政策と活動

建設労働者の賃金・労働条件の改善を 埼玉土建と市が懇談

 11 月22 日、埼玉土建3 支部(さいたま南・さいたま北・岩槻蓮田支部)が市と懇談をおこない、党市議団より山崎あきら、とりうみ敏行、大木学の各市議が同席しました。

 

 要望項目は、「地域建設業の振興のために」として

(1)地元業者を優先して地域建設業者の育成をはかる

(2)公共工事に従事する建設労働者の賃金、労働条件の改善

(3)自治体による建設産業後継者育成への支援と、

 

「住民要求について」として

(1)耐震対策の推進、

(2)住民の住宅要求を実現し、地域経済も活性化するリフォーム制度の実現、

(3)アスベスト対策があげられました。

 

 参加者からは「建設設計労務単価における賃金単価が安すぎて、若い世代が入職できない」「市は責任をもって、公共工事に従事する建設労働者の実態を調査してほしい」など切実な要望が述べられ、公契約条例の制定や市と埼玉土建との災害協定を締結すること等、具体的な政策提案がおこなわれました。

市立美園南中の工事現場を調査

美園南中の昇降口

 さいたま市立美園南中学校(緑区)は、来年4 月の開校に向けて校舎や体育館の建設が進められています。しかし、校舎の建築を請け負った共同企業体(3 社で構成)の代表企業エム・テックが10 月に倒産、工事が進んでいない状態です。11 月20 日、工事の進捗状況を確認するため、各会派の代表が現地調査をおこないました。党市議団から神田よしゆき、大木学の両市議が参加しました。

 

 校舎の躯体は、3 階の約3 分の1 と通路部分を覆う大屋根は着手されていません。工事は継続されますが、開校が4 月に間に合わなくなりました。

 

 さいたま市の教育委員会は、校舎建設の遅れのため、周辺の学校の校舎を借りて授業をスタートさせることを計画しています。工期は7 月までのび、新校舎の開校は2 学期からになる見通しです。通学や部活動の実施などさまざまな検討課題があります。子ども・保護者へのていねいな説明や、教育活動にできるだけ影響が出ないよう、美園南中の教員・生徒への支援等が市教育委員会に求められています。

 

 残りの工事は、共同企業体の2 社がおこなうことで合意しましたが、請け負った企業、それも代表企業が倒産するのははじめてのケースです。追加などの工事はすべて市が負うのか、どこまで事業者の責任を問うことができるのかは、今後の議会の焦点の1 つです。

30人学級実現は市民の願い 1 万3165 筆の請願署名を提出

署名提出に立ち会う大木(左)、とりうみ(右から4人目)、山崎(その隣)の各市議

 11 月19 日、「30 人学級を実現するさいたま市民の会」のみなさんが、12 月議会に向けて「ゆきとどいた教育をすすめるための30 人学級実施を求める請願書」を1 万3165 筆の署名をそえて市議会に提出しました。党市議団が紹介議員になり、請願提出には山崎あきら、とりうみ敏行、大木学の各市議が同席しました。

 

 同会は「さいたま市独自で、30 人学級を実現すること」を求めて15 年以上署名活動を続け、署名数の累計は50 万筆近くにのぼります。

 

 さいたま市は、1 クラスの児童・生徒数が35 人を超える学級の割合が政令市平均を大きく上回っており、小学校1・2 年生で各20 人で2 クラスだった学年が、3 年生時に40 人で1 クラスになる状況も生まれています。そのため今回の請願では、「当面、小学校3 年生と中学校3 年生で35 人学級を実施すること」と「『学級人数急増クラス』の生じた学校には緊急に加配措置をとること」をあわせて求めています。党市議団は請願採択に全力をあげます。

高すぎる水道料金 引き下げて! 請願署名1万7950筆を提出

署名提出に立ち会うとりうみ(右から2人目)、大木(その隣)の両市議

 11 月20 日、市民要求実現さいたま総行動実行委員会(委員長:前島英男氏)が、12 月議会に向けて、「さいたま市の高すぎる水道料金引き下げを求める請願」を1 万7950 筆の署名をそえて市議会に提出しました。党市議団が紹介議員になり、請願提出にはとりうみ敏行、大木学の各市議が同席しました。

 

 水道は子どもから高齢者まで生活になくてはならないものであり、自治体が責任をもって供給し、しかもできるだけ安価で提供されなければなりません。ところが、さいたま市の一般家庭の水道料金(口径20 ミリ・20㎥・消費税込み)は、年間4 万1208 円に上り、20 政令市のなかでも3 番目(新聞報道)に高く、近隣他市との比較でも横浜市より9384 円、川口市より7908 円、川越市より1 万4256 円も重い負担となっています。

 

 さいたま市の水道料金は、市の財政から切り離されて独立採算制(公営企業法)で運営されており、一般会計からの繰り入れがなく、すべて市民の水道利用料金で賄われています。そのなかで、毎年60 億円前後の黒字となっており、2017 年度決算では58 億円の黒字です。このような経過をたどって、累積している資金剰余金は94 億円にのぼっています。

 

 党市議団がおこなった市民アンケートの回答では、「税金や公共料金の引き下げ」が、市に対する要望の第1位を占めており、これまでも繰り返し議会質問で取り上げてきました。引き続き請願採択と水道料金引き下げに向けて全力でとりくむ決意です。

「さいたま市の教育の未来を考えるシンポジウム」を開催

 党市議団は11 月17 日、「さいたま市の教育の未来を考えるシンポジウム」を開催しました。

 

 パネリストとして、千葉大学名誉教授の長澤成次さん、「より良い教科書を求めるさいたま市民の会」の芳賀和夫さん、党市議団のもりや千津子市議が発言しました。

 

 長澤さんは、「九条俳句訴訟と公民館の自由」をテーマに、公民館について「社会教育の場として、憲法や教育基本法、社会教育法に基づいて、憲法学習も含めて、さまざまな政治的な教養に関わる大人の学ぶ権利・自由が保障されなければならない」と説明しました。そのうえで、地方自治体は公民館に対し不当に統制的支配や干渉を加えてはならないとされているとして、「さいたま市は住民の思想信条の自由を尊重して2 つの判決を受け止め司法判断を遵守すべき。公民館活動をより良くしていくために、市民と職員の共同の努力が求められる」と述べました。

 

 芳賀さんは、「道徳教科書問題から考える」をテーマに、今年の中学校道徳教科書採択で市民運動と党市議団の議会論戦で子どもたちの自由な活動を尊重する教科書が採択されたことを報告。芳賀さんは、「本来、教育委員会制度は首長から独立した行政委員会だったが、2016 年から教育長が教育委員長を兼任し、それを首長が任命するという制度改悪がおこなわれた。来年度は新学習指導要領に基づき、道徳を含む小学校教科書採択がおこなわれる。市民と学校が手をつないで、教育問題に関わっていかないと今後も大きな問題が出てくる。いっしょにがんばりましょう」と呼びかけました。

 

 もりや市議は、「さいたま市はグローバルスタディや大宮国際中等教育学校などの競争と格差を広げる教育には積極的だが、教育環境整備にはかたくなにとりくもうとしない」と指摘しました。そのうえで「過大規模校が深刻で、教員1 人当たりと1 学級当たりの生徒数が政令市でいちばん多い。そのことによって特別支援学級の全校設置や少人数学級にもふみ出せないでいる。市の予算の7 ~ 8%しか教育に使われない現状をせめて1 割まで引き上げたい。党市議団は市民運動に学び励まされている。引き続きがんばりたい」と述べました。

 

 コーディネーターをつとめた新日本婦人の会埼玉県本部副会長で元教員の高田美恵子さんは、「子どもは長い時間をかけて成長していくのに、いまの行政や学校は、短いスパンでのとりくみに終始していると感じた。本来、市民や子どもを見ておこなうべき教育が、上ばかりを見てものが言えない、忖度している現状は怖いことだ。みなさんで住みやすい社会をいっしょにつくっていきましょう」と呼びかけました。

 

【参加者の感想】

*パネリストだけでなく参加者の発言もあり、社会教育、教育委員会のあり方、教員の働き方、障害児教育、不登校など多岐にわたるいい集会だった。年に一度は意見交換し、みんなで教育のことを考えていく時間を大切にしてほしい。

 

*私は旧教育基本法第1 号生。教育を人権としてとらえなくてはいけない重要なシンポジウムになった。

 

*教育の諸問題を出し合い、語り合うことはよくあるが、その解決には政治改革が必要になるので、今回のシンポジウムのような催しを大切にしたい。

 

*安倍政権は、学校教育、家庭教育、社会教育の3 領域を大きな戦略としているだけに、市議団と市民が教育のことで学び合う機会をまたもっていただきたい。

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