議会報告

金子あきよ

6月議会*議案討論 契約書面のデジタル化 障がい者の利益を損なうおそれ

本会議で議案に対する討論をおこなう金子あきよ市議

 6 月16 日、6 月議会の先議議案について本会議で討論・採決がおこなわれ、金子あきよ市議が「さいたま市指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備、および運営の基準等に関する条例等の一部改正」について、反対の討論をおこないました。

 この議案は、乳児院の長の任用要件を厳格化することや、指定障害福祉サービス事業者等や児童福祉施設、家庭的保育事業者などがデジタルで記録を保存することを可能とするとともに、障害福祉サービス施設、事業所が利用者に対して提供する支援サービスの内容を決定する契約時に取り交わされる書面等をデジタル化してもよい、という内容です。

 

 障がい福祉サービスは制度上も多岐にわたり、障がい支援区分によって受けられるサービスや費用負担について違いがあるなど、大変複雑なしくみです。障がい者や家族などが契約の内容を理解するうえで、確実に紙で契約内容が手元に残ることが大切です。障がいの状況、程度などによっては、書面をデジタル化することの承諾をどう取るのかも問題になります。

 金子市議は「デジタル化されたときに、契約や同意に関わるトラブルが生じる懸念があり、国において講じるべき防止策が現時点ではまったく明確になっていない。このまま交付・説明・同意等のデジタル化だけを進めるのは、障がい者の利益を損なうことになりかねない」として反対を表明しました。

6月議会*新型コロナ対策補正予算など19議案が明らかに

 6 月9 日に開会した6 月議会には、新型コロナウイルス感染症関連の補正予算や条例議案など19 議案が出されました。

 

 国の緊急支援策決定にともない、低所得の子育て世帯に児童1 人あたり5 万円を支給する事業を実施する専決処分の報告議案が提出されました。保育施設、放課後児童クラブ・学童保育など各施設における新型コロナウイルス感染拡大防止のため、マスク、消毒液の購入などの経費に約3 億1000 万円、また新型コロナワクチン接種事業として、16 歳以上60 歳未満の集団接種実施のための予算約24 億5000 万円が計上されています。

 2021 年の成人式はコロナ禍のためにオンラインでの開催となりました。2022 年は成人式を入れ替え制で開催するために会場使用時間を延長するための予算、および2021年成人式の対象者に対して「再会の機会」を設けるために必要な経費として2600 万円が予算計上されています。引き続き感染症対策が求められるなか、検討が必要です。

 市長選でも争点となった新庁舎移転計画では、本庁舎整備および現庁舎地の利活用に係る基本構想策定に要する経費として996 万円が計上されました。

 条例議案では、桜区で発覚した生活保護費の不正支出をめぐって市のおこなった内部調査の報告が出ていますが、その内容の検証と再発防止の提言をおこなうための第三者委員会を設置する条例制定が諮られます。

 新型コロナウイルス感染の収束が見通せないなか、党市議団は市のコロナ対策と市民生活の支援を求めてきました。6 月議会でも命とくらしを守る施策実現のための議論をおこなっていきます。

予算員会*市民生活 DV相談に「共通シート」の活用が実現

予算委員会で市民生活委員会関連の質疑をおこなう久保みき市議

 3 月4 日、予算委員会(市民生活委員会関連)で久保みき市議が質問にたち、ドメスティックバイオレンス(DV)相談事業についてとりあげました。

 DV 被害者が加害者のもとから避難し、新生活を送るためには各種手続きや支援が必要です。しかし被害者は、手続きの窓口が変わるたびに苦しい経験を話さなければなりません。久保市議は「被害者が何度も辛い経験を話さなくてすむよう『相談共通シート』の作成を求める」と質し、市は「新年度から『相談共通シート』を活用する」と答弁しました。久保市議はさらに「今後は、ワンストップで支援を届ける体制作りを」と求めました。

 犯罪被害者支援について久保市議は、相談員を正規職員で配置するよう求め、担当課も「正規職員の配置を人事課に求めている」と答弁しました。また「犯罪被害者だから」という理由で就労の内定を取り消された市民がいることから、犯罪被害者への偏見や差別をなくし、2 次被害を起こさないよう具体的な就労支援施策をつくることを求めました。

 続いて本市の環境対策として、プラスチックごみを出さない、燃やさないためのとりくみに力を入れるよう求めました。飲食店を対象に繰り返し使える食器の無料貸し出しや、プラスチック容器からエコ容器へ変更するための補助金制度など先進市の事例を紹介し、本市でも導入するよう提案しました。

 また、金子あきよ子市議が、南消防署について「広い用地の取得をめざして計画を進めていくべき」として対応を求めました。

2 月議会*議案請願討論 国保税と介護保険料の引き上げは許されない

本会議で議案・請願に対する討論をおこなう金子あきよ市議

 3 月3 日、2 月議会臨時本会議で一部議案・請願の審議がおこなわれ、金子あきよ市議が討論に立ちました。

 国保税を5 年連続引上げる条例について、金子市議は「さいたま市民1 人あたりの保険税必要額は約16 万円、前年度比6.3% の大幅増。加えて、国保への一般会計の繰入れをなくす計画でさらに大きな増税だ。市民の国保税負担は既に限界を超えており、全国知事会が要求しているように、公費1 兆円の投入で立て直しを図る以外に解決方法はない。新型コロナウイルス感染症の拡大で市民の命とくらしは大変厳しい状況であり、増税は許されない」と反対しました。

 また第8 期介護保険事業計画等に基づいて介護保険料を引上げる条例について、「介護保険料は、3 年ごとの制度見直しのたびに引き上げられてきた。一方、介護保険会計の負担軽減のためとして給付削減がこの20 年間、押しつけられている。介護保険制度を守るためにも、市は、保険料の引き上げを許さない立場で、国に対して保険給付や保険料の在り方を抜本的に変えるように求めるべき」と述べ、反対しました。

 この他、委員会での審議を踏まえて、「令和2 年度一般会計補正予算第20 号」の専決処分については、PCR 検査の対象をさらに広げ、無料で繰り返しの検査をおこなえるようさらに改善することを求め賛成、Park-PFI の業者選定に関わる選定委員会条例議案、民家が存在する区画整理地内の新設道路を市道路線として認定する議案に反対し、「学校給食費を減額・免除するよう求める請願」について採択を求めました。

予算員会*文教 「義務教育学校」で 大規模校解消はできない

義務教育学校の設置例(さいたま市教育委員会資料より抜粋)

 武蔵浦和駅周辺地域に「義務教育学校」をつくる計画が発表され、2 月議会の文教・予算の両委員会で質疑がおこなわれました。

 この計画は、人口増加にともなう小・中学校の学校規模適正化のためとして、現在の内谷中学校と浦和大里小学校の2 校をそれぞれ1 〜4 年生の校舎、沼影小学校と沼影プールの跡地に5 〜9 年生の校舎をつくり、一体的に運用することで適正化を図るとの計画です。

 想定されている児童生徒数の規模は、1 〜9年生まであわせて3600 人であることが分かりました。過大規模校をはるかに超える規模となるにもかかわらず、「義務教育学校には大規模校・過大規模校の定義はあてはまらない」というのが市の言い分です。

 金子あきよ市議は質疑で、先に義務教育学校を設置してきた茨城県つくば市は「大規模になることのデメリットが大きく、小中分離型施設の方が教育的効果が高い」という検証結果のもと、もう義務教育学校はつくらない、という方向性を打ち出したことを指摘。しかし市は「成果を上げている例もある」として江東区立有明西学園の名前を挙げました。

 

 ただ有明西学園は32 学級988 人、学区も選択制で、本市の計画とは規模も性格もまったく違います。金子市議は「子どもたちが置き去りになっている。計画は撤回し、地域に真に必要な小・中学校の整備をおこなうべき」と求めました。

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