議会報告

JR 土呂駅に エスカレーター設置を求める決議まとまる

 9 月議会では、全会一致で「土呂駅へのエスカレーターの設置及びホームからの転落防止設備の整備を求める決議」がまとまりました。

 土呂駅は市内のJR の駅のうち、唯一、改札口の内外にエスカレーターがない駅です。JR からは「エスカレーターの設置についてはターミナル駅等利用者の多い駅から順次おこなっているため、現在のところ土呂駅に設置する計画はない」との見解が示されています。

 しかし、利用者の立場に立って利便性の向上を図るため、エスカレーター設置の制約となっている技術的課題の抽出調査を実施するなど、市としてJR 東日本に粘り強く働きかけることを求める決議がまとまりました。

9月議会*次期総合振興計画(総括質疑) 計画の見直し強く求め継続審査に

次期総合振興計画について総括質疑をおこなう松村としお市議

 「さいたま市総合振興計画」が今年度で終了するため、次期計画案(期間は10 年)が9 月議会に市長から提出されました。市議会は次期総合振興計画基本計画審査特別委員会を立ち上げて審査。10 月13 日に総括質疑が行われ、党市議団から松村としお市議が質問に立ちました。

パンデミックに対応した計画か

松村 パンデミックに対応するために、医師数・看護師数・病院ベッド数が政令市中最低の現状を改善し、保健所体制を強化することを計画で考えているか。

 

副市長 埼玉県地域保健医療計画に基づき県に協力し、医療従事者の確保に努める。保健所体制は柔軟な組織運営を図るとともに、専門職の平時からの機能強化に努めたい。

 

松村 充実・強化が見えてこない。重点戦略に書き込むなど位置づけの根本的な見直しが必要だ。

副市長 2月頃から記載について庁内で検討した結果が今回の議案。

 

松村 これが検討結果なら市執行部の認識が残念なかたちであらわれている。

 

計画の見直しを求める

松村 将来の都市構造に2都心4副都心を位置付けて大型開発をすすめて人口を呼び込んできたが、保育園・学校不足が深刻。まちづくりのゆがんだ状況を見直すべき。

都市戦略本部長 さらに発展させる形で現状の都市構造を維持したい。

松村市議は「これまで市は福祉を削減・抑制し、大型開発を進めてきたのが実態」と指摘し、福祉の充実と10 区均衡のとれたまちづくりへの転換を訴えました。

松村 新型コロナで明らかになった課題が計画に反映していない。全体を見直すべきだ。

副市長 庁内で十分検討した。必要なことは反映されている。

松村市議は「来年度予算から次期計画が反映する。いま見直さなければ医療・保健体制など必要な事業に力が入らない」と指摘し重ねて計画の見直しを求めました。

 総括質疑後に採決される予定でしたが、「採決には審議が深まっていない」と継続審査の動議が出され、全会派が賛成。引き続き審査されることになりました。

9月議会*決算討論 黒字財政を市民のくらし応援に使え

決算委員会で討論をおこなうとばめぐみ市議

 10 月12 日、9 月議会決算特別委員会で、とばめぐみ市議が2019 年度決算審査の討論に立ちました。

 一般会計および特別会計決算は過去最大の財政規模であり、実質収支17 億4900 万円で連続黒字です。昨年度は、消費税増税をはじめ、台風19 号、新型コロナ感染症が市民の暮らしをおそいました。そのうえ、国民健康保険税の値上げで加入者の負担は8 億8000 万円増え、高齢者・障害者等福祉分野は21 億9500 万円も削減されました。

 とば市議は「保育所の待機児童は全自治体ワーストワン、政令市における市民1 人あたりの公共施設の面積や文化芸術費は最下位。必要な市民サービスを抑制しながら、2都心4 副都心を中心とした大型開発を続け、住民の福祉向上が中心に据えられていない」と指摘しました。

 また、新型コロナ感染症では初動の対応が遅れ、保健所にも病院にもゆとりがなく、検査を絞り込む結果となって市民を混乱させました。とば市議は「国の様子見、対策待ちで、危機に対して機敏な対応ができていない」と厳しく批判しました。さらにとば市議は、水道事業会計について「中期経営計画の目標16 億円をはるかに上回る90 億円の黒字。高すぎる本市の水道料金の引き下げを」と強く求めました。

 国が国民に自助と共助を押しつけるなか、市民の暮らしと福祉最優先、公助のゆき届いた市政への転換を求めて決算を不認定としました。しかし民主改革、自民、公明などの賛成で2019 年度決算は認定されました。

9月議会*決算【総括質疑】感染症対応の遅れの反省にたち 公衆衛生・医療体制の早急な強化を

決算委員会で総括質疑をおこなう神田よしゆき市議

 10 月12 日、9 月議会決算特別委員会で総括質疑がおこなわれ、神田よしゆき市議が感染症の世界的大流行(パンデミック)に対する備えが十分だったのかを質しました。

神田 2019 年1 月末から2 月にかけて、新型コロナウイルスによるパンデミックが発生した。しかし、国もさいたま市も対応が不十分であったため、大きな混乱が起きた。本市はパンデミックに対応するため、2014 年にすでに「新型インフルエンザ等対策行動計画」を定めたが、その後、保健所・健康科学研究センターの体制強化など、公衆衛生の充実にどうとりくんできたのか。

副市長 さいたま市保健所は、2002 年度開設時の保健師20 名を含む106 名の体制から、2020 年度は保健師35 名を含む137 名の体制となっている。健康科学研究センターは開設した2007 年度52 名、2020 年度で55 名、保健所とあわせて192 名の体制である。

 

神田 「新型インフルエンザ等行動計画」で公衆体制を抜本的に強化することが求められていたにも関わらず、それを怠ったことへの反省が必要だと指摘したい。また、医療体制については2014 年以降、感染症対応の病棟を増やすなどの体制はとられたのか。

副市長 埼玉県感染症予防計画をふまえ、第2 種感染症指定機関である市立病院の整備を進め、感染症対策ネットワーク会議等で情報共有、連携強化を図ってきた。一方、これまで対応したことのない事案に対する中で想定外の事態も起きており、医療提供体制に大きな影響を受けている。

 神田市議は、「検査を含め、体制が強化されていない。市だけの責任ではなく、そもそも国がやってこなかったことに原因があるが、パンデミックの対応への反省がないと今後適切に対応できなくなる。自治体は市民の命とくらしを守る最後の砦。市独自で努力すべき」と求めました。

9月議会*決算【企業会計】市立病院機能強化で住民福祉の向上へ

決算委員会で企業会計について質疑をおこなう神田よしゆき市議

 10 月6 日、決算特別委員会で、神田よしゆき市議が企業会計関連(病院・上下水道)の質問に立ちました。はじめに、病院事業会計について質しました。

神田 さいたま市立病院が昨年12 月に開院した。整備計画では医療機能の強化ということで救命救急センター、精神・身体の合併症の病棟、緩和ケア病棟があげられているが、効果は現れているのか。

市立病院 救命救急センターの開設には県知事からの指定が必要だが、埼玉県の救急医療部会から指定について保留という返答があった。その理由として救急科の専門医を充足させた方がいいという指摘をもらっている。しかしハード面で専用の初療室やICU6 床、HCU14 床などの整備が進み、重症患者の受け入れ数は増えている。また精神科については、30 床を新設し、身体合併症を有する精神病患者に対する入院を中心とした診療をおこなっている。そして緩和ケア病棟については、在宅や地域の医療機関、施設で過ごす患者さんが疼痛コントロールのための投薬調整等を目的に一時入院ができるようになったのが強化された点である。

神田 気になるのが医師の充足率。決算資料では106 名(83 %)ということで、100% に向けた手立てが求められる。

 

市立病院 特に精神科が医師不足でとても苦労した。計画人員に達していないので大学の医局に継続的に働きかけている。

 次に神田市議は、水道事業会計が大幅黒字で経営状況は安定していることを確認し、引き下げは十分できると求めましたが、市は「人口減少」を理由に引き下げを拒みました。

 

 また、下水道普及率について普及率の低い4 区(西区、緑区、見沼区、岩槻区)についてどう考えるか質し、市は「2019 年度もこの4 区を重点的に整備した。全体で58 ヘクタール。来年度については西区84.7%、緑区92.6%、見沼区90%、岩槻区70.5%になるように予算要求したいと考えている」と答弁しました。

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