政策と活動

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名古屋市・ 川崎市を視察 障害者グループホーム 市独自補助の実現を

川崎市から説明を受ける党市議団

 7 月24 〜25 日、党市議団で会派視察をおこないました。調査内容は、「障害者のグループホームの市独自補助について(名古屋市・川崎市)」「学童保育支援員の処遇改善事業について(名古屋市)」「少人数学級の独自のとりくみと学校における働き方改革について(滋賀県)」です。

 ここでは、障害者のグループホーム(世話人などから生活や健康管理面でのサポートを受けながら共同生活を営む住宅)への市独自補助について、久保みき市議が報告します。

 

 名古屋市と川崎市は、2006 年に障害者自立支援法が施行された際に、国の補助(報酬単価)と利用者の利用料だけではグループホームの運営が成り立たないと、市独自の補助を導入しました。

 名古屋市では、グループホームの運営費補助として、世話人(家事をしてくれる人)補助、重度(障害の重い方)加算があります。設置費補助としては、建設費、賃貸物件への敷金礼金、初年度の備品購入、緊急通報設備費、改修工事費に対する補助があります。

 川崎市では、運営費補助として、世話人体制確保、初期加算、夜間体制加算、土日等日中支援、家賃助成、行動障害加算、重度障害加算など、きめ細やかな加算があります。設置費補助は、建設費、改修費、賃貸物件への敷金礼金・仲介手数料に対する補助があります。

 さいたま市にはこのような市独自の補助がありません。市内の運営法人は、大変な苦労をして障害者のグループホームを設立し、その後も運営は赤字、職員は募集しても集まらないなど大変な思いをしています。高齢者の親が障害のある子どもを介護する「老障介護」も深刻な課題になっており、親が亡くなったあとの問題も解決していません。障害者の生活を保障するためにもグループホームはますます必要です。

 党市議団としてこの視察で学んだことを議会活動に活かし、さいたま市も障害者のグループホームへの独自補助が実施されるよう、引きつづき求めていきます。

進んだ自治体のとりくみに学ぶ 教育・子育て支援を視察

名古屋市より説明を受ける党市議団

 7 月24 日~ 25 日、党市議団は名古屋市と滋賀県へ会派視察をおこないました。名古屋市では民間学童保育の指導員の処遇改善について、滋賀県では「学校における働き方改革」および少人数学級のとりくみについて視察しました。

 

 国庫補助を満額活用 学童保育指導員「安心して働ける」

 名古屋市は、保護者が中心となった「留守家庭児童育成会」が169 カ所で学童保育を運営し、児童数は5797 人です。「育成会」への運営費助成は補助事業です。国庫補助は運営費(基本分)、指導員の処遇改善費を満額活用し、あわせて市単独助成をしています。

 1 施設あたりの処遇改善の国庫補助3 メニューのうち、「賃金改善」を申請しているのは87 カ所(年額157 万5000 円)、「常
勤職員配置」を申請しているのは57 カ所(年額301 万2000 円)です。「キャリアアップ処遇改善(経験年数による加算)」も併用され、国庫補助をすべて活用しています。名古屋市
の負担額は3 分の1 で、2018 年度予算で約1 億3900 万円です。補助金は、年4 回に分けて交付されています。担当課は「支援
員の人件費が改善され、安心して働けると現場から声が上がっている」と話しています。

 戸島よし子市議は「さいたま市は、4 月からキャリアアップ処遇改善のみ活用で、市の負担額は1780 万円。しかも補助金交付は年度末のみ。視察の成果を生かし、改善と国庫補助の満額活用を進めたい」と述べました。

少人数学級で きめ細かな教育にとりくむ

 滋賀県は国に先駆けて、2003 年から小学校1 年生と中学校1 年生で少人数学級を導入しました。その後、県独自に教員を加配して対象学年を段階的に広げ、2015 年度から小・中学校の全学年で35 人以下学級を導入しています(少人数指導の選択も可能)。また、クラスの人数が20 人以下になる場合は少人数学級を不可とする「下限設定」も、見直しが進められています。

 滋賀県教育委員会事務局の説明では、2011 年に大津市の中学生がいじめで自殺する事件が起きたことが、少人数学級を独自に実施する大きなきっかけになったとのことでした。子どもたちへのきめ細かな対応と、子どもと正面から向きあえる教育環境の整備が目的です。その後、滋賀県内で32 人以下学級を実施する自治体もでてきています。「学年が変わっても35 人学級が継続されるので安心」(保護者)、「ていねいに勉強を教えて
もらえる」(子ども)、「子どもと向き合う時間が多くとれる」(教員)といった声が寄せられていることが紹介されました。

 党市議団は、これまで市民と共同してさいたま市独自の少人数学級実施を求めてきましたが、今回の視察の成果を力に、引き続き少人数学級の実現にとりくみます。

道徳教科書採択 現場や市民の声を大切にして

要請をおこなう市民のみなさん

 7 月17 日、市教育委員会に対して、2 つの市民団体が「中学校道徳教科書採択に関する申し入れ」をおこない、党市議団からは山崎あきら、とりうみ敏行、神田よしゆき、もりや千津子の各市議が参加しました。

 

 申し入れでは、中学校道徳教科書の採択にあたり、市教育委員会に

①中学校の先生からの要望を充分に尊重して採択すること

②採択理由が多くの市民に分かるように討議を進めること、

が5400 筆を超える署名を添えて要望されました。

 

 また、市民団体から、「日本教科書」「廣済堂あかつき」「教育出版」は、特定の価値観を押し付けたり、生徒に自己評価をさせて内心に踏み込むなどの問題が指摘されているので、採択しないよう要望がありました。20 名を超える参加者で申し入れをおこないましたが、市教育員会は教育長を交えての懇談には応じず、会場も用意されていませんでした。

 

 参加者からは「市教育委員会は現場の意見を取り入れ、真剣な議論を重ねてほしい」など、たくさんの要望があげられました。

アスベスト被害健康調査を実施

 さいたま市は、昨年に続き今年も8 月22日からアベスト被害の健康調査を実施します。中央区上落合地域の旧日本エタニットパイプ大宮工場周辺住民にアスベスト被害が出たことから、さいたま市は環境省から委託を受け健康調査をおこなうことになりました。

 

 昨年は、上落合地域周辺住民を中心に98名が健康調査を受けています。見沼区宮ケ谷塔地域の旧宮原企業がエタニットパイプの関連企業としてアベストを取り扱っており、そこで働いていた従業員が中皮腫で死亡していることから、周辺住民に被害が及んでいる可能性があります。

 

 さいたま市保健所疾病予防対策課が健康調査のお知らせビラを配布しています(くわしくは同課 840-2219 まで)。

 また、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」と「エタニットによるアスベスト被害を考える会」が共催で、「アスベスト健康調査の説明会」を開催します(下記参照)。

 

 市民の命と健康を守るために、党市議団も健康調査の実施と市民団体の説明会をお知らせしています。

 

継承の必要ない「樹林型合葬式墓地」建設へ

樹林型合葬墓地イメージ図(市HPより)

 公営墓地の要望は強いものの、足りていないのが現状です。また墓の継承が困難なケースが増えているもとで、墓地のあり方についてもさまざまなニーズがあります。

 

さいたま市は、個別の墓石をつくらず、共同参拝する方式の「樹林型合葬式墓地」の整備を決め、6 月議会で1 億7000 万円の補正予算がつきました。樹林を墓標として、地下に1 万6000 体分の遺骨を納めることができる規模でつくる計画です。

 

 2019 年3 月完成予定で、思い出の里市営霊園(見沼区)のなかに整備されます。

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