政策と活動

南区

沼影公園の都市計画変更を決定 都市計画審議会

3月26日、さいたま市都市計画審議会がおこなわれ、七里駅北側地区、中央区役所周辺東地区、大門上・下野田地区に関わる、都市計画用途地域や高度地区の変更など4議案、沼影公園の都市計画公園の変更についての議案が審議されました。このうち沼影公園の都市計画公園の変更は、義務教育学校武蔵浦和学園の建設用地として沼影市民プールを廃止するためのもので、多くの住民から反対の声が上がっていました。審議会にはこの計画に反対する「沼影市民プールの存続を求める会」「義務教育学校武蔵浦和学園を考える連絡会」のみなさんが多数傍聴に詰めかけました。

 

沼影公園廃止と義務教育学校建設が「公益上特別の必要がある場合」に該当するか、また代替となる公園の確保についての執行部のとりくみ状況などが議論されました。都市計画法上の近隣公園は容易に廃止することは許されない、現状と同規模の公園用地を廃止までに確保するべきだったのにそれができていないとの指摘があり、市民公募の委員からは「代替地も決まっていないのに学校建設のスケジュールありきで急ぐのは拙速」と反対意見が示されました。しかし、学校の整備は市にとって重要な課題であるとの意見も出され、最終的には賛成多数で公園廃止の執行部提案が承認されました。

 

事前に都市計画法に基づく縦覧に、175人からの意見書提出があり、そのうち143通が反対でした。また、弁護士11名の連名で反対の意見書が提出されたことにも、この計画の理不尽さが表されています。代替公園整備のなかで住民に計画を十分に説明し、要望を反映するよう求める付帯意見もつけられました。

 

審議会を傍聴した金子あきよ市議は「今後、プールの解体工事はおこなわれるが、義務教育学校の内容の問題点を明らかにして、子どもたちの教育のために計画を撤回することをあくまで求めたい」と話しました。

義務教育学校 武蔵浦和学園建設 計画推進は許されない

説明会に参加する金子市議(右端)

これまで何度かとりあげてきた、南区武蔵浦和駅周辺地域に「義務教育学校」を建設する計画。沼影市民プールを廃止して3700 人の学校を作る、校舎は3 つに分けて、そのうちの2 校舎に1 ~ 4 年生のみが通うようにするという、想像しがたい計画です。あらためて問題点をまとめます。

 

武蔵浦和には新たな学校が必要

 

武蔵浦和駅周辺は再開発が進み人口が増え、周辺の小・中学校の多くが大規模校、過大規模校です。今後もこの過密状態は解消されず、小学校1 校の建設が必要となる規模の学級数の増加が見込まれます。しかし、武蔵浦和駅周辺地区では「用地取得が困難」だとして「市有地の活用の方向」が打ち出されました。一方で、なぜ義務教育学校でなければならないのか、説明はありません。

 

義務教育学校とは

 

小1 ~中3 までの9 年間が一体的に運営され、1 ~6年の前期課程と7 ~9年の後期課程に分かれます。子どもが3700 人でも校長はひとり、教育目標も同じ、教育活動は他の小・中学校と同じく学習指導要領に基づいておこなわれます。また、大規模でもきめ細かで効果的な指導を実現するという名目で「ユニット制」を導入し、アットホームな学校をつくるとしています。浦和大里校舎と内谷校舎に1 ~ 4 年のユニットをひとつずつ、沼影校舎には5 ~ 9年のユニットを3 つ作る計画です。基本的にはそれぞれのユニットで教育活動がおこなわれます。

 

計画の無謀さと不十分さが浮きぼりに

 

こうした計画にはこれまでも市民から多くの批判や疑問の声がありました。5 月24 ~ 28日にかけて4 回(1 回はオンライン開催)の説明会が実施されましたが、前回(2022 年11 月)の説明会で「検討中」と回答されたことのその後の検討結果がまったく見られない、義務教育学校の「メリット」は列記されているのに「デメリット」とそれへの対応策が記載されていないなど説明会としての基本点についての指摘とともに、参加者それぞれの立場から率直な質問が出されました。

 

保護者 大規模校になるのは不安。きめ細かな対応をするというが、それなら少人数学級にする、1 クラスの先生の数を増やすといった対応がされるのか。
教育委員会 学級定数や教員配置は通常校と同じ。

 

現職教員 1 年生から4 年生しかいない学校では通常校のような教育活動はできない。6年生が担っているリーダーの役割を4 年生に押しつけるのか。
教育委員会 今の子どもは成長発達が早く、文科省の資料でも2 年ほど早まっていることが示されている。
現職教員 加速化しているのは身体的な成長で、心の発達がそれに追いつかないのが今の子どもの実態だ。

 

プール利用者 代替案は室内プールのみ。レジャープールや50M プール、アイススケート場はどうなる。浦和大里小学校への室内プール建設計画にも安全面や運用面で疑問がある。
都市公園課 レジャープールのあり方そのものを検討している。今夏には結論を出し、パブリックコメントをとりたい。

 

この3 年間、義務教育学校の問題にとりくんできた金子あきよ市議は、「今回の説明会ではオンラインも含めて、たくさんの質問や意見が寄せられた。これらの声に真剣に応えるとすれば、計画は断念してプールを存続し、新しく適正規模の学校をつくることこそ求められている。今後も計画の内容を広く市民に知らせながら、粘り強くとりくみたい」と話しました。

沼影市民プールは市民の財産

 3月1日「沼影市民プールの存続を求める会」が、「義務教育学校建設のために沼影プールをなくさないで」との要望署名 1673筆を市に提出しました。昨年5月の一次提出分と合わせ、9635筆になりました。

 

 署名提出には、都市公園課長と教育政策室長が対応、参加者と懇談し、金子あきよ市議が参加しました。

 

 参加者から「プールは子育てのため、リハビリのため、大切な施設。多くの人に利用されている。なくすどころか、むしろ拡充してほしい」 「スケート場では署名に列ができるほどだった。公営のスケート場があるのはさいたま市の魅力のはず」など存続を求める意見が相次ぎました。党市議団は予算委員会でも廃止計画の撤回を求めました。

 

沼影市民プールの存続と義務教育学校計画の撤回を

 9月5日、「沼影市民プール存続を求める会」と「武蔵浦和学園義務教育学校を考える連絡会」のみなさんが、沼影市民プールを廃止して義務教育学校を建設する計画について市と懇談をおこない、金子あきよ市議が同席しました。

 

 参加者から「今年の夏、多くの市民が沼影市民プールを訪れた。計画では来年度末までの営業となっているが、プールを残してほしいという要求は大変強い」との発言がありました。都市公園課はレジャープールの今後について、利用者へのアンケート、近隣自治体への聞き取り調査をおこなっているということでしたが、プール代替地の具体案は示されませんでした。

 

 続いて、義務教育学校の計画について参加者から、今後の説明会の予定、通学区域、現在の内谷中学校を小学1~4年生が使用する校舎にする改修工事の内容、沼影新校舎の設備などについて質問が多数出されました。「内谷中学校の建物の改修は予定していない。階段もプールもそのまま」「沼影新校舎にはプールはつくらない方向」などの回答に、子どもに寄り添うことのない姿勢だと参加者から驚きと批判の声があがりました。

 

 金子市議は「義務教育学校では大規模校の解消にはならないことが、いよいよはっきりした。議会質問を通じて計画の撤回を求めたい」と話しました。

 

【南区】寄せられた声を区政へ

南区との懇談であいさつする金子市議

 

 さいたま市議団が実施した「くらしと市政についての市民アンケート」へ寄せられた回答のうち、162通が南区在住の方からの返送です。

 8月30日、金子あきよ市議は住民のみなさんとともに、寄せられた要望について南区役所との懇談をおこないました。金子市議らは現地調査や要望された方への聞き取りをおこない、追加資料も作成して懇談にのぞみました。

 懇談のなかで、福祉課や高齢介護課から生活困窮や高齢者介護の相談先など、具体的な施策を紹介されました。交通安全対策、道路の緊急補修などに関する要望は、南区くらし応援室が現地を確認して対応をするということでしたが、参加者からは「要望した交通安全施設(電柱幕や道路表示)の設置に時間がかかりすぎる」との意見も出されました。区は「限られた予算のなかだが、迅速に対応していきたい」との回答でした。交通安全対策のうち横断歩道や信号設置などは管轄する埼玉県警に、歩道橋の修繕などは国道事務所に、それぞれくらし応援室から要望内容を伝えてもらうことになりました。回答を求めて、県警などとの懇談もおこなう予定です。

 金子市議は「区の職員との話し合いで連携がつくれたことは重要。引き続き区民の要望の解決、実現に向けて取り組んでいきたい」と話しました。

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