政策と活動

学習会・講演会

浦和工業高校と大宮工業高校が統合?

交流会に参加するとば市議(左から2人目)

 埼玉県教育委員会は、老朽化や少子化による希望者の減少を理由に、2029年をめどに134ある県立高校を121~124に削減する計画を進めており、すでに第1期として児玉高校を児玉白楊高校に統合、飯能南高校を飯能高校に統合し、来春新校が開校します。

 7月14日には「魅力ある県立高校づくり第2期実施方策(案)」として12校を6校に再編整備すると発表し、本市では浦和工業高校と大宮工業高校の統合が発表されました。しかし、「魅力ある県立高校づくり」とは、県立高校を減らさないと実現できないのでしょうか。

 8月12日、日本共産党埼玉県議団が、広く県民を対象にして「県立高校統廃合問題交流会」を開催し、党市議団からとばめぐみ市議が出席しました。

 とば市議は「県は『学びの改革』と称して『産業構造の変化や激しい競争時代を生き抜くための学力の育成』『習熟度別指導や少人数指導、個別指導』をうたっている。少人数指導、個別指導というのであれば、1学級40人の学級編成を見直し、教職員を増やし、いきとどいた教育を実現してこそ、生徒が主役の魅力ある県立高校をつくることにつながる。市議会でもとりあげていきたい」と話しました。

シリーズ男女共同参画社会 vol.3 選挙結果から見るジェンダーギャップ

 さいたま市議会女性の活躍を推進する議員連絡会が開催した学習会の内容をお伝えする「シリーズ男女共同参画社会」、3回目は、政治分野における男女共同参画について、とばめぐみ市議の報告です。

 

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 参議院選挙が終わりました。2018年に「政治分野における男女共同参画推進法」(男女の候補者数をできるだけ等しくするよう政党に求める法)が施行後、2度目の参議院選挙でしたが、女性の当選者は35人(選挙区21人、比例代表14人)、当選者に占める比率は28%で、これはいずれも過去最高でした(非改選を合わせた新勢力では64人、25.8%)。

 一方で、世界経済フォーラム(WEF)が7月13日に発表した「ジェンダーギャップ指数2022」で日本は146カ国中116位。今回もG7(主要7カ国)で最下位、特に政治分野では139位と著しい遅れです。

 

 

意思決定の場に女性を増やせ

 

 

 世界に目を向けてみると、諸外国の国会議員に占める割合は、30年間で大幅に上昇しました。1988年、ノルウェーが世界ではじめてクオーター制を導入し、アイスランドも2010年に導入しました。

 フランスでは、2000年にパリテ法が制定されました。1997年にはフランス国民議会における女性議員の割合が10.9%と低く、現在の日本の状況と似ていましたが、パリテ法によって、政党に男女50%ずつ候補者を擁立するよう義務づけられました。

 また、オーストラリアでは、1994年に労働党が女性候補者の割合を35%にするクオーター制を取り入れ、2025年までに全体の女性候補者の比率を50%にすることを目指しています。

 

2025年までに35%?

 

 日本では、国会でも地方議会でも女性議員の割合は14%程度、さいたま市議会全体では20%(60人中12人)ですが、党市議団は7人中3人(43%)が女性です。

 政府は、第5次男女共同参画基本計画で、2025年までに衆参両院の選挙で女性候補者の比率を35%まで引き上げる目標を掲げています。しかし、2021年に内閣府が行った調査では、女性が立候補を断念した理由として「地元で生活するうえでプライバシーが確保されない」「通称(旧姓を含む)の使用ができず手続きが煩雑」「家事や育児との両立が難しい」「供託金が高い」などがあげられており、これらの課題についてあと数年で解決するめどはたっていないのが現状です。

 やはり政府の目標があまりにも遅れています。女性就業者の半分は非正規雇用、非正規雇用の7割は女性、男女の賃金格差が年間平均240万円という現実、家事や育児や介護等を女性が担っている割合が高いことなどが大きな壁となっている今、この壁を崩していくためにも女性の政治家が増えることが必要です。政党の努力義務にとどめず、政治の責任で意思決定の場に女性を増やすため、市民と共に実現を求めていきます。

見沼区宮ケ谷塔の自然を守れ

戦後すぐの航空写真(宮ケ谷塔・深作・小深作と深作沼)が示される

 5月22日、「食肉卸売市場・と畜場」と「道の駅」の建設予定地である見沼区宮ケ谷塔はどんな地域なのか、「宮ケ谷塔開発を考える会」が2度目の学習会を開催し、とばめぐみ市議が参加しました。

 埋蔵文化財研究者の小川岳人氏は「食肉卸売市場・と畜場」となる9万㎡の水田の下には江戸時代に作られた「ホッツケ(掘り付け)」と呼ばれる、沼や湖を新田開発する独特の水田形態が埋もれていることを紹介し、「この開発で水田が失われれば、水田と屋敷林が織り成す原風景はさいたま市から完全に喪失する」と述べました。芝浦工大名誉教授佐々木明男氏は、宮ケ谷塔に生息する絶滅危惧種・準絶滅危惧種の動植物を紹介し、この広大な水田と屋敷林で見事な生態系の循環が繰り返されていることを示しました。

 とば市議は「景観や環境を無視した開発行為が、気候危機を促進し、新型の感染症をうみ出してきた。開発にあたっては地元住民の暮らしと自然環境保全への配慮が欠かせない。議会でとりあげたい」と述べました。

義務教育学校 武蔵浦和学園計画は撤回を

講演する山本由美さん(和光大学教授)

 5月15日、さいたま市文化センターにおいて、義務教育学校武蔵浦和学園を考える連絡会が主催する「学習と交流のつどい」が行われ、党市議団から金子あきよ市議が参加しました。

 

 南区で建設が計画されている義務教育学校武蔵浦和学園は、ますます深刻化する武蔵浦和駅周辺地域の学校不足の「解決策」としてさいたま市が推進しようとしているものです。はじめに金子市議が「3つの校舎に3600人の子どもをつめこむ小中一貫校、全体を5つのユニットに分けるという構想の問題点、また地域住民に対する説明と合意が不十分だということで議会でも批判があがっている」と報告しました。

 

 その後、講演した山本由美さん(和光大学教授)は、全国で政策的に進められている義務教育学校のなかでも、さいたま市の計画は「教育学的にはあり得ない」「今まで見たなかでもっとも現実味がない内容だ」と述べました。沼影校舎に2000人が集中する登下校、破綻が明らかになっているユニット制、教員の超過負担など想定される問題点を具体的に指摘しながら、「廃止される学校の児童生徒や保護者など、当事者を中心に声をあげて運動化していく必要がある」と提起しました。

 

 金子市議は「今日の学習で明らかになった問題点について引き続き議会のなかで明らかにしながら、計画を撤回させるため、住民のみなさんと力をあわせたい」と話しました。

【シリーズ 男女共同参画社会】どうする?日本のジェンダーギャップ

 4月13日、参議院本会議で「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律案」が採決され、日本共産党を含む賛成多数で可決、衆議院に送付されました。

 この法律案の政策的な課題を学ぶために、5月11日、さいたま市議会女性の活躍を推進する議員連絡会は、2020(令和2)年12月に閣議決定された「第5次男女共同参画基本計画」についての学習会を開き、金子あきよ、とばめぐみの両市議が出席しました。今後、市議団ニュースでシリーズで連載していきます。

 

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 「第5次男女共同参画基本計画」は、男女共同参画社会基本法に基づき、施策の総合的計画的推進を図るため、2030(令和12)年度末までの「基本認識」と、2025(令和7)年度末までを見通した基本的方向と具体的なとりくみを定めるものです。

 学習会の講師は大部沙絵子氏(内閣府男女共同参画局総務課課長補佐)。日本のジェンダーギャップをあらゆる角度からデータで示した資料で現実を明らかにし、計画の特徴や地方議員の役割を示しました。

 計画は、政策・方針決定過程への女性の参画拡大、雇用分野・仕事と生活の調和、教育・メディア等を通じた意識改革、理解の促進など11の分野で男女共同参画社会の実現に向けたとりくみをより一層加速させることを求めています。政府が「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも 30%程度となるよう期待する」と目標を掲げたのは、2003年のことですが、ほど遠い現状が明らかになりました。 (続く)

 

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