議会報告

2025年9月議会*代表質問 さいたま市の平和推進をさらに

9月9日、9月議会本会議において、池田めぐみ市議が代表質問にたちました。さいたま市は2005年「さいたま市平和都市宣言」後、2010年に平和首長会議に加盟しました。党市議団は平和首長会議への市長の出席を求めてきましたが、今年はじめて、市長が長崎の平和記念式典と平和首長会議に出席しました。市長の思いを池田市議が問うと、市長は「長崎市長の平和宣言や被爆者代表による平和への誓い、子どもたちの合唱をうけ、あらためて、市の平和都市宣言に基づき、核兵器等の廃絶と世界の恒久平和の実現に貢献できるよう市民の平和意識を高めるためのとりくみを推進していく」と決意を述べました。

 

また、池田市議が昨年の文教委員会で提案し、この夏に実施された「広島への中学生平和学習派遣事業」について継続を要望すると副市長から「広島で被爆の実相や戦争の傷跡を肌で感じることは貴重な経験であり、今年度の成果や課題等を勘案し検討していく」と、前向きな答弁がありました。

 

 

中学生のニュージーランド派遣が中止

 

 

次に、7月30日から10日間の日程で実施予定だった「市内中学生のニュージーランド・ハミルトン派遣」が直前で中止になった件についてとりあげました。池田市議が教育委員会の責任や代替措置について確認すると「中止の判断をしたことは大変重く受け止めている。来年3月にハミルトン市を有効な代替候補地のひとつとして検討する」と教育長が答弁しました。 池田市議は「派遣予定だった生徒はほとんどが中学3年生であり、3月の代替措置では行けない生徒も多い。せめて、このために取得したパスポート代は市が負担するべき」と求めましたが、「それはむずかしい」との答弁でした。

 

 

電動ストレッチャーの導入を求める

 

 

救急車の出動件数は、昨年、過去最高の8万6567件を記録しました。池田市議は救急隊員の現状を質問。32台の救急車、315人の隊員で対応しており、もっとも出動した隊員の件数は1301件だったことが明らかになりました。池田市議は、全国の救急隊員アンケートから活動時に隊員がもっとも痛みを感じる部位は「腰」であるとして、隊員の負担軽減のために電動ストレッチャーの導入を要望しました(写真)。消防局長は他市の導入実績や、救急隊員の作業負担の軽減、傷病者搬送の安全性の向上に資するものと認め、「調査研究をしていく」と答弁しました。

 

 

レイボックホール大ホールの後方通路確保を

 

 

レイボックホール大ホールの後方には、通路がありません。池田市議は災害時パニックになった時の避難経路の確保は喫緊の課題だとして、後方W席の16席を外すことで後方通路の確保を強く求めました。副市長は「建築基準法や消防法に基づき設置されているため、取り外さない」と答弁しましたが、池田市議は「安全性を高めるために、厳しい規定を設けることが必要」として、後方通路の確保をあらためて求めました。

 

 

本太坂下交差点が閉じる?

 

 

国道463号道場三室線(本太工区)が4車線化されることにともなって、本太坂下交差点は数年後に閉じて、バイパスと旧道の2本に分離すると公表されました。3月の説明会では「国道463号パイパスは、将来的に2つの信号と防音壁を撤去する」と説明され、地域からは不安の声が上がっています。渋滞緩和への期待も大きい事業ですが、池田市議は交差点周辺3000世帯に「本太坂下交差点に関するアンケート」を実施し、地元住民の要望をまとめました。

 

工事については今年度より設計などを検討、2027年度より4車線化に着手し、交通量は現況2万8860台が整備後は3万5000台になることが分かりました。「信号機を残してほしい」と求めたところ、「交通管理者と協議しつつ検討する」との前向きな回答がありました。防音壁については「騒音の予測値が基準値以下であることから設置しない」という回答でしたが、池田市議は「基準値に足りないのは1㏈のみであり、そもそも現況63㏈は防音壁の内側での測定で、防音壁の外側の住民はもっと静かな住環境であるため、防音壁は必要だ」と指摘。そして、池田市議の独自アンケートに「本太坂下交差点が閉じることを知らなかった」という回答が半数近くあったことから、広く周知するよう求めました。

 

質問を終えた池田市議は「今後も改善することは改善し、継続するものは継続できるよう、とりくみたい」と話しました。

9月議会がはじまります

9月3日(水)から9月議会がはじまります。

 

会期は10月17日(金)までです。

 

代表・一般質問にはたけこし連、池田めぐみの両市議が登壇します。

 

また決算特別委員会が開かれ、2024年度の決算審査をおこないます。

 

質問はインターネット中継されます。

 

日時が決まり次第、ホームページなどでお知らせしますので、ぜひ傍聴にお越しください。

 

2件の請願の紹介議員に

 

  • 国に「消費税のインボイス制度見直しの意見書」提出を求める請願

_(3民商・埼玉土建3支部)

  • 生活保護を躊躇なく申請できるよう市民への広報・周知の拡充を求める請願

(さいたま市社保協)

 

4件の意見書(案)を提案

 

議会運営委員会で一致すれば、国および埼玉県に送付されます。

  • _学校の業務量に見合った教職員の定数改善計画の策定および全国教員勤務実態調査を求める意見書(案)
  • 消費税率見直しにおける地方財源確保を求める意見書(案)
  • 最低賃金額の引き上げに当たり、中小企業への支援を求める意見書(案)
  • 《埼玉県宛》県民活動総合センターの廃止撤回を求める意見書(案)

【保健福祉委員会】中途失聴者の切実な声を受けて

3人1組での要約筆記

保健福祉委員会の新年度の研究テーマは「情報コミュニケーション」です。7月22日、難聴・中途失聴者の方とさいたま市の意見交換会について、保健福祉委員会の土橋勇司委員長より声かけがあり、委員であるとばめぐみと池田めぐみの両市議が参加しました。

 

6月11日にさいたま市手話言語条例が制定されましたが、音声言語を獲得する前に失聴したろう者だけでなく、人生の途中で聴力を失った中途失聴者や難聴者の方が感じる、日常生活の中での困難や不便についてうかがいました。「性能の良い補聴器は高額だが、5年ごとに4万円台の補助のみ。対象機種も日本製で種類も限られていることから、実態に即した補助がほしい。また、補聴器は精密機器であるため、雨や湿気に弱い。タクシーチケットの利用などができるとありがたい」などのお話がありました。

 

また、難聴・中途失聴者の方が使う手話や読話(口の動きや表情から内容を理解する)の講習会を拡充してほしいという要望のほか、中途失聴者や難聴の方は手話を取得する苦労があるため、「要約筆記者」の重要性が語られました。

 

この日は手話通訳と要約筆記の情報保障をしたうえでの懇談となりましたが、要約筆記をはじめてみた池田市議は「発言者の内容を、その場で黒マジックで透明のシートに手書きし、プロジェクターに映し出していく要約筆記者の技術と仕事量に圧倒された」と話しました。その他、区役所の窓口で上手にコミュニケーションが取れなかった体験や、学校生活で耳が聞こえないと言っていても、先生から「聞こえなかったら教えてね」と言われた経験、耳のことで病院に行くのに予約の方法が電話のみで困っているなど、切実な声が寄せられました。

 

手話通訳の経験があるとば市議は、手話を交えながら「私たちが知ることからはじまる。改善できるよう努力をしていく」と話しました。会派をこえて、市独自の補助やとりくみができるよう、市に働きかけていきます。

放課後子ども居場所事業で民間学童に影響大

2025年6月議会の子ども文教委員会に「放課後子ども居場所事業」(以下、居場所事業)の現状と、2026年度からさらに12校増やし25校で実施する計画が報告されました。

 

今年度から「居場所事業」が始まった9校のうち8校には学区内に民間学童クラブがあります。これらの学童クラブでは利用児童数が昨年度664人から今年度350人(前年度比52.7%)に激減しました。中にはほとんど減らなかった学童クラブもありましたが、もっとも減ったのが尾間木学童クラブ(緑区)の114人でした。

 

市は「居場所事業」の影響として「入室児童数の減少、それにともなうクラブの統合、クラブ統合にともなう職員の人員整理や賃借物件のクラブ室の原状回復、入室児童数減少にともなう利用料収入および市からの委託料収入の減少等があった」と認めました。それでいて「支援策は12月に議会に示す」というのはあまりに遅い対応であり、報告を受けた松村としお市議は「このまま居場所事業を進めるのは問題」と話しました。

2025年6月議会*追加補正予算 すべての市民を対象にした支援こそ

審査に参加するとばめぐみ市議

市長は議会冒頭、「市民の生活を足元からしっかりと支える」として、「家計負担軽減」を掲げましたが、6月議会終盤に追加提出された43億円超の補正予算案はまったくその言葉に見合うものではありません。18歳以下の子どもを養育する世帯に対して子ども1人につき1万円を給付する施策と、市民アプリを使った15%ポイント還元については、1面の池田めぐみ市議の本会議討論でもふれていますが、その他、学校給食費への支援が表明されたものの米価高騰分にとどまり、多くの自治体が実施している無償化には踏み込みませんでした。

 

また、農業・中小企業支援も「省エネ・省力化投資」に限定され、体力のある一部の事業者しか対象になっていません。市内には約3000戸の農家がありますが、畜産農家への飼料補助のみで、その対象はわずか12戸にとどまっています。

 

予算委員会で審査したとばめぐみ市議は「あまりにも限られた支援。生きるか死ぬかの市民の暮らしや営業の苦しみをわかっているのか。本市は国民健康保険税を9年連続で引き上げ、県内最高。水道料金も県内トップ。『家計負担軽減』を本気で掲げるのであれば、国保税や水道料金の引き下げ、給食費の無償化、光熱費や原材料費、家賃補助など、すべての市民を対象にした支援こそやるべきだ」と述べました。

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