政策と活動

義務教育学校 武蔵浦和学園建設 計画推進は許されない

説明会に参加する金子市議(右端)

これまで何度かとりあげてきた、南区武蔵浦和駅周辺地域に「義務教育学校」を建設する計画。沼影市民プールを廃止して3700 人の学校を作る、校舎は3 つに分けて、そのうちの2 校舎に1 ~ 4 年生のみが通うようにするという、想像しがたい計画です。あらためて問題点をまとめます。

 

武蔵浦和には新たな学校が必要

 

武蔵浦和駅周辺は再開発が進み人口が増え、周辺の小・中学校の多くが大規模校、過大規模校です。今後もこの過密状態は解消されず、小学校1 校の建設が必要となる規模の学級数の増加が見込まれます。しかし、武蔵浦和駅周辺地区では「用地取得が困難」だとして「市有地の活用の方向」が打ち出されました。一方で、なぜ義務教育学校でなければならないのか、説明はありません。

 

義務教育学校とは

 

小1 ~中3 までの9 年間が一体的に運営され、1 ~6年の前期課程と7 ~9年の後期課程に分かれます。子どもが3700 人でも校長はひとり、教育目標も同じ、教育活動は他の小・中学校と同じく学習指導要領に基づいておこなわれます。また、大規模でもきめ細かで効果的な指導を実現するという名目で「ユニット制」を導入し、アットホームな学校をつくるとしています。浦和大里校舎と内谷校舎に1 ~ 4 年のユニットをひとつずつ、沼影校舎には5 ~ 9年のユニットを3 つ作る計画です。基本的にはそれぞれのユニットで教育活動がおこなわれます。

 

計画の無謀さと不十分さが浮きぼりに

 

こうした計画にはこれまでも市民から多くの批判や疑問の声がありました。5 月24 ~ 28日にかけて4 回(1 回はオンライン開催)の説明会が実施されましたが、前回(2022 年11 月)の説明会で「検討中」と回答されたことのその後の検討結果がまったく見られない、義務教育学校の「メリット」は列記されているのに「デメリット」とそれへの対応策が記載されていないなど説明会としての基本点についての指摘とともに、参加者それぞれの立場から率直な質問が出されました。

 

保護者 大規模校になるのは不安。きめ細かな対応をするというが、それなら少人数学級にする、1 クラスの先生の数を増やすといった対応がされるのか。
教育委員会 学級定数や教員配置は通常校と同じ。

 

現職教員 1 年生から4 年生しかいない学校では通常校のような教育活動はできない。6年生が担っているリーダーの役割を4 年生に押しつけるのか。
教育委員会 今の子どもは成長発達が早く、文科省の資料でも2 年ほど早まっていることが示されている。
現職教員 加速化しているのは身体的な成長で、心の発達がそれに追いつかないのが今の子どもの実態だ。

 

プール利用者 代替案は室内プールのみ。レジャープールや50M プール、アイススケート場はどうなる。浦和大里小学校への室内プール建設計画にも安全面や運用面で疑問がある。
都市公園課 レジャープールのあり方そのものを検討している。今夏には結論を出し、パブリックコメントをとりたい。

 

この3 年間、義務教育学校の問題にとりくんできた金子あきよ市議は、「今回の説明会ではオンラインも含めて、たくさんの質問や意見が寄せられた。これらの声に真剣に応えるとすれば、計画は断念してプールを存続し、新しく適正規模の学校をつくることこそ求められている。今後も計画の内容を広く市民に知らせながら、粘り強くとりくみたい」と話しました。

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