政策と活動

2020年07月

【市へ第二次申し入れ】新型コロナウイルス対策 PCR検査の対象ひろげて

市へ申し入れをおこなう党市議団(右)

 7 月27 日、党市議団は市に対し、新型コロナウイルス感染症対策にかかわる第二次申し入れをおこないました。

 

 新型コロナで子どもが陽性となるケースが増加していますが、保健所が濃厚接触者と判定しなければ、陽性となった子ども以外のPCR 検査はおこなわれません。同じ空間で長時間過ごす学校や幼稚園、保育所などの福祉施設ではクラスターが発生する恐れがあるばかりか、医療的ケアを要する重度障害者施設では命に直結します。党市議団は「各種施設で陽性者が出た場合は、濃厚接触の有無にかかわらず、職員・利用者・関係者などPCR検査の対象を広げてほしい。あわせて県と協力して、市内での医療施設・隔離施設の確保を早急におこなうとともに、市立病院の旧病棟を活用すべき」と求めました。

 

 また、市内の文化団体のみなさんから「施設利用時に人数制限がある場合は、利用料を減免してほしい」との要望が寄せられています。党市議団は、長野県や宮城県など公共施設利用料の減免を実施している自治体を紹介し、市として減免をおこなうよう求めました。

 さらに、公共施設を利用するうえで、利用者から陽性者が出た場合をのぞき、名簿を一律に提出させることは個人情報保護の観点からもおこなうべきではないことを求めました。

 

 複合災害については、避難所における感染症対策に万全を期すことなどを求めました。対応した危機管理部には、申し入れ内容について関連部署に必ず伝えるよう強く要請しました。党市議団は今後も、状況に応じて申し入れをおこなっていきます。

新型コロナウイルス感染症に関する申し入れ(第2次)をおこないました

申し入れをおこなう党市議団

 7月27日、日本共産党さいたま市議団として、市に「新型コロナウイルス感染症に関する要望書」(4月15日に引き続き2回目)を提出しました。

 

****以下、要望書****

2020年7月27日

さいたま市長 清水勇人様

 

新型コロナウイルス感染症対策に関する要望書

 

日本共産党さいたま市議団

団長 神田義行

 

 新型コロナウイルス感染症への対応が引き続き大きな課題となっています。市執行部におかれましても日々対策に取り組まれていることに敬意を表します。状況が変化する中で、新たに求められる対応も出てきました。党市議団として以下の通り対策に取り組むことを要望します。

 

1.医療・検査体制について

 様々な対応をとられてきてはいますが、感染の第2波が起こり始めていると言われている中で、いっそうの対策強化を求めます。

 

①子どもたちが感染するケースが出てきていますが、学校に通う児童生徒の場合、保健所による濃厚接触の判定によっては感染した児童以外にPCR検査を行わないケースもあります。しかし、各種福祉施設や学校・幼稚園などの教育施設では一定の敷地に人が集まって同じ空間で長時間を過ごすことから、感染が大きく広がる恐れがあります。また医療的ケアを要する施設、重度障害児者の施設等は、感染が命に直結することになります。よってこれらの施設において感染者(陽性者)が出た場合は、濃厚接触に関する判定の如何にかかわらず、感染者に関わった職員、利用者、関係者を広くPCR検査の対象とすることを求めます。

 

②PCR検査を広く実施することで、無症状者も含めた感染者が増加する可能性があります。医療施設のいっそうの確保とともに、隔離施設(ホテル等)についても県と協力して市内での確保をあらためて早急に行うことを求めます。

 

③さいたま市立病院旧病棟の活用はまったなしの課題です。もともと医療資源が極端に少ない埼玉県およびさいたま市だからこそ、一から建設することなく医療施設として使える旧病棟の活用に向けて市が主体的に取り組むとともに、県及び国に支援を求めることを要望します。

 

2.公共施設の利用について

 市の公共施設の利用が再開されていますが、運用について改善を求めます。

 

①市の施設利用にあたり、定員を半数にすることが求められていますが、有料施設における利用料金は従前のままです。これでは文化団体等がイベントを開催しても赤字になってしまいます。イベント収益で活動している団体にとってはイベントを開催してもしなくても活動の継続が困難になる現状を放置することはできません。自治体によっては会場使用料を減免していますが、本市においても市民活動を支えるためにも減免を導入することを求めます。

 

②市の施設利用にあたり、参加者名簿の扱いがまちまちになっています。感染者が出た場合に備えて「参加者名簿の作成及び連絡先の把握」(市HP「コミュニティーセンターの利用等について」より)を主催者に求めることには合理性があります。しかし、イベント後に参加者名簿を一律に提出することを求める施設もあります。個人情報の保護の観点からも問題があり、対応の改善を求めます。

 

3.複合災害の備えを強化することについて

 昨年に続き、今年も各地で豪雨災害が相次いでいますが、新型コロナとの複合災害ともいえる状況になっていることから、避難のありかたについて様々な課題が出ていることをふまえた対応を求めます。

 

①国は新型コロナのリスクもあることから分散型避難を呼びかけていましたが、物資が届きにくい事態が生まれています。本市においても分散型避難を想定した対応など、各地の豪雨災害の経験を生かした対策を進めることを求めます。

 

②避難所における感染症対策に万全を期すことができるよう物資の備蓄をすすめることを求めます。

 

以上

 

さいたま市政検証vol.2 ひとごとじゃない とめよう児童虐待

市内の児童養護施設の施設長から話を聞くとばめぐみ市議(左)

 7 月、東京都大田区で、8 日間もひとりきりで家に置き去りにされた3 歳の女の子が亡くなりました。大変痛ましい事件です。

 

 今回のように母親が若く、ほかに養育者がいない場合、社会的な支援がどうしても必要です。大田区や通っていた保育所、要保護児童対策地域協議会の中で情報共有が適正にされていたのか、検証する必要があります。

 

 児童虐待防止法は2000 年11 月に施行されましたが、その後も児童虐待は増え続け、30 年連続で増加しています。全国212 カ所の児童相談所が対応した児童虐待相談件数は15 万9850 件、さいたま市では2937 件の虐待相談件数がありました(平成30 年度)。国として、すべての子どもの命を守り切るための対策が求められますが、不十分と言わざるをえません。

 

 党市議団はこれまで、虐待で亡くなる子どもをひとりも出さないという立場でさまざまな提案をおこない、とくに市内に2 つ目の児童相談所を増設するよう求めてきました。本市では今年4 月から、より迅速に対応するためとして児童相談所の組織を南部(旧浦和・与野)と北部(旧大宮・岩槻)のふたつの組織体制に変更しましたが、同じ建物の中であり、児童相談所を増やしたわけではありません。

 

妊娠期から切れ目のない支援を

 

 昨年、さいたま市女性の活躍を推進する議員連絡会が「世田谷版ネウボラ(※)」を視察し、とばめぐみと金子あきよの両市議が参加しました。

 

 世田谷区は「虐待防止と子育て支援はセットで行うべきである」との理念のもと、「世田谷区妊娠期から子育て家庭を支える切れ目のない支援検討委員会」を立ち上げ、地域と医療の連携で虐待を防ぐしくみ作りにとりくみました。そのなかで、専門家として日本助産師協会が大きな役割を果たしました。

 

 専門家を中心に据えた地域との連携は、区内5カ所の各総合支所の相談窓口に、保健師などの専門職で構成されたネウボラ・チームを設置し、妊娠期から子育て期の不安や悩みに対する相談支援をおこないます。また産前・産後サービスが利用できる1 万円分の子育て利用券を配布し、区が提供する産後ケアサービスや住民主体の子育て支援活動に利用でき、地域と繋がるきっかけとなっています。

 

 2019 年9 月議会の保健福祉委員会では、とばめぐみ市議が「世田谷版ネウボラから学び、さいたま市でも妊娠期からの切れ目のない支援のしくみを作るべき」と求めました。

 

児童養護施設は最後のとりで

 

 一時保護された子どもたちは、原則2 カ月以内に家庭復帰、または児童養護施設や里親等に措置されます。さいたま市内には3カ所の児童養護施設があります。

 

 7 月15 日、とばめぐみ市議は市内の児童養護施設を訪問し、現状と課題を調査しました。施設長からは、多くの課題を抱えた乳幼児から思春期まで、幅広い年齢の子どものケアをおこなう児童養護施設において、その処遇の低さから職員の確保が難しく、定員通りに子どもを受け入れるのが厳しい現状や、この間の新型コロナウイルス感染拡大にともなう一斉休校から、約3 カ月にわたり子どもたちが施設内で過ごすなかで、デジタル授業への対応の苦労等が切々と語られました。

 

 児童養護施設は、保護された子どもにとって最後のとりでです。ここで働く職員にも市の「保育士宿舎借り上げ支援事業」を適用させるなど、党市議団として抜本的な処遇改善にとりくみます。

 

※ネウボラとは? フィンランド発祥の、妊娠期から就学前まで、ひとりの母親につきひとりの専門職(助産師や保健師)が継続的に母子とその家族の相談・支援をおこなうしくみ

 

■子どもの虐待相談連絡先

・児童相談所虐待対応ダイヤル/24時間・365日通話料無料/℡ 189

 

・さいたま市北部児童相談所/平日8:30~18:00/℡ 048-711-3917

(西・北・大宮・見沼・岩槻区)

 

・さいたま市南部児童相談所/平日8:30~18:00/℡ 048-711-2489

(中央・桜・浦和・南・緑区)

 

・24時間児童虐待通告電話/24時間・365日/℡ 048-711-6824

 

■さいたま市の妊娠・出産・子育ての相談窓口

・妊娠・出産の電話相談/毎週火曜13:00~16:00/℡ 840-2217

 

・妊娠・出産包括支援センター:助産師等の母子保健相談員等専門の職員が妊娠の届出受理や母子手帳の交付をおこなう。妊娠・出産・育児に関する相談に対応/平日8:30~17:15

 西区(区役所1F)℡ 620-2705

 北区(区役所3F)℡ 669-6102

 大宮区(区役所4F)℡ 646-3100

 見沼区(区役所1F)℡ 681-6100

 中央区(区役所別館1F)℡ 840-6112

 桜区(区役所3F)℡ 856-6200

 浦和区(浦和区保健センター内)℡ 824-5000

 南区(サウスピア7F)℡ 844-7202

 緑区(区役所3F)℡ 712-1200

 岩槻区(ワッツ東館4F)℡ 790-0223

 

・保健センター:保健師が育児不安についての相談に対応/平日8:30~17:15

 西区役所保健センター ℡ 620-2700

 北区役所保健センター ℡ 669-6100

 大宮区役所保健センター ℡ 646-3100

 見沼区役所保健センター ℡ 681-6100

 中央区役所保健センター ℡ 840-6111

 桜区役所保健センター ℡ 856-6200

 浦和区役所保健センター ℡ 824-3971

 緑区役所保健センター ℡ 712-1200

 岩槻区役所保健センター ℡ 790-0222

 

・家庭児童相談室:児童に関する様々な相談を受付。匿名相談、電話相談も可/相談場所は各区役所支援課内/平日9:00~17:00(正午から13:00除く)

 西区支援課 ℡ 620-2663

 北区支援課 ℡ 669-6063

 大宮区支援課 ℡ 646-3063

 見沼区支援課 ℡ 681-6063

 中央区支援課 ℡ 840-6063

 桜区支援課 ℡ 856-6173

 浦和区支援課 ℡ 829-6144

 南区支援課 ℡ 844-7173

 緑区支援課 ℡ 712-1173

 岩槻区支援課 ℡ 790-0164

 

・子育て不安電話相談/平日10:00~16:00/℡ 881-0922

 

・なんでも子ども相談(あいぱれっと内):子どもに関するあらゆる相談。おおむね15歳までの子どもとその保護者、関係者向け/月・火・木・金曜10:30~18:30、土・日・祝9:00~16:30/℡ 762-7757/メール nandemo-kodomo@city.saitama.lg.jp

 

そのほかにも様々な分野の相談窓口があります。

https://www.city.saitama.jp/002/001/016/001/p033924.html

さいたま市政検証vol.1 感染防止対策を万全に 安全・安心の避難所の備えを

2019年10月21日、清水市長(右から4番目)に台風19号対策の緊急申し入れを行う党市議団

 新型コロナウイルス感染症の拡大がいまだ続くなか、まもなく台風シーズンを迎えようとしています。昨年は台風15号、19 号が関東圏を直撃し、さいたま市内にも甚大な被害をもたらしました。

 

 今後は、新型コロナウイルスに加え台風や地震といった複合災害への備えが必要になります。党市議団はこの間、水害を想定したハザードマップの改善や市民への周知、避難所の環境改善をはじめとする防災対策を議会で提案してきました。

 

台風19 号の防災提言まとまる

 

 昨年の台風19 号被害の教訓を生かすために立ち上げられた令和元年度台風19 号対策調査特別委員会には、党市議団から久保みき、たけこし連の両市議が参加し、市民のみなさんから寄せられた要望を提案しました。

 

 同委員会では全会派で一致した「令和元年台風第19 号による被害を教訓とした今後の災害対策に関する提言書」をまとめ、市に提出しました。この提言は全11 項目からなり、党市議団が求めてきた「河川、排水路、調節池等の治水対策の推進」「交通事業者と移送に関する協定の締結」「市ホームページの改善、防災無線の改善」「ペットの同行避難の基準整備」「本庁、行政区等との被害情報の共有」「ボランティアの調整や被災者ニーズのマッチングの整備」なども盛り込まれました。

 

※令和元年台風第19号による被害を教訓とした今後の災害対策に関する提言書(2019年 12 月 17 日 委員会決定 )

https://www.discusscabinet.net/temp_dl/saitama/4751_8225CFA79A52A6E1F1BCF0AA08FF15CB/02_R020225%20%E6%8F%90%E8%A8%80%E6%9B%B8.pdf

 

避難所の環境改善を求める

 

 防災分野を所管する総合政策委員会では神田よしゆき、たけこし連の両市議が防災対策について連続してとりあげ改善を求めてきました。昨年の9 月議会で神田市議は水害のハザードマップに記載されている指定避難所のなかで、大雨や洪水時に浸水する避難所があることを指摘し、改善を求めました。その後、ハザードマップが新しく作り変えられました。

 

 また、たけこし市議は、昨年12 月議会で台風19 号の際に開設された避難所に、内閣府の防災備品指針にある「簡易ベッド」が備蓄されていないことを指摘し、エアマットと避難者のプライバシーを守るためのファミリーパーテーションの備蓄を求めました。その後、エアマットを避難所に備蓄する予算がつくなど一定の前進もかちとっています。さらに今年の2 月議会では、LGBTQ(性的少数者)の方が安心して過ごせる避難所整備を求めました。

 

感染対策できる避難所運営のために

 

 現在、防災行政無線は市内に572 基ありますが、聞こえづらいという声が多く寄せられています。市は、防災メールの登録を呼びかけています。また、メールの受信ができない市民向けには、電話(自動音声)で避難勧告・避難指示(緊急)の情報を得ることができます。

 

※さいたま市防災行政無線メールを配信しています(さいたま市ホームページ)

https://www.city.saitama.jp/001/011/015/004/002/p054192.html

 

 昨年の台風19 号の際には市内199 カ所の避難所を開設し、1 万2000 人が避難しました。新型コロナウイルス対策として、避難所ごとに手指用アルコール、マスク、非接触型体温計を購入し、備蓄の準備をはじめています。また、避難所として指定されている学校は、これまで体育館や武道館などを開放していましたが、今後は教室も避難場所として利用できるようになります。

 

 パーテーションや段ボールベッドは、大量に必要です。しかし備蓄場所が必要なことや長期保存による劣化で使えなくなるため、常備していません。市は避難が長期化する場合は国のプッシュ型(輸送型)支援を受けるとしています。また、台風19 号の際には、避難所に車が停められず、自宅に戻った人もいました。市は、車両を避難させるために駐車場を利用できるようショッピングセンターと協定を結ぶなどしています。

 

 避難所開設時に感染症対策を万全にするためには、国からの支援のみに頼るのではなく、市独自で感染対策にそなえる必要があります。党市議団は引き続き、市の防災対策の充実を求めていきます。

困難抱える女性を支援するしくみづくりを急いで

講演する戒能民江(かいのうたみえ)名誉教授

 さいたま市議会の全会派の女性議員が参加する「さいたま市女性の活躍を推進する議員連絡会」は、7月22 日、お茶の水女子大学の戒能民江(かいのうたみえ)名誉教授を講師に「女性の人権に関する問題と支援のあり方」をテーマとした研修会をおこないました。

 

 戒能氏は、婦人保護政策の変遷と課題を歴史的に解明しながら、性搾取、虐待、DV 被害などの事例をあげ女性たちの現状を詳しく報告。売春防止法に基づく事業として運用されている「婦人保護事業」を「困難な問題を抱えた女性支援法」へつくり直し、ニーズに応えた支援をおこなうことが課題であると提起しました。

 

 講演後の質疑と意見交換のなかで、金子あきよ市議は女性の支援にあたる相談員の処遇改善、専門職としての位置付けの重要性について発言。閉会のあいさつに立った久保みき市議はDV 被害者支援について「講師から提起された被害者の実態に寄り添い、人権が守られる支援のあり方は、私たちもめざすところ。さいたま市でもぜひとも実現したい」と話しました。

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