政策と活動

市民の願い 2023年度予算要望に市長が回答

 党市議団が昨年10月に提出した「2023年度市政運営及び予算編成に関する要望書(760項目)」に対するさいたま市の回答書が、1月24日、清水勇人市長から手渡されました。

 

 はじめに市長から、2023年度予算編成の柱とおもな項目について報告があり、予算総額は約1兆1289億円となり、過去最高の予算額となることが明らかにされました。

 

 今回の市長の回答では、とくに民間保育施設(養護施設を含む)に対する光熱費補助を昨年度に続いて実施すること、また、障がい者施設、高齢者施設へ原油価格、光熱費の高騰の影響を調査し、実態を踏まえた運営費補助を行うこと、小学校の特別教室および中学校の体育館へのエアコン設置を早急に行うことなどが示されましたが、党市議団がかねてから予算要望してきた大型再開発を聖域とする予算編成を見直して、税金の使い方を市民のくらし中心に切り替えることについては、「コスト削減に努める」という回答で、あくまでも計画どおりに進める姿勢です。

 

 また、新型コロナ感染症対策や異常な物価高騰に対する予算やジェンダー平等施策に対する予算の拡充などについては特段の説明はありませんでした。特にいま、岸田内閣が「敵基地攻撃能力」の保有など「安保関連3文書」を閣議決定し、大軍拡・大増税をねらうなか、「核兵器禁止条約を国に求めること」については、国際社会が一致することが重要だとして、相変わらず国の動向を注視しながら平和施策を推進するというものにとどまっています。

 

 要望した760項目に対する回答全体の精査はこれからとなりますが、2月1日からは2月議会がはじまり、2023年度当初予算が審議されます。とりうみ敏行市議(団長)は、市の回答を受け、2月議会での予算審査に生かすことを表明しました。

受験生をねらった痴漢加害を防げ! 市に対策強化を求める

 痴漢は、もっとも身近な性暴力の1つであり性犯罪です。本格的な受験シーズンになり、SNS上には「痴漢祭り」「共通テスト当日は痴漢チャンスデー」など、受験生を標的とした痴漢をあおる投稿がたくさん行われています。卑劣な犯罪であるうえに、大事な入試を控えた受験生には通報されないだろうと見越したものでもあり極めて悪質です。

 

 こうした点から、党市議団は1月24日、市交通政策課に申し入れをおこない、受験生に対する痴漢加害撲滅のためのとりくみを求めました。とりうみ敏行、とばめぐみ、松村としお、金子あきよの各市議が参加しました。

 

 申し入れでは、日本共産党として国会でも痴漢や盗撮の加害防止と被害の実態調査など被害者救済の対策強化を求めてきたことを紹介し、市として市内各地を会場として入試がおこなわれるこの時期にあわせて、とりくみを強化することを求めました。JRなど交通事業者に対する要望内容も具体的に提示しました。

 

 金子あきよ市議は、神戸市交通局が市内の地下鉄やバス内にポスターを掲示したこと、昨年6月には関東の交通事業者や埼玉県警を含む警察機関が「痴漢撲滅」のキャンペーンをおこなったことなどの事例を示して、さいたま市からも交通事業者にこの時期のとりくみを求めてほしいと伝えました。申し入れを受けて、交通政策課長は「申し入れの内容を交通事業者に伝える。市の関係する部署とも共有する」と回答しました。

久保みきが行く! さいたま市にあう交通体系を

 

 1月23日、宇都宮駅東口交流拠点施設(ライトキューブ宇都宮)にて全国市議会議長会主催で「2040未来ビジョン出前セミナーin宇都宮」が開催され、参加しました。高齢者人口が最大となる2040年頃を見すえた対応が地方自治体には求められています。このセミナーは、さまざまな見解を冷静に吟味しつつ、必要な知識、見識、教養を深め、諸課題への対応に備えることが目的です。

 

 森本章倫氏(早稲田大学理工学術院教授)が講師で、「都市のコンパクト化と地域公共交通の再構築」をテーマにお話を聞きました。

 

 講演のなかで「公共交通を考えたとき、人が待てる時間は15分」という指摘があり、印象に残りました。さいたま市のコミュニティバスは60分に1本の運行(桜区は70分に1本)なので、利用者が少ないのはもっともだし、もっと本数を増やすべきだと感じました。

 

 これから迎える少子高齢社会には、コンパクトな都市づくりが重要で、人びとが自然に集まるような魅力的なまちづくりにとりくむ必要があるとのことでした。また「交通においては、幹線系の交通としてLRTが定時性に優れているという点でも、もっともいい乗り物で、補完交通としてデマンド交通や次世代自動車のモビリティや自動運転自家用車が普及するだろう」とのお話でした。しかし、LRTの運行には、広い道路が必要です。土地のあるところにLRTを通してあらたに魅力的なまちをつくるとなると、どれだけの時間と費用がかかるのか…気が遠くなりそうです。そのため、さいたま市にあった交通体系を市議会でも提案していきたいと思いました。

医療機構の積立金医療のために JCHO労組と懇談

さいたま市内にはJCHO(独立行政法人地域医療機能推進機構)の病院が北部医療センター(北区)と埼玉メディカルセンター(浦和区)の2カ所あります。いずれも公的病院としてコロナ禍のなかで市民の命と健康を守る大きな役割を果たしてきました。党市議団はこの2つの病院の労働組合と1月10日に懇談するとともに、申し入れ書「政府・財務省・厚生労働省等による『積立金前倒し国庫納付』に反対です。前倒し国庫納付するための機構法『改正』をしないよう政府に要請してください」を受け取りました。

 

 看護師の組合員は「第8波は高齢者施設からの入院が多い。認知症や身体機能が衰えているなど、介護が必要な患者に防護服を着ながら治療と看護をするのは大変な負担。看護師も次々と辞めて補充がたいへん。新しく来た人もすぐに同じ仕事ができるわけではない。にもかかわらずボーナスが減って心が折れそうななか必死に耐えている」と厳しい医療現場の実態をうったえました。

 

 ところが政府は公立・公的病院が施設整備や医療機器の購入等、医療体制の整備・充実に使う積立金を「防衛費」の財源として法改正までして国庫納入させようとしています。懇談した労働組合員は「医療機関が積み立てたお金を別の目的に使うのは問題だ」と憤っていました。党市議団への申し入れ書では「この積立金を使って、人手の拡充・賃金労働条件の改善、…耐震構造上問題のある病院などを急いで新築し、感染症対策等の拡充等を行なおうとしていました。積立金の国庫納付を行なえば、これらの実行が困難となるのです」と訴えています。コロナ禍を通じて公的医療機関が果たした役割は大きいものの、積立金の国庫納付を強行すれば運営に支障をきたしかねません。

 

 懇談した松村としお市議は「市内2つのJCHO病院は市民の命と健康を守る大事な役割を果たしている。積立金の使い道として間違っていることはもとより、医療体制をあやうくする国庫納付はするべきではない」と話しました。

ひまわり学園の保護者と懇談 年長児の単独通園の拡充を

 1月7日、とばめぐみ市議が総合療育センターひまわり学園肢体不自由児通所施設「つぼみ」に通う、年少児から年長児までのお子さんをもつ6人の保護者のみなさんとオンラインで懇談しました。

 

 本市には市直営の「ひまわり学園」と指定管理者が運営する「さくらそう」という、ふたつの療育センターがありますが、親子分離日数や療育日数が大きく違います。基本的にひまわり学園は親子通園、さくらそうは単独通園となっています。療育日数もひまわり学園の方が少ないため、党市議団が議会で何度も求め、年長児の通園日数を週4日から週5日に、そのうち親子分離通園日数を週2日から週2.5日へと、やっと拡充することができました。

 

 「就学に向けて、年長児は単独通園させたい」というのがひまわり学園に通う保護者の強い願いですが、まだまだ不十分です。ほかにも「通園バスに乗せてほしい」「きょうだいを連れての通園も認めてほしい」等、たくさんの要望が出されました。

 

 とりわけ、ひまわり学園の建て替えにともなう仮園舎への移転で、療育と訓練が別園舎となるため、重い肢体不自由児を保護者の責任で移動させることへの強い不安と不満が出されました。とば市議は「どれも切実な願い。移転にかんする要望はすぐに担当課に申し入れ、その他の要望についても議会でも引き続き求めていきたい」と話しました。

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