政策と活動

待機児童は11人 でも利用保留児童は1499人

 4 月23 日、さいたま市の認可保育所等利用待機児童の状況が記者発表されました。昨年度は5 月11 日、2019 年度は5 月15 日に発表されており、今年度は相当早いタイミングでの発表です。

 

 市の発表によると待機児童数は11 人となっており、「待機児童ゼロ」を掲げた市長の公約は実現できませんでした。同時に、「待機児童」にはカウントされない「利用保留児童」が1499 人います。利用保留児童とは、転園希望を含む新規利用申込者数(9972 人)から、入所承諾者(8042 人)と、転園がかなわず元の施設を継続利用する方(431 人)をのぞいた人数です。市は、不承諾となったためにナーサリールームや幼稚園の預かり保育、企業主導型保育施設に通う子どもや、育休を延長した方などを利用保留児童からのぞき、最終的に待機児童を11 人と算出しています。

 

 とくに南区や浦和区などは園庭のない駅前保育所が増加しており、公園に行かないと動きのある遊びができない、幹線道路など大きな道路を渡らないと公園に行けないなど弊害も出ています。子どもの成長発達の観点から、単なる数合わせだけではなく保育の質も担保された保育所の増設が求められています。

過密状態はもう限界 大宮北特別支援学校を視察

授業を見学する(左から)金子あきよ市議と久保みき市議

 4 月21 日、久保みき市議と金子あきよ市議が大宮北特別支援学校を視察しました。校長先生、PTA 正・副会長と懇談し、校内の見学をさせていただきました。

 

 大宮北特別支援学校は、1987 年、100~ 150 人規模の学校としてさいたま市西区大字中釘(当時は大宮市)に開校しました。2010 年に児童生徒数は176 人で過密状態となり、それ以後も毎年増え続け、今年度はついに318 人となりました。今後も増え続ける見込みです。

 

 教室不足は深刻で、特別支援学校にとっては大変重要な特別教室も次々と普通教室に転用されました。なかでも1階にあった子どもたちの大好きなプレイルームがつぶされたのは、保護者にとっても衝撃的なことでした。プレイルームがないのは県内でもめずらしいとのことでした。また、本来なら小学部棟、中学部棟、高等部棟とフロアを分けるべきですが、高等部と小学部の教室を隣にせざるを得ない状況で、安全面でも不安が生じています。トイレも同じフロアのトイレを使用することになり、小学部の生徒の介助のために異性の教員がトイレに入るため、高等部の生徒の人権が守れない状況となっています。

 

(上)普通教室が足りず調理実習室が自立活動室と職員更衣室と物置になっている

(下)高等部と小学部が同じフロアのため、高等部の生徒も使う男子トイレに女性教員が支援のために入ることが通知してある

 

 視察した久保市議は「どれだけマンパワーがあってもこの状況では満足な教育がおこなえない。早急に、あらたな学校設置が求められている」と語りました。

マンション建設にともなう保育施設併設の制度強化へ

大規模マンション建設にともなう保育所設置について質問するたけこし連市議(2020年12月議会)

 さいたま市では、駅周辺の再開発により武蔵浦和駅、大宮駅、さいたま新都心駅周辺などで大規模なマンションが立て続けに建設されています。これらはファミリー層をターゲットとしたマンションが多く、周辺の保育所不足が深刻化しており保護者は大きな不安を抱えています。

 

 市はこれまで「さいたま市大規模共同住宅の建築等における子育て施設の設置に関する要綱」にもとづき計画戸数300 戸以上のマンションが建設される際に、保育所の併設等を求める事前協議を事業者と実施してきました。このたび同要綱が改正され、4 月1 日からこの制度が強化されます。事前協議の強化により計画戸数100 戸以上のマンション等が協議対象となります。また、マンションに保育施設や園庭などのスペースを確保した場合、総合設計制度(※)を活用した容積率の割増しの措置をおこないます。

 

 昨年12 月議会の一般質問でたけこし連市議は、さいたま新都心駅周辺に建設されたマンション「SHINTO CITY」(総戸数1411 戸)にともなう保育需要の高まりに対する市の対応について質問。市はSHINTO CITY と協議しましたが保育施設設置に至りませんでした。たけこし市議が「保育所の設置義務などマンション事業者への規制を強化すべき」と求めたのに対し、市は「事前協議や協力要請の実効性を高める方策を検討していきたい」と答弁していました。

 

※ 敷地内に一般歩行者等が自由に通行や利用できるスペースを設けることによって、よりよい市街地環境の整備改善に資すると認められた場合に、容積率の制限を緩和する制度。

 

■さいたま市ホームページより

(令和3年1月29日記者発表)マンション等を建設する際に保育施設等の整備を促進します

https://www.city.saitama.jp/006/014/008/003/009/010/p078575.html

生理用品を無償配布しています

 新型コロナウイルス感染症の影響により生理用品が買えずに困っている市民のため、また国内外で「生理の貧困」として関心が高まっていることを鑑み、市として生理用品の無償配布を行っています。ぜひご利用ください。また、まわりの方にもお知らせください。

※ なお、保健センターでは健康に関する相談を、福祉課では生活困窮に関する相談を受け付けています。ためらわずにご相談を!

 

配布対象: 本人の申し出により経済的に困窮している市民

配布時期: 4 月5 日(月)~ 4 月30 日(金)8:30 ~ 17:15

配布場所: 各区役所福祉課及び保健センター

配布数: 生理用ナプキン(各区役所100パック・原則ひと家庭1 パック)

配布方法: 予約は不要。お名前やご住所も聞きません。本人証明等の提示も不要です。

● 生理用品が必要であることを声に出さなくても、窓口に置かれたカードを指さしすれば受けとれます。

【九条俳句裁判】市民検証委員会が報告書 判決生かすことを求める

「九条俳句不掲載事件市民検証委員会」による報告書完成のつどいの様子

 4 月3 日、浦和区で「九条俳句不掲載事件市民検証委員会」による報告書完成のつどいが開かれ、松村としお市議が参加しました。

 

梅雨空に「九条守れ」の女性デモ

 

 三橋公民館「公民館だより」に句会が選ぶ俳句が掲載されてきたのに、公民館がこの「九条俳句」を不掲載とした事件が2014 年6 月に起きました。作者は掲載を求めましたが市教育委員会は拒否し、市長も市教委の判断を追認。作者は2015 年に裁判を起こし、さいたま地裁・東京高裁で連続勝訴しました。市教育委員会はあろうことか最高裁に上告しましたが2018 年12 月に棄却され、「思想信条を理由に不公正な取り扱いをして人格権を侵害した」と賠償金を命じる判決が確定しました。その後さいたま市長・教育長ともに謝罪し、九条俳句は公民館だよりに掲載されました。

 

 検証委員会は、事件が起きた原因や、判決が行政に生かされているかを公民館、教育委員会等の資料に基づいて検証し、報告書にまとめました。つどいでは安藤聡彦・埼玉大学教授が「市に第3 者委員会の設置・検証を求めたが拒まれた。検証のため情報公開を求めたが肝心なところを出さない」と市の態度を厳しく批判しました。共同代表の佐藤一子・東京大学名誉教授は「市に反省を求めるだけでなく、市民と協働の公民館運営にとりくむことが生き生きとした公民館活動につながる」と市民参加の重要性も強調しました。

 

 松村市議は「私たちはこの裁判で一貫して作者の立場に寄り添ってきた。検証委員会の報告書を生かすよう教育委員会や市長に求めていきたい」と話しました。

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