政策と活動

懇談

公共工事での労働条件確保を 埼玉土建と現場調査

懇談に参加する神田よしゆき市議(右手前)

 7 月26 日、毎年おこなっている埼玉土建の公共施設建設の現場調査に、神田よしゆき市議が同行しました。今回は、建設工事が進んでいる大宮区役所の新庁舎の現場を調査しました。

 大宮区役所新庁舎は、PFI 方式で設計・建設・建物の運営までを一括発注しています。懇談では、アンケートに沿って現場工事が安全におこなれているかを確認。公共工事ですが、市が関わるのは最初の発注段階で、あとは民間ベースで工事などの発注がおこなわれます。工事の進行は公共工事に準じており、現場作業や猛暑の安全確保、建退共の証紙貼付(※)もおこなわれていました。

 一方で、現場で働く労働者に適切な労働条件が確保されているかについては、民間契約を理由に確認できませんでした。神田市議は、「PFI による公共施設建設ではじめて現場調査をおこなったが、PFI という民間主導のやり方では建設工事にかかわる労働者の労働条件確保が難しくなる」と話しました。

 

※建退共制度は、建設業の事業主が建設業退職金共済事業本部(建退共)と退職金共済契約を結び、建設現場で働く労働者を被共済者として、その労働者が働いた日数に応じ共済証紙を手帳に貼り、その労働者が働くことをやめた際、労働者に直接退職金を支払うしくみ

進んだ自治体のとりくみに学ぶ 教育・子育て支援を視察

名古屋市より説明を受ける党市議団

 7 月24 日~ 25 日、党市議団は名古屋市と滋賀県へ会派視察をおこないました。名古屋市では民間学童保育の指導員の処遇改善について、滋賀県では「学校における働き方改革」および少人数学級のとりくみについて視察しました。

 

 国庫補助を満額活用 学童保育指導員「安心して働ける」

 名古屋市は、保護者が中心となった「留守家庭児童育成会」が169 カ所で学童保育を運営し、児童数は5797 人です。「育成会」への運営費助成は補助事業です。国庫補助は運営費(基本分)、指導員の処遇改善費を満額活用し、あわせて市単独助成をしています。

 1 施設あたりの処遇改善の国庫補助3 メニューのうち、「賃金改善」を申請しているのは87 カ所(年額157 万5000 円)、「常
勤職員配置」を申請しているのは57 カ所(年額301 万2000 円)です。「キャリアアップ処遇改善(経験年数による加算)」も併用され、国庫補助をすべて活用しています。名古屋市
の負担額は3 分の1 で、2018 年度予算で約1 億3900 万円です。補助金は、年4 回に分けて交付されています。担当課は「支援
員の人件費が改善され、安心して働けると現場から声が上がっている」と話しています。

 戸島よし子市議は「さいたま市は、4 月からキャリアアップ処遇改善のみ活用で、市の負担額は1780 万円。しかも補助金交付は年度末のみ。視察の成果を生かし、改善と国庫補助の満額活用を進めたい」と述べました。

少人数学級で きめ細かな教育にとりくむ

 滋賀県は国に先駆けて、2003 年から小学校1 年生と中学校1 年生で少人数学級を導入しました。その後、県独自に教員を加配して対象学年を段階的に広げ、2015 年度から小・中学校の全学年で35 人以下学級を導入しています(少人数指導の選択も可能)。また、クラスの人数が20 人以下になる場合は少人数学級を不可とする「下限設定」も、見直しが進められています。

 滋賀県教育委員会事務局の説明では、2011 年に大津市の中学生がいじめで自殺する事件が起きたことが、少人数学級を独自に実施する大きなきっかけになったとのことでした。子どもたちへのきめ細かな対応と、子どもと正面から向きあえる教育環境の整備が目的です。その後、滋賀県内で32 人以下学級を実施する自治体もでてきています。「学年が変わっても35 人学級が継続されるので安心」(保護者)、「ていねいに勉強を教えて
もらえる」(子ども)、「子どもと向き合う時間が多くとれる」(教員)といった声が寄せられていることが紹介されました。

 党市議団は、これまで市民と共同してさいたま市独自の少人数学級実施を求めてきましたが、今回の視察の成果を力に、引き続き少人数学級の実現にとりくみます。

安心・安全のまちづくりを 南区くらし応援室に要請

懇談に同席するもりや千津子市議(奥の席、右から6人目)

 7 月23 日、南区の住民のみなさんと、もりや千津子市議が「安心、安全のまちづくりへの要望」を南区くらし応援室に届けました。この要請活動は、党市議団の市民アンケートに寄せられた要望にもとづきおこなわれました。

 要望の内容は、街灯の設置や歩行者が危険な道路への信号機の設置、道路や歩道の改修、カーブミラーの設置、側溝のふたかけ、競馬場敷地周辺の草刈りなど20 項目以上にわたりました。事前に地域のみなさんと現地の調査をおこない、写真や地図などを示しながら要望しました。

 くらし応援室は対応を進め、ロッテ工場付近の道路に街灯が設置されました。また、南部建設事務所や区画整理協会とも連携を図り、側溝のふたかけや道路の改修などの計画が具体化しました。今後、信号機の設置などについては、浦和警察署に要望を届ける予定です。

道徳教科書採択 現場や市民の声を大切にして

要請をおこなう市民のみなさん

 7 月17 日、市教育委員会に対して、2 つの市民団体が「中学校道徳教科書採択に関する申し入れ」をおこない、党市議団からは山崎あきら、とりうみ敏行、神田よしゆき、もりや千津子の各市議が参加しました。

 

 申し入れでは、中学校道徳教科書の採択にあたり、市教育委員会に

①中学校の先生からの要望を充分に尊重して採択すること

②採択理由が多くの市民に分かるように討議を進めること、

が5400 筆を超える署名を添えて要望されました。

 

 また、市民団体から、「日本教科書」「廣済堂あかつき」「教育出版」は、特定の価値観を押し付けたり、生徒に自己評価をさせて内心に踏み込むなどの問題が指摘されているので、採択しないよう要望がありました。20 名を超える参加者で申し入れをおこないましたが、市教育員会は教育長を交えての懇談には応じず、会場も用意されていませんでした。

 

 参加者からは「市教育委員会は現場の意見を取り入れ、真剣な議論を重ねてほしい」など、たくさんの要望があげられました。

アスベスト、振動など 対策求める 緑区 教育センター跡地解体へ

懇談で発言する松村市議

 緑区三室の県立総合教育センター跡地の建物解体にあたり、7 月10 日に「教育センター跡地を考える会」が埼玉県にアスベストや振動への対策や周辺住民への説明をしっかりおこなうよう要望しました。

 今年度、同跡地の建物解体設計予算がついたことで、来年度にも解体がはじまる可能性があります。会はアスベスト飛散や、解体時等の振動への不安にこたえることや、周辺住民へのていねいな説明を求めました。県の担当者は「法令に則って解体する」「説明会の形態は未定だが、必要だと考えている」と答えました。また跡地内にさまざまな動物が住み着いていることから、市と協力して解体前に対策をとることも要望しました。

 同席した松村としお市議は「市にも県と協力して住民の不安にこたえるよう求めたい」と話しています。

ページトップへ