議会報告

2025年6月議会*代表質問 全市民対象に積極的な「家計負担軽減策」を

6月16日、6月議会の代表質問に松村としお市議が登壇しました。この間、党市議団は予算組み替え提案で財源も示しながら物価高騰対策を求めてきましたが、市は否定していました。

 

松村市議は、市長選挙後、清水市長が就任あいさつで「家計負担軽減策」を指示したことについて質しました。

 

松村 家計負担軽減が必要と考えるに至った理由はなにか。

 

清水市長 現下の物価高により市民生活は厳しさを増している。6月議会には福祉施設等への支援金を含む補正予算案を提出した。さいたま市の消費者物価指数は近年で最も高く、市民から負担軽減を求める声も多かった。

 

松村 「家計負担軽減」というが、規模は135万市民におよぶものか。

 

高橋副市長 対象者や規模感も含め、精査を進めている。

 

松村 市民負担軽減策として3点提案する。1つは先の市長選挙でわが党が公認した加川候補も掲げたお米券の支給。2つ目は東京都が水道料金基本料金を4カ月無料にするが、同様に本市でも水道料金を引き下げること。3つ目は国に先んじて学校給食等の無償化に早急に踏み切ることを求める。

 

高橋副市長 物価高騰に対する他自治体のとりくみをアンテナを高くして情報収集している。家計負担軽減策の庁内検討を加速し、今定例会中の議案提出に向けて準備を進めている。現時点で、「お米券」「水道料金引き下げや一時無料化」の予定はない。学校給食用食材の物価高騰分を公費負担している。

 

松村 追加的な支援策が必要だ。連続的なとりくみを求める。

 

高橋副市長 状況の変化には対応したい。

 

松村市議は積極的なとりくみを重ねて求めました。合わせて国に消費税減税を求めるよう迫りました。

 

 

市民負担増路線の転換求める

 

 

松村市議は家計負担軽減にとりくむ姿勢を評価しつつ、家計負担軽減策が実効性を持つよう、これまでの税・公共料金・保険料の引き上げ路線の見直しと「受益者負担」の考え方をやめるよう求めました。

 

市は「行政サービスに係る負担は、その時々の社会経済状況など勘案し、適正かつ公平性も保ったうえで負担いただいている。いわゆる負担増との認識はない」と答弁。受益者負担についても「厳しい財政状況が見込まれる中、財政の健全性を維持し、将来世代に過度の負担を先送りしない持続可能な行財政運営を進めるとりくみのひとつとして、受益者負担の適正化にとりくむ」と市民負担増を続けていく考えを示しました。

 

物価高騰はすぐに収まるものではなく、継続的な市民負担軽減が必要な状況です。「家計負担軽減」を言いながら「市民負担増」を続けるのでは市民生活の厳しさに本気で心を寄せているとは言えません。

 

 

福祉拡充で生活支援を

 

 

物価高騰のもとでくらしを守るとりくみとして、松村市議は福祉の拡充を求めました。

 

松村 福祉による生活の安定も介護離職や出産・育児による離職を防ぎ、収入確保、地域経済の支えになると考えるがどうか。

 

高橋副市長 育児や介護等により離職せず、働き続けられる環境を整備することは大変重要なことと認識している。ケアラー支援施策や保育所の整備など、介護や子育てにともなう負担軽減が図られるよう努めてきている。

 

松村 具体的に聞くが、グリーンヒルうらわは建物を修繕すれば使える。グリーンヒルうらわの復活、再生をめざすべきだ。

 

高橋副市長 総合的に判断して議会の議決を得て廃止した。再整備予定はなく具体的な跡地利用計画もない。

 

福祉の重要性を言うものの、具体的なことになると市で責任を負う姿勢がないことがあらためて明らかになりました。

 

 

大規模事業の見直しを求める

 

 

市は数百億円規模の税投入が見込まれる大型公共事業の計画を次々と立ち上げ、具体化を進めています(図)。ところが市長選後、そうした事業で入札不調が相次いでいます。松村市議は「背景に物価・資材・人件費・金利の上昇があることに加え、施設の集約・複合化による大型化がリスクを高めている」と指摘。「施設を単独で建設・修繕したり、規模や導入機能を見直し柔軟な対応でスリム化を図る方向に方針転換すべき」と主張しました。

 

新屋副市長は「公共施設の集約・複合化については、施設規模や管理運営コストの縮減等のほか、さまざまなメリットがある。入札不調により直ちに変更・転換する必要はない」と従来の大規模事業推進に固執する答弁をしました。

 

大規模公共事業に市民の税金を注ぎ込むことで「厳しい財政状況」をつくりだして市民負担を増やす――この財政構造を見直してこそ実効性のある「家計負担軽減」を実現できます。

市政の課題つぎつぎと 2月議会報告会ひらかれる

4月5日、党市議団が見沼グリーンセンター(北区)で2月議会報告会を開催し、北区を中心に約40名の参加者がありました。

 

はじめに金子あきよ市議が代表質問の報告として市の予算の問題点と、市議団の予算組み替え提案について報告しました。市が住民の納得のないままに推し進める大型公共事業に莫大な予算が投入されている実態を、具体的な数字を挙げて示しました。

 

次に、とばめぐみ市議が「総合療育センターひまわり学園」の保護者の声を集めて何度も議会に届けてきたことで、通園時間や通園バス拡充、看護師増員等に大きな前進があったこと、また不登校対策として2026年度から本市ではじまる「学びの多様化学校」の問題点について語りました。

 

続いて久保みき市議が、議会で何度も求めてきた市立知的障がい特別支援学校の新設について「夢がかなった」と報告。また、本来なら新年度から実証実験が始まる予定だった公共交通の運賃助成制度が延期となったことについて、課題と今後を話しました。

 

さらに池田めぐみ市議が教育問題を取り上げ、「給食室の炊飯器は、未設置の学校があること」「教室にスクリーンがないこと」など、当事者の声をもとに質問し、子どもたちの学ぶ環境を整えるよう要望したことを報告しました。戦後80年を迎える今年、平和学習で児童生徒の広島派遣が実施されることを報告すると、会場の共感を呼びました。

 

参加者からは、大宮南小と上木崎小の学区問題、公園のトイレ、下水道対策、市庁舎移転、三菱マテリアルの放射性廃棄物漏出問題、統一協会とさいたま市の対応など幅広い問題の質問が出され、活気のある報告会となりました。

2025年2月議会*本会議討論 市民の暮らしに寄り添う予算を

本会議で討論をおこなう池田めぐみ市議

3月13日、2月議会最終本会議がおこなわれ、党市議団を代表して池田めぐみ市議が予算案に対する討論に立ちました。

 

池田市議は、「本予算は1兆1663億円という巨大予算だが、市民や事業者に寄り添う予算になっていない」と指摘しました。市民の平均給与所得は直近でおよそ425万円、10年前の367万円と比較して16%増加していますが、税負担もおよそ50万円、24%増加しています。特に給与所得者のうち27.4%、16万人のボリュームゾーンで、平均給与所得はおよそ248万円という厳しい現実です。さらに65歳以上の市民の平均所得は173万円と、全体平均の半分以下になっています。

 

池田市議は、「市は、市民の生活実態を直視して、物価高騰や税負担の上昇に対し見合った支援をする必要があるが、新年度の『物価高騰対策の合計』は88億9000万円で、全体のたった0.8%。そのうち68億3000万円をしめる定額減税補足給付金不足分は、全額、国の予算。物価高騰対策と胸をはるデジタル地域通貨も大きな恩恵をうけているのは、大型店舗や、情報を知りえた一部の市民のみ」と批判しました。

 

一方で、新年度予算には、武蔵浦和義務教育学校建設整備事業が46億円計上されていますが、2月に、予定価格148億6100万円で募集した新校舎建設工事の入札は、参加業者がなかったことから、不調となったことが明らかになっています。建築資材の高騰や建設現場の人手不足で、手を挙げる業者が見つからない中、市民の理解が得られないまま、大規模な学校建設を進めていくことは、明らかに無理があります。

 

そのほか、浦和駅西口南高砂地区再開発や、市民会館うらわの建設、次世代型スポーツ施設、北区のJCHO医療センター跡地に造る施設の事業費などの「大型事業」には、多額の予算が計上されているほか、今後、地下鉄7号線延伸も、1500億円を超えるとの報告がありました。

 

池田市議は「市民が本当に必要としているのは、くらし、福祉、子育て、教育、地域経済、災害対策などの拡充。党市議団では、『学校給食費無償化』や『水道料金の引き下げ』『おでかけ支援制度の創設』など予算の組み換えを提案したが、受益者負担などの観点から難しいとの答弁だった。市民は、税金を払っている。住民福祉の増進が行政の仕事。そのため、新年度予算案には、市民の立場にたって、反対する」と述べ、新年度予算案に反対しました。

 

2025年2月議会*本会議討論 国保税の9年連続値上げに反対

本会議討論をおこなう久保みき市議

3月13日、2月議会最終本会議がおこなわれ、党市議団を代表して久保みき市議が議案と請願について討論に立ちました。

 

今議会には、国保税の値上げの議案と市民から値上げ中止を求める請願が出されています。さいたま市は2017年に国保税の限度額の引き上げをおこない、それを含めると新年度で9年連続の値上げとなります。値上げのたびに市民からは「値上げをしないでほしい」「国保税が高すぎてくらしていけない」という請願が出されてきました。久保市議は「市民からの声を、市が国保運営協議会に紹介することなく、値上げを決めてきたことは、極めて遺憾だ」と批判しました。

 

県単位化ということは、埼玉県内の市町村すべて同じ立場です。しかし、議案質疑でさいたま市同様に確実に毎年引き上げをおこなってきた自治体は他にはおそらく1市しかないということが明らかになりました。また、請願審査では、2027年に県税率での統一が予定されているなかでも、県内で10自治体が、新年度、値上げしない方針であることが明らかになりました。物価高騰のなかで市民のくらしを考えたなら、値上げをしないのは至極当然のことです。

 

久保市議は「今、市民がどのようなくらし向きなのか、今現在の市民のくらしを守っていくことこそが、市政としていちばん大切なことである」と主張し、国保税の値上げに反対しました。しかし、他会派の賛成で値上げが可決されました。

 

2025年2月議会*予算委員会(まちづくり) 浦和駅西口周辺の再開発予算ふくらむ

予算委員会で質疑をおこなう金子あきよ市議

3月4日、予算委員会(まちづくり委員会関連)がおこなわれ、金子あきよ、久保みきの両市議が登壇しました。

 

金子市議は、浦和駅西口南高砂地区再開発事業に支出する公的資金の総額について明らかにするよう求めました。浦和駅周辺まちづくり事務所長から「総事業費708億7900万円のうち補助金の合計が281億5200万円、市民会館が166億7700万円で合計448億2900万円」との答弁がありました。金子市議は物価高騰、労務単価の引上げの影響、事業費拡大の可能性について現時点での見通しがあるのか、質しました。所長は「組合からは物価高騰にともない事業費は増える見込みだと聞いている」としたうえで、補助金は現在のところ増額する予定はないとしたものの、 市民会館うらわの建設費については事業費が上がった分、工事費の支払いが増えるものと考えている、との見解を示しました。再開発で建設されている高層マンションは分譲価格1億~5億円で販売され、売れ行き好調です。金子市議は「これ以上市の予算を再開発に支出する必要などないのではないか」と迫りました。

 

他に事業化されるJR環境空間整備の計画の内容、新設公園へのトイレ、時計の設置の基準等について質疑し、市民の要望に沿った緑地、公園の整備を求めました。

 

 

運賃助成制度の実証実験を実施せよ

 

 

久保市議は、昨年の2月議会においての当時の都市局長、交通政策課長の発言を示し、新年度から高齢者への運賃助成が実証実験されるはずであったと指摘。約束を反故にされたことは大変に遺憾であると強く抗議し、2026年度から実証実験できるように、新年度、準備することを求めました。市は「運賃助成制度は多くの政令指定都市で採用されており、一定の効果があると認識している。引き続き検討していく」と答弁しました。

 

また、西区西大宮4丁目の近隣公園整備について、新年度予算の計上がないことは、市の本気度が問われる問題です。久保市議は「公園の完成が10年先と聞いている。この地域に公園ができるから、と引っ越してきた子育て世帯もいる。部分的にでも完成させて、利用できるようにすべき」と求め、市も前向きに答弁しました。

ページトップへ