政策と活動

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【高齢者が安心できる介護保険制度を②】介護度の認定に53日もかかるの?

委員会で質疑する戸島市議

 介護保険を利用するためには、介護度の認定が必要です。ところが認定が出るまでの日数が市平均で53日もかかっています。この現状に対し3月の予算委員会で戸島よし子市議が改善を求めました。

 

申請から介護認定までの平均日数

 

 さいたま市の介護認定者の数は、平成22年度で3万5494人、26年度では4万4053人と9000人増えています。介護認定の申請書類を提出してから介護認定決定が届くまでの日数は、市平均で35.10日。各行政区の状況は表のとおりです。もっとも待機日数が長いのは緑区の59.51日で、およそ2カ月も待たされていることになります。

 原因は、申請数が増えているのに、調査票のチェックや主治医に意見書を提出してもらうこと、審査会の開催回数など、認定に必要な手続きのための体制が不十分であるためです。このことを市も認めています。今後、さらに申請数が増え、認定までの待機日数が延びることが懸念されます。戸島市議は、ケアマネージャーの増員や主治医の指定、審査会の開催日数を増やすなどの体制強化を市に求めました。

 また、認知症や独居高齢者の見守り、生活支援などをおこなう地域のネットワークの中心的役割を担う地域包括支援センターは、現在27事業者が市から委託を受けて運営されています。浦和区は地域支援センター1カ所当たりの高齢者人口は平均7750人。緑区は1万2149人と、行政区ごとに設置数に差があります。

地域格差を是正して、高齢者のきめ細やかな支援が確保されるよう地域支援センターの増設が必要です。

【高齢者が安心できる介護保険制度を①】要支援1・2のヘルパー・デイサービスはどうなるの?

保健福祉委員会で質疑する戸島よし子市議

 介護保険制度の変更により、要支援1・2の人のヘルパーとデイサービスが介護保険から外され、さいたま市地域支援事業に移行されます。市民から介護サービスを低下させないよう求める請願が提出され、保健福祉委員会で戸島よし子、もりや千津子市議が質疑しました。そのなかで明らかになったことをお知らせします。 

 さいたま市の要支援1・2の人は平成29年度では1万2883人になると見込まれます。介護事業所によるヘルパー・デイサービスの専門的サービスは、必要と認められた人だけになり、それ以外の人は、NPO、住民ボランティア、シルバー人材センターなどの多様なサービスに移行することになります。これらの施設では、職員は無資格者でもよいとされる基準緩和が盛り込まれるため、介護の質の低下が懸念されています。

 どのサービスが受けられるかは、地域包括支援センターの「ケアマネジメント」によって判定されます。市は議会での質疑で「判定にあたっては本人の意思は尊重する」と答えています。要支援1・2の人は、ご自分の意志をはっきりと伝えましょう。

 市はこれまでに関連担当課長級のプロジェクトチームで検討を進め、要支援1・2の人へのアンケートを実施してきました。今後のスケジュールの見通しについては、「アンケートの集計結果をまとめ、基準づくりを進める。素案を示せるのは6月くらい。その後、市民の意見を聞いたうえで今年度半ばに公表する」としています。また、当事者である要支援1・2の人への周知については「市報。ホームページ、あるいは説明会などを実施し、個別に通知する仕組みもつくりたい」としています。

 介護保険制度については、

①年金所得280万円以上の人(控除後所得金額160万円)の介護利用料が2割負担に
②特養ホームの入所対象は原則介護度3以上の人に限定
③特養や老健など施設入所で食費・居住費の負担軽減を受ける人の要件を制限する

などが平成27年度から実施されています。要支援1・2の人のサービスの見直しは、29年度から実施の予定です。介護の質の低下に歯止めをかけ、高齢者が安心できる介護保険制度へ転換させるために声を上げるときです。

浦和区の商店街でアスベスト検出 求められる厳しい市の対応

浦和駅西口にある「ナカギンザセブン通り」

 3月2日、浦和駅西口の商店街「ナカギンザセブン通り」で経年劣化したアスベスト(クロシドライト)が天井から落下しているのが見つかりました。市の検査の結果では、クロシドライトが大気1リットル当たり0.34本検出されました。市が健康面で安全としている基準は1リットルあたり10本未満です。

 クロシドライトは、アスベスト除去工事の際にもっとも厳重な装備を要する危険なアスベストで、比較的危険性の低いものと比較して10倍も危険という意見もあります。

 いつ頃から落下していたかは不明ですが、朝夕の通勤者や商店街の客などが絶えず往来していることから、クロシドライトの危険性の告知や通行禁止など、市の厳しい対応が求められています。

党市議団が大宮盆栽美術館を視察 盆栽を通じて命の大切さを伝える

 党市議団は8 人となり、改めて大宮盆栽美術館の視察をおこないました。

盆栽を地域の産業として支える 

 江戸時代、駒込や千駄木地域には、植木屋が多く集まっていました。植木屋の庭には盆栽や菊人形が飾られていたといわれます。明治以降は、政治家や実業家などから人気を集め、盆栽を専門とする「盆栽園」が登場しました。その後、1923 年の関東大震災で被災した東京の盆栽業者が、盆栽づくりに適した広い土地と新鮮な水を求めて、大宮の地に移住。大宮盆栽村が設立されました。盆栽村には30 を超す盆栽業者があり、「盆栽町」と地名にもなりました。
 現在、盆栽業者は数軒に減少していますが、盆栽の愛好家は、海外にまで広がるなど、根強い人気があります。盆栽を日本の伝統文化として育て支援する構想が旧大宮市時代からあり、県との協議もされていました。

5 億円の盆栽購入が波紋を呼ぶ 

 さいたま市大宮盆栽美術館は、2010 年3月に北区土呂町に開館しましたが、その前段で、2007 年度に、美術館の展示品として盆栽100 点、鉢333 点など合計5 億円におよぶ購入予算が議会に提案されました。
 党市議団は、「自治体が地域の伝統文化を支えていくことには異論はない。伝統文化を
支えるというのであれば、盆栽村の地元の職人さんが手塩にかけた盆栽を展示し、広め、今後の後継者の育成を図るよう援助することではないか。個人コレクションを市民の税金5 億円を投入してまで購入し、展示するのは疑問だ」と反対しました。しかし、盆栽美術館の建設そのものには賛成しています。盆栽村の核としての盆栽美術館の役割と盆栽文化の振興の核となる施設としては必要な施設と判断しました。

盆栽美術館の現状 
 
 昨年度の来園者数は6 万人を超え、開館からの延べ人数は約29 万7000 人です。市民のみならず、県内外や海外からの来園者が増えています。
 また、若い人たちに盆栽を知ってほしい、盆栽に慣れ親しんでほしいという思いから、小学生に向けて「盆栽をつくる」「盆栽を育てる」などのワークショップにもとりくんでいるとのことでした。

党市議団の見解 

 山崎あきら市議は「学芸員さんの『来園されるみなさんに、盆栽を通して命の大切さをお伝えしたい』という言葉が印象的だった」と話しています。
 文化や芸能、芸術分野を発展させることは行政の責任です。2015 年度の予算では1 億1 千万円が計上されていますが、単純に赤字か黒字かという問題だけでは存在価値を測れません。「箱モノだからダメ」「赤字だからダメ」という短絡的な見方ではなく、日本の文化芸能をどう守り、発展させていくかという議論が必要と考えます。 

党市議団の2014年度予算要望に市が回答 特別支援学級整備 2校ずつから20校

 2014年2月5日、党市議団の提出した2014年度予算への要望書に対するさいたま市からの回答を清水はやと市長より受け取りました。

認可保育所の増設を 
 党市議団の「認可保育所を抜本的に増やし、入所を希望する子どもがすべて入所できるようにすること」という要望に対し、市は「平成26年度は定員672人増。27 年度は570人分の新設・増設をおこなう」と回答しました。

特別支援学級の全校配置を早急に 
 党市議団の「毎年2校ずつの整備ではなく早急に全校配置すること」という要望に対し、市は「平成26年度については20校で新増設をすすめる」との回答を寄せました。今までの10倍のペースです。8600万円の予算が計上されました。

南浦和駅のバリアフリー化すすむ 
 長年求めてきた南浦和駅バリアフリー化を求める要望に対し、市は「エレベーターの設置は平成26 年度に西口、27年度に東口の改札のエレベーター設置工事に着手する」と回答しました。

子ども医療費無料制度を守る 
 なお、子育て支援医療費助成事業に関しては現行制度の枠組みで同程度の予算が計上されています。引きつづき、「子ども医療費の無料化を守れ」の声を届けていくことが重要です。また、項目によっては前進しない回答も多いため、引きつづき市議会で実現を求めていきます。

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