と指摘して、条例案に反対しました。

2月議会*保健福祉 入所型高齢者・障害者施設職員等へPCR検査を実施

保健福祉委員会で討論をおこなう神田よしゆき市議

 2 月17 日、2 月議会の保健福祉委員会が開かれ、神田よしゆき市議が出席しました。

 新型コロナウイルス感染症対策として、入所型高齢者施設及び入所型障害者施設、また病院等の医療従事者及び新規入所者、新規患者に対してPCR 検査を実施する旨が報告されました。2 億5000 万円の予算で、対象人数は入所型高齢者施設の従業員、新規入所者で2 万6600 人、入所型の障害者施設の従業員と新規入所者で2292 人、新規入院患者で1 万3567 人、合計4 万2459 人です。

 神田よしゆき市議が「検査費用は全額公費負担でいいのか」と確認したところ「検査は病院で行うため初診料のみかかる。3 割負担の場合は800 円程度。検査料は全額公費負担」との回答でした。

 

国保税が5 年連続の値上げ

 国民健康保険税の値上げ議案が出されました。神田市議は討論で「5 年連続の値上げ、そしてコロナ禍で市民負担は限界を超えている。全国知事会が求めているように公費1 兆円の投入で立て直しを図るほかに道はない」として反対しましたが、他会派の賛成により可決されました。

 

 また、介護保険料の値上げ議案が出されました。神田市議は「介護保険制度がスタートして20 年。3 年に1 度の改定のたび、介護施設や介護サービスが充実するたびに保険料が値上げされている。一方で給付削減が押しつけられている。国に対し、保険給付や保険料の在り方など抜本的に変えるよう求める時ではないか」として反対しましたが、他会派の賛成により可決されました。

2月議会*市民生活 さいたま市も「気候非常事態宣言」 気候変動対策すすめる契機に

市民生活委員会で質問をおこなう金子あきよ市議

 2 月16 日の市民生活委員会で、環境局から「さいたま市気候非常事態宣言」の素案が提示され、久保みき、金子あきよの両委員が審議しました。

 「脱炭素社会に向けた持続可能な都市の実現を目指す行動宣言」として

① 2050 年の温室効果ガス排出実質ゼロを実現するため、省エネルギー化や再生可能エネルギーの利用拡大等に取り組むとともに、先進的な技術・サービスの積極的な導入を進める

②市民の安全・安心な暮らしと本市の豊かな自然環境を未来に継承するため、自然災害や猛暑への対策など、気候変動の影響への適応策に取り組む

③気候変動への問題意識と危機感をあらゆる主体が共有するとともに、連携・協働し、環境に配慮した行動に取り組む、

といった方向を目指すものです。市は今年4 月中旬以降の「気候非常事態宣言」発出を準備しており、2 月18 日からはパブリックコメントも募集しています。

 2020 年2 月議会、党市議団は「地球温暖化対策のさらなる強化を求める意見書(案)」を提案。議員提出議案として全会派一致で市長に対して「気候非常事態宣言の制定を求める決議」があげられました。2020 年11 月には衆・参両議院で「気候非常事態宣言」が採択され、「地球温暖化問題は気候変動の域を超えて気候危機の状況に立ち至っている」との認識のもと、国をあげて地球温暖化対策に取り組む決意が示されました。全国でも40 自治体が宣言を発出するなど、気候変動対策・脱炭素社会の実現は国、地域を超えて取り組むべき喫緊の課題となっています。こうしたなか、さいたま市の「気候非常事態宣言」には市と市民、事業者などが協働して気候危機に立ち向かう機運を作っていくうえで大きな意義があります。

 金子市議は委員会で「この宣言に基づいて、市民とともに行動する取り組みを具体的に提起し、温暖化対策を積極的に進める市の姿勢を示していくべき」と発言し、さらなる市の行動を求めました。

2月議会*市民生活 犯罪被害者等支援条例いよいよ制定へ

市民生活委員会で質疑をおこなう久保みき市議

 2 月16 日、市民生活委員会で議案の審査がおこなわれ「さいたま市犯罪被害者等支援条例の制定について」の審査に久保みき、金子あきよの両委員が参加しました。

 

 犯罪被害者等支援条例については、久保みき市議が2017 年と2018 年の一般質問で制定を求め、その後も会派として予算委員会や決算委員会で実現を求め続けてきました。条例制定により、被害者は見舞金をはじめ家
事・介護に関するサービス費用、カウンセリング費などへの助成が受けられるようになり、市議団として求めてきたことがかたちになります。

 報告を受け、久保市議が就労支援について質疑しました。これまで久保市議のもとには、被害者の家族の方から「就労にあたって『犯罪被害者』ということで偏見をもたれ、内定を取り消された」といった相談が寄せられています。被害者がさまざまなところで差別や偏見にあい、二次被害を受けることは絶対に防止しなければなりません。

 久保市議は「条例制定によって被害者への理解が進み、差別や偏見をなくす一助になるだろう。しかしそれだけでは足りない。国の法律によって加害者(刑務所出所者等)に対する就労支援には、雇った業者に奨励金を支給するしくみがあるが、被害者の就労にも同様の、実効性のあるしくみが必要。ジョブコーチや就労について被害者とともに考え、ともに動くようなきめ細かな支援体制が求められる」と話しました。

 議案審査を受け、全員異議なく議案を可決しました。

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