政策と活動

懇談

インボイスの廃止を求めて 埼玉土建が会派を訪問

請願を受け取るとばめぐみ市議と松村としお市議(左の2人)

8月20日、市内中小業者・個人事業主のセーフティネットである民主商工会と建設業・ひとり親方の労働組合の6団体が各会派を訪問し、党市議団では松村としお、とばめぐみの両市議が応対しました。

 

埼玉県議会12月定例会で「インボイス制度の廃止等を求める意見書」が可決されたことを受け、さいたま市議会にも「国に『消費税のインボイス制度見直しの意見書』の提出を求める請願」が提出されました。日本共産党は、年収1000万円以下の免税業者に対し、赤字でも消費税の納税を義務化したこの制度は「弱い立場の小さな業者の手取りを減らし多くの廃業を生み出す」と導入から一貫して反対してきました。2023年10月に施行されたため、今年度は4カ月分納入、次年度からは1年分の納入となります。とば市議は「インボイスは逆進性が強い消費税の構造をさらに悪化させるしくみで、地元商店街や個人事業主を大変苦しめている。団体のみなさんの声を力に、さいたま市議会でも採択を求めたい」と話しました。

さいたま市の学校を語る座談会① 子どもの視点はどこへ

さいたま市では、義務教育学校建設(南区)をはじめ、大規模マンション「シントシティ」(大宮区)による小学校の過大規模化、大和田地区にできる新設校(見沼区)などの課題が目白押しです。この問題を議会でとりあげてきた市議が語りました。

 

とば 武蔵浦和の義務教育学校の現状はどうですか?

 

金子 開校準備室が10月に立ち上がり、2028年度開校をめざしています。学校規模は当初3700人の計画が3082人に縮小されたものの、大規模です。この学校は3つの校舎に分かれ、1~4年生と5~9年生を別々に教育する計画です。しかし2月の入札は不調に終わりました。当初133億円だった予算が220億円まで膨らみましたが、それでも請け負う業者がいません。このままだと資材の質や工期に影響が出て、安全性に問題が生じる恐れがあるため、地元のみなさんとともに計画中止を求めて声を上げています。

 

とば 背景には、マンション建設を許可しながら学校を増やさず、小学校がパンク状態になった問題がありますね。「シントシティ」の状況はどうですか?

 

池田 「シントシティ」は1411戸の巨大マンションで、学区は大宮南小学校ですが、子どもたちの受け入れが困難になっています。このままでは2030年に生徒数1703人、54クラスという状況になります。そこで上木崎小学校(浦和区)への通学も選択できる計画が決まりました。しかし上木崎小学校も2030年には1271人、42クラスに膨れ上がります。対策として校庭にプレハブ校舎を建て、子どもたちの遊び場である築山を解体するという説明があり、保護者は驚いています。さらに隣接するJR住宅の改築情報もあり、その場合はプールを壊して2つ目のプレハブ校舎を建てる計画です。さいたま市が子どもの増加を見越した計画を持っていなかった責任は大きいと思います。

 

金子 「シントシティ」建設中から、私たち市議団は子育て施設が足りなくなると本会議で質問していましたが、教育委員会は「大丈夫」と言い張っていました。

 

池田 浦和駅西口再開発でも「高砂小学校の児童がどれくらい増えるのか」と質問しましたが、「局が違うので答えられない」とのこと。都市局と教育委員会の連携が見えません。

 

とば 一方、大宮小学校の件では開発をすすめる側として連携しているようですね。

 

金子 大宮小学校の問題は、大宮駅のグランドセントラルステーション化構想の中で、駅周辺に車を入れないための隔地駐車場を大宮区役所跡地と大宮小学校を一体開発してつくろうとしていることです。「駅前賑わい拠点」として整備する計画が進んでいます。

 

とば 150年の歴史があり、地域の祭りやコミュニティの中心でもある大宮小学校。現在の土地と緑を残して、との声が多く上がっていますが、市は聞く耳を持ちませんね。

 

池田 駐車場と小学校をセットにするイメージがまったくわかないという声を多く聞きます。子どもたちの教育環境より開発が優先されているようです。

 

 

教室がなくなる?

 

 

金子 文科省は「学校の地域に対する役割」を強調し、学校本来の役割を変質させようとしている面があります。武蔵浦和学園では「地域交流エリア」として音楽スタジオやキッチン、図工アトリエなどを設け、「地域の大人にとっても魅力的な学習空間」として地域住民も使えるようにするそうです。

 

とば 2026年4月開校予定の大和田小学校でも「どこでも教室」という概念が導入されています。この学校は、文科省の「未来の学校」構想による設計変更で開校が1年遅れました。従来の「廊下と教室」という区分をなくし、パーテーションで自由に変形できる空間にするそうです。

 

金子 武蔵浦和義務教育学校も同様の設計で、最初は可動性のパネルだけでしたが、音漏れの問題で遮音性の高いパーテーションを追加し、コストが上がりました。

 

池田 これは1人1台タブレット教育とも連動していると思います。授業中はそれぞれ黙々とタブレットに向かっている状態で、コミュニケーション能力が育つか不安です。

 

金子 「個別最適化」の名のもとに、自分のいたいところでタブレットを開いて勉強する環境を推進しています。しかし、それが本当に子どもの育ちにとってよいのでしょうか。

 

池田 タブレット学習では、音楽の授業でも音が出ず、図工でも実際に絵を描くことの価値を疑い、「絵を描くことの当たり前を疑いましょう」と言って、写真を撮るだけの授業もあるそうです。

 

とば 触れる、聞く、大きな声を出すといった、子ども時代に必要な実体験が奪われていますね。タブレットが教えてくれるなら、先生も要らないという発想につながりかねません。

 

金子 「タブレットの中に築山があって、メタバースの私が築山を登る」みたいな世界ですね。

 

池田 「昔は築山があったんだよ」と言われる時代が来るかもしれません。リアルな体験が失われていくことが心配です。

 

とば このような学校が子どもたちにとって行きたいと思える場所になるか疑問です。さいたま市は子どもを無視した計画を率先して進めています。私たちは子どもの立場に立って、子どもを守り育てる教育を、と求めていかなければなりません。教育委員会には子どもの視点を忘れずに行政を進めてほしいと、議会でも求めていきましょう。

戦後80周年 市の平和推進事業に期待

市の担当課と懇談するさいたま市平和委員会のみなさんと金子、池田の両市議

今年は戦後80周年、広島・長崎での被爆80周年という年になります。また、昨年日本被団協がノーベル平和賞を受賞、核兵器廃絶に向けた機運が大きくなっています。毎年この問題で市との懇談を続けてきたさいたま市平和委員会のみなさんが、4月25日に市の担当部署である総務局総務課と懇談をおこない、池田めぐみ、金子あきよの両市議が参加しました。

 

今年度、平和推進事業の予算が2.5倍と増額されたことを参加者のみなさんも歓迎。とくに初のとりくみとなる、広島平和式典への子どもたちの参加に期待の声があがりました。市内在住の中学生世代の方10人程度を募集し、総務課や教育委員会職員が同行します。各区から派遣できるようにして、地元で経験を広げてほしい、との要望が出されました。その他の平和推進事業として、例年おこなっている平和図画ポスターコンクールを「平和展」として規模を拡大すること、「こどもフォトコンテスト~平和を感じた瞬間」を実施することも予定されており、作品募集が始まっています。8月には講演会、コンサートなどを企画。「ぜひ被団協から講師を招いて」と参加者から要望が出されました。

 

金子市議は「平和推進事業の拡大は市議団としても求め続けてきたこと。市民の要望を受け止め、戦後80年にふさわしいとりくみとしてほしいし、今後もさらに発展させていくことが大切。さいたま市から平和と核廃絶の発信を続けていけるよう、私たちもとりくんでいきたい」と話しました。

子ども居場所事業 不安の声つぎつぎ  

市議団で鈴谷小学校(中央区)の放課後子ども居場所事業を視察。 写真は、QRコードで入室の手続きをしているお子さん

7月7日、さいたま市学童保育連絡協議会による2024年度議員・行政との懇談会「どの子も安心して過ごせるさいたま市の放課後を考える」がオンラインで開かれ、とばめぐみ市議が参加しました。

 

今年度よりモデル事業として4校で開始された「さいたま市放課後子ども居場所事業」に対し、保護者や指導員からさまざまな懸念の声があがりました。「児童数がパンク状態で分離・増設が急務だが、増設後に居場所事業がはじまったら事情が変わる。増設しなければ新入生は受け入れきれないので、保育所のように点数制を導入して子どもをふるいにかけるしかない」という声や、「この制度は5時までの放課後、5時からの放課後をつくり、遊びや活動を中断することになるのではないか」という切実な声が寄せられました。また、「学童保育と居場所事業はまったく別の事業だが保護者には分かりにくく、うまく説明できない」「居場所事業の広がりで、今の学童保育に勤め続けられるのか将来が不安」など働く側の声もありました。

 

なによりも求められているのは、国が用意した補助金のすべてを市が活用し学童保育の人手不足と経営難を支えることですが、それをしないで安上がりな居場所事業を拡大していこうとする市の姿勢は問題です。とば市議は「この事業は子どもの放課後をゆたかにするとはいえない。子どもの最善の利益を最優先するのは市の責任」と話しました。

住宅リフォーム助成制度 本市でも導入を

埼玉土建が市に申し入れ/とば、池田の両市議が同席(2024年4月)

住宅リフォーム助成制度は、建築業者の仕事確保や地域経済の活性化を目的として、住宅改修促進のために自治体が実施している制度です。住宅改修の際、地元業者に工事を発注すれば自治体が工事費の一部を負担するしくみです。助成額に対して工事総額は数倍から数十倍にのぼるなど、経済波及効果が大変高いとされています。

 

たとえば京都府与謝野町は、2009年から3年間実施した「住宅新築改修等補助金交付制度」(住宅リフォーム助成制度)の経済波及効果を研究。2億6000万円の補助金投資に対して、約40億円の直接消費(工事費)がおこなわれ、「“町内商工業の活性化に資する”という目的を果たすものであったことを実証する結果」と結論づけました。他の自治体でも同様の効果が見られ、全建総連も「住民の住環境の向上・整備だけでなく、地域経済の活性化や雇用安定にも貢献している」と発表しています。

 

循環型経済への一環として全国に広がり、導入自治体は600を超えています。県内でも川口市や川越市をはじめ半数を超える自治体がとりくんでいますが、さいたま市は実施していません。

 

党市議団には、埼玉土建など建設事業者から「住宅リフォーム助成制度をつくってほしい」との声が寄せられています。これまでも市議会で制度の創設を求めてきましたが、今こそ必要だという立場で、6月議会でとばめぐみ市議が住宅リフォーム助成制度の実施を求める予定です。

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