政策と活動

申し入れ

放課後子ども居場所事業でスキマバイトアプリ?! 子どもの安心安全が守れるのか

さいたま市が今年度からモデル事業を開始した「放課後こども居場所事業」は、地域の子どもたちに対し、安心して過ごせる放課後の環境を提供することを目的としています。小学校施設(校内)を活用し、登録した児童が過ごす場として、今年度は4校、来年度はさらに9校拡大することが提案されています。

 

ところが市議団に対して、保護者から「放課後子ども居場所事業の職員が『タイミー』で募集されている」という声が寄せられました。「タイミー」は、「空いた時間を有効活用したい人や、すぐにお金を稼ぎたい人にピッタリなスキマバイトを紹介するアプリ」と説明され、履歴書不要・面接なしですぐに働くことができるとうたわれています。当然、資格の有無は問いません。

 

保育や教育の現場では、職員が子どもたちとどのように接するかが極めて重要ですが、履歴書の提出や事前の面接が省略されることで、その人物の適性や人間性が十分に把握されないまま、放課後子ども居場所事業の現場にスポット配置されることになります。1日(数時間)だけ働くことも可能なため、頻繁な職員の入れ替わりや、毎日異なる職員が子どもたちと接する状況は、子どもたちにとってストレスとなり、健やかな成長を妨げるリスクが高まります。

 

こうしたことから党市議団は、7月29日に市に対して申し入れをおこないました。内容は、タイミーを利用した職員募集方法の見直し、実態調査、そして適切な職員研修の実施です。この申し入れに対し、市の担当課が十分に状況を把握していないことが明らかになり、今後、対策を検討することを約束しました。その結果、8月からタイミーを通じた職員の募集について、停止はしないものの、資格を持つ人材に限定した求人とするよう、放課後子ども居場所事業の委託業者に通知した、とのことでした。今後は事前研修も実施される予定ですが、モデル事業の時点でも人手不足が深刻なことがあらためて明らかになりました。

子どもたちを熱中症から守ろう 教育委員会に申し入れ

7月19日、党市議団は竹居秀子教育長に対して「子どもたちを熱中症から守るための対策を求める要望書」を提出しました。

 

要望書では、「今年の夏も猛烈な暑さが続いており、埼玉県内における熱中症による救急搬送状況は、4月から7月までで合計1687人となっており、8月以降も増えることが想定される」として、小中学校および市立高等学校において、引き続きの熱中症対策を求めました。具体的には、①中学校および市立高校における部活動などの実施基準については、暑さ指数(WBGT)を厳守すること②今秋におこなわれる運動会・体育祭については、児童生徒の応援席に日よけのためのテントを設置すること。来年度以降の運動会・体育祭については、子どもの健康が守られる時期に開催するよう実施日程を検討すること③小中学校体育館および小学校特別教室へのエアコン設置を急ぐことを求めました。

 

竹居教育長は「さいたま市の子どもたちを熱中症から守るために知恵を絞っていただいたことを感謝する」と応じ、工夫しつつ子どもたちを熱中症から守っていくことを確認しました。

市民の声をいかした市庁舎跡地へ 党市議団が要望書を提出

5月27日、党市議団は清水勇人市長宛に「現市庁舎の跡地利活用についての要望書」を提出。佐野篤資都市経営戦略本部長が対応しました。

 

2030年にさいたま市庁舎が現在地(浦和区常盤)から、さいたま新都心に移転することをうけ、党市議団では「どうする?市庁舎跡地の利用」というアンケートを実施し、広く市民の声を集めました。その結果、1位「防災公園」101件、2位「子どもの遊び場」69件、3位「美術館や博物館などの文化施設」63件、4位「子育て関連施設」50件、5位「病院」48件、6位「図書館」45件、7位「プールやジムなどのスポーツ施設」35件、8位「大学などの学校」17件、9位「商業施設」13件、10位「その他」22件となりました。結果をまとめた池田めぐみ市議は、「回答には市民の想いがていねいに書かれていた」と話し、要望書とともにアンケートの集計も手渡ししました。

 

さいたま市のまちづくりについては、市民の声よりも先に、企業へのサウンディング(自治体が民間企業に市有地の活用方法について聞いたり提案したりすること)などを優先させ、住民や利用者の声が後回しになる傾向があります。党市議団は「防災公園」の設置を求める声が多かったことを受けて墨田区の錦糸公園を視察しました。ここは「防災機能」と「子どもの遊び場」「体育館」などを併せ持ち、2011年の再整備の際には最初に地域住民の声を聞き、要望をまとめたうえで体育館などを改修していったプロセスがあり、災害時には「福祉避難所」として活用されます。

 

さいたま市庁舎移転後の跡地利用については2025年度に利活用計画(骨子)を策定予定ですが、あらためて、市民に広く周知し、市民の声を把握し、市民の声を反映する形で策定することを強く要望しました。佐野本部長は「来年度の利活用計画の策定に向けて市民の声を聞くことを重視したい」と話しました。

 

<要望項目>

1 さいたま市庁舎が2030年に移転し、現庁舎跡地の利活用計画が2025年度に策定予定であることを周知し、広く市民の声を聴取すること

2 その利活用については、防災公園をはじめ、どの年代の方も集えるような場所になるよう、地域住民や利用者の声を第一に決定すること

与野中央公園オープンミーティング報告書を市長に提出 5000人アリーナ建設は市民の声をいかした計画に

市長に報告書を手渡す(右から2人目がたけこし市議)

5月7日、中央区選出のさいたま市議5名が、清水勇人市長に対して「与野中央公園オープンミーティング報告書」を手渡しました。

 

この報告書は3月20日に5人の市議が共同で主催した与野中央公園5000人アリーナ計画についての討論会の報告書です。内容は、当日の議論の模様を簡潔に伝えるとともに、市民から出された反対意見(緑化空間の確保やアリーナのサイズは大きすぎる、説明のプロセスなど)と賛成意見(アリーナの経済効果を期待する、人が集まれる施設ができるなど)を記載し、計画の進捗を広く市民向けに適宜説明し、市民の意見も参考にして与野中央公園の整備を進めること、また今回のミーティングで出た意見について誠意をもって検討することを求めています。

 

報告書を受け取った清水市長は「会派を超えて中央区の市議がこうしたとりくみをおこなったことは受け止めたい」と述べ、それぞれ5人の市議から意見を聞きました。

 

たけこし市議は「会派を超えて5名の市議が共同でとりくんだこと自体が、この問題の重要性を示していると思う。私が代表質問で指摘した点も考慮して再考してほしい」と発言しました。
他の市議からも「ミーティングを通じて、賛成反対の意見を出しあうことで一致できる点(緑化空間の確保、施設の適正規模など)があることが分かった」と前向きな意見も出されました。党市議団として、引き続きこの問題に全力でとりくみます。

スクールダッシュボード 導入中止を

申し入れ書を手渡す党市議団

さいたま市教委は「GIGAスクール構想」のもと、スクールダッシュボードというシステムの開発を推進しています。児童生徒の個人情報、成績や学習の状況、健康状態など「学校現場で日々蓄積される教育活動に関するデータ」を相互に関連させ、集約して管理するシステムとして、1月から全校での試行、4月からは本格運用が予定されています。しかし、その効果や課題を検証するのに十分な準備期間はなく、性急に導入されようとしていることに対し、党市議団はその問題点を指摘、12月18日、導入中止を求める申し入れをおこないました。

 

システムの中では、「心の天気」と呼ばれるような児童生徒のその日の気分や気持ち、内面の状況まで入力させて集めるしくみになっており、党市議団には保護者や市民からの不安の声が多数寄せられています。子どもの人権と内面の自由を侵し、児童生徒と学校教育に関わるデータの安全性を担保できないスクールダッシュボードの導入は中止することを引き続き強く求めます。

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