議会報告

2023年2月議会*代表質問 2.4%の予算組み替えで 4つのゼロは実現できる

代表質問を行うたけこし市議

 2月7日、2月議会本会議でたけこし連市議が代表質問に立ちました。急激な物価高騰のもと、市民生活を支える施策として「4つのゼロ」を提起し、実施のための財源も予算の組み替え提案(前号で記載済み)で示し、市に実現をせまりました。

 

 

水道料金の基本料金を

6カ月間ゼロに

 

たけこし 実は、この2年間あまりで埼玉県内の89%の自治体が水道料金の無償化や大幅な減免措置を行ってきた。例えば、蕨は4カ月、伊奈・鳩山は6カ月、川口・加須は12カ月水道料金を無償化した。さいたま市も腹をくくり、水道料金の基本料金の半年間の無償化や減免措置に踏み出すべきだ。見解をうかがう。

 

水道事業管理者 水道料金は水道を市民に届けるための経費や老朽管の更新に充てる財源であり、提案の6カ月無料化は難しい。しかし、物価高騰を踏まえた時限的かつ限定的な減額については取りまとめたい。

 

 

学校給食費を6カ月間ゼロに

 

たけこし さいたま市の保護者が子ども一人当たり、義務教育終了までに支払う給食費の合計は約46万円にのぼる。さらにさいたま市は多子の減免制度がないため、子どもがいればいるだけ給食費がかかる。2人で92万円、3人で138万円だ。一方で、給食費を完全無償化している自治体は254自治体、県内では5自治体もある。財源はある。物価高騰対策として半年間給食費を無償とし、将来的に学校給食費を無償にすべきだが、見解をうかがう。

 

教育長 現在、就学援助制度の利用者の給食費を免除しているため、全児童生徒を対象とした学校給食費の無償化は考えていない。また第2子、第3子の無償化についても検討していない。

 

 

子ども医療費を18歳までゼロに

 

たけこし さいたま市は現在、15歳までの子どもの医療費が所得制限なく無料になっている。これは誇るべき制度。一方で、東京23区は今年の4月から、埼玉県でも50%以上の自治体が18歳まで医療費無償化を拡充している。このままでは、先進自治体に住む子どもたちとさいたま市に住む子どもたちの間で、3年間の医療費格差が生まれてしまう。さいたま市でも18歳まで医療費の無償化を拡充するべきだ。見解をうかがう。

 

高橋副市長 18歳までの子ども医療費無償化拡充については将来的な財政負担を含め、さまざまな観点から検討を進めていきたい。

 

国保税の均等割を18歳までゼロに

 

たけこし 国保税の均等割は子どもが「おぎゃあ」と生まれた瞬間から保険料がかかるしくみになっている。この均等割は、昔の人頭税とまったく同じ税制度で、個人の納税力に関係なく税金を納めさせる時代遅れな税制度だ。さいたま市独自で、18歳までの国保税の均等割を無償とすべきだ。見解をうかがう。

 

高橋副市長 国保税においては、特定の対象者に画一的な基準を設けての減免は適切ではないと国から通知を受けているため、市独自の減免は検討していない。

 

 

 質問を終えたたけこし市議は「物価高騰から市民を支える4つのゼロについて、予算の組み替えで財源を示して提案した。さいたま市の2023年度予算1兆1289億円のうち全体の2.43%にあたる273億630万円を組み替えれば、4つのゼロだけでなく、保育料の負担軽減や35人学級の前倒し、市内業者支援を行うことができることを示した。今後も市民の要望の実現に向け、市議団で力をあわせたい」と話しました。

 たけこし市議は他に、交通政策、タクシー労働者の働き方、病院積立金の軍事費転用問題について、それぞれ質問しました。

2023年2月議会*請願討論 政務活動費は住民福祉の推進を図るために必要

討論をおこなうとば市議

 2月2日、2月議会本会議において、閉会中審査となっていた請願「政務活動費を廃止して下さい」について、とばめぐみ市議が不採択の立場で討論に立ちました。

 

 そもそも政務活動費は、地方自治法に基づき、地方議員の調査研究やその他の活動に役だてる経費の一部として、自治体から議会における会派や議員に対し公費として支給される費用です。請願では、廃止を求める理由として「毎年のように問題のある政務活動費の支出」や「一部議員の統一協会に関係する支出」をあげていますが、これは政務活動費に問題があるのではありません。

 

 とば市議は「政務活動費は市民の大切な税金による交付金であり、使途の透明性を確保し、市民に対する説明責任を果たす必要がある。会派や議員は調査研究、研修、広報、陳情活動、会議、資料作成、資料購入、事務費、人件費など、政務活動にふさわしい使い方に徹し、それ以外の使用は厳に慎むべきであり、請願に示されるような使途については猛省を求める」と述べ、そのうえで「政務活動費は市政の課題および市民の意思を把握し、市政に反映させる活動、その他住民福祉の増進を図るために必要なものであり、議会の機能を充実・強化する上で、重要な役割を担っている」として、請願は不採択とすべきと主張しました。請願は結果的に不採択となりました。

2023年2月議会*議案質疑 新年度予算は市民の命とくらしを重視しているか

2月議会本会議で質疑に立つ松村市議

 2月2日の2月議会本会議で、松村としお市議が、市長が提出した議案に対する質疑を行いました。

 

新年度予算の特徴は?

 

 4月から始まる新年度の予算について、物価高騰やコロナ感染の波が続くなかで市民の命とくらしを重視する内容になっているかは重要なポイントです。

 

 松村市議は、市が「予算案の特徴」としているなかに物価高騰対策が明記されていないことをとりあげました。財政局長は「(予算の)説明部分に記載している。物価高騰は重要な取り組み」として「児童福祉施設、高齢者施設、障がい者施設の運営事業者への支援や、商店街への補助の上乗せなどを継続していく」と答弁。これらの施策は党市議団も求めてきたものですが、同時にすでにやってきたことの継続にとどまっています。

 

松村 物価高騰から市民のくらしや地域経済を守り支えるのは新年度予算の重要な柱であるべき。市民負担を軽減する新たな施策の主なものと予算額を示してほしい。

財政局長 新たに市民負担を軽減する施策は計上していない。物価や経済の動向を踏まえながら、国の施策の効果や今後の国の対応、企業の賃上げの動向等も見極めつつ、適時適切な対応を検討していく必要がある。

松村 国の動向というが、新年度に国の補助金があった場合、負担を軽減する方向で積極的に活用する考えはあるか。

財政局長 国は財政を危機モードから平時モードへ転換していくと昨年6月の骨太方針で明記している。国の補助金がどうなるか不透明。答えるのは困難。

 

 さいたま市は2022年度も、他市で行っている水道料金や給食費の一時無料をやりませんでしたが、消極的な態度をとり続ける姿勢を示しました。

 

変わらぬ大型開発重視と福祉削減

 

 清水市政の一貫した特徴に大型開発優先、福祉削減・負担増路線があります。新年度予算で2都心・4副都心開発に132億円をつぎ込む一方で、これまでカットしてきた障がい者・高齢者福祉や医療費は33億円相当であることがわかりました。

 

 さらに、国民健康保険税の7年連続値上げ条例案も出されています。物価高騰の下での負担増であり、6億円で値上げを回避できるにもかかわらず、「物価高騰は国保加入者に限定されない。赤字補填(不足分)を一般会計に求めることは他の健康保険加入者の理解を得ることが難しい」と市はあくまで負担増路線を続けるかまえでした。

 

「ポストコロナ」でいいのか

 

 新年度予算案には「ポストコロナを見据えた」という言葉が繰り返し使われています。松村市議は「新型コロナの第8波の死者数が過去最大となっている。予算案はポストコロナが基調になっているが、対策はどうなっているか」質しました。

 

 保健福祉局長は「第8波は陽性者が減少傾向」としつつ「インフルエンザの流行もあり、医療機関に大きな負担がかかっている」という現状認識を示しました。そのうえで「課題として自宅療養者をはじめとした新型コロナ患者にいかに必要な支援を提供していくかが重要」として「国がコロナ感染症の位置づけを5類に変更するが市民の命と健康を守ることを最優先に、感染症危機のリスクに対応する予算を計上している。国の動向を注視しつつ、必要な施策を実施する」と答弁しました。

 

 5類への変更にともなう国の具体的な対応内容がまだ明らかになっていませんが、新型コロナウイルスの新たな変異株が広がるなど予断を許さない状況です。党市議団は医療・救急・検査・保健所体制の強化を引き続き求めていきます。

2022年12月議会*本会議討論 議員および市長等の期末手当 引き上げは許されない

本会議討論をおこなう神田よしゆき市議

 12月23日、12月議会最終本会議で、神田よしゆき市議が議案・請願の討論を行いました。

 

 12月議会には、議員及び市長などの常勤の特別職の期末手当(ボーナス)の引き上げが提案されました。それぞれ、議員は5万8000円、市長9万9000円、副市長7万7000円の引き上げになります。

 

 神田市議は「市民生活の状況を考えれば引き上げは行うべきではない。物価高騰のもとで市民のくらしを支える市独自の施策などをほとんど行わず、特別職の期末手当を引き上げるなど税金の使い方が間違っている」と指摘、引き上げに反対しました。

 

 また今回の議会には、個人情報の取り扱いや保護等の条例の改正が提案されました。国は2003年の「個人情報保護法」の制定以来、度重なる改正を実施し、個人情報を民間企業などに流通させ、ビジネスや成長戦略に活用できるようにしてきました。今回の改正で、個人情報の全国共通ルールの下で、情報の一元管理ができることになります。

 

 神田市議は「マイナンバーカードの普及促進とあわせ、マイナンバーカードに紐づけたさまざまな情報が民間にも流通することができることになる。このような個人情報の取り扱いが可能となる条例改正には反対」と主張しました。

 

2022年12月議会*予算委員会 マイナンバーカード 生保受給者の情報紐づけに反対

討論をおこなうとりうみ敏行市議

 12月議会の予算委員会で、とりうみ敏行市議が議案第145号「令和4年度さいたま市一般会計補正予算(第9号)」について質疑・討論を行いました。

 

 この議案には、マイナンバーカードに生活保護受給者の個人情報を紐づけて一元管理しようとする危険な予算が含まれています。

 

 とりうみ市議は、「生活扶助オンライン資格確認導入に伴う生活保護システム改修等」の予算について、厚労省が「2023年度中に紙の『医療券』からマイナンバーカードを使った受診に切り替える理由のひとつに、『頻回受診者』を早期に把握し、改善指導するため」としていることをあげ、さいたま市における紙の「医療券」のもとでの「頻回受診者」の定義を質しました。市は、「概ね月に15日以上の受診が3カ月間続くと確認された人について総合的に判断する」と答弁しました。しかし、本市における「頻回受診者」数は、生活保護受給者1万9266人(2022年10月末現在)に対し、わずか6人であったことが明らかになりました。

 

 とりうみ市議は、「マイナンバーカード取得はあくまでも任意であり、被保護者の情報の紐づけも任意であるが、未成年者の同意はどうするのか疑問が残る。医療機関における受け入れ環境を進めるためにオンライン資格確認が強制的に進められることも懸念され、あわせて医療機関等が、本人の同意を得て薬剤情報および検診情報を閲覧できるとしているが、チェック体制が行政の側に整備されていない」と指摘し、国のいうままに生活保護受給者だけをねらいうちする本システムの導入に反対しました。

 

 他にもとりうみ市議は、「総合基盤システム」に関する予算案について、「2025年までに住民基本台帳、戸籍、固定資産税、住民税、印鑑登録、児童手当等、自治体が保有する個人情報のオープンデータ化を進めるもので、結局は『デジタルビジネス』創出のために個人情報を流通させものである」として反対しました。

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