議会報告

リクルート社のスタディサプリ 市内の全小中学校に導入

スタディサプリの導入経路について質問する金子市議

今年度から市内すべての小中学校で、リクルート社が提供するオンライン用学習教材「スタディサプリ」が導入されました。学校の1人1台のタブレット端末や家庭のパソコン、スマホなどでも使うことができるとされ、学校向けサービス価格として年額528円の保護者負担があります。

 

学校の判断で導入?

 

 金子あきよ市議は2月議会文教委員会の議案外質問で、導入の経過についてただし、数あるデジタル教材のなかでリクルート社の「スタディサプリ」がなぜ選ばれたのか、事前に保護者の意見を聞く機会はあったのか明らかにするよう求めました。

 学校教育部長の答弁は、「教育委員会に小中学校用の自治体向けプランというのが案内されてきた。一自治体で5000アカウント(登録数)以上集まれば年間の使用料が500円程度になるプランだったので、10月下旬にその中身を校長会に情報提供した。これは教材なので、学校管理規則において、校長先生が決定するのがルール。学校の方で検討し、すべての小中学校で導入したと把握している。計算ドリルや漢字ドリルと同じ扱いで、導入の判断は学校に一任されている部分であり、保護者の意見をいただくという話ではないと考えている」というものでした。

 あくまで学校が選んで導入した、活用の方法なども学校に任されている、ということですが、各学校で「学校利用向け『スタディサプリ』の採用について」という同じ内容の文書が配布されるなど、教育委員会による関与が明らかにうかがわれます。

 

子どもの個人情報は守られるのか

 

 家庭に配布された文書のなかでは、スタディサプリの教材の特徴として、


動画+ドリルの機能が充実(講義動画数5300本以上、WEBドリル数2万3600問以上)

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子どもの理解に応じて個人に合った最適な学習ができる

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自主学習や課題配信による宿題など、家庭においても多様な学び方ができる

などとしていますが、とくにオンライン利用について、いくつかの不安や疑問が市民から出されています。

 従来のドリルやワークシートは学年単位で教材を選択し、評価は担任がおこない、学習状況に応じて児童生徒を指導していました。しかし「スタディサプリ」はオンライン上に子どもたちの学習状況が記録され、利用履歴などの個人情報は従来の範囲とは大きく異なり「学校・教育委員会・リクルート社」にまで提供されることになります。

 保護者に対して送付されたリクルート社の書面によると「本取り組みの開始に当たっては、学校等で一斉に会員登録を実施する場合がございますので、以下に記載のスタディサプリ利用規約及び個人情報の取り扱いについてあらかじめご確認いただき、ご同意いただきますようお願いいたします」としています。

プライバシーポリシーでは「当社グループ会社」でも個人情報を利用するとしていますが、リクルート社は教材配信の他に就職活動、人材派遣などの多岐にわたる業種を手掛ける大企業です。さいたま市の子どもたちから提供される個人情報がグループ会社でどのように扱われるかの説明はありません。

 教育委員会や学校は「さいたま市個人情報保護条例に準じた利用なため問題はない」としていますが、こうした重要な内容を保護者各自で調べ、確認し同意するよう促していることは不誠実と言わざる得ません。党市議団は引き続きこの問題を調査していきます。

再生可能エネルギー増やして 脱炭素化をすすめよう

 昨年6月、さいたま市は東京電力パワーグリッド株式会社とゼロカーボンシティ実現に向けた共創推進に関する連携協定を締結しました。4月11日、市民生活委員会において同社より「脱炭素社会に向けた取組について」の説明がおこなわれ、とばめぐみ市議が出席しました。

 東京電力パワーグリッドの電力供給量は日本全体の約3分の1にのぼります。本市との連携事項は、①エネルギーの地産地消や面的利用の推進に関すること②再生可能エネルギー等の利活用及び導入拡大や脱炭素化に向けたエネルギーの転換(電化等)に関すること③レジリエンスの強化に関すること④生物多様性など自然環境の持つ多様な機能の維持·向上に関すること⑤「地域循環共生圏」の実現を契機とする、循環·経済·社会の総合的取組の推進に関することの5点ですが、同社はほぼ同じ事項で、八王子市をはじめ多くの自治体と協定を結んでいます。自治体の脱炭素への取り組みを大手電力会社に丸投げし、雛形にはめ込むようなやり方です。

 説明では、まちづくりや道路計画等インフラ融合による循環型エコシステムの構築や、民間企業や市民の努力への支援が示され、「自然エネルギーは不安定。原発も必要ではないか」という参加委員の問いに対して「十分安全が確認された原発から稼働が必要」と答えています。とば市議は「まずは大型開発を見直すこと、公共施設に手軽な太陽光発電設置を一気に進め、再エネ発電の電力を融通すること。化石燃料や原発に頼らない覚悟でカーボンニュートラルを進めるべき」と述べました。

議会報告動画をご覧ください(金子あきよ市議)

2月議会報告動画をアップしました。

↓こちらから、ぜひご覧ください。

 

日本共産党さいたま市議団 – YouTube

 

*金子あきよ市議「さいたま市の新年度予算 問題点を解説」

議員定数見直しの議論すすむ

 2020年10月の国勢調査の確定値で、さいたま市の人口は132万2459人となりました。これを受け、市議会で議員定数の見直し議論が進んでいます。

 

 2008年9月議会において、「議員1人あたりの人口は概ね2万人程度が妥当」として、議員提出で議員定数削減条例が提案され、定数が64人から60名へ減りました(党市議団は反対)。当時のさいたま市の人口は約120万人だったため60名でしたが、現在の人口(132万人)と照らすと、60名では足りないことになります。

 

 党市議団はかねてから、人口規模にふさわしい定数とすることを求めてきましたが、今回の見直しにあたっては、特に人口規模に見合わない、アンバランスが生じている行政区の定数を改善することを求めています。今後設立される予定の第3者機関に諮問され、定数問題が議論されることになります。

2022年2月議会*本会議討論 市民のくらしと社会保障を守る予算に

本会議で新年度予算案の討論にたつ金子市議

 3月11日、2月議会本会議において金子あきよ市議は、2022年度当初予算案のうち、一般会計予算をはじめとする8件について反対討論をおこないました。

 

 金子市議は予算全般の方針について、本市の新型コロナ対策は、従来の政府の対策を並べただけに過ぎず、その一方で「ポストコロナを見据える」として位置づけているのは、大宮駅GCS化構想、浦和駅周辺地区のまちづくり、地下鉄7号線延伸など、大型再開発や公共施設建設事業の促進であり、認められない、と指摘しました。さらに社会保障削減の影響額は30億円にのぼり、国保税の連続値上げもおこなわれ、コロナ感染症以前からの社会保障削減路線を継続する考えが示されたことを批判しました。

 

 そして、党市議団提出の予算組み替え提案が、医療、公衆衛生の再生・再構築に1歩踏み出し、社会保障、介護、子育てなどの体制の強化、市民負担の軽減に取り組む提案となっていることに言及し、さいたま市としてもこれらの課題にしっかりと取り組むことを強く求めました。

 

 金子市議は最後に「今日、3月11日は東日本大震災から11年目となる。未曾有の災害、原発過酷事故を思い起こし、そして現下の新型コロナ感染症という事態に直面するとき、あらためて住民の困難に寄り添う自治体の公的な役割の重要性ということを思わずにはいられない」と語り、党市議団として、さいたま市が文字どおり「誰一人取り残さない」ために、市民一人ひとりの命とくらしを守り支える自治体となるよう、力をつくす決意を述べました。

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