議会報告

9月議会*決算【まちづくり】ただちに見直せ!大宮GCS化構想

決算委員会でまちづくり委員会関連について質疑するとりうみ敏行市議

 10 月5 日、決算特別委員会(まちづくり委員会関連)が開かれ、とりうみ敏行市議が質問に立ちました。

 「大宮駅グランドセントラルステーション(大宮GCS)化構想」は、2018 年7 月策定の基本計画以来、いまだに総事業費が明らかにされないまま、構想だけが膨らみ続けている事業です。とりうみ市議は、あらたに明らかになった「ランドマーク」構想について市の考えを質しました。

とりうみ 2018 年の基本計画では、大宮のシンボル都市軸の形成とうたっているだけで具体性がなかったが、今回はじめて「ランドマーク」という記載が出てきた。「ランドマーク」とはなにか。

 大宮GCS 推進会議の意見を受け、大宮を象徴するランドマークの必要性を認識し、シンボル性の高いランドマークとの記載をした。

とりうみ ランドマークとは、東京タワーなど、どれを見ても大きな建物を指す。計画されている高層ビル群のほかにつくることになるが、財政面について検討したのか。

 費用については内容などが決まっていないことから言えない。

 とりうみ市議は、「一般的にランドマークと言えば、その土地における方向感覚の目印になる建物、国や地域を象徴する建物、空間と言われている」と示しながら、「党市議団がかねてから指摘してきたように、事業の全体像や総事業費が明らかにされないまま、財源に関係なく新たな構想や建物が出てくるようなやり方は、将来の市民負担を考えたら直ちに改めるべき」と強く求めました。

 その他、大宮GCS 化構想と同様に総事業費が明らかにされないまま本格整備に進もうとしている「長距離バスターミナル」事業についても取り上げ、巨大な財源は市民のためにこそ使うべきと求めました。

9月議会*決算【保健福祉】子どもの最善の利益にたった保育所整備を

決算委員会で保健福祉委員会関連について質疑するとばめぐみ市議

 10 月2 日、決算特別委員会(保健福祉委員会関連)が開かれ、とばめぐみ市議が質問に立ちました。

とば 昨年度、本市は認可保育所を増やしても需要は満たしきれず、待機児童は387名で日本一となった。不承諾率はずっと3割を超えている。認可保育所整備率(就学前の子どもの数に対する認可保育所の定員数)がもっとも少ない本市が、待機児童で日本一になるのは当然。認識をうかがう。

 認可保育所の整備率は政令市で最低、不承諾者も右肩上がりだが、認可保育所整備に力を尽くしている。来年4月、待機児童ゼロをめざす。

とば 賃貸物件を中心に要件緩和で保育所を増やし、待機児童を解消しようとする市の姿勢は認められない。緩和した要件で、子どものためによくなったことが一つでもあるか。

 特段運営に支障はない。

とば 要件は子どもの命と育ちを守るためのもの。運営に支障はなくても緩和することは保育の質の低下につながる。保育所は単なる「入れモノ」ではない。子どもの最善の利益という視点で保育所を増やすべき。

 

 本市は入所保留児童と待機児童が多い。当面既存の配置基準を維持する。

とば 昨年度公立保育所の産休明け保育を10 園削減し、本市の公立保育所の役割を大きく後退させた。その理由に保育室の修繕があったが、修繕を終えたら産休明け保育は再開させるのか。

 来年度、修繕が完了した1園は産休明けに戻す。ほかは引き続き6カ月からの受け入れとする。

とば 市は削減した産休明けを一日も早く戻すべき。

 とば市議はその他、コロナ禍でも保育所と放課後児童クラブが開所を求められた件について「開所しなければ社会がまわらなかった」と指摘し、どちらも思い切って施設整備を進め、処遇改善を急ぐことを強く求めました。

9月議会*決算【市民生活】地球温暖化対策 本気でくりくめ

決算委員会で市民生活委員会関連について質疑する久保みき市議

 10 月1 日、久保みき市議が決算特別委員会(市民生活委員会関連)の質問に立ちました。

 

 はじめに、地球温暖化対策について、さいたま市は2020 年度までにCO2 を23%削減する目標がありながら、昨年度の段階では3.9%の削減実績ということが明らかになりました。地球温暖化が深刻化するなかでこの結果は問題です。久保市議は、太陽光発電の補助を増やすことや、太陽光発電設置の初期費用をゼロにする東京都の事業などを参考に、さまざまな工夫をして自然エネルギーを増やしていくことを求めました。

 

 続いて、事業系ごみの減量についてとりあげました。市民が出すごみは、家庭ごみと事務所・商店・飲食店・工場などの事業系ごみに分けられます。事業系ごみは、ごみの分別や減量がなかなか進んでいない状況があることを指摘し、事業系ゴミの減量に力を入れることを求めました。

 

 また、ドメスティックバイオレンス(DV)防止事業において、他市から本市に避難してきた被害者の数すら把握していなかったことが明らかになりました。本市で生活する被害者の状況把握は必須です。久保市議は「精神的にも肉体的にも疲れ切った状態の被害者が、縦割り行政であるがゆえに役所内のあちこちで何度も同じことを話すのは苦痛だ。先進市で活用しているような『相談共通シート』を作成して、被害者の2 次被害を防止すべき」と強く求めました。

 

 最後に、昨今さいたま市は消防職員の不祥事が相次いで起きており、深刻な事態です。昨年は6 件ありました。要因の分析と再発防止策について、市は不祥事防止委員会を設置し再発防止に努めていると答弁しました。久保市議は「果たしている役割が大きいだけにストレスがあると思う。職員の方の心のケアにも力を入れてほしい」と述べました。

9月議会*補正予算 インフルエンザ予防接種 65歳以上は無料に

予算委員会で質疑をおこなうたけこし連市議

 10 月1 日から埼玉県がインフルエンザ予防接種の個人負担金を無償化することを受け、9 月30 日、臨時の本会議が開かれました。

 

 無償化は10 月1 日~来年1 月31 日までで、対象は① 65 歳以上の人② 60 歳以上65 歳未満で心臓、腎臓、呼吸器等の機能に極度の障害を有する人です。

 予算委員会の議案審査では、たけこし連市議が「障害に明確な基準はあるのか」と質問。市は「原則、身体障害者手帳1 級の方が対象だが、手帳がなくとも同等の障害が認められれば対象になる」と答弁しました。市は医学的な数値を示したマニュアルを医療機関に配布し、医師の問診等で対象かどうか判断すること、各区保健センターが問い合わせに対応すると説明しました。

 

予算委員会で質疑をおこなうとりうみ敏行市議

 また、とりうみ敏行市議がワクチンの供給状況について質問。市は「県全体でワクチンの供給を前年比12%増やしている。厚労省が病院によるワクチンの買い占めを防止する対策をとっている」と答弁。その後補正予算議案は、本会議で全会一致で可決されました。

9月議会*決算【文教】教員の精神疾患が5年で3倍に!施策を見直し負担軽減を求める

決算委員会で文教委員会関連について質疑する松村としお市議

 9 月29 日、決算委員会の文教委員会所管に関する審査がおこなわれ、松村としお市議が質疑に立ちました。松村市議は、教員の働き方について質しました。

 

松村 精神疾患による病休者が小学校では5年前に比べ3 倍(54 人)に増えたがどう評価しているか。

 

市教委 弁護士を経由した保護者や地域の方からの要望等における訴訟のおそれといった法化現象が進んでいるのが原因。

 

松村 それもあるが、教員の負担軽減の観点から市の施策自身も検証・見直しすべきだ。

 

市教委 市の施策が精神疾患による病休者が増えている原因とは考えていない。子どもたちに質の高い教育をおこなっていくために必要だ。

 

 松村市議は「現場の先生からは仕事は減っていないという声も聞く。市の施策も見直していただきたい」と重ねて求めました。

 

部活動でのハラスメントを許さない

 

 松村市議は部活動の在り方の改善についても質問しました。

 

松村 部活動指導員でもサポーターでもない外部指導者は「部活動の在り方に関する方針」(ガイドライン)の対象になっているのか。

 

市教委 部活動を指導するすべての指導者が対象になっている。

 

松村 外部指導者にガイドラインを徹底するシステムはあるのか。

 

市教委 校長が定期的に面談を実施している。ガイドラインの共有は非常に重要なのでシステム化や周知の方法を研究する。

 

 松村市議は「外部指導者が子どもに暴言をあびせたり、退部に追い込むハラスメントがある。研究など悠長なことを言わず即座に対応すべきだ」と厳しく迫りました。

 

 松村市議はこの他に部活動中の事故対応や小学校特別教室へのエアコン設置、中学校校則の見直し等をとりあげました。またスポーツ・文化局に関わって人口あたりの文化芸術費が政令市中最下位になっていることや、ビッグイベントの見直しについても質問しました。

ページトップへ