議会報告

とばめぐみ

6月議会*新型コロナ対策補正予算など19議案が明らかに

 6 月9 日に開会した6 月議会には、新型コロナウイルス感染症関連の補正予算や条例議案など19 議案が出されました。

 

 国の緊急支援策決定にともない、低所得の子育て世帯に児童1 人あたり5 万円を支給する事業を実施する専決処分の報告議案が提出されました。保育施設、放課後児童クラブ・学童保育など各施設における新型コロナウイルス感染拡大防止のため、マスク、消毒液の購入などの経費に約3 億1000 万円、また新型コロナワクチン接種事業として、16 歳以上60 歳未満の集団接種実施のための予算約24 億5000 万円が計上されています。

 2021 年の成人式はコロナ禍のためにオンラインでの開催となりました。2022 年は成人式を入れ替え制で開催するために会場使用時間を延長するための予算、および2021年成人式の対象者に対して「再会の機会」を設けるために必要な経費として2600 万円が予算計上されています。引き続き感染症対策が求められるなか、検討が必要です。

 市長選でも争点となった新庁舎移転計画では、本庁舎整備および現庁舎地の利活用に係る基本構想策定に要する経費として996 万円が計上されました。

 条例議案では、桜区で発覚した生活保護費の不正支出をめぐって市のおこなった内部調査の報告が出ていますが、その内容の検証と再発防止の提言をおこなうための第三者委員会を設置する条例制定が諮られます。

 新型コロナウイルス感染の収束が見通せないなか、党市議団は市のコロナ対策と市民生活の支援を求めてきました。6 月議会でも命とくらしを守る施策実現のための議論をおこなっていきます。

6月議会*議案質疑 新型コロナ対策は不十分 市独自の対策に踏み出せ

本会議で議案質疑をおこなうとばめぐみ市議

 6 月10 日、6 月議会本会議において議案に対する質疑がおこなわれ、党市議団からとばめぐみ市議が登壇しました。市長が専決処分をした予算議案を含め、新型コロナウイルス対策を中心に質しました。

 

とば 6 月議会に上程された「新型コロナ感染症への対応」にかかる事業数、事業総額と財源の内訳は。

市 子育て世帯給付金事業など16 事業。事業総額46 億3974 万円。財源の内訳は国が約45 億256 万円、県が約4606 万円、市が約9112 万円。

とば 新型コロナワクチン接種事業について、高齢者のワクチン接種の到達と今後の見通し、高齢者施設での進捗は。

市 6 月8 日現在、400 の高齢者施設のうち109 施設で入所者と従業者あわせて1万4868 回の接種を終了。施設入所者を
含む高齢者の接種は、1回目の接種終了者が6 万6000 人(20.5%)。

とば 国がかかげる7 月末までに65 歳以上の接種を完了させるためには、1 週間に何件接種が必要か。体制や供給の見通しは。

 

市 本市の高齢者約32 万人のうち、接種希望者を7 割と見込んでいる。7 月末までに2 回接種を終了するためには1週間あたり約5 万回で、個別医療機関、区役所等の集団接種などで確保できると想定。ワクチンは7 月中旬までに高齢者約32 万人分の供給が受けられる。

とば 医師や看護師の確保は。

市 医師会にお願いをしている。大規模接種会場は委託業者を通じた派遣、看護師協会への協力依頼も考えている。

コロナ対策の不十分さ明らかに

 次に、成人式がオンライン配信となった今年の新成人に再会の機会を保障する事業について質問。1 万3000 人を対象に「埼玉スタジアム2 ○○ 2」で予定されています。とば市議は「大勢が集まるとりくみは慎重にすべき。開催可否の判断基準を示すべきではないか」と質しましたが、市は「感染状況や国の施策を注視し判断する」との答弁でした。

 

 また、感染症対策として無料低額宿泊所の個室化工事へ補助する事業について、とば市議は「感染者が自宅療養になった場合、これで十分か」と質問。市は「施設長が責任を持って対応する。感染者が出た施設にはゴーグル、手袋等を配布し、消毒費用も補助する」と答弁しました。

 続いて、保育所・学童保育等の児童福祉施設の消毒液やマスクの購入、事業所等の消毒などの経費への補助事業について、とば市議は「現場が求めているのは人手。市として人手を確保する必要性を検討したか」と質問。市は「国の交付金は人件費にも使える」として、各施設で人手を確保し人件費を計上するよう示しました。

 また、市庁舎移転にかかる約1000 万円の予算の内訳は、基本構想の策定や調査業務、ワークショップの運営等であることが明らかになりました。

核禁条約の批准求めよ 発効後はじめての請願

請願提出に同席するとばめぐみ市議(右から4人目)

 6 月1 日、さいたま南平和委員会ほか52団体から「日本政府に核兵器禁止条約の批准を求める意見書の提出を求める請願」が市議会に提出されました。核兵器禁止条約は今年1 月22 日に発効され、現在54 カ国が批准していますが、日本はいまだに批准していません。世界には今なお1 万3400 発もの核兵器が貯蔵、配備され、人類全体の生存と文明の存続が脅かされています。

 請願は、「核廃絶は人類の悲願であり、日本政府は唯一の被爆国の政府として、率先して核兵器禁止条約に参加して行動する責任がある」として、市議会が日本政府に批准を求める意見書を提出するよう求めています。

 同席したとばめぐみ市議は「前回市民から出された同趣旨の請願は、条約発効前だったが、今回は条約発行後にはじめて出される請願。市議会として日本政府に批准を求めるのは市民に対する責任だ」と述べています。

2月議会*代表質問 公共施設マネジメント計画を見直せ

本会議場で代表質問をおこなうとばめぐみ市議

 2 月10 日、2 月議会本会議でとばめぐみ市議が代表質問にたちました。

とば 本市は政令市のなかで市民ひとりあたりの公共施設面積が最下位。削減どころか増設が必要なのに、市は公共施設マネジメント計画によって床面積とコストを削減するという。見沼区には公民館が4 館しかない。同じ人口の浦和区は12 館。公民館を増やしてほしいという市民の願いに立ちはだかるのがこの計画。撤回を求める。

副市長 本市の公共施設の多くは今後、改修や建て替えが必要で、財源確保が極めて困難。そのため平成24 年度に本計画を策定した。限られた財源を有効活用し、計画を推進していく。

とば 公共施設はコスト削減といいながら、大宮駅周辺グランドセントラルステーション化構想など大型開発には湯水のように税金を注ぎ込んでいる。複合化で大きな施設を拠点にするのではなく、どこに住んでいても、身近で安心して利用できる公共施設の整備こそ必要ではないか。

副市長 複合化についてはコスト削減や多機能化で地域のにぎわい創出につながる一方、複合化になじまない場合もあるため、必要性を考慮しながら整備を図る。

 

公立保育所を民間譲渡するな

とば まず、公立の認可保育所の果たす役割を市長はどう認識しているか。

副市長 認可保育所は公立、私立の区別なく、本市の保育の受け皿として重要な役割を果たしている。

とば 公共施設マネジメント計画第二次アクションプランで、公立の認可保育所が「民間譲渡により統合・整理を検討する」とされた。なぜ対象にしたのか。

副市長 本計画では、施設の機能を重視し、民間参入が望め、同様の施設サービスが継続できるものは民設民営の移行等を検討するとしていることを踏まえ、保育担当部局と公共施設マネジメント担当部局で協議したうえで計画案に反映させた。

 

とば 公立保育所の民間譲渡・統合整理に踏み込むことは公的責任の放棄と考える。

副市長 周辺の保育施設の状況や保育ニーズ等により判断するため、公的責任を放棄するとは考えていない。

 

とば 子どもが減り続けている地域で民間や企業が保育所運営に手をあげると思うか。

副市長 将来、利用者が減る地域にあっても、保育需要がなくなることはなく、民間の参入がまったく見込めないという状況にはならない。

 とば市議は「保育需要が減っているところで民間が手をあげなかった場合、公立保育所は守られるのか」と何度も迫りましたが、副市長は「仮定の話については答えを控える」として最後まで公立保育所を守るとは言いませんでした。

 

学童保育の増設をいまこそ

 続いてとば市議は、放課後児童クラブ・学童保育について質しました。

とば 厚生労働省は学童保育の適正規模を「概ね40 人以下」としているが、本市では40 人以下にできない学童も多い。この状況をどのように改善するのか。

副市長 児童数が適正規模を上回るクラブがあることは認識している。大規模クラブを運営する法人の相談等には対応する。

とば コロナ禍で社会的距離をとるためには学童の増設しかない。市が活用する放課後児童クラブ設置促進事業はわずか150 万円。国の補助金メニューをフル活用し、市の責任で増額すべきではないか。

副市長 施設の増設も有効な手段であるが、感染防止対策として「手洗い」「マスクの着用」「換気」が大変効果的であることが分かってきており、クラブ内の机の配置や学校施設等の活用により、三密を回避している事例もある。

とば 本市の委託制度を国の制度にあわせていくなかで委託料が減額となるクラブが約6 割、129 クラブ発生すると試算されている。1 クラブたりとも減額させてはならないのではないか。

副市長 委託料が減額となる放課後児童クラブができる限り生じないよう検討する。

 ほかにとば市議は、本市の保育政策について、国が「新子育て安心プラン」で常勤保育士1 名必須との規制をなくし、2 名の短時間保育士でよいとしたことなどを批判し、「保育現場が求めているのは規制緩和による保育の質の低下ではなく、保育士の処遇改善と配置基準の引き上げだ」として、認識を質しましたが、市長は「私がすすめる多様な保育の受け皿確保に資する」として、国のプランを全面的に支持しました。

 

さいたま市議会インターネット議会中継(録画)

https://saitama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1812

高齢者施設職員のPCR 検査補助 これでは足りない

 さいたま市では昨年12 月から高齢者施設に新たに入所する人に限りPCR 検査をおこなうための上限2 万円の補助制度をはじめました。また12 月議会での「新型コロナ感染症に関する検査体制の拡充等を求める決議」を受けて、1 月からショートステイ利用者にも広げ、高齢者施設職員を新たな補助(上限9000 円)対象に加えました(すべて1 人1 回限り)。その後、1 月15 日に埼玉県が高齢者施設職員対象にPCR 検査を全額公費負担でおこなうことを発表しました。

 当初、PCR 検査の対象が濃厚接触者とクラスターに限られていたのが、幅広い国民の運動と世論におされて対象が少しずつ広がり、さいたま市も小出しではありますが対応をはじめました。

 

 しかし、さいたま市が「最も安い検査価格」を基準に補助に上限を設けたのは問題です。施設によっては自己負担が発生するおそれから検査協力にちゅうちょしかねません。党市議団としては、引き続きさいたま市に対し、自己負担なく定期的なPCR 検査を対象を広げておこなうことで感染拡大防止に積極的に取り組むよう求めます。

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