議会報告

【深刻な老障介護・・・】「くらしの場」障害者施設の整備増を

市内のグループホームを視察し、施設長と懇談する久保市議(右)

9月議会で党市議団は「障害者(児)の生きる基盤となる『暮らしの場』の早急な整備を求める意見書案」を提出しました。

 障害者とその親の老障介護の問題が深刻化し、限界にきています。老障介護とは、高齢の親が障害のある子どもの介護をし続けることで、子ども本人が自立を望んていても、受け入れ施設数が足りないために親と同居せざるを得ない状況にあることをいいます。障害のある子どもの年齢が40?50代であればその親は70?80代。なかには、90歳近い親が60歳の障害者の子どもを介護する例もあります。親自身に介護の必要も出てきます。十分に世話ができなくなればネグレクト状態となります。将来への不安がつきず、無理心中などの悲しい結末になることもあります。

 多くの障害者(児)と家族は、社会からの孤立と家族依存、老障介護などの現実のなかで、生きる基盤となる「暮らしの場」の早急な整備を切実に望んでいます。意見書案ではグループホームや入所施設などの社会資源を拡充することなどを国に求めています。

 さいたま市は、障害者のグループホームについて、民間の力で確実に整備数を増やすとしてはいますが、まだまだ不十分です。ホームの運営は非常に厳しいものがあります。ホームを増やしてもそこで働く職員が足りず、募集しても来ないという問題もあります。処遇改善が喫緊の課題です。久保市議は、市内のグループホームを視察し、現場の声を6月議会で発信しました。

【決算委員会 文教委員会関連】就学援助の周知強化を

決算委員会にて質疑をおこなう山崎あきら市議

 10月5日、文教委員会関連の質疑がおこなわれ、山崎あきら市議が質疑しました。 

山崎:就学援助制度は、経済的理由で就学困難な児童・生徒の保護者に対し、学校生活の費用や学校給食費の援助などをおこなっている事業だが、平成27年度の申請件数と受給世帯件数についてうかがう。

:27年度の申請世帯数は6167世帯。うち認定された世帯が5998世帯。

山崎:この制度の認定率が小・中学校で9.1%、政令市20市のなかで17番目に低い。その理由が制度に対する認知度が低いからだとの指摘もあるが、周知方法は。

:市報、ホームページをはじめ、毎年1月から2月にかけて、新入生を含めたすべての保護者を対象にお知らせの配布をしている。前年度に認定した世帯に対し継続用の申請書類を郵送し、周知の徹底を図っている。

山崎:制度の周知徹底と支給時期は検討すべき課題である。小・中学校の入学時には制服やカバン購入など入学準備金がかかる。当市では7月支給だが、福岡市では小・中学校入学前の3月に支給し、新潟市でも中学入学時の3月に支給している。当市でも検討すべきと思うが。

過大規模校の解消を

山崎:当市の過大規模校(31学級)は小学校で5校あるが、学校用地の確保が課題になっている。唯一、区画整理事業地内に学校用地が確保されているのが大砂土東小であり、事業終了後速やかに建設着工できるようにいまから準備にとりかかる必要があると思うが。

:大和田区画整理事業地内には、小学校用地を確保している。道路整備など条件が整った段階で、学校建設に向けて着手したい。区画整理の進捗状況については、所管課と連携して注視していく。

【本会議総括質疑】農業委員などの任命は公平性の確保を

議案に対する質疑をおこなう戸島よし子市議

 9月8日、9月議会本会議で戸島よし子市議が議案に対する総括質疑にたちました。

 国会において農業委員会などに関する法律が改正され、「公選制」から「任命制」になるのにともない、市の条例案が提案されました。戸島市議は農業委員を選考する選考委員会の設置に対し質疑しました。

戸島:選考委員会を設置した理由と選考委員を委嘱する基準は。

:選考過程の公平性・透明性をはかるため、農業に識見を持ち職務を適切におこなう農業委員を確実に選考する。選考委員は農業に精通している方、学識経験者や幅広い視点を持つ方にお願いする。

戸島:農業委員の選考基準と、農業従事者への配慮は。

:農地法の権利移動等や農地利用最適化などの意思決定にかかわるので、地域の実情を把握し、農業者と信頼関係を築ける方。地域農業のリーダー的な役割の認定農業者が委員の過半数を占める。

戸島:農地利用最適化推進委員の28人はどのように選ぶのか。

:現在の農業委員が候補者を選考し、来年5月1日に新農業委員会が決定する。

戸島:農地部会などはどうなるのか。

:事務内容別の部会は設置できなくなるので廃止する。

 戸島市議は、「選考委員会の意思が働くことから、選考が偏らないよう公平性をどのように担保するのか」と再質問。市は「公平性を確保するため、募集の期間の中間に公表をおこない、最終的に農業委員候補について議会の承認を経て決定することになる」と答弁しました。

 戸島市議はほかに「42下水道受益者負担区の1平方メートル810円の設定について」「賃貸物件による駅前認可保育所整備にかかわる補正予算」などについて質疑しました。

【9月議会 請願 閉会中審査】市民の安心・安全を第一に 2件の請願採択を主張

請願採択を主張する討論をおこなうもりや千津子市議

9月8日、9月議会本会議において、議会閉会中に審査された請願の討論・採決が行われ、党市議団よりもりや千津子市議が2件の請願の討論に立ちました。

 海側ルートのみを飛行していた羽田空港発着の飛行機が、住宅地上空を飛行するようになる新計画の見直しを求める請願では、「国は飛行機の安全点検をより厳格にすることで新ルートへの安全対策とするとしているが、これで新ルート飛行に対する抜本的な安全対策となるわけではない。緊急着陸時に備えての飛行場やスペースも用意されていない。また、飛行機からの落下物など大変危険な状況が予想される。市民からも計画見直しを求める声が日増しに強くなっている」とし、採択を主張しました。

 公園整備をすすめている南児童相談所跡地より発見されたアスベストの適正な除去を求める請願では、「アスベストは公園予定地全体から確認された。試掘調査した部分は撤去し、残りはシートをかぶせて土で覆うとのことだが、子どもたちが遊ぶことを考え最大限撤去すべき」として、採択を主張しました。 

【企業会計予算決算特別委員会行政視察】市民病院運営は本来の使命を果たすべき

視察に参加するとりうみ市議(右)と大木市議(左)

 企業会計予算決算特別委員会は、8月29日から8月30日にわたり、神戸市の神戸市民病院の視察をおこないました。党市議団からはとりうみ敏行と大木学の両市議が参加しました。

 神戸市民病院は平成21年に運営形態が市の直営から地方独立行政法人に変わっています。自治体病院の独立行政法人化は、自由ですばやい意思決定ができるとして全国に広まっています。神戸市民病院は独立行政法人化したことで病床数が従来の912床に対し700床まで減少しました。減少した212床は民間の医療機関にお願いしたとのことです。

 とりうみ市議は、「212床を民間に売ってしまったうえ、新病院の差額ベッド数は全病床数の20%に達し、約140室にのぼる。自治体病院は市民の命と健康を守ることが使命であり、儲けることは本来考えてはならない。しかし差額ベッド数などを見ると、金持ちしか十分な医療が受けられないのか、これで市民病院としての役割が果たせるのか疑問が残る」と述べました。 

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