議会報告

9月議会*代表質問 市政の役割は 市民の命とくらしを守ること

代表質問をおこなう山崎あきら市議

 9 月11 日、9 月議会本会議で、党市議団から山崎あきら市議が代表質問に立ちました。

 

市民の声を生かした予算編成を

山崎 党市議団がとりくんだ、くらしや市民要求に関わるアンケート調査に寄せられた回答は約2200 通。ここ数年でくらしが「悪くなった」が60%で、そのいちばんの要因は「税金、保険料が増えた」。続いて「年金や収入が減った」「公共料金が上がった」などとなっている。

 「市民会館おおみや」「市民会館うらわ」の移転のような、大規模開発事業を進めていけば、将来の財政運営にも深刻な影響を与えかねず、「住民の福祉の増進」がますます後景に追いやられる。市民のくらしについて市長の認識は。来年度予算編成にあたり、市民要望をどう反映させていくのか。

 

市長 国民保険税や介護保険料の引き上げ、物価上昇が市民生活に対して一定の影響を与えていると認識している。一方で、積極的な投資をして持続可能な成長を導き出していく。

 

山崎 「市に力を入れてほしい施策」でいちばん多かったのが「税金や公共料金の引き下げ」。毎年50 億円以上の純利益を生み出し、他市よりも高い水道料金の引き下げを検討すべきではないか。

 

 今後老朽施設の更新・改良、耐震化対策などの多額の費用が見込まれる。現行水道料金を維持していく。

 

山崎 市内の地域経済についての現況認識と、市民の生活と地域経済を破壊する消費税10%増税に対する市長の見解は。

 

副市長 小売業・飲食店の景況は厳しいが、全体としてゆるやかに上昇していく見通し。消費税は財源の偏在性が少なく、特定の方に負担が集中せず、税収が安定していることから、社会保障費の増加に対処し、国・地方の財政健全化に極めて重要な財源であると認識している。

 

核兵器禁止条約に対する 市長の見解は

山崎 平和首長会議に参加する市長として、昨年7 月、国連で採択された核兵器禁止条約への署名、批准に対する見解は。

 

市長 わが国は批准していないが、「核廃絶」のゴールは日本政府も共有していると認識。平和首長会議加盟都市と連携して、核兵器の問題を市民に伝え、核廃絶の機運醸成を図っていく。

 

酷暑から命を守るとりくみを

山崎 記録的な猛暑となった今年の夏、救急搬送者は全国的にも急増し、過去最高。本市も、熱中症による搬送者数は、昨年比で2 倍から3 倍近くに上がっている。気象庁も、「命に危険が及ぶレベルで災害」と、盛んにエアコンの利用を呼びかけていた。

 党市議団は過日、高齢者や障害者世帯などエアコンのない世帯に対し、エアコン設置に関わる補助制度の創設などを求める要望書を市長に提出した。東京都荒川区ではこの夏、65 歳以上のみの世帯や身体・精神障害者もしくは要介護4 以上の方がいる世帯、就学前の子どものいる世帯を対象に、エアコン設置費など5 万円を限度に経費の一部補助制度を実施した。本市も必要と考えるが、見解を。

 

副市長 荒川区の補助制度については情報を得ている。本市では、市社会福祉協議会の緊急生活資金貸付制度および県社会福祉協議会の生活資金貸付制度で、高齢・低所得世帯に費用の貸し付けを行っている。市単独の新しい制度は検討していない。

 

 その他に山崎市議は債権回収のあり方について、市民から寄せられた債権回収に関わる市職員の暴言や高圧的な態度に対する苦情を例示し、改善を求めました。市は「暴言・恫喝と受け止められないよう努めている。職員の説明や接遇は研修や指導をしている」と答弁しました。

 

さいたま市議会 録画中継再生

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9 月議会*議案質疑 重度心身障害者の医療費支給 所得制限を導入するな

議案質疑をおこなう戸島よし子市議

 9 月6 日、9 月議会の本会議で、議案に対する質疑がおこなわれ、党市議団を代表して戸島よし子市議が質疑に立ちました。はじめに、重度心身障害者の医療費支給に関する条例改正について質問しました。

 

戸島 この条例改正は、重度の心身障害者医療費支給に所得制限を導入するもの。2015 年度にも大きな見直しがおこなわれた。見直しの内容と対象外人数とその影響額、現在の支給対象者数は。

 

 2015 年度では、心身障害者となった年齢が65 歳以上の方を対象外とした。入院時の食事費の2 分の1 の補助を廃止。対象外人数は8897 人で影響額は約4 億円。17 年度末の支給対象者数は、2 万2934人。

 

戸島 今回導入する所得制限で対象外となる人数、影響額は。

 

 新規で登録をされるのは年間50 人程度で、影響額は360 万円。現在、受給資格登録者で、2022 年10 月以降に対象外となる人は700 人程度。影響額は年間約9000 万円。

 

 2 度の制度改悪で障害者への負担増が約5億円にもなることが明らかになりました。

 

戸島 経過的措置の設定理由と内容は。

 

 対象外人数が県内全体の2%に対し、本市は3.6%と県より多いこと、また、同等の所得・障害区分であっても制度の登録時期に応じて所得制限の有無に差が生じるため。市独自に、2022 年度10 月まで2分の1 の額を助成する。

 

戸島 対象者への周知はどうするのか。

 

 市報、ホームページで広く周知するとともに、登録者のすべての方に個別に周知していく。

 

 戸島市議は医療費支給は重度の心身障害者の方にとって命綱であることを指摘し、「県が廃止しても、市が独自に継続した経験がある。市として独自に継続すべき」と主張しましたが、市はあくまで医療費負担の可能な方には負担を求めることを答弁しました。

 

基準緩和は保育の質の確保に逆行

 小規模保育事業所は、市内に122 カ所あり、利用児童は1942 人です。事業所内保育事業所は9 カ所、65 人の児童が利用しています。今回の基準緩和は、これらの事業所において、保育士の病休などでの代替保育の提供を小規模事業者同士でできるようにすることと、食事を外部業者から搬入できるようにするものです。

 

戸島 代替保育について、「一定の要件を満たすとき」とはなにか。

 

 お互いの間での役割分担及び責任の所在が明確化されていること。本来の業務の遂行に支障が生じないようにすること。

 

戸島 保育所の食事はアレルギー対応など個別の対応が求められる。なぜ外部搬入を認めるのか。

 

 事故の有無、アレルギーへの配慮、衛生面、栄養面等、調理業務を適切に遂行できる事業者を確認して認める。

9 月議会 心身障害者医療費支給に所得制限を市長が提案

 9 月議会が、9 月5 日からはじまりました。昨年(2017 年)度決算の認定議案のほか、会議施設や子育て支援にかかわる議案も提案されています。

 とくに大きな問題となるのは、重度心身障害者の医療費支給に所得制限の導入を狙っていることです。埼玉県が所得制限を導入することに合わせて、さいたま市も実施しようとしています。埼玉県は、これまでも障害者や高齢者などの医療費に所得制限や年齢制限で対象者の削減をおこなってきました。重度の障害者まで所得制限をするのか、市の姿勢が問われます。市独自で所得制限をしないで制度を守ることはできます。審議を通じて市に

対応を求めていきます。

 小中学校の建築基準法に適合していないブロック塀の撤去と仮設のフェンス設置のための補正予算が緊急に出されました。党市議団として、6 月に大阪北部地震による被害を受けて、学校ブロック塀の安全対策を市に求めていたことが力になりました。

決算は63 億円の黒字 基金は約699 億円

 2017 年度決算では、全会計で約8573 億円の収入、約63 億円の黒字となり、さいたま市誕生以来最大の決算規模でした。また貯金ともいえる基金は約699 億円で前年から約9 億円増えました。なお水道会計の純利益は約58 億円でした。厳しい市民のくらしのもとで集められた税金が、市民のために使われたか、決算特別委員会の審議を通じて厳しくチェックします。

6月議会*本会議 9 条俳句訴訟 上告取り下げて問題解決を

本会議で議案・請願の討論をおこなうもりや千津子市議

 6 月29 日、6 月議会本会議の最終日に、党市議団を代表して、もりや千津子市議が討論に立ちました。

 

 まず補正予算について、「さいたま国際芸術祭は、イベントの中心であるアートプロジェクトに総事業費5 億8000 万円の45%、2 億6000 円が充てられている。一方で、市民ひとり当たりの文化芸術術予算は政令市の中でも下位。市民の文化活動にこそ支援するべき」として反対しました。

 

 市長が専決処分した「訴えの提起」議案は、「9 条俳句訴訟」の控訴審判決が5 月に下されたことに対し、市長と教育委員会は判決を不服として最高裁に上告することを決め、「議会に諮る時間的余裕がなかった」という理由で議会に事後承認を求めるものです。

 

 こうした市長と教育委員会の判断に対し党市議団は「あまりにも市民の思いとかけ離れている。俳句作者と句会は、引き続き話し合いを持つことを要望している。作者の思いに寄り添い上告の取り下げも含め問題解決に当たることを強く求める」としたうえで、この議案に反対しました。

 

 「横田飛行場へのオスプレイ配備中止を求める意見書提出を国に求める請願」は、オスプレイは日本の航空法では飛行してはならない軍用機であり、事故が多く、事前の連絡なしに市内上空を飛行する可能性が極めて大きいことを告発。

 

 さらに、さいたま市は「埼玉県基地対策協議会」に加入していないため、どこからも情報が入りづらく、129 万市民の安全を守れる体制ではありません。「以前に国に意見を上げてたとしても、市民の安全を確保するためには、議会として何度でも国に意見を提出するべき」として採択を主張しました。

 

以下(表)は党市議団が反対した主な議案と紹介議員となった請願に対する各会派の態度

 

6月議会*総合政策 市民の財産を無償で提供する 順天堂病院誘致は慎重に

 6月18日、総合政策委員会の議案外質問で、とりうみ敏行市議は「順天堂大学病院」誘致問題をとりあげました。

 

 とりうみ市議が、この問題を所管する都市戦略本部の基本的な考え方を質すなかで、市は「順天堂病院誘致は美園地域のまちづくりに資するものとして、県に協力する立場だ」と答弁しました。しかし、とりうみ市議の再質問をつうじて、地下鉄7 号線延伸も含めたまちづくりであることが明らかになりました。

 

 そのうえでとりうみ市議は、今回の工事着工の遅れにあたって順天堂大学は、2017年度第4 回埼玉県医療審議会で基本計画の変更を承認されたが、これまでの計画に含まれていた、「病院用地の無償貸与」「建設費、機器、備品整備費の半額補助」「新駅設置」などの要求は変わっていないことを明らかにしました。とりうみ市議は、このままでは市民の財産を無償で提供することになりかねず、市に慎重な対応をするよう強く求めました。

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