議会報告

【議案外質問・保健福祉】高齢者や障害者など災害弱者への支援強化を

保健福祉委員会にて議案外質問をする戸島よし子市議

 9月20日、保健福祉委員会で議案外質問がおこなわれ、戸島よし子市議が災害時要支援者への支援体制について質問しました。

 市内には、災害時に配慮が必要になる高齢者や障害者、難病患者、乳幼児、妊産婦、外国人などが約42万人います。そのうち、自力で避難することが困難でとくに支援が必要な人(要介護度2以上、障害者手帳1・2所持者など)が4万9870人。地域自主防災組織などに提供している要支援者名簿に名前を登録している人が2万4587人となっています。

戸島:名簿に基づく個別支援は自主防災組織等と協議できているのか。

市:自主防災組織等を説明し、検討していただいている。 

戸島:要支援者の優先避難所は公民館などになっているが、受け入れ枠は。 

市:60施設で、収容人員は1万554人。 

戸島:学校の教室や公民館でも、エレベーターやトイレなどがバリアフリー化されていない施設での避難は困難が予想されるが。 

市:バリアフリー化がすすんでいない施設もあるが、なんとか人道支援でカバーしていく。 

 戸島市議は「避難計画はできていても実際に運用するには多くの課題があり、自主防災組織等に丸投げするのではなく市が課題を整理しすすめていく必要がある」と述べました。

【文教・議案外質問】エレベーターの設置で使いやすい公民館を

文教委員会にて公民館のバリアフリー問題などを質問する久保みき市議

 9月20日、文教委員会で議案外質問がおこなわれ、久保みき市議が公民館のバリアフリーについて質問しました。バリアフリーの例として、エレベーター、スロープ、手すりなどの設置があります。久保市議は、このなかでエレベーターの設置について質問しました。

 さいたま市内には60の公民館があります。そのうちエレベーターが設置してあるのは17館。設置率は28.3%です。同じ政令市の札幌市、仙台市、相模原市、名古屋市は100%、北九州市は98%、福岡市は84.9%です。

 桜区の大久保公民館や南区の六辻公民館、岩槻区の岩槻本町公民館の3館は2階以上に入り口があります。それにもかかわらず、この3館にはエレベーターがなく、車いすでの利用が大変困難となっています。

 久保市議は、とくにこの3館には早急にエレベーターを設置するよう求めましたが、市の答弁は「構造上困難な施設がある。エレベーターなしの施設における車いすの階段移動は、職員の介助で対応する」といった後ろ向きなものでした。

【議案外質問・保健福祉】貧困ビジネス施設からの十分な居宅移行支援を

保健福祉委員会にて議案外質問をおこなう大木学市議

 9月20日、保健福祉委員会で議案外質問がおこなわれ、大木学市議は「貧困ビジネス」施設で暮らす生活保護受給者への居宅支援について質問しました。

 各区役所の相談窓口において、住所不定の生活保護申請者に対する一時無料宿泊施設(シェルター)の紹介が、今年度はまだ8件しかないことを受けて、大木市議は「本来なら生活保護申請者へは行政がシェルターを紹介して居宅支援すべき。しかし窓口のケースワーカーが『保護を受けるためには住所が必要』だとして、法外に高い使用料を保護費から取り上げる無料低額宿泊所や条例届け出施設への入所を斡旋まがいのやり方ですすめているのは問題だ」と指摘しました。

 今年3月末時点で、貧困ビジネスまがいの施設が市内に合計77カ所あります(定員1679人)。2013年10月には、施設やシェルターに入居する生活保護者への市独自の転居支援事業が施行されましたが、昨年度は95人の転居者にとどまり、市内の施設から503人の受給者が『失踪』したことを、市は深刻に受け止め十分な支援をすべきです。

【議案外質問・まちづくり】市の責任が問われる下水の維持管理

南区の水害現場の様子をパネルで説明するもりや千津子市議

 9月20日、まちづくり委員会の議案外質問がおこなわれ、もりや千津子市議は、台風9号襲来時に南区の藤右エ門ポンプ場付近で汚水が町なかに流出した問題と、藤右エ門川の浚渫について市の見解を質しました。

 担当課は、汚水流出被害の原因は大雨によってポンプ場への流入量が一気に増えたためゲートが故障したこと、事故後は近隣600戸の清掃、消毒をしたと説明しました。

もりや:本来、分流式下水では汚水管に雨水が侵入することはないはず。大量に雨水が流入する事態は、誤接や不明水侵入が起きていることの表れ。第7処理分区での誤接調査の進捗率はどうか。

:まだ8?9%の調査状況

もりや:下水に雨水が浸入しているということは、雨水処理は公費で、汚水処理は私費で、という原則に反する。市民が雨水処理費用まで負担させられていることは重大問題と考えるが、見解は。

:市としても認識している。不明水や誤接の調査と管きょの補修を計画的に進めていく。

 もりや市議は、市民生活に不可欠の下水道の維持管理にはしっかりと予算を確保してとりくむべきと、重ねて要望しました。 

【議案外質問・市民生活委員会】路上喫煙から子どもを守る条例を

市民生活委員会にて議案外質問をおこなうとりうみ敏行市議

 9月20日に市民生活委員会の議案外質問がおこなわれ、党市議団からはとりうみ敏行市議が質問しました。とりうみ市議は、さいたま市の「路上喫煙防止条例」が施行されて今年で10年目になることから、子どもの安全対策などについて市の市政を質しました。 

とりうみ:市の条例は喫煙する大人を対象としているが、子どもをどのように守るかの直接的な配慮がない。千葉市では、道路や公園も喫煙防止の努力義務になっている。本市でもそのような方向を考えるべきではないか。

:本市の条例は、指定区域外では喫煙しないという努力義務となっているので、そのように啓発する。

 市から具体的な手立てをとるという答弁はありませんでした。条例が全国に広がった背景には、たばこを吸わない人の受動喫煙や、環境への配慮が必要だからです。医学会も子どもの受動喫煙による健康被害について大きな警鐘を鳴らしています。さいたま市が条例制定の原点に立ち返り、子どもを守るための条例に発展させることが求められます。

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