議会報告

2025年2月議会*議案外質問(まちづくり)下水道施設は安全か

議案外質問をおこなう金子あきよ市議

金子あきよ市議は、八潮市で下水道管の破損が原因で起こった陥没事故を契機に多くの市民が関心を寄せている市の下水道の管理の問題について取り上げました。

 

「さいたま市下水道長期計画」に基づき、具体的なとりくみ内容と財政計画を盛り込んだ「下水道事業中期経営計画」がつくられています。そのなかでの下水道施設の維持管理、点検・調査および修繕・改築などの計画と進捗状況、次期の計画について集中して聞きました。

 

金子 下水道を予防保全するための点検、調査の進捗状況は。

 

下水道部長  本市が管理する下水道管路は現在約3540kmだが、JR京浜東北線周辺の中心市街地に敷設されている下水道管約1400kmを優先エリアとして位置づけ、点検、調査の計画を策定した。現計画では毎年約100kmの点検を、目視、T Vカメラ調査で実施している。

 

金子 こちらの1400kmを優先エリアと選定した根拠は。

 

下水道部長  敷設年度が旧市街地を中心としており、非常に古くて標準耐用年数50年を超えた管がかなり多くある。人口の密集具合などから事故が起きたときのリスクが非常に高い区域。その辺のリスク評価をして決定した。

 

金子 腐食するおそれが大きい下水道管等の点検、調査についてはどうか。

 

下水道部長 下水道法に基づき、5年に1回実施することが義務づけられている。今回の八潮市での道路陥没の事故を受け、点検の方法や頻度について変更される可能性が非常に高いと思う。国の動向などを注視して対応していく。

2025年2月議会*議案外質問(総合政策)多文化共生へ 全庁的な対応求める

総合政策委員会で議案外質問をおこなう松村としお市議

さいたま市では1月に在留資格を失ったことをもってクルド人の子どもが学校から除籍されることが起こり、誤った対応だったと教育長が謝罪しました。松村としお市議は「多文化共生」の視点から、「外国人であることを理由に差別的な取り扱いをしてはならない」ことを指摘し、「教育委員会だけの問題とせず、全庁的な課題として対応することが必要」と質しました。商工観光部長は「教育委員会だけの問題ではなく、あらためて全庁的な課題としてとらえる必要がある」と述べ、「多文化共生の実現に向け人と人との交流促進や職員の意識向上等、とりくみを推進したい」と答弁しました。

 

松村市議は、在住外国人との間に生活習慣や文化・言語の違いなどがあり、相互理解のとりくみを進める立場から「外国人市民委員会」について質問しました。商工観光部長は同委員会について「外国人市民等から意見を聞く機会を設け、抱えているさまざまな問題について協議し、2年ごとに市長に提言をおこなう」と説明。松村市議は「市のホームページを見ると提言に市がどう対応したのか見えない。回答や対応を掲載することで(外国人の方に)伝わるものになるのでは」と提案。商工観光部長は「提言は全庁に伝え、対応状況の把握に努め、防災情報や標識等の多言語化など対応した例がある。今後はホームページ等への掲載を検討したい」と答弁しました。

2025年2月議会*代表質問 子どもの最善の利益は守られているか

2月13日、とばめぐみ市議が代表質問にたち、「さいたま市は子ども基本法の立場にたって子どもの最善の利益を守っているのか」と質しました。

 

はじめに、新設大和田地区小学校(見沼区)についてとりあげました。過大規模校解消の対策として地元住民が長きにわたって求めてきた小学校建設は、予定より3年遅れて来春開校です。

 

ところが学区の発表は、大変雑なもので、住民を混乱させています。大砂土東小学校と大谷小学校を7区域に分け「新設小学校通学区域(案)」として関係団体や保護者にアンケート調査をおこない、2024年3月に説明会を開きましたが、11月には新たに2区域を加えた最終案を突然発表しました。保護者は寝耳に水。年末に急遽説明会が開かれましたが、市は「最終案は変更しない」と言い切り、保護者からは「私たちにはアンケート調査もなかった」「子どもの意見は聞いたのか」「来年突然転校?高学年は選択できるようにしてほしい」と声があがりました。PTAも2度にわたって嘆願書を提出し、高学年の選択制を求めています。

 

とば市議は、「子ども基本法は〝その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会の確保〟を求めている、内閣官房はその例として〝どのような学校を選ぶか〟をあげている」として、市の姿勢を質しました。教育長は「アンケートは保護者が子どもと相談して回答した例もあるため、子どもの声は聞いている」「開校時から、全学年がそろうことでバランスが図られる」と、まったく取りあいませんでした。

 

学びの多様化学校「いろどり学園」

 

次に、不登校児童生徒支援についてとりあげました。全国の不登校児童生徒数は34万人超。本市でも2000人を超えています。国は支援策として、授業時間を減らし、柔軟なカリキュラムの特例校「学びの多様化学校」を全国に300校設置することを目指し、本市でも2026年度に開校が予定されています。

 

しかしその内容は、既存の教育研究所の一部を本校とし、5つの教育支援センターをキャンパスとするもので、希望する児童生徒は「転校」しなければなりません。とば市議は、転校しなければならない理由を問いましたが、市は「学びの多様化学校は、学校教育法第1条に定められた学校に該当するので、学籍を移す必要がある」と言うだけで、教育的意義はなにも語れず、「担任はどこにいるのか」と質しても「既存の学級担任の枠に縛られないかたちを現在検討中」と言うだけでした。

 

「不登校児を受け入れる学校」と言いますが、不登校にならないと入れない学校で、他市からの転校は認められません。給食はなく、キャンパスに通う際の交通費は保護者負担。「公認心理師、精神福祉士にいつでも相談できる」としながら常駐ではなく、相談はオンラインでおこなうことが想定されています。とば市議は「美辞麗句を並べながら中身がスカスカ。先行自治体のよい例や問題点を研究して、柔軟でもっとも子どもによりそった学校にするよう再検討すべきだ」と質しました。教育長は「他の事例も研究しながら、とりくみを準備する」と答えました。

 

また、とば市議は全国の精神疾患で病欠となる教職員数の激増と、不登校児童生徒数の激増がぴったり一致しているグラフを示し、2つは強く関係していると延べ、「教職員が健康で働き続けることのできない学校は、子どもが安心して通える場所にはなり得ない。本市の教職員の精神疾患が全国平均をはるかに上回っているのは大問題だ」と質しました。教育長は「地域総がかりで子どもをはぐくむ、学校・家庭・地域等の連携・協働体制を構築することが重要」と述べるにとどまり、厳しい学校の現実には触れませんでした。

 

希望者全員に通園バスの補償を

 

最後に、とば市議は「総合療育センターひまわり学園」の通園バスについてとりあげました。通園バスは看護師が添乗していないため、医療ケア児や重度の障がい児は利用できず、保護者が送迎しています。時折停車して痰の吸引をし、発作が起きていないかいつも様子を見ながらひとりで運転する現状に、とば市議は「親子を危険にさらす自家用車での通園をいつまで続けなければならないのか。早急に看護師を増員し、バスを利用しやすくするべき」と迫りました。市は「通園バスへの要望はいろいろといただいており、新年度からはすべて車高が低いマイクロバスにする」と答弁。また、バスを2台増やし、ルートも6ルートから8ルートに拡大する、車いすの搭載可能台数を12台から16台に拡大する、と答えました。一方で、バス通園のための継続的な看護師配置は「引き続き研究する」という答弁にとどまりました。

 

また、とば市議は「市長は『誰一人取り残さず…』として『子ども子育て関連施策』をあげているが、障がい児を育てる環境は完全に取り残されている」という保護者からの言葉を伝え、市長の見解を質しました。市長が答弁にたち「まだまだ十分とは言えない。ひまわり学園で、保護者と市の懇談もおこない要望を承った。よりよい環境づくりにとりくみたい」と述べました。

2025年2月議会*代表質問 物価高騰のなかで市民の暮らしを支える予算に

代表質問をおこなう金子市議

2月13日、金子あきよ市議が代表質問にたち、市長の市政運営についてただしました。

 

金子 物価高騰のもとで生活困窮者、子育て世帯、高齢者世帯、小規模事業者などから「暮らしが苦しい」との声が寄せられている。市長は新年度の施政方針のなかで、市民の苦しみに言及しなかったが、市民の暮らし支援の予算はなにか。

 

清水市長 新年度予算編成方針では「市民の命や生活を守ることを最優先として引き続き推進する」としており、市民の暮らしを守るための対策を切れ目なく迅速かつ的確に実施できるよう、2024年度12月補正予算から2025年度当初予算までの16カ月予算として編成をした。当初予算については、定額減税補足給付金の支給のほか、市民および市内事業者の安心や生活の安定を支える事業をこれまで以上に展開していく。

 

金子 たしかに、要望してきた事業の予算化など一定の前進はあった。しかし新年度予算案で示された物価高騰対策の合計額は 約89億円。これは新年度予算総額の0.8%であり、その多くを占めている「定額減税補足給付金の不足分約68.3億円」は全額国費。これでは市長の本気度がまったく見えない。

 

金子市議は、2023年12月議会から毎議会開会日に市役所前に多くの市民が集まって市の進める事業に対して抗議の声を上げていることを紹介。大規模公共事業に多額の予算を注ぎ込むことへの厳しい批判がある、と指摘しました。そのうえで、市民の合意が得られていない大型公共事業を大胆に見直し、積み上がった基金を一部分取り崩して、市民の暮らしを支援する事業に充てる予算の組み替えを提案しました。

 

ジェンダー平等の実現を市役所から

 

続いて金子市議は、市職員(パートタイム会計年度任用職員を含む)の男女賃金格差の実態をとりあげ、男性に対する女性の賃金の割合が82.5%であることを明らかにしました。

 

金子 男女の賃金格差が生じる要因として、圧倒的多数のパートタイム会計年度任用職員が女性だからだ(男女比率1:4)。非正規雇用がこれだけ多いということ自体が女性に対する間接差別。市は「第5次男女共同推進のまちづくりプラン」のなかで「非正規雇用労働者の割合が男性に比べて女性で高いことは、女性の貧困の背景にもなっている」と述べている。非正規雇用である会計年度任用職員の処遇を改善することに、さいたま市自身が踏み出すべきではないか。

 

日野副市長 会計年度任用職員の給与面の処遇は、常勤職員の給与との権衡(けんこう=釣り合い)を考慮するとともに、他団体や民間事業者の同様職種の給与水準も考慮して設定したものだ。

 

金子 会計年度任用職員が、その専門性にふさわしい処遇を受けている、とは言えない実態がある。たとえば学校図書館司書は市内の小中学校に一人ずつ配置されているが、募集時に示される勤務条件で最大限勤務すると107万700円。昇給や期末手当はあっても、この仕事だけでは自立できない。専門性が求められ、教育現場から必要とされているにも関わらず、勤務時間と人員配置が見合っていない。したがってすべての職種で仕事の内容を精査し、正規職員としての雇用も含めた形態にするべきではないか。

 

日野副市長 現在、会計年度任用職員として採用している職種について、業務の内容や責任の程度など業務の性質が変わらない限りは、正規職員として採用できない。

 

竹居教育長 学校図書館司書は「設置要綱」において図書館業務を担当する教員の補完的な業務にあたることとなっている。業務内容や責任の程度など業務の性質から判断し、正規職員として採用することは考えていない。

 

金子市議は「会計年度任用職員がそれぞれの部署で担っている業務内容や責任を軽視する驚くべき答弁だった。ジェンダー平等を市役所から実現するために、男女賃金格差の是正、官製ワーキングプアといわれる会計年度任用職員の改善踏み出すべきなのに、大変後ろ向きな答弁だ。多くの会計年度任用職員のみなさんと共に、これからも声をあげ続ける」と表明しました。

座談会「12月議会をふりかえって」市民の願いにこたえて奮闘

12月議会を振り返る

1月10日、12月議会の内容についての座談会をおこないました。司会は金子あきよ市議です。

 

金子 それでは12月議会を振り返っていきましょう。この間、私たちは清水市政の強権的なやり方を問題にしていますが、それに対して議会はどのような態度をとってきたのか、12月議会の中で見ていくことが必要です。前号の団ニュースで、たけこし市議の本会議討論と私の予算委員会討論について報告されているのですが、そこに書ききれなかったことも含めて、話し合っていきたいと思います。まずは請願審査についてです。今回はとくに教育関連の請願が注目を集めました。

 

「ゆきとどいた教育を求める請願」が不採択に

 

池田 文教委員会には、ゆきとどいた教育のための少人数学級の実現を求める請願や教員の未配置解消を求める請願が出されていました。市民の当然の願いだと思うのですが、「自主財源が必要で現実的ではない」という理由で不採択になりました。教員の未配置については、2024年11月現在で18人もの未配置があったことが分かっているのに、「(市は)発生しないよう努めている」という理由で他会派が不採択を主張しました。本当に子どものことを考えているのか疑問に思う結果でした。さらに猛暑の中でおこなわれている体育祭の時期変更を求める請願も出されていました。党市議団としても要望を出した内容です。ところが、30人以上の生徒が体調不良を訴えたにもかかわらず「軽症だったので(開催時期は)適切だった」と市教委が答弁したため、私が「それは本当に適切ですか」と質したところ、「撤回します」と発言を取り消した経緯があります。にもかかわらず、他会派の市議が「当日体調不良となった生徒たちは、いずれも重病者はなく、保健室で休んだ後帰ることが可能な状況であった」などとして請願に反対し、不採択となってしまいました。非常に憤りを感じます。

 

松村 少人数学級の件は、具体的な数字で確認したいと思います。予算的に見ても年間4億円程度を3年かけていけば実現できる話なんです。国の政策もその方向に向かっているので、一時的な財政負担で済むはずです。さいたま市の財政力からすれば十分可能なんですよ。小学校では35人学級が実現し、中学校でも来年度から始まる。その流れの中で、市独自の施策として先んじて少人数学級を進めることは、決して非現実的な要求ではありません。

 

たけこし 実は少人数学級を実現するのに必要とされている教員人件費の試算自体にも疑問があります。新規採用教員もいるはずなのに教員全体の平均給与で計算していて、必要以上に給与額がかかっているのではないか。実際にはもっと少ない予算で実現できるはずで、この試算の仕方自体、請願を不採択にするための理由のように感じます。

 

池田 他の自治体との教員採用競争の話も出ていました。「臨時的任用等教職員の登録者は2023年度は1881名いた。しかし登録者に声をかけてもすでに他自治体に勤めていて採用できないケースも多い」という説明がありましたが、これは裏を返せば、さいたま市の教育現場の待遇や労働環境に問題があるということの証明ではないでしょうか。

 

とば そのとおりです。教員の未配置という事態は本当に異常ですよね。1日たりとも教員が不在という状況があってはならないのに、18人も足りないという事実。これは本当に深刻に受け止めるべきです。

 

金子 保健福祉委員会には、小規模介護事業所への処遇改善支援を求める請願が出されましたが不採択。教育現場でも福祉・介護現場でも、働く人たちの待遇改善は喫緊の課題です。市の独自施策として上乗せ支援をおこなうことは必要不可欠です。

 

松村 結局のところ、さいたま市の自主財源の使い道が問題なんです。大規模公共事業が目白押しで、そちらに予算を投入せざるを得ない状況をつくっている。その結果、本当に市民生活に必要な施策にお金がまわらない。この構図が今回の議会でも明確になりましたね。

 

提案した意見書案もまとまらず

 

金子 次に意見書の件について話し合いたいと思います。今回、私たちは「企業団体献金の全面禁止を求める意見書(案)」と「米兵による性犯罪根絶のための対策を求める意見書(案)」を提案しましたが、残念ながらどちらもまとまりませんでした。企業団体献金の問題については、一部の会派とは意見が一致したのですが、国政与党の自民・公明が反対でした。さいたま市議会では、意見書は全会派一致での採択がルールとなっているので、実現しなかった、ということです。

 

とば 企業団体献金については、総理が国会では「禁止したら憲法違反だ」「企業団体献金は悪だとは思っていない」とまで言っていますからね。

 

松村 しかし、私たちが提案した2024年11月の時点では、まだ国会でもそこまでの議論になっていなかった。それでも地方議会で、与党を中心に反対の姿勢が強かった、ということですね。政治改革のために必要なことなのに、残念な結果でした。

 

金子 「米兵による性犯罪根絶を求める意見書(案)」が採択されなかったのは、本当に理解に苦しみます。この意見書(案)を提出したあとも沖縄ではあらたな事件が発生している状況で、なぜこの問題に一致してとりくめないのか。維新の会からは「米兵にこだわる理由はない」という意見まで出ました。

 

松村 根本にあるのは、アメリカに対してものを言えないという構造的な問題です。埼玉県平和委員会から提出された「核兵器禁止条約の批准を日本政府の求める意見書を提出することを求める請願」についても、多くの会派が問答無用で反対という姿勢でした。

 

とば 反対討論をした立憲の市議は「現在の安全保障政策の変更には十分な議論が必要」と言ってますね。アメリカの核の傘が大前提になってしまっている、そこが変えられないということでしょう。

 

池田 12月議会の直前に日本被団協のノーベル平和賞受賞という歴史的なできごとがありました。平和都市宣言をしているさいたま市なのに、市長や議長、他会派からこの重要なできごとへの言及がほとんどなかったのは本当に残念でした。政治家としてなにを重視しているのか、深く考えさせられました。

 

みんなは知らない?

「さいたま市みんなのアプリ」

 

金子 次に、補正予算で提案された「さいたま市みんなのアプリ」の問題について、多くの市民から「これはなんですか」と質問されました。国の補正を受けての緊急の補正予算というかたちで提案されましたが、市民にとって本当に必要な施策だったのでしょうか。

 

池田 私は実際にアプリをダウンロードして使っていますが、大きな問題はマイナンバーカードがないとダウンロードできないという点です。そして、カードを持っていても、アプリとの紐付けが非常に複雑で面倒。銀行との連携も限定的で、最初に表示される銀行は4行だけです。本当の意味で「みんなの」アプリとはいえない状況です。ダウンロード数は約8.3万人と報告されましたが、実際に使えている人はさらに少ないのではないでしょうか。

 

松村 市は年度内に20万ダウンロードをめざしていますが、そこまで届いていないうえにダウンロードしても使えていない人がたくさんいるのが実態ということですね。

 

金子 そして今回の補正予算、30パーセントという破格の還元率で、通常の3パーセントと比べても異常に高い。これだけの還元率を設定しているということは、アプリの普及、さらにはマイナンバーカードの普及が本当の目的なのではないでしょうか。

 

たけこし そもそも物価高騰対策として国から予算をもらっているのに、この使い方でいいのかという根本的な疑問があります。国は水道料金の値下げやガス料金の補助など、さまざまな選択肢を示していたはずです。

 

とば ポイント還元のしくみも分かりにくい。100円の買い物をすると30円分のポイントが付与され、次の買い物に使える。でも、使える店舗は限られている。税金を使って特定の決済サービスを推進することに、果たして妥当性があるのでしょうか。

 

池田 多くのさいたま市民はこのアプリのことを知らない、あるいは使えない状況にあるわけです。市長はさまざまなイベントでQRコードの入ったポロシャツを着て宣伝していましたが、市民にとって本当に必要な施策なのか、考え直す必要がありますね。

 

松村 他の政令市でここまでのポイント還元施策をやっているところはありません。市民のことを考えるならば、先ほどたけこし市議が言ったとおり、水道料金の値下げやガス料金の補助など、より直接的な支援策があったはずです。結局、市の施策を推進することが優先されて、市民が置き去りにされている印象を受けます。

 

池田 アプリを使える人と使えない人の間で不公平が生じています。「誰ひとり取り残さない」というスローガンとは逆行しているように思います。デジタル化をすすめるなかでも新たな格差を生まない配慮が必要ですよね。

 

金子 今回の議会を通じて、市の予算の使い方に大きな課題があることが明らかになりました。教育や福祉など市民生活に直結する課題よりも、大規模事業やデジタル化推進が優先される傾向が顕著です。これは市民の願いとかけ離れているのではないでしょうか。

 

松村 そのとおりです。市民の切実な願いに応える政治の実現に向けて、私たちはこれからも努力を続けていく必要があります。市民の声をしっかりと議会に届け、実現していく。それが私たちの役割だと改めて感じた議会でした。

 

金子 ありがとうございました。大きな課題が山積していますが、がんばりましょう。

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