議会報告

12月議会*一般質問 コロナ禍のいま あたたかい支援を市民に

本会議で一般質問をおこなうとりうみ敏行市議

 11 月30 日、とりうみ敏行市議が一般質問にたち、新型コロナウイルス感染症対策を柱に質しました。

 

さいたま市議会インターネット議会中継(録画)

https://saitama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1782

 はじめに、党市議団に寄せられた「1 回限りの定額給付金では暮らせない」「持続化給付金も残っておらず年を越せない」などの市民の声を紹介しつつ、年の瀬を迎える市民を支えるための具体的な施策を求めました。

 

とりうみ コロナ禍における市民のくらしと営業の厳しさを、市長はどのように実感しているのか。市民を励ます強力なメッセージと具体的な支援策を示すべきではないか。

総務局長 さいたま市地域経済動向調査などの結果から依然として大変厳しいものと認識している。11 月に入り市内での新規感染者も高い水準で推移するなか年末年始を迎えるが、市内の社会経済活動支援、検査・医療体制の拡充など、市民の皆様の命や生活を守るためしっかりとりくむ。

 市長のメッセージを求めましたが市長は答弁せず、従来通りの支援策しか示されませんでした。

 

 続いてとりうみ市議は、菅首相の「自助・共助・公助」発言を批判しつつ「多くの中小業者は営業を守るために自助努力を積み重ねてきたが『このままでは廃業を考えるしかない』との声がある」として、さいたま商工会議所との懇談で話されたことを紹介しながら中小業者への支援を求めました。

とりうみ 市が独自に実施した、無利子・無担保・無保証料の「コロナ対応臨時資金融資」(限度額2000 万円)が4 月末で終了し、現在は元の融資制度と国の融資制度だけになっている。無利子・無担保・無保証料の制度を緊急に復活させるべきではないか。

経済局長 「コロナ対応臨時資金融資」は1954 件・292 億円の支援となり、事業継続と雇用の維持に貢献した。今後は国の経済対策による実質無利子・無担保融資が県の融資としておこなわれており、本市独自の「臨時資金融資」は考えていない。

 

 市は「11 月2 日から総額150 億円の緊急特別融資を要件緩和で開始した」と胸を張りますが、結局、無利子・無担保融資は国や県まかせです。

 

景気浮上策として消費税5% 引き下げこそ必要

とりうみ 消費税減税は人の移動を伴わず、すべての国民に支援が行き渡る景気浮上策と考える。自民党や野党の中からも減税の声が上がり、世界でも26 カ国で減税に踏み出している。5% への引き下げを国に求めるべきではないか。

財政局長 消費税は負担を分かちあうことが可能で、社会保障制度を支える財源としても重要であり、減税は国において慎重に判断されると考える。

 市は従来通りの答弁を繰り返しました。コロナ禍という未曽有の困難に直面しているという認識がなく、コロナ禍でがんばる市民に背を向けた答弁であると言わざるをえません。

 

PCR 検査の対象を広げよ
 
 最後にPCR 検査について、清水市長は「検査数1 日1000 件」を目標に掲げていますが実際には広がっておらず、クラスターが発生しやすい医療機関・介護・福祉施設・学校・学童などの職員への定期検査も、発熱などの症状が出た人に限っていたことで検査対象が広がらない実態が明らかになりました。

 

とりうみ 1 日1000 件の検査体制は整ったのか。

保健福祉局長 1 日1000 件の検査が可能であると推計する。

とりうみ 「推計する」とはどういうことか。これまで実際に何件の検査がおこなわれたのか。

保健福祉局長 8 月に1 日あたり最大433件実施したのが最大値であり、現在255の検査可能な医療機関等を確保できたことから、1000 件可能と推計すると述べた。

 とりうみ市議は、北九州市や神戸市などのように、症状が有るなしに関わらず広く定期検査を行うよう求めましたが、市は行わない姿勢を示しました。

 質問の最後に「懸命に困難を乗り切ろうとしている市民、なかでも低所得者やひとり親世帯、先祖から引き継いだ店を必死に守ろうとしている中小業者、入学しても学校で授業が受けられない大学生など、このような人々に『自助努力』を強要する政治に未来はない。年の瀬に向かって行政があたたかい支援をおこなうべき」と強く求めました。

12月議会*補正予算討論 PCR検査対象の 拡大さらに

本会議場で討論をおこなうたけこし連市議

 11 月30 日、たけこし連市議が先議分の議案について討論をおこないました。

 「令和2 年度さいたま市一般会計補正予算(第17 号)」の「老人福祉執行管理事業」は、高齢者の新型コロナウイルス感染症の重症化抑制、高齢者施設のクラスター防止のために高齢者施設の新規入所者を対象に、PCR 検査を希望する人に2万円を上限に補助するものです。予算額は5200 万円です。

 たけこし市議は事業の必要性は認めるとしつつも「市内実施のPCR 検査の自費費用は1 万5000 円~ 3 万5000 円であり、自己負担が発生する可能性があること」「本市発生の高齢者施設内でのクラスターで新規入居者が感染源となった事例は1 件もなく、むしろ職員などが感染源となっている。ショートステイ利用者や施設職員が検査対象から除外されるのは不十分だ」と指摘しました。検査対象の拡大は党市議団としても求めてきたことでもあり、市も「今後、対象拡大について検討する」と答弁していることをふまえ、賛成しました。他会派も賛成し、可決しました。

次期総合振興計画 コロナ危機ふまえ 見直しを

本会議場で討論をおこなう金子あきよ市議

 継続審査となっていた「さいたま市総合振興計画基本計画の策定」の審査がおこなわれ、11 月26 日、党市議団から金子あきよ市議が反対の討論に立ちました。

 本計画は2021 年度から10 年間の本市の基本計画です。しかしこの基本計画は新型コロナが流行する前につくられた計画であり、新型コロナが社会にもたらす影響を考えると見直しが必要です。

 金子市議は「医療・保健・子育て・教育の分野は新型コロナによって多くの課題が浮きぼりになったが、次期計画では対応が不十分」として、政令市中最下位の人口あたりの医師数・看護師数・病院ベッド数であること、保健所が1 カ所のみであること、そして子どもに関わる公共施設で社会的距離を保てず、少人数学級を計画的に進めること等が必要だが、それらの対策が計画に明記されていないことを指摘しました。

 そして「これまで2 都心4 副都心計画に6000 億円近い税金がつぎ込まれてきたが、財政・まちづくりのゆがみに無反省なまま次期計画でも同じ将来都市構造を続けることは認められない。10 区の均衡を図り、本市のどこであっても住みよいまちづくりをすすめるべき」として、反対しました。

12 月議会*議案質疑 市長等の期末手当引き下げへ

本会議場で議案質疑をおこなう神田よしゆき市議

 11 月26 日、12 月議会の議案に対する質疑がおこなわれ、神田よしゆき市議が登壇しました。神田市議は、市長等の特別職の期末手当引き下げ議案等について質しました。

 

神田 市長、副市長、教育長の期末手当の額と差額についてうかがう。

 市長は現行で約670 万6000 円から約660 万7000 円へ(▲約9 万9000 円)、副市長は約527 万円から約519 万3000円へ(▲約7 万7000 円)、教育長は約439 万円から432 万5000 円へ(▲約6万4000 円)、それぞれ改定となる。

 

神田 議員はどうか。

 議員ひとりあたり約392 万円から約386 万1000 円へ( ▲ 約5 万9000 円)改定となる。

神田 議会としては3.40 月とした特別職報酬審議会の答申を踏まえた条例の施行日を来年4 月1 日まで延長、3.30 月とし、実質的に値上げせずに来た。今回の条例改定を認めた場合、3.35 月となるため議員の手取りが増えるという認識でいいか。

 

 議員の言うとおりである。

 

高齢者施設の新規入所者にPCR 検査費用を補助

神田 高齢者施設の対象施設と対象者は。

 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホームの新規入所者で約2600名。一人あたり2 万円の補助。ショートステイやデイサービスの利用者は対象外。

神田 施設職員など、市独自でPCR 検査の対象を広げる考えはあるか。

 

 市民が体調不良になったときはかかりつけ医で検査を受けられる体制が整いつつあるため、そちらを利用してほしい。

12月議会 市長・市議・市職員などの期末手当引き下げ議案が出される

油面川排水機場設備事業(市資料)

 11 月19 日、さいたま市議会議会運営委員会(松村としお・とりうみ敏行の両市議が所属)が開かれ、12 月議会の議案が示されました。

 

 さいたま市特別職等報酬審議会からの答申を受け、市長や市議会議員等、特別職の期末手当の支給月数を引き下げる条例議案が出されました。これは2021 年度以降、期末手当の年間支給月数を3.40 月分から0.05 月分引き下げ、3.35 月分とするものです。同時に市職員の期末手当も2.60 月から2.55 月へ、任期付職員は2.20 月から2.15 月へ、それぞれ引き下げることとしています。

 

 しかし市議分に関しては、この間、特別報酬審議会の答申を踏まえたうえで、議会の判断として値上げしない措置をとってきました。そのため、今回の議案が可決されれば実質的な値上げになってしまいます。神田よしゆき市議は「年間支給月数3.30 月分を堅持し、値上げとならないようにしたい」と話しています。

 

 また、油面川(桜区)に排水機場設備を整備するため工事請負契約(約5 億5400 万円)の議案については、昨年の台風19 号の甚大な被害から油面川の排水機場設備の必要性が叫ばれており、迅速な対応を求めていきます。

 

 補正予算では、新型コロナウイルス感染症対応として、保険適応されたPCR 検査等にかかる費用の公費負担(約5 億1300 万円)、PCR 検査の増加に対応するため民間検査機関に一部依頼するための手数料(7040 万円)、高齢者施設におけるクラスター防止のため、施設の新規入所者に係るPCR 検査費用の補助(5200 万円)などの議案が出ています。今後、議会の中で審議していきます。

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