議会報告

新型コロナ対策で追加の補正予算 事業者へ市独自の給付金が実現

市内事業者への補償を求めるたけこし連市議(2020年2月予算委員会)

 清水勇人市長は国の補正予算を受け、5 月13 日に36 億5000 万円の市補正予算の専決処分をおこない、感染対策や経済支援などの事業を決定しました。これまで党市議団含め超党派で要望してきたことが多く盛り込まれています。規模や内容の不十分さは一部ありますが、市民要求が市政を動かしました。

 

小規模・個人事業者への給付金

 

 1 事業者あたり10 万円の給付をおこないます。売り上げが減少した市内小規模企業・個人事業主が対象です。5 月25 日に申請書が市ホームページに掲載される予定です。

 

 これまでにも国の持続化給付金や埼玉県の中小企業・個人事業主支援金などの事業者支援がおこなわれ、さまざまな自治体が独自の給付事業にとりくむなか、さいたま市でも実施するよう超党派での要望が行われてきたものが実現しました。

 

なお市内飲食店へのテイクアウト・デリバリー補助金(上限5 万円)の申請は5 月11日からはじまっています。申請書は市ホームページからダウンロードできます。

 

感染者受け入れ医療機関へ協力金

 

 新型コロナウイルスに感染した入院患者を受け入れるために、病床確保や重症・中等症患者を受け入れた医療機関に対し協力金を出します。今後は医療体制そのものを充実させるとりくみも必要です。

 

救急活動における感染対策の強化としてオゾンガスによる救急車内消毒や陰・陽圧装置付きの搬送資材の導入なども補正予算に盛り込まれています。

 

 このほか、児童扶養手当受給世帯への臨時特別給付金(1 世帯3 万円)や、学童保育・各種保育施設等へのマスク・消毒液等の購入補助、学校での非接触型体温計の購入なども補正予算に含まれています。

次期総合振興計画(案) 議会の意見反映めざして決議を採択

市の基本的計画の在り方検討特別委員会で質疑をおこなう神田よしゆき市議

 4 月臨時議会で「市の基本的計画の在り方検討特別委員会」で取りまとめられた意見を次期基本計画の策定に生かすことを求めて決議を採択しました。

 

 次期総合振興計画とは、2021 年から10 年間の本市の施策を定めるものです。これまでは計画(案)を議案として提出し、審査の上で議決していたため、修正などがほとんどおこなわれませんでした。今回は、計画(案)が議案となる前に議会の意見をまとめ、それらを踏まえて計画(案)を作る方向に変わります。

 

 特別委員会には神田よしゆき、松村としお、たけこし連の各市議が参加し、待機児童対策、犯罪被害者支援、区役所の機能強化など、党市議団として出した意見も多く取り入れられました。市議会の決議を受け、9 月議会に市としての計画(案)が議案として提案される予定です。

議員報酬と市長給与を減額 新型コロナウイルス対策の財源へ

 4 月臨時議会で市議会議員の報酬を2021 年3 月31 日まで10 %( 議長20%、副議長15%)減額する条例が賛成多数で可決されました(無所属2 人が反対)。条例案は日本共産党以外の4会派が共同提出しました。提出会派からは、この減額で生まれる約3000 万円の財源は新型コロナ感染症対策に使うよう求めることが表明されました。

 

 党市議団は過去に議員報酬が約2 割引き上げられた経過から、今回も20%削減を主張しましたが、一致しなかったため条例案の提出会派には加わりませんでした。同時に、報酬の削減と生まれた財源の使い方に賛成する立場から10%の削減には党市議団も賛成しました。

 

 今度の臨時議会には市長等特別職の給与減額の条例も提出されました。減額の理由として市長は「市民、事業者のみなさまの切実な声が日々届いている」「未曽有の危機を克服するための決意の表れ」と議会で答弁しています。また減額で生まれる約2000 万円は「新型コロナウイルス感染拡大防止のとりくみに充てたい」と表明しました。市議会は全会一致でこの条例を可決しました。

 

 なお「市長と市職員の給与減を行い、その分をコロナ対策に充てることを求める請願」(無所属議員紹介)が提出され不採択となりました。党市議団は、市長給与減額条例がすでに出され、コロナ対策の最前線でがんばる市職員の給与を減額することは適切ではないと考え不採択の立場をとりました。

 

新型コロナウイルス 国保も傷病手当の対象に

保健福祉委員会で質疑をおこなう、とりうみ敏行市議

 4 月臨時議会において、国民健康保険条例の一部改正が可決されました。この条例改正によって、給与支払いを受けている国保加入者が、新型コロナウイルス感染(疑いも含む)で休職した場合に傷病手当金が支給されます。

 

 5 月1 日、保健福祉委員会でとりうみ敏行市議が質疑をおこないました。質疑を通じて、事業主が感染疑いの従業員を休ませたことを認めれば、医師の診断等は必要なく、傷病手当金支給の対象となることが明らかになりました。

 

 また、市は給与支払いを受けている国保加入者約4 万5000 人に対し、支給対象者を73 人と推定しています。この推定は、4 月1 日から8 日までのPCR 検査の平均(12 件)をもとに感染の可能性がある人の割合を加入者に乗じて算出した、さいたま市独自の算出方法です。

 

 とりうみ市議は「今回の傷病手当金は、国が100% 補填を約束している。対象者を絞らず4 万5000 人を対象として、そのなかから事業主が証明した人を対象とすべき」と強く要望し、条例改正には賛成しました。

4月臨時会 中小企業に独自の給付型支援を

予算委員会で質疑をおこなう久保みき市議

 4 月30 日と5 月1 日の2 日間にわたって予算委員会が開かれ、新型コロナウイルス対策の補正予算審査がおこなわれました。議会の対策として出席委員を半数に減らし、党市議団からは久保みき市議が出席。PCR 検査拡大関係予算・中小企業資金融資予算・商店街振興予算など、専決処分ですでに決定したものも含めて審査されました。

 

 さいたま市は国に先駆けて4月17日から、2000 万円を上限に中小企業等に無利子・無担保の融資をスタートしましたが、17 日と18 日の2 日間で想定の申請を超える事態となり、20 日には申請受付を終了しました。飲食店はじめ中小業者は深刻な状況であることは明らかです。久保市議は、本市独自で中小業者への給付型支援にとりくむよう求めました。

 

 また、本市の「帰国者・接触者相談センター」に寄せられた相談件数は18442 件、PCR検査数は401 人。そのうち陽性者は、134人(4 月28 日時点)ということが明らかになりました。

 

 党市議団には「かかりつけ医に『コロナの疑いがあるから診られない』と言われ、帰国者・接触者相談センターに電話しても『レントゲンを撮り、肺炎の疑いがない限り検査はしない』『保健所はなにもできないのでご自身で病院を探して』と言われた」など、冷たい対応への怒りの声が届いています。久保市議はその声を紹介し、改善を求めました。市は「医師会の協力を得て、PCR センターを設置し、開業医が検査の必要があるとしたときは、検査できるしくみを整えはじめた。5月の早い時期に進めてもらえるよう計画している」と答弁しました。

 

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