議会報告

2022年2月議会*文教委員会 義務教育学校では良好な教育環境はつくれない

 2月14日、文教委員会で所管事務調査報告があり、金子あきよ、たけこし連の両市議が質疑をおこないました。

 

 「武蔵浦和駅周辺地域の教育環境の改善」のため、義務教育学校を整備するという計画について、素案では3つの校舎の児童生徒数等は下表となると報告されました。

 

 問題は、2026年度までにこの地区の小学校5校で19学級も増加するとの見通しを教育委員会が示したことです。さらに、地区内の浦和別所小学校は現在33学級。9学級は減らさないと「過大規模」状態は解消できません。そのため、金子市議が「計画されている学級数ではこれらの状況に対応できないのではないか」と質しました。しかし市教委は「地域全体でならしていく」との答弁。義務教育学校の計画を進めても、この地域の「良好な教育環境の整備」という目的は果たせないことが明らかになりました。

 

子どもの新型コロナ感染が激増

 

 今年に入って急激な感染拡大が起こっており、2月だけで小学校1331人、中学校337人、市立高校49人の陽性者が出ました。学級閉鎖等は、文部科学省のガイドラインの基準を参考に、学校と教育委員会が協議し、決定しています。また、学級閉鎖などで登校できない状況では、タブレット端末を使ってオンライン授業がおこなわれ「オンライン特例授業出席日数」としてカウントされるとの説明がありました。

 

 金子市議は、教員にも感染が広がるなか、出勤している教員が極めて多忙であることを指摘し、「濃厚接触者となり休んでいる教員が、自宅からオンライン授業をおこなうよう求められたり、本来は授業をすることができないスクールアシスタントが授業をおこなっている実態があると聞いた。問題ではないか」と質しました。教育委員会は「そのような実態は把握していない」としましたが、いずれも適切でない実態がある場合は指導をする、と回答しました。

2022年2月議会*保健福祉委員会 公立保育所「半分程度」に減らす?!

 2月14日の保健福祉委員会で「公立保育所のあり方に関する基本方針」を2023年に策定する計画が報告されました。

 

 その中心は「公立保育所を再編し、機能向上を推進する」ものです。機能強化として民間保育所への支援・交流、医療的ケア児支援などをあげ、公立保育所を半数程度に減らして浮いた人員を「機能強化」にあてるとしています。「基本方針」は2022年に作成し、2023年から実施する予定です。しかし、すでに鈴谷東・西保育園(いずれも中央区)の統廃合が決定され、さらに下落合団地保育園と与野本町保育園(いずれも中央区)の統廃合を2023年におこなうことも明らかになりました。今回報告された計画の有無にかかわらず、すでにさいたま市は公立保育所統廃合を次々と進めています。

 

 報告を受けた保健福祉委員の松村としお市議は「大変おどろいた。公的責任を投げ捨てるひどい計画だ。保育所を減らさなくても、人を増やせば機能強化はできる」と指摘。市は「市職員の定員管理計画で定数が決まっている。難しい」と答弁し、削減ありきの姿勢を示しました。さらに、「公共施設マネジメント計画(公共施設を減らす計画)を超えるのではないか」との指摘には「明確な数字はない」とまともな検討がされていないことを明らかにしました。このままでは突出した削減計画になる可能性があります。松村市議は質疑を踏まえ、「削減理由も根拠もあいまいだ。公立保育所を減らすこの計画は撤回すべき」と主張しました。

2022年2月議会*予算 保健福祉 保健所体制は不十分 さらなる強化求める

 2月28日、予算委員会の保健福祉委員会関連の審査がおこなわれ、松村としお市議が新型コロナ対策等についてとりあげました。

 

 コロナ感染の第6波が急速に拡大したことで2月初旬のピーク時には「保健所から何も連絡がない」と相談が多数寄せられました。党市議団はこれまでも保健師の増員を求め、2021年度は12人増えましたが、それでも保健所が機能不全に陥りました。松村市議はさらなる人員増を求めましたが、市は「今の体制を継続したいが、今後の対応は感染状況に応じて考えたい」と答弁。明確な体制強化の方針は示されませんでした。

 

 その後、3月11日の保健福祉委員会でコロナ対応報告がされ、松村市議は「保健所から感染者への連絡に時間がかかった。常時の体制に不十分さがあった」と指摘。市は「第6波の検証を今後進める。常時の体制を含めて検討していきたい」と答弁しました。党市議団は保健所を2カ所に増設するよう提案していますが、引き続き体制強化を求めます。

 

 続いて松村市議は、障がい者グループホーム運営費補助充実と整備費補助の創設も求めました。市は「重度障がい者の受け入れ人数に応じた補助金の要望がある」として「整備費補助創設など支援拡充について実態把握し調査研究したい」と答弁しました。

 

 また、児童相談所の夜間相談対応の一部民間委託についても質問。職員の増員で対応できること、資格も求めず相談体制に切れ目を持ち込むものであることが明らかになり、反対しました。

2022年2月議会*予算・市民生活 自力でごみを持ち込めないと10キロ170円?!

予算委員会で質問にたつとば市議

 2月25日、予算委員会の市民生活委員会関連の審査がおこなわれ、とばめぐみ市議が、無料のはずの家庭ごみ持ち込み処理が事業活動ごみとして有料になっている問題、地球温暖化対策、人権政策啓発活動の抜本的な予算拡充等をとりあげました。

 

 家庭ごみの持ち込みについて、市は条例で「家庭ごみを施設に直接持ち込む場合1回に100Kgまで無料」としています。とば市議は、運転等で市外の者が同乗していたことで清掃事務所がごみを受け付けなかった例、また自分で搬入できない市民が業者をお願いした場合に運搬料のほかに業者活動ゴミとして10kg170円も支払うしくみになっていることを紹介し、市民に対して条例どおり無料にするよう改善を求めました。

 

 地球温暖化対策では、市は低すぎるCO2排出量削減目標は引き上げたものの、2050年までの再生可能エネルギーの導入目標は「今後の技術開発、CO2の回収技術が進む後半で伸びる」として、最後の5年に一気に引き上げる計画となっています。しかし、来年度の公共施設への太陽光パネル設置の予定を確認すると、たった2カ所であることが明らかになりました。とば市議は「実用化のめども立っていない新技術を前提にすることは無責任であり、CO2削減の先送りに過ぎない。政府の、『2030年度までに100カ所の脱炭素先行地域をつくる』という制度に頼るだけでなく、公共施設への太陽光発電設置など、今すぐ市の判断でできることをすすめるべき」と求めました。

2022年2月議会*予算・文教 オンライン学習通信費補助金が増額

予算委員会で質問する金子市議

 2月24日、予算委員会の文教委員会関連の審査がおこなわれ、久保みき、金子あきよの両市議が質問をおこないました。

 

 はじめに久保市議は、新設予定の知的障がい特別支援学校(高等部)とサクラソウ保全、公民館のエレベーター設置についてとりあげました。特別支援学校については、知的障がいと肢体不自由障がいの生徒が同じ校舎で学ぶことから、保護者の不安の声や安全対策について聞いたところ、市は「動線を分けるなど工夫する」と答弁しました。サクラソウ保全については、求めていた「かん水」の実施が実現し、予算が増額、公民館のエレベーター設置については「設置可能な公民館へ順次進めていく」と前向きの答弁がありました。 続いて金子市議が、武蔵浦和学園義務教育学校の計画について、政策決定前の学校用地の検討状況について質問しました。答弁は「候補地のチェック項目に基づいて点数化をおこない、その得点結果を受けて沼影公園を適切な場所と判断した」というもので、市執行部の用地獲得にむけた真剣な努力がうかがえないものでした。

 

 また、制度開始時から増額を求めてきたオンライン学習通信費援助について、市は年額1万2000円から年1万4000円に引き上げる、と答弁しました。スクールサポートスタッフについて、過大規模校が増えるにもかかわらず減額が示されたことに対し、コロナの影響も続くなか、ぜひ増員を検討すべきと求めました。移転した市民会館おおみやの大小ホールの利用料がこれまでの2倍になっていることについて、市民団体の利用に大きな困難が生じていることから、減免措置や利用料金の見直しについて聞きました。「今後設けられる基準に基づいて、必要に応じた見直しをおこなっていく」との答弁がありました。

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