政策と活動

被爆者の願いにこたえて 原爆死没者慰霊式

「慰霊のことば」を述べる田中熙巳さん

7 月29 日に第33 回埼玉県原爆死没者慰霊式が浦和区でおこなわれ、久保みき、もりや千津子、松村としおの各市議が参加しました。

 原爆投下から73 年がたち、被爆者も高齢化しています。県内で亡くなった76 人の被爆者が新たに奉納され、原爆死没者名簿は1529 人になりました。県原爆被害者協議会の田中熙巳会長は「慰霊のことば」で、核兵器禁止条約の批准を政府に求めるとともに、憲法9 条を守り、核兵器のない世界に向けてとりくむ決意を話しました。

 党市議団はこれまでも核兵器禁止条約の批准を日本政府に求めるよう市長に求めてきました。引きつづき被爆者のみなさんの願いにこたえ、核廃絶の世論を広げる決意です。

酷暑から市民の命を守れ 緊急に エアコン設置補助を

申し入れをする党市議団

 7 月27 日に西区で生活保護を利用する50 代の女性2 人が市営住宅で亡くなりました。部屋にエアコンはなく、窓が閉め切られていたことから、熱中症が疑われています。また、市内で熱中症によって救急搬送された人数が7 月は589 人になり、昨年同月の274 人から倍以上に増えています。

 こうした事態を受け、党市議団は8 月7日、市民の命を守るためにエアコン設置の補助制度を緊急に創設するなどの対策をとるよう、さいたま市に求めました。

 党市議団が要望項目の1 つは生活保護世帯への支援です。厚生労働省は6 月に、今年度から生活保護を利用しはじめた世帯にはエアコン購入費の支給を認める通知を出しました。このことは一歩前進ですが、今年3 月以前からの生活保護利用世帯は支給対象から除外されているという問題があります。そのため、党市議団は制度の周知徹底をはかることとあわせ、今年3 月以前からの生活保護利用世帯にもエアコン購入費を支給するよう制度改善を政府に要望することを求めました。

 もう1 点の要望項目は、エアコン設置の補助を、①高齢者世帯②障害者のいる世帯③就学前児童のいる世帯におこなう制度を創設することです。東京都荒川区では、「酷暑から命を守る緊急対策」として上記①〜③でエアコン未設置の世帯に5 万円の補助をおこなうことを決めました。予算は1500 万円です。党市議団は、本市においても荒川区のとりくみを参考に、同様の補助を緊急に実施するよう求めました。引きつづき制度の実現に努力します。

公共工事での労働条件確保を 埼玉土建と現場調査

懇談に参加する神田よしゆき市議(右手前)

 7 月26 日、毎年おこなっている埼玉土建の公共施設建設の現場調査に、神田よしゆき市議が同行しました。今回は、建設工事が進んでいる大宮区役所の新庁舎の現場を調査しました。

 大宮区役所新庁舎は、PFI 方式で設計・建設・建物の運営までを一括発注しています。懇談では、アンケートに沿って現場工事が安全におこなれているかを確認。公共工事ですが、市が関わるのは最初の発注段階で、あとは民間ベースで工事などの発注がおこなわれます。工事の進行は公共工事に準じており、現場作業や猛暑の安全確保、建退共の証紙貼付(※)もおこなわれていました。

 一方で、現場で働く労働者に適切な労働条件が確保されているかについては、民間契約を理由に確認できませんでした。神田市議は、「PFI による公共施設建設ではじめて現場調査をおこなったが、PFI という民間主導のやり方では建設工事にかかわる労働者の労働条件確保が難しくなる」と話しました。

 

※建退共制度は、建設業の事業主が建設業退職金共済事業本部(建退共)と退職金共済契約を結び、建設現場で働く労働者を被共済者として、その労働者が働いた日数に応じ共済証紙を手帳に貼り、その労働者が働くことをやめた際、労働者に直接退職金を支払うしくみ

手話言語条例シンポジウムに 参加しました 久保みき市議のレポート

シンポジウムの様子(さいたま市聴覚障害者協会提供)

 7 月26 日、さいたま市文化センターで、「さいたま市手話言語条例(仮称)に関するシンポジウム」が、さいたま市聴覚障害者協会の主催でおこなわれました。党市議団から久保みき市議が参加しました。

 

 はじめに泉房穂さん(明石市長)の基調講演がおこなわれました。明石市は、2015 年に全国ではじめて「明石市手話言語・障害者コミュニケーション条例」を制定しました。これにより、市内の全小学校に手話教室ができ、市職員の手話研修がおこなわれ、手話で市役所に問い合わせができるようになりました。「手話はろう者だけに必要なものではない。聴者がろう者とコミュニケーションをとるときにも必要なものである」という泉さんの言葉に多くの参加者が感動しました。

 その後のシンポジウムでは、埼玉県で2年前に条例制定した経緯などが報告され、「さいたま市も議員立法で手話言語条例の制定を」の声も大きく上がりました。

 最後に私も登壇し、繰り返し議会で手話言語条例の制定を求める質問をしてきたことを述べ、「超党派でなんとしても条例制定を実現したい」と決意を表明しました。

 

名古屋市・ 川崎市を視察 障害者グループホーム 市独自補助の実現を

川崎市から説明を受ける党市議団

 7 月24 〜25 日、党市議団で会派視察をおこないました。調査内容は、「障害者のグループホームの市独自補助について(名古屋市・川崎市)」「学童保育支援員の処遇改善事業について(名古屋市)」「少人数学級の独自のとりくみと学校における働き方改革について(滋賀県)」です。

 ここでは、障害者のグループホーム(世話人などから生活や健康管理面でのサポートを受けながら共同生活を営む住宅)への市独自補助について、久保みき市議が報告します。

 

 名古屋市と川崎市は、2006 年に障害者自立支援法が施行された際に、国の補助(報酬単価)と利用者の利用料だけではグループホームの運営が成り立たないと、市独自の補助を導入しました。

 名古屋市では、グループホームの運営費補助として、世話人(家事をしてくれる人)補助、重度(障害の重い方)加算があります。設置費補助としては、建設費、賃貸物件への敷金礼金、初年度の備品購入、緊急通報設備費、改修工事費に対する補助があります。

 川崎市では、運営費補助として、世話人体制確保、初期加算、夜間体制加算、土日等日中支援、家賃助成、行動障害加算、重度障害加算など、きめ細やかな加算があります。設置費補助は、建設費、改修費、賃貸物件への敷金礼金・仲介手数料に対する補助があります。

 さいたま市にはこのような市独自の補助がありません。市内の運営法人は、大変な苦労をして障害者のグループホームを設立し、その後も運営は赤字、職員は募集しても集まらないなど大変な思いをしています。高齢者の親が障害のある子どもを介護する「老障介護」も深刻な課題になっており、親が亡くなったあとの問題も解決していません。障害者の生活を保障するためにもグループホームはますます必要です。

 党市議団としてこの視察で学んだことを議会活動に活かし、さいたま市も障害者のグループホームへの独自補助が実施されるよう、引きつづき求めていきます。

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