議会報告

2025年2月議会*予算委員会(総合政策)市民の重い税負担が明らかに

予算委員会で質疑をおこなうたけこし連市議

2月21日と25日、予算委員会(総合政策委員会関連)がおこなわれ、党市議団から金子あきよ、たけこし連の両市議が登壇しました。

 

たけこし市議は、市民の平均給与所得と税負担額について、直近と5年前、10年前の比較データについて質問しました。市の回答によると、直近の市民平均給与所得は約424万円で、40代夫婦と子ども2人の4人世帯の場合の税負担額(住民税と所得税の合計)は49万6300円となっています。一方、5年前は平均給与所得約375万円・税負担額41万円、10年前は平均給与所得約366万円で税負担額39万円でした。

 

また、給与所得者のうち最も人数が多い層(ボリュームゾーン)の平均所得は約247万円で、この層には16万人が属し、給与所得者全体の27.4%を占めていることがあきらかになりました。 さらに、65歳以上の市民の平均所得は約172万円で、税負担額は16万円であることも示されました。

 

 

デジタル化支援の職員は1.5人のみ

 

 

たけこし市議は情報システム最適化事業についてもとりあげました。市役所内の各部署がデジタル化を進める際に、その見積りの妥当性や二重投資のチェックなどの助言・支援をおこなう体制が、わずか1.5人の担当職員で運営されていることが明らかになりました。

 

年間481件もの案件審査をこの人数でおこなっている現状に対し、たけこし市議は「これからあらゆる分野でデジタル、セキュリティ、情報システムが関わってくる中で、1.5人で年間481件を審査することは非常に厳しい」と指摘しました。とくに、デジタル化の関連案件が全庁的に増加するなかで、各部署から提案される計画の有効性や重複投資の可能性を専門的知見から判断する機能の強化が急務であるとの懸念を示し、体制強化を求めました。

 

また、金子市議は公契約条例について、本会議での市長の「公契約条例に関するとりくみを一歩前進させる」との発言を受け、条例対象となる労働者の賃金実態調査の必要性を指摘しました。これに対し契約課長は「今後ていねいに検討していく」と回答しました。

 

 

街路灯の電気料全額補助を継続するべき

 

 

続いて、経済局関連の質疑で、たけこし市議は商店街街路灯電気料補助事業について、新型コロナ禍から続いてきた全額補助の継続の見通しについて質しました。商業振興課長は「市の補助金の見直し基準によると、原則は2分の1。市と各商店街の役割分担を踏まえた上で、検討すべき時期と考え、補助率について見直しをおこなった」と段階的引き下げの方針を示しました。たけこし市議はこれまで通り10分の10補助を維持すべき、と主張しました。

 

また、市が大阪・関西万博で盆栽・人形を展示する企画に5101万円の予算をつけていることに対し、「9月17日から21日のわずか5日間でこの金額が計上されており、1日約1000万円で非常に高い。どんな経済効果を見込んでいるのか」と追及。担当の観光国際課長は明確な効果を明らかにすることができず「金額的には高い」と認めざるを得ませんでした。

 

 

男女の賃金格差の是正を求める

 

 

金子市議は総務局関連で、職員の男女賃金格差について質疑。時間外勤務手当の格差が64.6%であり、その要因のひとつが育児事情によって勤務時間が制限されている女性職員の多さであることが示されました。

 

金子市議が「育児休業や育児時間を取るのは女性が当然、男性がその分時間外勤務を多く引き受けなければならないという風潮は、市役所全体として変えていくべき」と求めたのに対し、人事課長は「職員全体として、時間外勤務を下げていくということは非常に有効。時間外勤務時間の縮減に努めたい」と応じました。

 

また、平和推進事業については「戦後80周年、平和都市宣言20周年にむけ、予算を大幅に増やしてのとりくみとなることを歓迎する」とし、子どもの平和学習派遣について、事前事後学習に多くの児童生徒が参加できる計画にすること、被爆者や戦争体験者との交流学習を企画することを求めました。総務課長は「教育委員会と協議し、効果が大きくなるようなかたちで進めたい」と答弁しました。

2025年2月議会*議案外質問(保健福祉)地域で暮らす障がい者の幸せのために

議案外質問をおこなう久保みき市議

久保みき市議は、障がい者福祉について質問しました。

 

「旧浦和市時代から、どんなに障がいが重くても、地域で当たり前にくらすことをモットーにしてきた、ある事業所が指定取消しとなった。不正と言われた理由は2つで、資格の有無と介護時間の過大請求。しかし、これらは市との話し合いで決めたことだと聞いている。当該事業所は、時間で調整しようと提案してくれた市の職員の名前も覚えていると言っている。そもそも介護時間の過大請求は、介護報酬が少ないことによるもの。介護報酬だけでは足りないので、上乗せ請求が必要になった。障がい者にていねいな支援を実施しようとしたら、どうしても赤字になってしまう。赤字になれば事業所はやっていけない。どうしたらいいのか。国の支援が足りないのであれば、当然、市の担当課は、市独自で支援をする道を開く、どうしたら救えるか考える、それが障がい福祉の担当課の仕事だと私は思う。いきなりの指定取り消しで、そこでくらす障がい者を不幸にしてしまうことにつながる認識はあるか。担当課は、障がい者の幸せのために働いているという認識はあるか」と質しました。

 

市は「指定取消し処分により、支援者が変更になるなど、利用者に影響が生じることは認識している。処分通知日から処分日までに一定の期間を設けるなど、必要な対策を講じている。障がいのある方の幸せのために働いているということでやっている」と答弁しました。

2025年2月議会*議案外質問(市民生活)PFASの調査対象を拡大して

議案外質問をおこなうとばめぐみ市議

とばめぐみ市議は、市内河川において有機フッ素化合物PFAS・PFOAが検出されたことについてとりあげました。

昨年8月、市内の河川で高濃度のPFAS・PFOAが検出されました。その後、湧き水の汚染原因については未だに不明で調査中であることや、国が水道水におけるPFOS・PFOAの取扱いを見直すことを検討しており、2026年4月から水質基準項目を格上げする案を示していることなどが明らかになりました。とば市議は「水道水、地下水、河川にも調査を拡大して、土壌調査もおこない、国に財政的支援を求めるべき」と質し、市は「過去の土地使用状況の調査をおこなうとともに、関係者への聞き取りや、国や県と協議しながら、原因究明に向け継続してとりくんでいる」と答えました。

 

また、とば市議は、消費生活総合センターに寄せられた「若者の消費トラブル」についてとりあげました。18歳が成年年齢となって3年、「脱毛エステ」や「出会い系サイト」の被害が激増し、金額も50~60万円に及んでいます。とば市議は「中高生への消費教育」を提案。同時に、消費生活相談員がカスタマーハラスメントにあうなど厳しい働き方であることや、後継者不足を示して改善を求めました。市は「相談員の意見を聞きながら、中長期的な視点での処遇改善、組織体制、業務運営を検討する」と約束しました。

2025年2月議会*議案外質問(文教)与野中央公園の環境アセスを実施せよ

議案外質問をおこなうたけこし連市議

たけこし連市議は、与野中央公園5000人アリーナ建設計画について、環境アセスメント(環境影響評価)の実施が必要ではないかと質問しました。市の答弁は、与野中央公園は1990年1月に都市計画決定の告示がされており、さいたま市環境影響評価条例の施行日(2005年4月1日)より前に決定された事業のため、「環境アセスメントの対象には該当しない」とのことでした。

 

これに対し、たけこし市議は「与野中央公園の面積要件では環境影響評価の対象になるはずであり、アリーナ建設自体は新たな開発行為である」と主張しました。とくに周辺交通への影響、震動・騒音対策、自然環境への配慮、軟弱地盤対策といった多岐にわたる評価が必要であることも指摘しました。市は「事業者に対する要求水準書の中で、緑化推進や騒音対策、交通分散などへの配慮を明示している」と説明しましたが、これはあくまでつくる側の視点であり、客観的な環境影響評価とは異なります。近年では条例上の義務がなくとも、自主的に環境アセスメントを実施する事例も増えています。たけこし市議は「当初想定していなかった大規模施設を建設する際には、第三者の視点で環境影響を定量的に評価することが市民の安心のためにも必要」として、環境アセスメントの実施を重ねて求めました。

2025年2月議会*議案外質問(文教)学校栄養士 配置基準の見直しを

議案外質問をおこなう池田めぐみ市議

池田めぐみ市議は、学校栄養士の働き方と重要性を明らかにするため質問しました。

 

市内の学校には、学校栄養士として学校栄養職員(栄養士もしくは管理栄養士)64名、栄養教諭(栄養士もしくは管理栄養士、および栄養教諭免許)99名が勤務しています。「1校に1人の栄養士」は国の基準を超えているとのことですが、1000人を越える大規模校でも1人です。アレルギー対応について質問すると、2024年度は、小中学校と特別支援学校で、合計3426人に対応。弁当対応は52人、除去食対応は2872人、代替食対応が296人でした。いちばん多い学校では、1校で71人もの食物アレルギーに対応している実態が明らかになりました。

 

 

また、現在、個人の方が制作したソフト(キュウちゃんソフト)を、全163名中96名が使っていることがわかりました。現場から、市が責任をもって、アレルギーなどにもミスなく対応できる市独自の献立ソフトを導入してほしいという声があることをふまえ、栄養士・栄養教諭が参加する「献立ソフト検討チーム」の設置を要望しました。 「アレルギー対応がある日は、責任があり休むことができない」「授業も担当していて、献立の業務などは夜まで終わらないことも多い」「児童生徒の数が多いほど、子どもとの会話が少なくなってしまう」という声をうけ、池田市議は、代わりのきかない学校栄養士について、550人以上の児童生徒に1人という基準を、さらに1100人以上の学校では2人以上の配置基準に見直すよう、強く求めました。

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