議会報告

2024年9月議会*決算(市民生活)野生動物の生息地を守れ

決算特別委員会で質疑にたつとばめぐみ市議

10月1日、決算特別委員会(市民生活委員会所管)でとばめぐみ市議が登壇しました。

 

はじめに、野生動物についてとりあげました。アライグマ、タヌキ、ハクビシン等野生動物の相談が激増し、昨年度のアライグマの捕獲数は861件にも及びました。市長はタウンミーティングで「鳥獣業務は大宮区や浦和区など限定された区役所でおこなっているため、迅速な市民サービスが提供できない時もある。知識や経験豊富な専門職員の人員配置に工夫が必要」と述べていますが、対応が追いついていません。

 

とば市議は、2015年以降、激減した本市の林野面積を示して「開発に熱中し、野生動物のすみかを奪ってきたことが最大の原因ではないか」と質しました。市は「里山などが減少し、野生動物が農地や住環境に出てくる様子は全国的に増えている。一方、本市に生息するアライグマについては、ペット等で飼われていたものが逃げ出すなどし、旺盛な繁殖力で増殖をし続けており、在来種のタヌキなどのすみかを追いやることから、駆除すべき特定外来生物としている」と答弁しました。とば市議は「これ以上自然を壊さない、野生動物の生息地を守るという視点が欠かせない」と述べました。

 

またとば市議は、本市の男女共同参画に係る事業の予算が約1800万円と、先進市である仙台市(約3億5200万円)や横浜市(約5億7800万円)と比較して少なすぎることを指摘し、見解を質しました。市は「他の先進市と比較して多いとは言えない状況。必要な職員の増員や予算の拡充を求めていく」と答弁しました。

 

2024年9月議会*決算(文教)教育委員が8カ月も欠員?

決算特別委員会で質疑にたつ金子あきよ市議

9月30日、決算特別委員会(文教委員会所管)で池田めぐみ市議と金子あきよ市議が質疑をおこないました。

 

はじめに池田めぐみ市議が教育委員会委員についてとりあげ、昨年度の間に、教育委員(定数5)が退職により4名となっていた期間が8カ月もあり、15回の会議で5名全員が揃ったのは2回のみだったこと、また80校の学校訪問も、各委員の参加回数は1回のみの委員や18回参加した委員など偏りがあったことをあきらかにしました。池田市議は「教育行政に重要な責任を負う教育委員の欠員は重大な問題であり、選任時に適切かつ慎重な人選をおこなうこと、そして万が一、欠員が生じた際には迅速な補充をおこなうべき」と述べました。

 

金子あきよ市議は、教職員の精神疾患による休職者数が昨年度112人であることを確認し、前年度に比べて増加したとして、多忙な働き方の改善と、教職員の声をしっかり聞いて健康で働ける職場づくりに努めることを強く求めました。

 

また、武蔵浦和学園義務教育学校についておこなわれた説明会で、各ユニットで児童生徒が一斉に移動する緊急避難の場合に階段に集中する危険性、昇降口での集中と混乱を避けるために提案されている一足制(上履きにはきかえない)への疑問が出されたが、それに対するまともな検討がおこなわれていないと指摘。いずれも武蔵浦和学園が超過大規模であることで懸念されている指摘であり、計画のあり方そのものを見直す必要があると述べました。

 

2024年9月議会*決算(総合政策)市職員の残業を減らすために

決算特別委員会で質疑にたつ池田めぐみ市議

9月27日、決算特別委員会(総合政策委員会所管)でとばめぐみ市議と池田めぐみ市議が質疑をおこないました。

 

とば市議は、市職員の働き方について、急激に残業時間が増えた部署や恒常的に残業時間が突出している部署で職員の未配置が7割もあり、厳しい実態があることを明らかにしました。また、中小企業や農業等に対する市の支援がほとんどなく、とくに農業については水田から畑への転換を進めている現状があります。とば市議は「環境対策としても、これ以上、農家を減らさない本気の対策が必要」と求めました。

 

池田市議は、来年の市長選挙から視覚障がい者の方が求めていた読み上げ対応PDFに対応することや、投票所まで3キロ以上離れている岩槻第17投票区大字釣上新田(かぎあげしんでん)の一部について、2つに分割し、投票所までの距離を改善することを確認しました。そのうえで、「商業施設などの期日前投票の時間をのばすことや、移動式投票所の開設など、誰でも投票できる環境を保障することは市の責務」と求めました。

 

防災備蓄については、全市で段ボールベッド約200台、パーテーション約1000張と確認しました。135万人の市民に対して充分とは言えません。また、市の指定福祉避難所は、グリーンヒルうらわをはじめ廃止が決定した施設があり、避難所が減ってしまうことは重大です。池田市議は「民間施設に頼るのではなく、市として災害時の受け入れ態勢を整えることが必要」と主張しました。

 

2024年9月議会*決算(総合政策委員会①) 厳しい市民のくらしを支える財政へ

決算特別委員会で質疑をおこなう松村としお市議

9月26日、決算特別委員会(総合政策委員会関連)で松村としお市議が質疑しました。

 

物価上昇のなか、市民の所得はどうだったでしょうか。納税している給与所得者のうちもっとも多い層の平均所得は年約247万円(収入換算で361万円)で、前年よりわずかに上昇しましたが、65歳以上の高齢者所得は年々減り続け、年約117万円と月10万円を切りました。物価上昇の影響は高齢者ほど深刻です。
こうしたもとでの市民生活支援は国の給付金や給食費を上げないため市として補助するなど約168.7億円を使いましたが、市負担は約3.5億円と支出の2%程度でした。松村市議は「高齢者の生活を支える昨年度ならではの対応はあったのか」と質しましたが、市は具体例をあげられませんでした。

 

2023年度の基金は総額933億円、そのうちなににでも使える財政調整基金は376億円といずれも過去最高となりました。松村市議は、さいたま市の財政調整基金額は政令市の財政規模比で3番目に多く、「十分大きい方だ」と指摘。市は「多くない」と答えましたが、これは実態を見ない答弁です。

 

また、昨年度決算でさいたま市の黒字額は過去最高の約120億円でした。一方で2023年度予算編成前に179億円不足とされ、財政が厳しいという話が出ます。ところが財政調整基金などを使う分は含まれておらず、その額は松村市議の質問に5年平均で114億円と示され、「不足」が過大な数字と分かりました。

 

松村市議は市が大型公共事業はどんなに膨れ上がっても予算をつける一方で高齢者福祉施設廃止やレジャープール削減の方針を進めてきたことを指摘。「住民福祉の増進」からみてバランスを欠いていると厳しく批判しました。

2024年9月議会*予算委員会 放課後子ども居場所事業 民設学童クラブの不安に寄り添え

予算委員会で反対討論を行う久保みき市議

9月19日、20日と補正予算の審査がおこなわれました。本補正予算には、放課後子ども居場所事業を2025年度にあらたに9校実施するための準備、グリーンヒルうらわの廃止に伴うケアハウス「ぎんもくせい」の入所者への補償金、与野駅西口の土地区画整理事業における不正売却の土地代金の返還など、重要な案件が多く、審査は紛糾しました。20日の討論・採決では党市議団は反対、さいたま自民市議団から2名の退席、他は賛成し、可決されました。

 

反対討論に立った久保みき市議は、「昨年度からモデル事業がはじまった放課後子ども居場所事業は、大きな混乱と不安を民設学童クラブに与えた。今まで民設学童クラブに頼ってきたなかで、裏切りとも言える行為。そのうえ、半年も経たないうちにさらに9校にモデル事業を広げ、2026年には本格実施だという。5年かけて検証すると言っていたのに、欺瞞であったと言わざるを得ない」と厳しく指摘。「新年度からモデル事業をスタートする尾間木小学校にはそもそも公設クラブがない。モデル事業をはじめるなかで民設学童クラブの在籍人数が減り、物件を更地にして返還しなくてはならない恐れがあり、多額の費用が必要となることが予想される。少なくとも、原状復帰にかかる費用や支援員の退職金については市が負担して、民設学童クラブの不安に寄り添うべき」と主張しました。

 

また、グリーンヒルうらわの廃止にともなう補償について久保市議は、「市内のケアハウスに転所することを想定し、入所者ひとりにつき約360万円補償するとのことだが、市内4カ所のケアハウスに空きはない。サービス付き高齢者住宅では平均で月約18万円の利用料が生じ、平均月約7万円の利用料のケアハウスとは雲泥の差であり、一律の補償が妥当か疑問。利用料の高い施設に入所せざるを得ない場合は、追加の補償を実施すべき。全国的にケアハウスが減少傾向だからこそ、公的責任で守る必要があった。今後、市の責任で公的な高齢者施設の設置を強く求める」と主張しました。

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