政策と活動

2021年04月

低所得のひとり親世帯に特別給付金支給へ

 新型コロナウイルス感染症の影響が長引くなか、低所得のひとり親世帯に対して生活支援をおこなうため、「子育て世帯生活支援特別給付金」が支給されます。予算総額は15 億505 万円(事業費13 億9630 万円・事務費1 億875 万円)、全額国費です。

 まずは児童扶養手当受給者について4 月下旬に支給が開始されます(申請不要)。また、直近で収入が減少した世帯等についても、申請に基づき支給されます。

 

■対象世帯:約2 万世帯

 

■対象者

 ① 児童扶養手当受給者等(低所得のひとり親世帯)

 ② 公的年金(遺族年金)を受給しており、令和3年4 月分の児童扶養手当の支給を受けていない方

 ③ 新型コロナの影響を受け家計が急変するなど収入が児童扶養手当受給者と同水準となったひとり親

※対象には生活保護世帯も含まれます。その際、収入認定はされません。

 

■給付額:児童ひとりあたり一律5 万円

 

■問合せ先:829-1270(平日8:30 〜17:15)さいたま市子育て支援政策課

8 年継続してきた就労支援が打ち切りに さいたまユースサポートネット

「地域若者サポートステーションさいたま」の元担当者から話を聞くとば市議

 4 月28 日、とばめぐみ市議は今年はじめに浦和区岸町から見沼区堀崎町に本部を移転した「NPO法人さいたまユースサポートネット」を視察しました。地域で孤立する子どもや若者のために就労支援、生活困窮世帯の子どもへの学習支援(さいたま市委託)、居場所づくりなどにとりくんでいます。

 

 同法人は、8 年間、市・国協働の若年者等職業的自立支援事業「地域若者サポートステーションさいたま」(大宮区)を受託してきましたが、今年度は大原出版株式会社に委託先が変わりました。この入札は国がおこなうもので、全国の多くの自治体で大原出版株式会社への委託が増えているといいます。

 

 スタッフは「困難を抱えた若者は長く寄り添い、ていねいに支援し続ける必要があり、1年ごとの事業で就労という結果を数字で出すこと自体に無理がある。結果的に若者をいっそう長いひきこもり状態にしてしまう矛盾を生み出している」と国の姿勢に懸念を示しました。市は実績のあるさいたまユースサポートネットを推薦しましたが、コストカットを目的とする国の入札で市の願いもかないませんでした。

 

 とば市議は「市の推薦も無視して国が委託先を決めるやり方はあらためるべきだ。資格取得を目的とした民間企業では、自立に困難を抱える若者の多様なニーズに応えきれない」と話しました。

「変異株」の台頭を受け 新型コロナウイルス対策を申し入れ

 さいたま市は4 月20 日から、新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置対象地域となりました。「変異株」の台頭を受け、感染拡大の抑制や地域経済対策等にこれまで以上の対策が必要です。

 

 4 月28 日、党市議団はさいたま市に対し、4 回目となる新型コロナウイルス感染症対策に関する申し入れをおこない、市長公室長と危機管理部長が対応しました。

 

 まず、検査・医療体制強化として①保健所の体制強化と保健所検査技師へのPCR 検査の定期実施②ワクチン接種予約コールセンターの体制確保③コロナ感染患者が宿泊療養及び自宅療養になる事例が増えているため、国・県に頼らず市独自の新たな病床確保に努めるよう求めました。

 

 次に、中小企業対策の充実として①さいたま市小規模企業者等給付金は、今後の国の施策にかかわらず市として継続的に支給すること。本市に住居または事業所があれば対象とすること②国に対し、持続化給付金と家賃支援給付金の2 度目の支給、雇用調整助成金のコロナ特例の延長を求めること。あわせて持続化給付金・雇用調整助成金・小規模事業者持続化給付金等は課税対象としないよう申し入れることを求めました。

 

 続いて教育施策の強化として①生理用品の無償配布は市立学校だけでなく、市内の私立学校や朝鮮学校にも配布すること②市立学校の修学旅行中止に伴うキャンセル料は、昨年同様に市が負担すること③新型コロナ対策としてのスクールサポートスタッフ(155名)は2020 年度で配置終了となっているが、今年度も引き続き全校に配置することなどを求めました。

待機児童は11人 でも利用保留児童は1499人

 4 月23 日、さいたま市の認可保育所等利用待機児童の状況が記者発表されました。昨年度は5 月11 日、2019 年度は5 月15 日に発表されており、今年度は相当早いタイミングでの発表です。

 

 市の発表によると待機児童数は11 人となっており、「待機児童ゼロ」を掲げた市長の公約は実現できませんでした。同時に、「待機児童」にはカウントされない「利用保留児童」が1499 人います。利用保留児童とは、転園希望を含む新規利用申込者数(9972 人)から、入所承諾者(8042 人)と、転園がかなわず元の施設を継続利用する方(431 人)をのぞいた人数です。市は、不承諾となったためにナーサリールームや幼稚園の預かり保育、企業主導型保育施設に通う子どもや、育休を延長した方などを利用保留児童からのぞき、最終的に待機児童を11 人と算出しています。

 

 とくに南区や浦和区などは園庭のない駅前保育所が増加しており、公園に行かないと動きのある遊びができない、幹線道路など大きな道路を渡らないと公園に行けないなど弊害も出ています。子どもの成長発達の観点から、単なる数合わせだけではなく保育の質も担保された保育所の増設が求められています。

過密状態はもう限界 大宮北特別支援学校を視察

授業を見学する(左から)金子あきよ市議と久保みき市議

 4 月21 日、久保みき市議と金子あきよ市議が大宮北特別支援学校を視察しました。校長先生、PTA 正・副会長と懇談し、校内の見学をさせていただきました。

 

 大宮北特別支援学校は、1987 年、100~ 150 人規模の学校としてさいたま市西区大字中釘(当時は大宮市)に開校しました。2010 年に児童生徒数は176 人で過密状態となり、それ以後も毎年増え続け、今年度はついに318 人となりました。今後も増え続ける見込みです。

 

 教室不足は深刻で、特別支援学校にとっては大変重要な特別教室も次々と普通教室に転用されました。なかでも1階にあった子どもたちの大好きなプレイルームがつぶされたのは、保護者にとっても衝撃的なことでした。プレイルームがないのは県内でもめずらしいとのことでした。また、本来なら小学部棟、中学部棟、高等部棟とフロアを分けるべきですが、高等部と小学部の教室を隣にせざるを得ない状況で、安全面でも不安が生じています。トイレも同じフロアのトイレを使用することになり、小学部の生徒の介助のために異性の教員がトイレに入るため、高等部の生徒の人権が守れない状況となっています。

 

(上)普通教室が足りず調理実習室が自立活動室と職員更衣室と物置になっている

(下)高等部と小学部が同じフロアのため、高等部の生徒も使う男子トイレに女性教員が支援のために入ることが通知してある

 

 視察した久保市議は「どれだけマンパワーがあってもこの状況では満足な教育がおこなえない。早急に、あらたな学校設置が求められている」と語りました。

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