議会報告

2月議会を終えて 団長談話を発表

 2月議会で審議された2023年度当初予算は、日本共産党さいたま市議団以外のオール与党の賛成で成立しました。その額は、全会計の合計約1兆1280億円でさいたま市史上最高額となりました。

 

 一方で2018年以降の国保税、介護保険料、学校給食費などの市民負担増は、総額で約62億2000万円にのぼります。新型コロナ対策予算は、総額約158億円に対して市の一般財源からの支出は約15億円、割合は9.6%にとどまりました。

 

 また、市民のみなさんと党市議団が求めた水道料金の負担軽減に関しても、入所系施設(約800施設)に対して10%の減免措置を4カ月間おこなうというもので、かかる費用は約5000万円とのことでした。これでは市民の負担軽減とはほど遠く、あまりにも不十分だといわなければなりません。

 

 新年度は、「2都心4副都心構想」に約132億円の大金がつぎ込まれます。「大宮駅GCS化構想」はもとより、民間再開発事業に公共施設を併設し、巨額の税金を使って再開発を誘導する手法が目立ちます。浦和駅西口南高砂再開発には、総事業費約670億円のうち、税金が約250億円、さらに「市民会館うらわ」にかかる費用が約167億円で、あわせて417億円に及び、約62%が市民の税金となります。党市議団は、このような市民生活を無視した予算は認められません。

 

 なお、追加提出された教育委員の任命議案では、対象者が埼玉りそな銀行の会長経験者であり、教育委員会と財界との関係強化につながる懸念から反対しました。

 

 また、党市議団が提案した「さいたま市議会における統一協会(世界平和統一家庭連合)と政治家との関係についての徹底調査及び関係を断ち切ることを求める決議(案)」について、さいたま自民党市議団の反対によりまとまらなかったことは非常に残念であり、市議会の姿勢が問われます。

 

 私たちはこれからも、市民生活に背を向けるオール与党政治に厳しく対峙し、「市民の命とくらしの砦」として全力でかんばります。

 

 

日本共産党さいたま市議団団長 とりうみ 敏行

2023年2月議会*本会議討論 公立保育所統廃合 国保税連続値上げなどに反対

討論をおこなう神田市議

 3月3日、2月議会最終本会議において議案・請願の討論がおこなわれ、神田よしゆき市議が登壇しました。

 

 はじめに、片柳小学校(見沼区)の体育館の改修工事の補正予算について、「片柳地域への『義務教育学校』建設の住民要望が出されたことを理由に、改修工事を中止したのは問題だ。子どもたちの安心安全を考え、老朽化した片柳小の体育館の改修を急ぐべき」と述べました。また、与野中央公園(中央区)にミニアリーナ建設を計画している問題について、住民の要望である「市民が憩える公園」として整備をおこない、早急に開設するよう求めました。さらに、中央区の2つの公立保育所の統廃合計画について神田市議は、「市の公立保育所半減計画にもとづくものだが、2つをあわせて定数が70も減ることになり、それを民間保育所で補うのでは、市の公的責任の後退は明らかであり認められない」と指摘しました。

 

 続いて国保税の値上げについて、影響額は6億円に達することを指摘。国保税は、2016年の均等割の引き上げ、2017年から税率の引き上げが始まり今年で7年連続の引き上げです。物価高騰の影響でくらしを守ることが求められている時に、負担増で市民生活を追いつめる市の姿勢を厳しく批判しました。

 

 党市議団として、市長提出議案96件のうち、83件に賛成し13件に反対しました。

 

 また神田市議は、子育て中の保護者有志から出された学校給食費の無償化を求める請願についても採択を主張。しかし残念ながら、この請願に賛成したのは党市議団だけでした。市民の願いに背を向けた政党会派の責任が問われます。

2023年2月議会*予算審査(企業会計)新型コロナ 5類になっても必要な地域医療の提供を

予算委員会の質疑を行うたけこし市議

 2月22日、予算委員会(企業会計関連)の審査がおこなわれ、とりうみ敏行、たけこし連の両市議が質疑に立ちました。とりうみ市議が市立病院事業をとりあげました。

とりうみ 令和5年度の特徴は「ポストコロナを見据えた予算」となっているが、ポストコロナを展望できる状況にあるのか。

病院 我々はアフターコロナと言っている。地域の基幹病院としての役割と感染症対応を両立させる病院運営が大事だし、地域からも求められている。

とりうみ 国は5月の連休明けからコロナの感染症に基づく扱いを2類から5類に変更することを決定したが、市立病院の見解は。

病院 5類になっても対応は変わらない。必要な医療を地域に提供する。

 対応は変わらないとの答弁を受けてとりうみ市議は、「5類になれば『自助努力』が強調されることから、市立病院としてしっかり対応してほしい」と求めました。

 

水道料金減免措置は不十分

 

 続いて、水道事業会計についてたけこし市議が質疑に立ちました。

たけこし 代表質問でとりまとめると答弁した、「水道料金の限定的かつ時限的な減免措置」について詳細と財源は。

水道営業課長 対象施設は入所系施設、約800施設に対して4カ月間の10%減免措置をおこなう。1施設当たり大体5万円から6万円を想定しており、 財源は4000万から5000万円を想定している。

たけこし 極めて不十分だと考える。

 たけこし市議は「水道局が極めて限定的ではあるものの決断をしたのは評価できる。しかし代表質問で求めた6カ月間の水道料金の無償化規模の措置を実施しないと、物価高騰に影響を受けている市民生活を支えることができない」と主張しました。他に、私道内給水管の敷設工事についてもとりあげました。

2023年2月議会*予算審査(まちづくり)浦和駅西口南高砂再開発事業破格の税金投入やめよ

予算委員会の質疑を行うとりうみ市議

 2月21日、予算委員会(まちづくり委員会関連)の審査がおこなわれ、とりうみ敏行、たけこし連の両市議が質疑に立ちました。

 

 とりうみ市議は「浦和駅西口南高砂市街地再開発事業」について、当該事業に投入されている公的資金(税金)の総額が250億円であることを確認しましたが、市は「2022年2月議会の予算委員会で246億6000万円と答えている」と答弁しました。しかし、とりうみ市議は「この金額には2022年12月議会の補正予算で計上された2回目の『防災・省エネまちづくり緊急促進事業(地域活性化タイプ)』5億3000万円が入っていない。これを足すと250億円になる」とあらためて指摘しました。市の答弁には、公的資金の総額を少しでも少なくみせようとする意図が明瞭です。市民会館うらわの建設費167億円を含めると、投入される税金の総額は417億円にのぼり、総事業費670億円のうち62%が税金で賄われることになりますが、総事業費が今後増加する可能性についても否定していません。さらに浦和駅西口駅前広場についての拡張が、JRをまき込んで16ha、事業区域外にもおよんで検討されていることが示されました。とりうみ市議は「ウォーカブル推進事業とのことで、当該再開発事業とは別の市の事業としていることも看過できない」と厳しく批判しました。

 

 続いてたけこし市議が、沼影公園(南区)についてとりあげました。市は「義務教育学校武蔵浦和学園」建設の用地をつくるために、沼影市民プールを含む沼影公園を廃止する計画を持っていますが、計画の説明会では「代替施設などが使えない期間が長すぎる」など反対の意見が多く出されたことが確認できました。市民からは存続を求める約1万筆の署名が提出されています。たけこし市議は「ただでさえ公園面積の少ない南区で約2.4ヘクタールの沼影公園を廃止することは認められない」と主張しました。

 

2023年2月議会*予算審査(保健福祉)子どものマスク着用は義務ではない

予算委員会で質疑を行う久保市議

 2月20日、予算委員会(保健福祉委員会関連)の審査がおこなわれ、久保みき、松村としおの両市議が質疑に立ちました。

 

 久保市議ははじめに、幼稚園児の保護者から幼稚園でマスク着用を強要されたことで子どもが幼稚園に行けなくなったとの相談を受けたことを取り上げ「国は未就学児のマスク着用は義務づけていないので、市もそれに基づき対応すべき」と求めました。市は「幼稚園は県が指導権限を有しているが、さいたま市でも市内の幼稚園においてマスク強要があれば相談は受ける。直接幼稚園に話し、県から発出された文書の趣旨をあらためて確認するよう伝える」と答弁しました。

 

 次に障がい者福祉施策の充実について、12月議会の一般質問で検討するとされた項目について確認しました。移動支援事業では、グループ支援についてはできるだけ早く実施したいとの答弁でした。報酬単価の引き上げについては、見直しが必要と認識しているものの、新年度引き上げの見込みはありません。移動支援が始まって14年、最低賃金は上がっているのに報酬単価は変わらないため、処遇改善ができず、職員不足が深刻です。報酬単価の引き上げは必須です。

 グループホームへの市独自補助は2018年に実現したものの不十分です。すべての区分、障がいの軽い人も対象にするよう求めましたが、市の答弁は後ろ向きでした。横浜市が約36億円、川崎市が約14億円を独自補助しているのに対し、本市は1000万円で、拡充が必要なのは明らかです。

 

公立保育所減らすな

 

 さいたま市は4月の保育所入所選考(1次審査)で不承諾だった子どもが昨年より471人増えましたが、南区など7つの公立保育所で廃止に向け募集停止を進めています。松村市議は「不承諾が増えたのに公立保育所を減らすのは政策的ミスだ」と指摘。市は「近隣に保育の受け皿等を確保したうえでていねいに説明しながら進めたい」と答弁しましたが、松村市議は「明らかにおかしい」として公立保育所廃止計画を撤回するよう求めました。

 

 また民間学童クラブの委託金が、46人以上のクラブで減額となる問題についても「子育て支援になっていない。減額をやめるべき」と強く求めました。

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