議会報告

2023年2月議会*予算審査(市民生活)CO2削減目標引き上げと区役所体制の改善を

予算委員会で質疑を行う神田市議

 2月17日、予算委員会(市民生活委員会関連)の審査がおこなわれ、神田よしゆき、久保みきの両市議が質疑に立ちました。

 

 はじめに神田市議が、地球温暖化対策として2030年までの温室効果ガス(CO2)の市の削減目標が35%となっており、政府目標46%に満たないことについて、「目標数値の見直しを進めるということだったが、示されていない」と質しました。市は「CO2の削減目標を引き上げるために検討を進めており、2023年度には削減目標の変更と対策をおこなう」と答弁しました。

 

 次に、統一協会の被害者救済対策について、昨年12月には統一協会の被害者救済法ができたことを受け、被害者救済のためのさいたま市の体制について質しました。市の答弁では、統一協会の被害者救済として消費生活相談センターが窓口となること、弁護士会などとも協力しながら対応していくことも明らかになりました。

 

 続いて、消防体制の問題では、コロナ感染症が広がるなかで、救急搬送困難事案が増えたことで、救急体制の強化を求めました。市の答弁では、救急搬送困難事案については、第8波(昨年12月と今年1月)の件数はおよそ1800件にのぼり、第7波を上回っていることを認めました。救急車の体制強化については現在の30台体制を、目標である32台体制に引き上げることを検討していることを明らかにしましたが、期限については示されませんでした。

 

 最後に、区役所体制の問題で、党市議団の昨年6月議会の質問で、支援課の業務で長時間労働が常態化している問題を取り上げ、課の体制の改善を提案したことを指摘し、市民局としても改善の後押しを求めました。

2023年2月議会*予算審査(文教)市民会館うらわの事業費 大きく膨らむ

 2月16日の予算委員会(文教委員会関連)で、金子あきよ、松村としおの両市議が質疑をおこないました。

 

 松村市議は市民会館うらわの移転計画についてとりあげました。新年度は約58億円の事業費が計上されています。移転の総事業費が167億円と、2019年度時点の想定120億円から大きく膨らんでいることを指摘し、「建設事業費が大きくなることによって利用料が引き上がることはないのか」と質しました。市は「高くなる想定をしている」と答弁。松村市議は「現地建て替えであれば事業費を抑えられたはずが、再開発ビルへの移転で事業費を膨らませ、市民負担に転嫁させるやり方は問題だ」と主張しました。

 

 また国際芸術祭について、松村市議は市民参加の部分を大きくすることは党市議団として求めてきたところだとしてプロジェクトごとの事業費を確認し、アートプロジェクトが約1.9億円、市民プロジェクトが約1億円、連携プロジェクト約1000万円であることがあきらかになりました。

 

 金子市議は、教育データ可視化システム「スクールダッシュボード」についてとりあげました。児童生徒に配布されたタブレット型端末で活用された情報や、全国学力・学習状況調査の結果など個人情報が一括して画面に表示され、管理されるシステムがつくられようとしています。金子市議は「今年度は3960万円をかけて実証実験がおこなわれたが、課題はなにか」と質しました。

 市は、「プロトタイプ(試作品)の配布が今年の1月で、ヒアリングをおこなっている」との答弁でした。その状況で来年度から全校への本格導入をおこなうというのはあまりにも早急です。金子市議は「競争入札にするには検証と導入のための期間が短く、プロトタイプを作った事業者との競争で他の事業者が入札に参入できるだけの公開性と公平性を担保できるのか疑問」と指摘しました。

2023年2月議会*予算審査(総合政策)小規模事業者支援を今こそ

予算委員会の質疑に立つたけこし市議

 2月15日の予算委員会(総合政策委員会関連)でとりうみ敏行、たけこし連の両市議が質疑をおこないました。

 

 とりうみ市議は、預貯金生命保険調査の電子化についてとりあげました。今般、滞納整理の迅速化及び効率化、収納率の向上に資することを目的として「預貯金生命保険調査システム」の導入が図られます。とりうみ市議は、このシステムが必要な理由と導入経費、運用等について質しました。市は「滞納者の納付資力を確認するために預貯金等の調査を金融機関に実施してきたが、原則書面による照会・回答となっているため、行政、金融機関ともに大きな業務負担となってきた。この課題を解決するために、総合行政ネットワーク(LGWAN)という回線を使い、電子的に照会・回答ができるようになる。今までは回答まで最大2カ月かかっていたが、このシステムを使えば3日程度に短縮できる」と答弁しました。費用については682万円の予算が計上されています。

 

 たけこし市議は小規模事業者支援について、市内業者の置かれている状況と市の認識を確認。市は「新型コロナ、ウクライナ情勢、燃料費等のエネルギー価格の高騰などにより物価高騰の影響が大きく、幅広い品目で値上げが続き、依然として厳しい状況にある」と答弁しました。市の地域経済動調査では、とくに宿泊業や飲食店、サービス業などで影響が出ています。たけこし市議は「必要なのは小規模事業者のみなさんへの支援だが、検討状況は」と質すと、市は「生産性革命支援事業、DX推進支援事業、またブランディングや脱炭素に向けた企業の取り組みについても補助金の交付などを実施していく」と答弁。たけこし市議は「投資ができる業者にとってはありがたい支援だが、地域に根を張って一生懸命お店を開いている業者のみなさんも同時に支えていかなくてはならない」と主張。小規模事業者を支えてほしいと求めました。

2023年2月議会*議案外質問(市民生活)リサイクルするプラスチックの対象が拡大

議案外質問を行う神田市議

 2月10日、市民生活委員会の議案外質問で、神田よしゆき市議がごみ減量とリサイクルの推進についてとりあげました。

 

 神田市議は「地球温暖化対策として2030年までに温室効果ガスを半減させる。これを達成するためにはごみ焼却からのCO2の発生を抑制しなければならない」として、本市の認識を質しました。市は「法改正により、自治体には製品プラスチックを含めた分別回収、再商品化の役割が求められ、本市としても焼却から資源化への転換を図る必要があると認識している。これまで燃えるごみに含まれていたプラスチック製品などの分別回収を進め、燃えるごみの排出量を減らしていく必要がある」と答弁しました。

 

 神田市議がプラスチックごみの分別収集を進めるための具体策を求めると、市は「現在はパブコメを実施中。さらなるごみ減量のため、プラスチックについて資源化すべき対象を拡大し、公共施設における剪定枝や生ごみ、紙ごみの資源化の推進をおこなう。2024年度に地域を限定して実証実験をおこない、2026年度以降に全市で分別収集を実施する」と答弁しました。

2023年2月議会*請願審査(総合政策)インボイス中止で市内業者を守れ

 2月10日の総合政策委員会で「国に対しインボイス(適格請求書)制度の実施中止を求める意見書提出を求める請願」の討論・採決がおこなわれました。

 

 賛成討論をしたとりうみ敏行市議は「インボイス制度導入まで8カ月。請願者は同制度実施で免税業者が取引から排除されかねないと懸念している。国はこの制度で2480億円の増収を見込んでおり、さいたま市への地方消費税増収額は2.7億円になる。これは業者負担が増えるということ。コロナ禍と物価高のもとで実施すれば、免税業者は極めて深刻な事態に陥る」と指摘。そのうえで「本来なら市内業者の営業と暮らしを守るべき行政が、インボイス制度は適正課税だとして制度の周知だけを強調し、市として事業者支援の対策を持たない以上、市議会として、国にインボイス制度中止または延期等、適切な意見を上げるべき」と主張しました。

 

 他会派から「インボイス制度実施が中止されれば、地方消費税分減収の影響は避けられず、長期的にはさいたま市の歳入減少にもつながる」と不採択の討論がありました。採決の結果、党市議団のみの賛成で請願は不採択になりました。

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